在庫管理は信用力

在庫は顧客や市場が「この会社は大丈夫か?」
と格付けをする際に図るバロメーターになります。

具体的に解説します。

市場は在庫を見ている

投資家や銀行が、お金を貸してくれる理由はたった2つしかありません。
それは、「お金を返してくれる、または増やしてくれるから」です。
その時に彼らが見ているのは、会社の収益力です。

では、収益力をどうやって見るのか?
様々な方法があると思いますが、一番手っ取り早いのが
ROA(総資産利益率)です。

ROAは次の式で表します。

ROA= 純利益 ÷ 総資産

つまりROAとは、
持っている資産を使って、どれだけの利益を生み出しているか?
という企業の収益の効率を示す指標です。
収益の効率が良い企業は、少ない投資で多くのお金を生み出すことが
できる企業であると評価を受けます。

総資産には当然在庫が含まれていますので、
余剰在庫が多いと、総資産の金額が増え、ROAは低くなってしまいます。

ROAは次のように分解して表すこともできます。

ROA=利益/売上 × 売上/総資産

利益/売上=同じ売上高からどれだけ利益をあげているか?
その企業の収益性を示しています。

売上/総資産=同じ資産からどれだけ売上高を上げる力があるか?
その企業の効率性を示しています。
ちなみに、お気づきかもしれませんが、売上/総資産は、在庫回転率
のことです。

顧客が在庫を見て格付けをしている

例えばあなたが、客先を訪問し、倉庫に高く高く積み上げられた
在庫を見ると、どう思いますか?

私ならこう思います。

この会社は売れない在庫がこんなにある、
本当にお金を支払ってくれるのかな?

会社にとって一番一番怖いのは、資金繰りのショートです。
支払期限に入ってくるはずの現金が入ってこず、貸倒れて
しまうとどうなるでしょう?

もしかすると、あなたは入金を仕入先への支払いの当てに
していたかもしれません。

入金予定の現金が入ってこない

仕入先へ支払いができない

資金ショート

倒産(黒字倒産)

このような最悪のストーリーになる可能性もあります。

賢い顧客は、訪問時に倉庫や工場にある在庫量をチェックして
ひそかに格付けを行っています。

  • 古い在庫はないか?
  • ほこりをかぶっている在庫はないか?
  • お願いしていない製品が在庫になっていないか?

格付けをして、この会社とこれからも付き合っていて大丈夫か?

ということを見ています。

低い格付けをされてしまうと、顧客に密かに転注計画を練られ、
気づいた時には取引停止・・・
という事態になりかねません。

在庫は信用問題です

市場や顧客の期待に応えようと、欠品しないようにどんどん
在庫を持っているのがあなたの行動だと思います。
ですが、その行動が逆に信用を落とすという皮肉な結果につ
ながってしまうかもしれません。

在庫は必要な分だけ持つように在庫管理を改善し、
市場からも顧客からも信用され、ずっと付き合いたいと思って
もらえる工場になりましょう。

不良在庫を減らし利益が出る会社を作るために

在庫管理は100社あれば100通り。
他社の話を聞いても、「うちの会社とは違う」と
思うのは当然です。

自社に合った在庫管理をやるためには、
基礎的な考え方・知識をしっかりと理解して、
自社に応用する力を身につけなければいけません。

在庫管理110番は「強い工場」作りを
支援するための在庫管理講座を開講しています。

在庫管理とは何か?
という根本に徹底的にこだわった内容で、
参加者からはシンプルで分かりやすいと
好評をいただいています。

在庫管理は信用力の関連ページ