バランススコアカードとは

バランススコアカード

バランス・スコアカード(Balanced Scorecard、BSC)とは、
ハーバード・ビジネススクールの教授であるロバート・カプランと
バランス・スコアカード・コラボレイティブ社の社長であるデビッド・ノートンが1990年代初めに提唱した理論です。

社外の視点から見た事業評価と社内の視点から見た事業評価で、
以下の4つの視点から経営指標を設定します。

  1. 財務の視点:投資家の立場
  2. 顧客の視点:バリューチェーンの視点
  3. 内部プロセスの視点:事業を推進する各オペレーション担当の視点
  4. 学習と成長の視点:事業活動の根幹ともいえる従業員や組織の立場

これら4つの視点はすべて連鎖し、最終目標達成のためのフィールド
という位置づけです。

バランス・スコアカードの特徴

バランス・スコアカードの最大の特徴は、決算書を分析しながら表層的な結果を捉えるのではなく、それをもたらした事業戦略のパフォーマンスを多角的に評価するという明確な目的意識によって作られたという点です。

戦略のプロセスを把握し評価することが、経営管理に求められる
本来の業績評価といえるでしょう。

バリューチェーン

バリューチェーン
話は少し脇道に逸れますが、皆さんはバリューチェーン(Value chain)
という言葉をご存じでしょうか?

バリューチェーンとは、原材料の調達から製品・サービスが
顧客に届くまでの企業活動を、一連の価値(Value)の連鎖(Chain)
としてとらえる考え方です。

競争戦略の第一人者であるマイケル・E・ポーター氏が
1985年の著書『競争優位の戦略』で提唱した理論です。

企業戦略の策定には欠かせないフレームワークとなっています。
このバリューチェーンの評価方法の一つに連結会計があります。

連結会計とは、グループ企業の業績を一元的に評価するものですが、
結果を会計的に捉えているにすぎないため、バリューチェーンでいう
価値連鎖を評価するために設計されておりません。

バランス・スコアカードの優れた点は、過去の実績評価だけでなく、
将来性に対する評価についてもカバーしていることです。
したがってバリューチェーンの評価方法として適切です。

バランス・スコアカードの内容

経営課題を仮にキャッシュフロー経営とした場合、
以下のようなことが求められます。

  • サプライチェーンの最適化
    ‐スピード経営
    ‐収益の向上
    ‐遊休資産の売却
    ‐資金効率の向上
    ‐投資効率の向上等

これらを4つの視点で整理すると、以下が想定できます。

  1. 財務の視点: ROI、ROE、ROA、FCF
  2. 顧客の視点: 顧客対応時間、顧客満足度ランキング、顧客不満足度
  3. 内部プロセスの視点:キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の向上、在庫回転率の改善、納期遵守率の改善、受注から納入までのSCMリードタイムの短縮
  4. 学習と成長の視点:販売情報、在庫情報の統合データベース化率、新製品開発の導入、サイクルタイムの短縮、データ分析力

これらは、目新しいものではありません。
多くの企業では個々のKPIとして取り組んでいます。
バランス・スコアカードでは、

  • 財務の視点
  • 顧客の視点
  • 内部プロセスの視点
  • 学習と成長の視点

それぞれの視点のKPIと照らし合わせながら成熟度を測っていきます。
それにより部門や個人にまでブレイクダウンした組織的な活動に落していくことができます。

ただし、すべての視点を網羅することは難しいケースも多くみられます。
したがって掲げた大目標に到達するための重点領域にスコープを絞ります。
そして階層ごとの目標を作成していくことが重要です。

バランス・スコアカードはトップダウンの経営改革

バランス・スコアカードを有効に活用するためには、
まず、経営計画に織り込むことが前提条件です。

結果とプロセスの進捗を全社的にフォローできる体制を確立します。
プロジェクトオーナーは、トップ及び経営管理部門になることが普通です。

業績評価指標として、結果のレビューはもちろんのこと、
評価体系の見直しまで踏み込んで、導入する価値があるか
どうかをじっくりと議論する必要があるでしょう。

バランス・スコアカードの基本的概念図

バランススコアカードの基本概念図
バランス・スコアカードは4つの視点がすべて連鎖
している点が最大の特徴です。

経営陣は総資本利益率の向上を掲げる場合、
顧客の視点では顧客ロイヤリティの向上が必要になります。
そのためには納期を守ること。納期遵守を実現するためには、
業務プロセスの改善と差サイクルリードタイムの短縮化が求められます。
そのために従業員のスキルアップが求められます。

ひとつずつ、目的から逆算して、やるべき事が決まっていきます。

事例:サウスウェスト航空会社

サウスウェスト航空会社では、目標利益率を確保する手段として
バランス・スコアカードを導入しました。

戦略目標と重要性好要因を定め、業績評価指標、数値目標、
アクションプランを明確にします。

バランススコアカードを成功させるコツ

最後にバランス・スコアカード成功のカギと失敗要因について紹介します。

バランス・スコアカード成功のカギ
トップのリーダーシップに加え、組織全体の
コミュニケーション力、透明性は極めて重要です。

バランス・スコアカードの失敗の原因と起こりやすい失敗
バランス・スコアカードは組織全体にまたがる活動であるため、
リーダーの求心力、何としても達成するという強い思いが共有されないと
失敗を招きます。

またうまくいかなかったとき、どう軌道修正するか、
プロジェクトマネジメント力も求められます。

バランススコアカードを導入したい方へ

高井先生は実務的な管理会計・キャッシュフロー経営のスペシャリストです。
ソニーにて多数のご経験を積まれ、実績を残されています。
欧米ではスタンダードな経営指標であるキャッシュ・コンバージョン・サイクルの普及に努めている数少ない専門家です。
バランススコアカードを経営指標として取り入れてみたいというご相談がありましたら、以下のフォームよりお気軽にお申込みください。

高井先生へのご相談、お問い合わせはこちら