在庫を減らすコツ

彼を知り己を知れば百戦殆からず

敵のことを十分に知り、そして自分のことを客観的に
十分知れば、どんな戦いにも勝つことができる。

孫氏の兵法に書かれている故事の一つです。

在庫を減らしたい(増やしたくない)のであれば、
まず在庫のことと自分のことを知りましょう。

在庫ができる原因は4パターンある

まず、在庫ができる原因は次の4つの方程式
で成り立ちます。

  1. 在庫=入庫-出庫
  2. 在庫=需要予測-実需
  3. 在庫=活動の結果
  4. 在庫=流れが止まったところ

在庫は入庫によってできる

在庫=入庫-出庫は、一番大切な原理です。
そもそも入庫さえしなければ、在庫は生まれません。

入庫とは、発注した部品や生産途中の仕掛品、そして出荷前の
完成品を指します。

入庫と出庫は常に連続していて、以下のように
なっています。

入庫と出庫の関係

まず、サプライヤーから部品を調達して、倉庫や棚に格納します。
これが部品在庫です。
これを生産ラインに払い出して(出庫)、製品を作ります。
製品になるまで、いくつもの工程をくぐっていきます。

部品が組み合わさったり、加工されたりすると仕掛品という
在庫が出来上がります。
仕掛品在庫は、いったん生産ラインの外に払い出され(出庫)、次の
生産ラインに供給(入庫)されます。

仕掛品は生産ラインの中で、入庫と出庫を繰り返します。
そして、製品が完成します。

製品は出荷指示があるまで、在庫として保管されます。
そして、出荷される(出庫)とようやく工場の手を離れます。

そして、顧客のところに納入(入庫)されます。

入庫しなければ在庫は生まれない
とはどういう意味か?

極端なことを言えば、

製品をお客に直接発送する。

ということです。

そうすれば、在庫は一切できません。

卸売業や小売ならこのようなことは可能かも
しれませんが、製造業は「作る」という工程が
あるため、入庫は必ず必要です。

しかし、極限まで減らす方法として、
受注生産があります。

受注生産は、お客の注文によって
初めてものづくりを開始します。

部品在庫はほぼゼロにできますが、仕掛品
どうしてもできます。

そこで、製造リードタイムを短くして仕掛品
もできるだけ減らします。

在庫は予測と実需のアンマッチで起こる

需要予測数と実需要数の差を縮めてやれば、
事実上、在庫を減らすことができます。

実需は、最終製品を使う消費者にゆだねられています。

例えば、タイヤを作っているメーカーであれば、
次のような販売先が考えられます。

  1. 自動車メーカー(部品として)
  2. サービスセンター(補給パーツとして)
  3. カー用品店(商品として)

部品としても、そのまま売れる製品にも
なります。

自動車メーカーに販売する際は、自動車が最終製品
なので、自動車の販売台数がカギになります。

タイヤの使用数量は、

タイヤの本数=自動車の台数 × 4本

そしてもうひとつ大切な尺度は、リードタイムです。

自動車のタイヤが最終消費者に届くリードタイムは、
3つのリードタイムの合計になります。

そのリードタイムとは、

  1. タイヤメーカーのリードタイム
  2. 自動車メーカーの総リードタイム
    +自動車販売店が車を売るまでのリードタイム

つまり、需要予測をするためには、次の2つが必要と
なります。

一般的に最終消費者に近づけば近づくほど、
需要予測の精度は上がっていきます。

需要予測のブレ

では、入庫する品種や数量はどのようにして決めれば
いいのか?

製造業は比較的最終消費者から遠い位置にいるので、
最終消費者の情報や動向を得にくいです。

そこで、最終消費者になるべく近い位置にいる
業者から情報を得ます。

次のような方法が考えられます。

  1. 販売先から内示をもらう
  2. 統計資料を使う
  3. 調査会社から情報を買う
  4. 小売店から情報をもらう
  5. 消費者に直接聞く

販売先からの内示

販売先から内示や生産計画をもらい、
それを基に生産計画を立てれば、予測の精度は上がります。

統計資料

国や自治体から出ている統計情報や業界団体が発表している
情報も大きな傾向をつかむために使えるデータです。
予測情報ではないので、データを分析して自社で予測を
立てる必要があります。やや情報が遅いのが難点です。

調査会社に調べてもらう

市場の情報や動向を専門に調査している会社は
たくさんあります。お金はかかりますが、見通しまで
予測を立てているので、情報の種類によっては
大きな武器になります。

小売店から情報をもらう

最終商品を直接消費者に売っている小売店の
情報は最も有益です。
小売店は、消費者の声をダイレクトに聞いています。
どんな予測にも勝る情報源です。

消費者に直接聞く

アンケートや電話などで消費者に直接聞くのも
ひとつの方法です。
この方法は、「質問」が重要で、
質問内容、質問の構成の仕方、相手への問いかけ方が
重要です。

在庫=活動の結果

在庫は、会社の様々な活動の結果によって起こります。
需要予測も活動のひとつですし、製品を設計して新部品が
必要になるのも活動の結果です。

在庫はアクションしない限り、自然出来上がることは
ありません。在庫には必ず理由があります。

一度生まれた在庫は、アクションを起こさない限り、
減っていきません。
つまり、余剰在庫は原因追求と改善活動が必要です。

在庫は流れが止まったところにできる

保管・停滞が在庫を生みます。
部品が納入されてから、すぐに出庫して生産に着手
すれば、部品在庫は減りますし、製造リードタイム
短くすれば、仕掛品在庫も減ります。
お客様の注文だけに基づいて生産すれば製品在庫も
ほとんどゼロにできます。

流れを止めない工夫や努力が在庫を減らします。

在庫は自社責任

在庫が生まれる理由は、全て自社にあります。

外部環境は理由になりません。

  • お客様の要求が短納期だから
  • 多品種少量生産だから
  • 販売先が内示をくれないから

まずは、他責にすれば考えることを止めてしまいます。
まずは、自責の部分を改善していきましょう。

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