在庫管理の極意

在庫管理に失敗している工場は、

在庫管理の改善に取り組む心構えに問題が
あります。

在庫管理は、効果が出るのが遅く、見えにくく地味です。
しかし、諦めずに取り組むと必ず結果が出ます。

  • できない理由ではなく、できる理由を考えること。
    今まではこうだったから・・・
    うちの工場のやり方はこうだから・・・
    とにかく言い訳を止めましょう。
  • 社内でできることからスタートする
    外注がこうだから・・・
    と言って、外部の責任にして改善に取り組まないケースが見られます。
    まずは、自責です。自分たちでできることから改善していきましょう。
  • 対象を絞り、小さなことでもいいから取り組むこと。
    何でもかんでもやろうとすると、全てが中途半端に終わってしまいます。
    課題がたくさんあってもまずは対象を絞りましょう。
    ABC分析などを使うと、対象を絞り込み効果的な活動ができます。
    小さな成功体験が工場のモチベーションを上げます。
  • 根気よく継続して取り組む
    改善が失敗する原因は、取り組みを途中で止めてしまうことです。
    強い意志をもって、改善活動を継続しましょう。
    プロジェクトとして取り組むと、プロジェクト終了後に気が緩み、
    元通りになることがほとんどです。(私も会社で何度も経験しています)
    元通りになれば、プロジェクトにかけたお金と時間は全て無駄になります。

在庫管理は、担当者だけで決められないことも多いです。
ある時は、トップダウンも必要です。
トップや幹部が強い意志を持って積極的に関わりましょう。
トップの姿勢が社員を変えます。逆にトップにやる気が無いと
社員は誰もついてきません。社員は見ています。

地道にコツコツとやるべき事を愚直に継続すれば、
在庫管理の改善は、必ず成功します。
それが当たり前になり、企業の文化として定着します。

在庫管理の基礎になる7つの考え方

他社の事例は参考にはなりますが、そのまま自社工場に
適用できることはほとんどありません。
同じ製品を生産していても100の工場があれば、
工場のやり方も100通りあります。
そこで、大切なのは考え方を学ぶことです。
ベースを学んでおけば、どんなことにも応用できます。

在庫管理をやっていくうえでベースとなる7つの考え方
お伝えします。
各項目に参考になる代表的な関連ページをご紹介しています。

  1. 現品管理
  2. 3S(整理・整頓・清掃)
  3. リードタイムを理解する
  4. 最大値、最小値、平均値、中央値
  5. 基準を作る
  6. データを取る
  7. システム思考

現品管理

在庫は、目の前にある「現物」です。
在庫管理というと、データやシステムと思ってしまいがち
で、データ管理で何とかしようとする工場もありますが、
データが動いていても、現物が動いていなければ全く
意味がありません。
データは現物と連動していなければいけません。

重要度は、
現物 >>> データ

まずは、現物をきちんと扱えるようにならなければ、
いくら高性能なシステムを導入しても役立たずです。

参考コンテンツ

3S(整理・整頓・清掃)

在庫管理が行き届いている工場を見ると、
工場の中が整然としています。
その理由は、3Sが徹底されているからです。
よく5Sと言いますが、5Sのうち(清潔・しつけ)は
継続する仕組みや姿勢を指します。

10年前の在庫がずっと残っていたり、
ゴミが散乱してたり、表示が全く無かったり、
パレットが至る所に置かれていたり。

3Sを徹底している綺麗な工場は、信頼を得ます。
お客様はこう思います。
「これだけ綺麗だから、品質にも手を抜かないはずだ」

逆に、在庫が山積みで散らかり放題の工場は
信頼を失います。

参考コンテンツ

リードタイムを理解する

在庫管理は時間と物流と密接に関わっています。
発注リードタイムが長ければ、部品在庫をたくさん持つ必要があります。
お客様の納期が短ければ、それに対応するために在庫を持ちます。
製造リードタイムが長くなれば、仕掛品が増えます。

  • 何に時間を取られているのか?
  • それをやるためにはどれくらい時間が必要なのか?
  • どれくらい時間がかかっているか?
  • その時間をどうやったら縮められるか?

工程や納品経路など在庫が流れる物流とその時間を考えるのが
在庫管理の最重要ポイントです。

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最大値、最小値、平均値、中央値

在庫を持つ時、変動や突発的なことが起こるので、
きっちりとした値を出すのはとても難しいです。

そのような時は、最大と最小を考えて、
リスクをどれだけ見るかを考えます。

  • 最悪の場合はどれくらい必要なのか?
  • 問題が全く無い時は、どれくらいで足りるのか?

いつも最大値ばかりを取っていては、在庫は
永遠に増え続け、逆に余剰在庫が発生して問題が膨らみます。

その時に、参考になるのが平均値と中央値です。
平均値はよく使われているのでおなじみですが、中央値に
関してはあまりなじみがありません。

平均値は異常値に引っ張られる傾向があるので、時として
おかしな値が出ます。それを回避するために中央値を使い、
間違った判断が起こらないようにします。

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基準を作る

在庫管理ができていない工場には基準がありません。

今までの経験で、
何となく。

このような答えが返ってきます。
基準が無いと判断ができません。

  • 発注をする時の基準、
  • 生産を増やすときの基準、
  • 不良が起こった時にすべきこと

やって良いか悪いか?
というのは基準があって始めて決まります。

基準が無いと、工場長や幹部の指示をずっと
待っていないといけません。

すると、工場長や幹部は忙しくなりますし、
仕事は指示待ちでずっとストップします。
工場はチームプレーです。
一人一人がきっちりと役割を果たさなければ
いけません。
基準があるからこそ、人は自発的に動けます。
基準が無いと、動けません。

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データを取る

データは、勘や経験を排除し事実に基づいた
客観的な判断をするために必ず必要です。
データを取るときによく失敗するのが、管理部門と現場部門
のデータに関する温度差です。

管理部門は、データはたくさんあるほうがいいと、様々な
種類のデータを細かく取りたがりますが、これは大きな間違いです。
現場部門にとって、データの収集は仕事を増やす原因としか思って
いません。

「後でいるかも知れない」
というデータは、ほとんどの場合、不要です。

データは、目的を考え目的に合ったものだけを最小限で収集すべき
です。データを取るのは現場です。
負担が大きいと、取り忘れたり、面倒くさがって取らなかったりします。
現場の負担をできるだけ少なくするように配慮するのが管理部門の役割です。

  • データの項目は少なくする
  • データを記録しやすくする

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システム思考

システム思考とは、物事をシンプルにモデル化、数値化して
考えることです。
工場の状況を説明してもらうとき、例外ばかりを並べる人がいます。
そのような人は、何が言いたいかというと、「よくわかりません。」
ということが言いたいのです。

工場は、材料の納入から製品の出荷までが一連の鎖のように
お互いに関わりあっているシステムです。
全ての結果や行動に理由があります。

人間が物事を理解する方法は、次の4つ
しかありません。

  • 観察
  • 整理
  • 分類
  • 分解

これらを解析・分析することで理解を深めます。
科学の実験プロセスと同じです。

これができれば、例外は例外としてとらえることが
できます。
そして、例外が起こらない標準的な場合はどうなる
のかということも理解できます。

システム思考ができるようになると、考えをフロー
チャートなどで図化して、人に教えることができる
ようになります。
これで初めてITシステムの導入が可能になります。

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間違えられない在庫管理

目指す在庫管理は、間違えられない在庫管理です。

間違えないではなく、間違えられない
というのがポイントです。

間違えられないとは、

「無意識のうちにそうせざるを得ない」

ということです。

人間は必ず間違ってしまいます。
仕方ありません。

やる気を引き出すことも大切ですが、
ややミスは起こってしまいます。

間違えられない仕組みを作ることの大切です。

例えば、

目でパッと見て分かる
物理的なスペースが決まっている
アラームが鳴って音で分かる

仕組みを作っておけば、小さな問題にとどまります。
たとえ間違えたとしてもすぐにリカバリーできます。

間違えられない在庫管理を構築する仕組みの主なポイント

  • 表示をする
  • シンプルにする
  • まとめる(セントラルキッチン方式)
  • 色で分かる
  • 音が鳴る
  • 触って分かる
  • 条件分岐を減らす
  • 制約を減らす
  • 外注化(もちは餅屋)
  • 意図的に障壁を作る
  • 意図的に先に進めなくなる
  • 基準を作る
  • 短縮する
  • 収容箱を作る

不良在庫を減らし利益が出る会社を作るために

在庫管理は100社あれば100通り。
他社の話を聞いても、「うちの会社とは違う」と
思うのは当然です。

自社に合った在庫管理をやるためには、
基礎的な考え方・知識をしっかりと理解して、
自社に応用する力を身につけなければいけません。

在庫管理110番は「強い工場」作りを
支援するための在庫管理講座を開講しています。

在庫管理とは何か?
という根本に徹底的にこだわった内容で、
参加者からはシンプルで分かりやすいと
好評をいただいています。

在庫管理はどれくらい力を入れるか?

製造業において、付加価値(お金を稼ぐ直接的な源泉)に
なるのは、直接作業だけです。つまり、作業者や機械が
材料を「溶接する」、「組み立てる」といった行為のみが
付加価値作業です。

在庫管理も付帯作業にすぎません。しかし在庫管理を怠ると、
材料自体が不足したり、見つからずに探し回ったりしなけれ
ばいけなくなるので、直接作業を阻害する原因にもなります。

在庫管理は、「力のかけ具合」がとても大切です。
全ての在庫を同じように細かく丁寧に管理していては、
いくら時間があっても足りません。

管理方法を決めるコツ

在庫管理は、

  1. 在庫の品種ごとにメリハリを付ける(優先度・重要性)
  2. 数量で把握し(現品を目で見る)
  3. 時間で管理をする(在庫量を知る)

管理の優先度にメリハリをつける

それぞれの在庫の単価(金額)で管理の優先度・重要度を決めます。
在庫管理にもコストがかかります。

例えば、単価が2円の在庫と、単価が5000円もする在庫を同じよう
に管理するのは、非常に無駄です。
このような場合は、5000円の在庫は、在庫が欠品しないように、かつ
数量が増えすぎて、余剰在庫にならないように1品ずつ管理します。
単価2円の在庫は、かんばんや箱単位、ある程度大きなロットで管理を
して在庫切れだけを防ぐようにします。

数量で把握をする

在庫を数量で把握するという意味は、「現物を見て数える」という
ことです。
パソコンで管理をしていると、どうしても画面上の数字ばかり見て
しまいます。
現場から「在庫が多い!」と言われるまで気づかなくなってしまいが
ちです。

在庫は現物です。
現品を自分の目で見ることによって、量の多さや取り出しやすさや
視認性などの保管場所のレイアウトなどを肌で感じることができます。

時間で管理をする

在庫の量は在庫日数で管理をします。
仮に品目Aと品目Bという2種類の在庫が、各5000個ずつあったとします。

品目Aは1日に1000個使い、品目Bは1日に5個使います。

品目Aは、5日で在庫を使い切ります。
品目Bは、1000日で在庫を使い切ります。

品目Aの在庫は不足気味かもしれません。
一方で、品目Bは明らかに余剰在庫です。

このように数量だけでは分からないことが在庫日数という時間
で管理をすることで見えてきます。

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