在庫の3大言い訳

在庫が多い!
とお悩みの方に話を聞くと、大体次のような
理由が挙がってきます。

  • 注文は未来のことだから分からない
  • うちは多品種少量生産だから
  • 短納期だから

私はこれらを、在庫の3大言い訳と呼んでいます。

これらを注意深く見ると、全て自分は悪くないと
言ういい方になっていることに気づきます。

「注文は未来のことだから分からない」は、
まさに分からないことはしょうがないという
気持ちの現れです。

「うちは多品種少量生産だから」は、
言葉の裏に、お客から来る要求に次々と対応していた
こうなった。だから仕方がない。

「短納期だから」は、
お客から何の予告もなく注文が入る
しかもいつも急ぎばかり、だから仕方がない。

原因を外部に押し付けているので、思考が停止してしまっています。

社内の問題を解決するのが大変なように、
外部を変えるのはもっと大変です。
まずは、工場でできることを考えてみましょう。

効果の大きな方法をご紹介します。

需要予測をやる

もっとも効果的なのは需要予測です。
未来は誰も分からないのは当たり前で、完璧な予測は
不可能ですが、これをやることで実需要との差異を小さくして
在庫を減らすことができます。

在庫=重要予測-実需要

この式を覚えておきます。

コンビニには約3000点という商品が所狭しと並んでいます。
この狭いスペースで、在庫と機会損失にしなければいけません。

そのためにコンビニは、その日の天気や地域の特性
(オフィス街や住宅街、住民構成)など様々なデータを
蓄積し、そして現場で活用しながらトライ&エラーを繰り
返し需要予測の精度を高め続けています。

小売業は、最終消費者の最前線にいる最も
需要予測が難しい業界です。

製造業にできないはずはありません。
勘による場当たり的な発注や生産はもう止めましょう。

製造は、科学的であるべきです。
科学の世界は常に、原因と結果、法則があります。
常に根拠を求めます。
工場も同じで、発注量を決めた根拠、在庫を多く持たなければ
行けない根拠を数字で示すことが大切です。

根拠があれば、基準や判断ができるので、それが
正しかったかどうかを検証できます。
検証ができれば、改善もできます。

根拠が無ければ改善は不可能です。
いつまで経っても前に進むことはできません。

需要予測の具体的な方法は、こちらを
ご覧下さい。
需要予測?

リードタイムを短くする

リードタイムを短くすれば、需要予測の期間を短くすることが
できますし、短納期にも対応できるようになります。
リードタイムは大きく分けて、発注リードタイム製造リードタイム
があります。
部品の発注に関しては、サプライヤーとの交渉が必要なので、
まずは製造リードタイムを見直します。

生産ラインに無駄は無いか

製造リードタイムの改善でまず取り組むのが、ムダの発見です。

作業員の行動は、以下の3つの動きで成り立ちます。

  • 段取り
  • 加工
  • 移動

このうち、価値のある行動は加工のみです。
段取り、移動には一切価値は無く、全て無駄な行動です。

ついつい、生産ラインのレイアウトや加工方法の見直し
などに走りがちですが、現状のムダを探るのが先です。

まずは、在庫を探したり、頻繁に取りにいったり
することが無いかどうかをチェックします。

仮に毎日10分間、在庫を探している時間があれば、
月間200分(約3.5時間)損をしていることになります。

作業員の人件費が、給与と福利厚生費で2万円だったとすると、
それだけで、約7万円の損失になります。
それが、10人いれば、なんと70万円の損失です。

ムダ探しをしていると、次々と問題が見えてきます。
本当は必要の無い作業を行っていたり、作業員が無理を
して行っている作業が隠れているかもしれません。

生産ラインの見直し

前後の工程が行ったり来たりするようなレイアウトに
なっていると、移動のムダが生まれます。
工場の動線が見直しが必要です。

2つの工程が合流するところなどに、在庫が発生しやすい
ポイントです。合流をできる限り減らす仕組みや生産ライン、
設計が必要です。
できる限り工程はシンプルであることが望ましいです。

外部と話し合いをする

いよいよ、外部との話し合いです。
販売先とサプライヤーに求める情報はそれぞれ違います。

販売先には、内示(注文予定)をもらいます。
場当たり的な生産をやっていない限り、必ず生産計画
が存在します。
生産計画があれば、部品調達計画も必ずあります。

「今までもらったことが無い」のであれば、
まずはもらえないかどうか聞いてみると良いでしょう。

そして、もらった内示と実際の注文のかい離率を
見て、内示の精度をチェックします。
かい離が大きな場合は、販売先に伝えるとともに
かい離を見越して安全在庫の積み増しも検討します。

サプライヤーとは、発注リードタイムと発注ロットの
見直しを行います。
私の経験上、意外と発注ロットはすんなりとOKしてくれる
ことが多かった記憶があります。
それは、最初に決めた事だから変更要求しづらかったとか、
生産の状況が変わり、今の発注ロットは正直きつかったなど、
本音がポロッと出てきます。
サプライヤーにとっては、あなたがお客様です。
あなたのほうから声をかけると意外と喜ばれます。

時には、発注ロットの引き下げとの引き換えに購入価格
の値上げを要求されることがあります。

いらない在庫を抱えておくよりも、少しの値上げのほうが
全体を見たときに工場にとって損失が少ないです。

私の場合は、ロットが10個、使用頻度は年に2個という
在庫がありました。
在庫は5年分あります。
ロットを1個と引き換えに値上げに応じたこともあります。
毎回、棚卸しをしたり、2年に1回くらいは必ず在庫を紛失
していたので、ロットを小さくした方がメリットがありました。

工場が納期と供給量を決める

究極の方法と言ってもいいかもしれないです。
限定品、オーダーメイド品はこのような手法が多いです。
ブランド品は、この方法を取っています。
この方法のメリットは、顧客の都合に合わせることなく、
しかも高単価を維持できるということです。

お客はあなたの商品が欲しいので、
あなたの言うことに従い、ずっと待ってくれます。

例えば、イタリアの高級車フェラーリ。
年間の生産台数は、たったの約7000台だそうです。
ちなみにトヨタは、年間約318万台です。
フェラーリの生産台数は、トヨタのわずか0.2%しか
ありません。

商品は、需要と供給のバランスによって成り立っており、
供給 > 需要 となった時に値崩れが起こります。
牛丼の安売り競争がそれに当たります。

反対に供給 < 需要 となった時に、
価格が高騰します。

先ほどのフェラーリ関連でこういった記事もあります。
フェラーリ 生産抑制で希少価値高める、純利益は5%増

つまり、行列を作ればいいのです。

マーケティング、ブランディングなどの
製造業が苦手な要素が必要ですが効果は絶大です。

部品メーカーがこれで成功した事例もあります。
例えば、

‐鋳物技術を生かした鋳鉄鍋
元々ある技術を転用して、数か月待ちの大人気商品に。
なぜ、名古屋の町工場が世界一の「鋳物ほうろう鍋」を開発できたのか?

長年培ってきた技術、真似できない独自技術を
他分野への転用を考えてみてはいかがでしょう?

これを実現するためには、「忙しい状況」を
まず改善しなければいけません。

在庫管理を改善して、資金繰りを良くして時間を
作れば新たな挑戦も可能です。

不良在庫を減らし利益が出る会社を作るために

在庫管理は100社あれば100通り。
他社の話を聞いても、「うちの会社とは違う」と
思うのは当然です。

自社に合った在庫管理をやるためには、
基礎的な考え方・知識をしっかりと理解して、
自社に応用する力を身につけなければいけません。

在庫管理110番は「強い工場」作りを
支援するための在庫管理講座を開講しています。

在庫管理とは何か?
という根本に徹底的にこだわった内容で、
参加者からはシンプルで分かりやすいと
好評をいただいています。

在庫管理に学びの場を!

在庫管理改善支援センターは、在庫管理に解決策が見出せず
お悩みの経営者、担当者向けに「学びの場」を2つご用意しました。

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