制約条件の理論

TOC(制約条件の理論)とは、物理学者のエリー・ゴールドラット
博士が開拓した手法です。
この理論の実践が、日本の製造業に負け続けていた

アメリカの製造業の復活に一役買ったといわれています。

TOC((制約条件の理論)をテーマにした本「ザ・ゴール」は
世界的に大ヒットしました。
1984年にアメリカで出版されましたが、日本で出版されたの
は17年後の2001年でした。

日本語版の出版がかなり遅れた理由は、

日本人は、部分最適の改善にかけては世界で超一級だ。
その日本人に『ザ・ゴール』に書いたような全体最適化
の手法を教えてしまったら、貿易摩擦が再燃して世界経済が大混乱に陥る

と恐れていたからだと言われています。

TOC(制約条件の理論)を簡単に表すと、
ゴールの達成を阻害する制約条件を見つけ、それを
改善するためのシステム改善手法

となります。

ここでいうゴールとは、企業で言うと、
「将来にわたりお金を儲け続けること」
となります。

ここでTOC(制約条件の理論)は、お金を
儲けることを3つの条件で定義しています。

  1. スループットの増大
    製品を出荷・販売することで入ってくるお金(売上-仕入)
  2. 総投資の低減
    設備、棚卸資産など、製品を生産するための投資
  3. 経費削減
    固定費(人件費等を含む)の削減

最優先事項はスループット(売上高-仕入高)を
増大することだと言ってます。

TOC(制約条件の理論)は、生産活動全体を
鎖のようなものに例えています。
生産活動は鎖のようなもの
いくら強力な太い鎖だとしても1本でも強度の
低いものが混じっていると、全体の強度は一番弱い部分に依存するため、
引っ張るとすぐにちぎれてしまいます。

工場でも同じことが言えます。
どんなに生産能力の高い工程があっても、最も生産能力の低い工程に
工場の生産能力は左右されてしまいます。

TOC(制約条件の理論)による改善のステップ

  1. 制約条件を見つける
    最も重要なステップです。この条件がスループットの
    決定要因になるからです。TOCを理解して、制約条件を社外に
    求めず、社内で探します。
  2. 制約条件を徹底的に活用する
    制約条件の中の隠れた生産能力を引き出す
    アメリカではこの活動を行うことで30%以上の隠れた能力が
    引き出されたと報告されているようです。
  3. 制約条件以外を制約条件に従わせる
    制約条件以外は、稼働率を100%にするという考えを
    改めて、「仕事が無かったら止める」という考え方にします。
    これは、各工程のコストを最小にすれば、全体のコストも
    最小になるという考えに基づいています。
  4. 制約条件の能力を向上させる
    ステップ2で制約条件の隠れた生産能力を最大限に引き出し、
    それでも足りないところを設備投資などで強化します。
  5. 惰性に注意をしながら第一ステップに戻る
    次の制約条件を探し、次の活動に着手する。

TOC(制約条件の理論)の事例

例えば、3つの工程で成り立っている工場があったとします。

工程1の生産能力・・・50個
工程2の生産能力・・・30個
工程3の生産能力・・・50個

この工場は、1日に最大で何個生産できるのでしょう。
答えは、30個ですね。
TOCと生産能力の関係

いくら工程1と3が大きな生産能力をもっていても、
たった一つでも制約条件が入ってしまうと、工場全体が
制約条件に引っ張られてしまいます。

そこで、まずは工程2に合わせた生産を行います。
すると、工程1と工程3は減産というかたちになります。

工程1はこれまで50個を作り続けていたため、
必ず20個が仕掛品として残り続けて、しかも増え続けました。
工程2は残業をして対応をしていました。

30個に減産したことで、

  • 仕入れる部品の量を減らすことができた。
  • 仕掛品在庫ができなくなる
  • 工程1で余剰になっていた人員を工程2に回すことができた

工程3は、工程2から30個しか流れてこないため、常に20個分
の生産が手待ちになっていました。

30個に減産したことで、

  • 仕掛品不足が解消
  • 手待ちになっていた人員を工程2に回すことができる。

工程2は、30個にしたことにより生産が安定し残業も
なくなります。さらに、工程1と3からの人員の応援
により生産能力が増強されます。

工場全体では、売上高が減少したものの

  • 残業代の削減
  • 仕入れの削減

の2つが達成できたことになります。
さらに見えにくい費用ですが管理費も削減
できたことは言うまでもありません。

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