在庫回転率の計算と改善方法、適正在庫への活用

在庫回転率の改善方法と適正在庫への活用

    在庫管理アドバイザー岡本茂靖

    筆者:岡本茂靖(在庫管理アドバイザー、日本物流学会理事)

    在庫管理110番代表。在庫管理、生産管理の実務経験を経て、瀬戸内scm株式会社を創業。

    在庫管理に関して200社以上の個別相談、コンサルティング・システム導入を行っている。
    大阪府工業協会講師、日本物流学会所属
    著書:経費15%削減在庫管理術【基礎知識編】、寄稿:在庫最適化のためのIoT活用(日刊工業新聞社)、発表:物流における在庫管理の成功事例研究(日本物流学会)他多数。

    在庫回転率(商品回転率)は在庫管理をするうえで最重要指標です。※財務諸表や管理会計では「棚卸資産回転率」と呼ばれます。

     

    在庫管理アドバイザーが、在庫管理をするうえで絶対に押さえておいていただきたい在庫回転率について、基本知識から適正在庫への活用、改善方法まで詳しく解説します。

    この記事で解説すること
      1. 在庫回転率は在庫の流動性が分かる指標
      2. 在庫回転率の計算方法
      3. 在庫回転率は、売上ではなく売上原価で計算する理由
      4. 在庫回転率の計算を金額・数量で使い分ける理由
      5. 在庫回転率を改善する4つのステップ
      6. 在庫回転率の目標値の立て方と、3つの上げる方法
      7. 資金繰り改善に在庫回転率を利用する

     

    在庫回転率で在庫の動きを可視化できる

    在庫回転率とは、一定期間で在庫がどの程度入れ替わったか?(何回入れ替わるか?)を示す指標です。

    たとえば、1年間の在庫回転率が3の場合、1年間で3回在庫が入れ替わったということを示します。

    • 在庫回転率の数値が大きい:商品(部品)の入れ替わりが早い:在庫が早く売上に変わっている
    • 在庫回転率の数値が小さい:商品(部品)の入れ替わりが遅い:長期間、在庫として滞留している

    在庫回転率を計算することで、在庫の動き(流動性)を可視化できます。

     

    キャッシュフロー向上と在庫維持コストの低下が期待できる

    「在庫回転率が小さい」=「倉庫や工場に在庫が眠っていること」ということを意味します。

    在庫回転率の数値が悪い(=在庫の流動性が低い)と、次のようなことが起こります。

    • 仕入れたお金が長期間在庫として寝ることになる:キャッシュフローが悪くなる
    • 会社内に長期間在庫が滞留する:在庫が増えるため在庫維持コストが上がる

     

    キャッシュフロー(資金繰り)への影響

    資金繰りと仕入の関係

    「在庫=お金」です。在庫の動き(流動性)はお金の流動性と言い換えることができます。

    「在庫回転率」は、仕入れたお金が在庫として会社に寝ている期間(売上になっていない期間)と言い換えることができます。

    在庫回転率が良いとキャッシュフローが良くなる500円で仕入れたものが10日間で売れるのと、20日間で売れるのは、会社にとってどちらが良いかは誰が考えても10日で売れる方が良いでしょう。

    仕入れに使ったお金がいつまでたっても売れない(在庫回転率が悪い)と、キャッシュフローが悪くなり、借金がかさみます。

     

    在庫維持コストへの影響

    在庫回転率が悪いと、在庫が会社に滞留している期間が長くなるので、在庫数が増えます。

    在庫数が増えると、次のような在庫維持コストが発生します。

    • 広い保管場所が必要(倉庫代の増加)
    • 在庫を置く棚や入れ物、フォークリフトなどの設備がたくさん必要(什器、設備の増加)
    • 業務効率の低下(人件費の増加)

    在庫維持コストは在庫金額の10~20%です。

    たとえば、在庫金額が1億円の会社の場合、在庫維持コストは1000~2000万円です。

     

    資金繰りが悪化している」、「毎月月末になると、銀行に駆け込んでいる」という会社には在庫回転率の改善はとても効果的です。

    また在庫量が減るので、管理面も効率的になるため、利益率の改善も期待できます。

     

    機会損失を回避できる

    在庫が増えると、現場がごちゃごちゃして、決まったところにモノが置けなくなります。

    • 隙間や通路にものを置く
    • 陰に隠れて見つけられなる
    • 仮置きが多くなる
    • 担当者が置いた場所を忘れてしまう

    在庫回転率が悪い会社は、在庫が多いことがほとんどで、現場の2S(整理・整頓)もできていません。

    その結果、上記のようなことが起こるため、紛失のリスクも増えますので、売上機会の損失にもつながります。

     

    在庫回転率を向上させれば、売上を確保しつつ現場もすっきりします。

    在庫回転率の計算方法

    在庫回転率は、金額でも数量でも計算できる

    在庫回転率は、在庫金額と在庫数の2つの方法で計算できます。

    それぞれの計算方法について、具体的な数字を使いながら解説します。

     

    在庫金額で計算する方法

    在庫回転率は次の計算式で求めることができます。

    在庫回転率 = 売上原価 ÷ 平均在庫金額

     

    在庫回転率の計算式

    具体的な数値でご説明します。

    • 期首在庫金額:1,500円
    • 売上原価:3,000円
    • 期末在庫金額:3,500円

    この場合の在庫回転率は、

    在庫回転率=売上原価(3,000円)÷平均在庫金額(2,500円)=1.2

    になります。

    在庫回転率計算の具体例

    売上原価の計算方法

    売上原価とは、販売(部品の場合は使用)に必要になった原価です。売上原価の計算式は次の通りです。

    売上原価=期首在庫金額+仕入金額-期末在庫金額

    売上原価の計算方法

    つまり、初めにあった在庫と、仕入れたものから、最後に残ったものを引けば、売上に必要な原価が分かるという考え方です。

     

    在庫回転率の計算に、売上ではなく売上原価を使う理由

    在庫回転率を計算するときに、売上で計算すれば良いのか、売上原価で計算すれば良いのかが分からないと相談されることが多いです。

    結論から言えば、在庫回転率は売上原価を使って計算するのが正しいです。

     

    原価と販売価格の違い

    「売上=販売価格×販売数」であり、「販売価格=原価+利益」です。

    在庫回転率を売上原価(仕入れ値(原価)×販売数)で計算した場合、売上で計算した場合、

    それぞれを具体的な数字を使って解説します。

    • 仕入れ値(原価):100円
    • 販売価格:200円
    • 期首在庫数:0個
    • 期末在庫数:5個
    • 仕入れ数:10個
    • 販売数 : 5個

    売上原価で計算した場合

    売上原価= 100×5 = 500円(仕入れ値×販売数)

    平均在庫= ( 0 + 500)÷2 =250

    在庫回転率 = 500 ÷ 250 = 2

     

    売上金額で計算した場合

    売上金額 = 200 × 5 =1000(販売金額×販売数)

    平均在庫= ( 0 + 500)÷2 =250

    在庫回転率 = 1000 ÷ 250 = 4

     

    売上で計算したほうが在庫回転率が良くなりました。

    売上金額で計算すると、利益が乗るからです。

     

    利益率を上げれば、在庫回転率を良くすることができるということになってしまいます。

    最初にご説明した通り、在庫回転率は在庫の流動性を見る指標です。

     

    利益と流動性は全く関係ありません。

    これが、在庫回転率に売上原価を使う理由です。(売上金額で計算してはいけません!)

     

    在庫回転率の計算は1か月間でもできる

    インターネットで調べると1年間の在庫回転率の求め方しか出てこないと思いませんか?

    しかし、在庫回転率は「一定期間で在庫がどの程度入れ替わったか?」という指標なので、1か月間でも計算可能です。

    1か月間で計算する場合は、次の数値があれば計算可能です。

    1. 月初の在庫金額
    2. 月末の在庫金額
    3. 1か月間の売上原価

    1年、1か月、1週間の在庫回転率の計算方法をまとめました。

    在庫回転率を求める期間を変える

    • 1か月であれば、「期首=月初」、「期末=月末」
    • 1週間であれば、「期首=週の初め」、「期末=週末」
    • 売上原価の合計は、期間中の合計(例:1か月であれば、1か月間の売上原価)

    実務的な改善活動では、1年間の結果を見てからアクションを起こすのは遅すぎます。

    定期的(少なくとも、1か月ごと)にモニタリングすることをお勧めします。

    在庫数で計算する方法

    在庫回転率は数量でも計算することができます。

     

    在庫金額を在庫数に置き換えれば良いだけなので簡単です。

    在庫回転率を在庫数で計算する時の計算式は、

    在庫回転率 = 販売数(使用数) ÷ 平均在庫数

    平均在庫数の計算式は、平均在庫数 =(期首在庫数 + 期末在庫数)÷ 2

     

    在庫回転率の計算を在庫金額と在庫数で使い分ける理由

    在庫回転率を在庫金額使って計算するか、在庫数で計算するかは用途によってはっきりと分かれます。

    次の表にまとめました。

    在庫回転率の計算を在庫金額と在庫数で使い分ける理由と注意点

    在庫金額を使って在庫回転率を計算する用途と注意点

    会社全体、カテゴリーの目標値を立てたり、効果検証をする場合は、在庫金額を使って計算します。

    • 経営的な観点(主に財務改善)※決算書や後述する適正在庫金額(在庫削減額)を決定する時
    • カテゴリーな観点:事業部単位、商品カテゴリー単位などグループごと在庫在庫回転率を見る場合

     

    注意点

    金額は仕入れ方法や仕入れる時期によって変わることがあります。
    例えば、

    • ボリュームディスカウント(大量仕入れによる値引き)
    • 輸入品(為替レート)

    在庫数が全く同じでも、在庫金額が変われば、在庫回転率は良くなったり悪くなったりします。

    同じものでも価格は変化する

     

    例えば、現場の改善によって、在庫の流動性が10%良くなったとしても、原価が10%悪くなれば、

    改善の効果が吹き飛びます。

     

    在庫金額だけで計算すると、改善の効果を正しく評価できません。

    在庫数を使って在庫回転率を計算する用途と注意点

    個々の商品の在庫回転率のモニタリングは、在庫数を使います。

    数量は金額のように変動することが無いため、現場の実態を反映しており、改善効果をダイレクトに評価できるからです。

     

    また、月次決算をしていない会社でも、在庫数や販売数は把握できるため、1か月間など短いスパンで在庫回転率をモニタリングできるのも在庫数で在庫回転率を計算できる強みです。

     

    注意点

    在庫金額の場合は、複数の商品を合算しても良いですが、在庫数で計算する場合は個々の商品(部品)の計算だけにしか使ってはいけません。具体的な数字で解説します。

    在庫回転率(在庫数)の計算は合算してはいけない

    商品AとBの在庫数を合算して、在庫回転率を計算してみました。

     

    在庫数の多い商品Aの結果に引っ張られたような計算結果になってしまいました。

    この結果には何ら意味が無いことが分かっていただけるのではないでしょうか。

     

    最後に、在庫回転率を金額と数量で期間別(1年間、1か月、1週間)に計算する方法をまとめました。

    在庫回転率を数量で計算する

     

     

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    在庫回転率から在庫回転日数を計算する方法

    実際の実務では、在庫回転率よりも在庫回転日数の方が理解しやすいためお勧めです。

     

    在庫回転日数の計算式は、次の通りです。

    在庫回転日数=日数÷在庫回転率

    ※日数は、売上原価(販売数)の集計期間

     

    例えば、決算であれば、売上原価の集計期間は1年(365日)です。
    先ほどの在庫回転率=1.2を在庫回転日数に直してみます。

     

    在庫回転日数=365÷1.2≒304.1

     

    つまり、在庫が1回入れ替わるのに約304日かかっている(=304日間在庫が寝ている)

    ということが分かります。在庫回転率よりもイメージしやすいのではないでしょうか?

     

    在庫回転日数についてはこちらで詳しく解説しています。

    在庫回転日数の計算方法を知る

     

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    【業界別】在庫回転率の適正値

    業界によって在庫回転率の適正値があります。

    あなたの会社が属する業界の在庫回転率が会社が目指す適正値の目安になります。

    業種別の一般的な在庫日数は次の通りです。

    • 製造業 30-50日
    • 卸売業 20-30日
    • 小売業 15-20日

    売上規模によっても若干の違いがありますので、TKC経営指標(BAST)からご紹介します。(赤枠内が在庫回転日数)

    在庫回転率の比較

    TKC経営指標(BAST)とは、

    「TKC経営指標(要約版)」は、「TKC経営指標」に収録した業種のうち、中分類87業種及び細分類492業種について、企業経営者が自社の経営状況の確認、および経営方針の決定に不可欠な売上高、成果配分(限界利益率、労働分配率、1人当り人件費)及び収益性、債務償還能力に関する経営分析項目14項目を抽出し収録したものです。引用:TKC

     

    製造業の場合

    製造業の場合は、仕入れ→販売だけではなく、「生産」というプロセスがあります。

    そのため、作っているものや作り方(例えば、機械組み立てと、化学製品など)によって、生産の工程やリードタイムがかなり違います。

    たとえば、比較的製造リードタイムの長い工作機械と、小さな部品製造、設備に原材料を投入する化学メーカーなどを想像してもらえば分かりやすいでしょう。

    部品(原材料)、仕掛品、製品(完成品)の在庫回転率も特徴があります。

    製造業15業種の在庫回転率をまとめました。
    あなたの会社が製造業の場合、自社の適正在庫の目安としてご利用ください。

    製造業15業種の在庫回転率

     

    業界標準=自社の適正値とは限らない

    実は、業界の標準値が自社の適正な在庫回転率とは限りません。

    例えば、同じようなものを販売していても次のような場合は、その会社に適正な在庫回転率は同じではありません。

    • 商品の仕入れの大半が国内調達
    • 商品の仕入れの大半が海外調達(輸入)

    また、製造業の場合は、生産方式が違えば、競合他社と同じにはなりません。

     

    適正在庫金額の計算方法

    目標とする在庫回転率が分かれば、自社の適正在庫金額を計算可能です。

    適正在庫金額の計算式は次の通りです。

     

    適正在庫金額=目標売上原価÷目標在庫回転率

    ※目標売上原価は、売上×原価率から計算する

     

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    在庫回転率を向上(改善)させるための6つのポイント

    在庫回転率を適正値にするための6つのポイントを解説します。

    現状の在庫回転率を知る

    最初に、自社の現状を知ることから始めます。

    1. 会社全体の在庫回転率:直近の決算情報から、会社全体の在庫回転率を在庫金額で計算する
    2. 各商品の在庫回転率:最新の商品在庫情報から、各商品の在庫回転率を在庫数で計算する

    会社の目標、財務計画から在庫回転率を計算する

    経営面から明確な目標があれば、そこから適正な在庫回転率を計算できます。

    たとえば、

    • 税理士や公認会計士から在庫金額の目標値を設定された
    • 運転資金を○○円減らしたい
    • 在庫金額を○○円減らしたい

    といったような経営、財務面から目標があれば目標の在庫回転率を計算できます。

     

    目標在庫回転率=目標売上原価÷目標在庫金額

    ※目標売上原価は、売上×原価率から計算する

     

    同じように、運転資金からも逆算可能です。

     

    リードタイムを把握する

    在庫金額から目標が決められない場合は、実務面から在庫回転率の目標値を決めます。

    実務面から適正在庫を知るカギはリードタイムです。

     

    たとえば、発注リードタイム(発注してから納品されるまでの日数)が7日間の場合、

    最低限必要な在庫数は、リードタイムの日数分です。

    つまり、在庫回転日数=7日が適正値といういうことができます。

     

    逆に言えば、発注リードタイムが7日間にも関わらず、在庫回転日数が40日であれば、在庫を持ちすぎ・・・

    と言えるので、7日間を目標値にして、在庫削減に取り組むことが可能になります。

     

    なお、製造業の場合は、仕掛品もあるので、生産リードタイムも把握しましょう。

    簡単にまとめましたので、参考にしてください。

    対象把握しておきたい日数

    発注リードタイム商品、部品商品や部品を発注してから納品されるまでにかかる日数
    生産リードタイム仕掛品生産工程(生産に着手してからその工程が完了するまで)

     

    発注リードタイムや生産リードタイムについて詳しく知りたい場合は、こちらの解説をご覧ください。

    リードタイムの種類と短縮方法

    製造リードタイムをコントロールする

     

    死筋商品を把握する

    在庫回転率は商品の流動性を高めることで改善します。

    よって、死筋商品を把握し、流動性を高めます。

    流動性を高める方法は、販売数を増やすか、仕入れを抑える化のいずれかです。

    販売数を増やす方法

    • 販促活動(広告や営業活動)
    • 販売価格を下げる

    仕入れ数を抑える方法

    • 安全在庫を減らす
    • 発注ロットを少なくする

    死筋商品を早く見つけて、早く手を打てば、処分する必要が無くなります。

    不良・滞留在庫を処分する

    死筋商品を見つけるのが遅れた場合、売りたくても売れません。

    その場合は思い切って処分するしかありません。

     

    先に説明したように、在庫が増えると在庫維持コストが増えます。

    私が支援したある会社では4つの倉庫を借りていましたが、そのうち1つは動いていない商品ばかりが置かれていました。毎月、毎月、保管のためだけにお金を払い続けていた・・・。

    ということです。

     

    処分する商品を見つける方法としてお勧めなのが、赤札作戦です。

    赤札作戦とは、不良・滞留在庫を見える化する方法です。

    在庫処分をするために!赤札作戦の進め方

    在庫精度を上げる

    在庫精度が悪いと、「在庫が無くなったら困る」と考えますので、仕入れや生産が多め、多めになります。

    すると、在庫の流動性が悪くなって、在庫回転率も悪くなります。

     

    在庫精度が悪い(具体的には、在庫精度が90%以下)の場合は、まず在庫精度を上げることをお勧めします。

    在庫管理110番では、在庫精度を上げるための棚卸セミナーを定期的に開催中です。

     

    私がコンサルティングした会社で実践し、在庫精度を30%から95%まで引き上げた方法です。

    棚卸時間の短縮も実現できます。

    棚卸改善(在庫精度の向上と、棚卸時間の短縮を同時に実現)

    まとめ

    計算方法から活用方法まで盛りだくさんで解説しました。在庫回転率の重要性がお分かりいただけたと思います。

    これまで解説したことを簡単におさらいします。

    1. 在庫回転率は、在庫の流動性が分かる。改善すれば資金繰りが良くなり、在庫維持コストも減らせる。
    2. 在庫回転率は、金額(売上原価を使う)と数量で計算できる。経営は金額、現場は数量が良い。
    3. 在庫回転率には、自社の適正値がある。業界標準や自社のリードタイムから把握する。
    4. 在庫回転率は向上させることができる。特に死筋商品の対応強化、不要在庫の処分が効果的。

     

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    ※他にも在庫管理に役立つ、在庫管理表や役立つフォーマットもありますので是非使ってください。

     

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