在庫回転日数に関連する管理指標

在庫は、営業、生産、調達、物流に関連する資産です。
そして在庫回転日数は、在庫の量を評価する重要な指標です。
在庫回転日数の測定方法は、大きく二つあります。

  1. 在庫数量÷販売数量
  2. 在庫金額÷売上原価

経営資産としての在庫は、金額把握となります。

在庫回転日数に影響を与える管理指標を下記にまとめてみました。
在庫回転日数に影響を与える管理指標
管理指標は、大きく二つに分けられます

  1. 経営管理、財務・経理に関連する管理指標
  2. オペレーションに関連する管理指標

経営管理、財務・経理に関連する管理指標

まず、経営管理、財務・経理に関連する管理指標をご紹介します。

総在庫と在庫回転日数 

経理上、確定した在庫が適切かどうかを判断します
また月中の状況を把握することで、資金繰りに活用します

その他経営指標と在庫回転日数

次の3つの経営管理指標の改善を図るために、
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の
変換が必要になります。

  • ROE(株主資本利益率)
  • ROIC(投下資本利益率)
  • FCF(フリーキャッシュフロー)

棚卸資産回転日数=在庫額÷売上原価

オペレーションに関連する管理指標

いくら経営にかんする管理指標を立てても、実行するのは現場です。
現場が実際に理解できる実務のオペレーションに直結する管理指標が
必要です。

販売予測達成率と在庫回転日数

在庫は将来の販売の源泉になります。
販売予測達成率は販売力と置き換えてもいいでしょう
販売達成率を分解すると、以下の二つになります。

  1. 販売予測精度
  2. 計画見直しサイクル

特に商品が小売の場合、実需(最終顧客の購買 セルスルー)
の情報をどこまで把握できるかに大きく左右されます。

小売業にとっての事実は明確ですが、卸業にとっては
小売店に販売する(セルイン)を意味します。

  • 需要予測的中率と需要計画達成率・・・実需の予測/計画を意味します。
  • 実需入手頻度・・・月末ではなく、日次、週次が理想です。
  • 実需入手カバー率・・・POSデータでもすべての販路でカバーされる
    わけではありません。市場動向をより正確に
    把握するためにも、カバー率は極めて重要になります。

下表でいう流通在庫の状況を意味します。
流通在庫
流通在庫の在庫回転日数を把握することで、
「どれだけの販売量(セルイン)が必要か」が重要です。
月末に押し込み販売で販売予測達成率を達成
しても、その反動は翌月に顕在化します。

在庫回転日数の改善には、流通在庫を意識すること

手持ち在庫と在庫回転日数

手持ち在庫回転日数は、以下の3項目に左右されます。

  1. 適正在庫
  2. 安全在庫保有日数
  3. 理論在庫保有日数

適正在庫率とは、取扱商品、市場環境に大きく左右されます。
加えて、企業戦略を考慮する必要があります。
たとえば戦略在庫保有日数は販売戦略と大きく関係します。

また以下の要因も把握する必要があります。
確定後のキャンセル金額、計画充足率、廃却・評価減金額、
デッド/スロー在庫比率(滞留在庫比率)

安全在庫保有日数は、在庫圧縮の宝庫
安全在庫は、文字通り、在庫を多めに持つ
ことです。主に4つの機能があります。

  1. 欠品の低減・・・欠品率を少なくし、商機ロスをなくす
  2. 生産リードタイムの短縮:オーダーが発行されてから製品が完成するまでの時間で、待ち時間、段取り時間、加工時間、移動時間により構成されます。
  3. 計画立案リードタイム、調達リードタイム製造リードタイム、計画固定期間も含まれます。
  4. 納期遵守率:お客様との約束をどれだけ満たせたか?
    主に顧客要求納期遵守率と顧客確約納期遵守率があります。
    前者は顧客要求を100%満たせたかどうか、後者は確定した約束を満たせたかどうかになります。

製品在庫理論保有日数とは

理論上、どれだけの在庫を保養うが望ましいかを定めるものです。
あるべき姿といっていいかもしれません。
入庫頻度と生産ロットサイズにより左右されます。
SCМで求められる販売予測精度については、

絶対乖離率(単品ごとの絶対乖離)

絶対乖離率
通常、商品が違っても2000台販売見込に対して
実績が2000台であれは、精度は100%達成との
評価ですが、絶対乖離の考え方では、機種ごとになります。
合計は加重平均で算出するため、0%となります。

 

MAPE(Mean Absolute Percentage Error)

平均絶対パーセント誤差、もしくは平均絶対誤差率を表します。
誤差の絶対値の差を実測値で割り、100を掛けてパーセントにして、
それを期の数で割った値です。

仕掛品在庫保有日数とは

製造事業所での仕掛品在庫の保有日数を示します。
生産計画達成率でその結果は大きく変化します。

原料・材料保有日数とは

調達してから生産または加工前の在庫の保有日数を示します。
入庫の頻度と陳腐化によるデッド/スロー在庫比が重要になります。

積送中在庫回転日数在庫回転日数

輸送中とは、自社製品が製造所から販売会社に輸送されるまで
と販売会社が小売に販売するまでの輸送の二つあります。

ペーパーリードタイムとは、

情報のやり取りや対応に要する時間のことを言います。
社内の組織間や企業間の取引情報があります。

輸送リードタイム

配送先、輸送手段(鉄道、トラップ、船、飛行機)に大きく左右されます。
また配送先が海外の場合、日本から船で欧州まで配送すると約4~5週間
かかります。

輸送頻度は、通常、費用対効果の関係で決められます。

資金繰りの観点、売掛債権リスクの視点から検討されてもいいでしょう。

運転資金、キャッシュフローのご相談

高井先生は実務的な管理会計のスペシャリストです。
ソニーにて多数のご経験を積まれ、実績を残されています。
欧米ではスタンダードな経営指標であるキャッシュ・コンバージョン・サイクルの普及に努めている数少ない専門家です。
運転資金がいつも厳しい、キャッシュフローが一向に良くならない、キャッシュ・コンバージョン・サイクルを経営指標として取り入れてみたいなどのご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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