ヒストグラムをエクセルで簡単に作る方法|階級値・データ区間の決め方

ヒストグラムとは?

ヒストグラムを作る手順を、わかりやすく紹介します。

エクセル(Excel)のデータ分析機能を使えば、3つのステップで作成できます。

エクセル初心者でも、簡単に作成できるように図解と動画付きで説明していきます。

ヒストグラムで難しいとされるのが、階級値・データ区間の決め方です。

平均値を安易に使ってしまうと、間違った分析をしてしまう恐れがあります。

適切な分析・予測をするために、適切な階級値・データ区間の決め方をお伝えします。

「ヒストグラムを、どう業務で使えばいいのかわからない」・・・そんな問題が解決します。

私自身、ヒストグラムを在庫管理業務で使用しています。例えば、出荷数の予測や発注数を決める際に役立つので、ぜひ実践してみてください。

エクセルだけで、分析・生産計画などを効率化するノウハウを発信してきました。現場での経験をフルに落とし込んでいるので、すぐに業務で使えます。業務改善や生産性の向上をしたい方は、こちらもご活用ください。

エクセルだけで在庫管理する方法まとめ(分析・生産計画が無料で実現)

ヒストグラムとは

ヒストグラム(日本語で度数分布図)とは、データの分布(ばらつき)を視覚的にわかりやすく表したグラフです。
データをいくつかの区間(上記の例は、得点を10点刻み)に分けてその区間のデータを集めて、その区間に含まれるデータの数(専門用語で度数と言います)を「棒グラフ」で表したものです。

  • 横軸にデータ区間(階級):上記の例では得点
  • 縦軸にデータの個数(度数):上記の例では人数

どのようにヒストグラムを作成するするのか、3つのステップで紹介します。

使用するので、エクセルのデータ分析機能です。

10分ほどの動画で解説しています。視聴しながら実際に作成していただくと、習得しやすくなります。

ヒストグラムを作る3つの手順

  1. ヒストグラムを作るためのデータを集める。
    データの数は100個以上(少なくとも50個)が望ましい
  2. 階級を一定間隔に分ける
  3. ヒストグラムを作成する

在庫管理におけるヒストグラムの役割とは?

在庫データの見方は、大きく分けて2つあります。

  1. 時系列でみる
  2. 分布でみる

時系列は、折れ線グラフで表したグラフです。

折れ線グラフの特徴は、データの傾向や推移を時系列で見れることです。

下記の折れ線グラフは24か月間の販売データです。

販売数の時系列データ

同じデータをヒストグラムであわらすとこうなります。

販売数のヒストグラム

ヒストグラムでみるとずいぶん様子が変わります。上記の場合は左側(販売数の小さい方)にデータが偏っているということがわかります。時系列では見えないデータの特徴を見ることができるのがヒストグラムです。

ヒストグラムはデータの分布をみる

代表的なヒストグラムの3タイプ

ヒストグラムでどこにどんなデータが多いのかというデータの分布が一目で分かります。

特にデータの多いところ(山の頂上)がどこにあるか、その特徴によって「データの分布の形」は大きく分けて3種類あります。

  1. 山の頂上がデータの中央付近にある
  2. 山の頂上がデータの右側または左側に偏っている
  3. 山の頂上が2つ以上存在する

データの分布は在庫管理にとって重要

山の頂上がどこにあるかというのは、在庫管理にとってとても重要です

皆さんは在庫分析の数値として平均値をよく使っていると思います。しかし、平均値は安易に使えないということをご存じでしょうか?先ほどの3つのヒストグラムのうち、「山の頂上が中央付近にある」ヒストグラムでないと、平均値を使ってはいけません。

理由はこうです。仮に100人の生徒がいて、0点が50人、100点が50人いたとします。この時、平均値は50点です。

この50点という数字は参考になる数字でしょうか?間違いなく、参考にならないですね。先ほどのデータの分布の形でいうと、3つ目「山の頂上が2つ以上ある」に該当します。

つまり、データの分布を知らずに平均値を安易に使うと、間違った結果に基づいた間違った判断をしてしまう可能性があります。

安全在庫の算出

安全在庫の公式をご存じでしょうか?

計算式は、

安全在庫=安全係数×使用量の標準偏差×ルート(発注リードタイム+発注間隔)

となります。安全在庫の詳しい求め方はこちらをご覧ください。

安全在庫の計算方法・設定の注意点

この公式を使えば、統計学的な安全在庫数を計算できます。

しかし、ここにもデータの分布が関係しています。この公式の中に、「使用量の標準偏差」というものがあります。

標準偏差は、平均値からのデータのばらつき具合を示した値ですが、これは正規分布を前提としています。

正規分布とは先ほどの「データの分布の形」でいうと、「1:山の頂上がデータの中央付近にある」に該当します。

つまり、それ以外のデータ分布の場合は、安全在庫の公式は使えない(使ってはいけない)ということです。

過去○○か月の出荷データを見て平均出荷数を計算、そしてその数値を出荷数の予測値として使い、発注数を決める・・・

ということを行っていませんか?ぜひ、これからはヒストグラムも作ってみて、データの分布を確認してみてください。

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