山中建設様がなぜシステム導入に成功したのか?

山中建設様の資材管理システム整備の状況

資材管理はエクセルなどでも一切行っておらず、
今回が初めてのシステム導入になります。

今回、山中建設様のシステム導入の目的は、
資材倉庫にある資材の管理(何が、いくつあるか)です。

現状の業務フロー

まず、山中建設様の業務フローをまとめました。
現在の業務フロー

手順にすると以下のようになります。

  1. 本社は、現場から必要な資材の要請を受ける。(資材発注)
  2. 本社は、要請を受け、必要な資材を倉庫から集める。
  3. 本社は、資材を運ぶトラックを配車する。
  4. 本社は、トラックに資材を載せて現場に運び込む(搬入)
  5. 現場は、現場業務が終わったら資材をトラックに積み込み、本社に返却(搬出)
  6. 本社は、戻ってきた資材を検品して、倉庫に戻す。

現状の業務の中で起こっていた問題

そして、各業務でどんな問題が起こっているかをまとめました。
現場で起こっていた問題
自分の好きな方法でバラバラの管理をしており、情報共有ができておらず
ミスが多発して当然の状態でした。

システム導入の目的の見直し

システム導入の目的は、資材倉庫にある資材の管理(何が、いくつあるか)
でした。
しかし、現状業務を分析した結果、資材倉庫からの出し方など入出庫の仕組みが
全く整っていないことが判明しました。
そもそも、入庫・出庫ができていないと、正確な資材数が分からないので、
まずは、資材の入出庫オペレーションの流れを作って、どの現場に何が、いくつあるかという状態を作ることを目的にしました。

システム導入をいくつかのステップに分割

成長する在庫管理の最大の利点は、

  1. 段階的なシステム導入ができる
  2. 混乱なくシステムを導入できる

システムの全機能を設計・構築して、すべての機能で一気に
「明日からシステム稼働!」という従来の手法は、失敗しやすいです。
そもそも、新しいシステムをいきなり使いこなすのはスキル的にも難しい
ですし、事前に考えたことが100%だとも限りません。
一斉切り替えは混乱します。

そういった経験を持っていたので、
そこで、次のようなステップに分けてシステムを順次導入する
ことにしました。
システム導入のステップ

山中建設様は、大きく分けると、資材の発注と、配車という2つの流れがあります。
STEP1として比較的全体への影響の小さい、配車の流れを作りました。
ある程度できたところで、STEP2として、資材発注の流れを作りました。
STEP2に関しては、システム化前の「助走運転」を早いうちから実施。

STEP1とSTEP2のシステムの機能がまとまり、導入したそれぞれの
機能のシステム運用が慣れてきたころに、STEP3を実施。

このSTEPでは最後に資材と配車をくっつける(業務フローだと、「トラック積み込み→資材の搬入」の流れを作りました。

そして、それぞれのSTEPをさらに細かく分けてやるべきことを明確に
して、段階的な目標を達成しながら、システムを導入するまでのマスタープランを
作りました。
システム導入のマスタープラン

それぞれのSTEPをどのように進めていったかを簡単にご説明します。

STEP1 配車

配車のシステム化は比較的単純でした。
担当者1名で行っていたので、その担当者に

  • 配車を決定するフロー
  • 決定した配車の変更するフロー

をヒアリングをしてシステムを構築。

会社にある車両とドライバーのマスター化、
そして、どの車両が、どの現場に、何時に行くのかをシステム上で
見える化しました。

これまでは担当者の手帳にしか情報が無かったものを、システムで共有
できるようになり、どの車両がどこの現場に行くのか、空き車両などが一目で
分かるようになりました。

STEP2 資材の発注

時間がかかったのは資材の発注です。
これまでは、FAXや電話、メールなど様々な方法で現場から依頼が
来ているような状態でした。
その結果、どの情報が正しく、そして最新かわからない状態になって
いました。

システム化するためには、発注の方法とフォーマット(依頼内容)を統一
しなければいけません。
そこで、まずは発注フォーマットと発注の方法を統一することにしました。

資材発注フォーマットと方法の統一

発注フォーマットを統一するために、これまでの方法をすべて廃止して、
本社が作った発注書(統一フォーマット)に記入して、LINEで資材の発注書
を送ってもらう運用方法を構築しました。
発注フォーマットの統一

現場はパソコンは苦手ですが、スマホは持っています。
そこに着目して、現場が実施するハードルを低くして取り組みやすく
しました。

紙のフォーマットの良いところは、枠外に自由に記入できることです。
現場が枠外に記入しているのを本社でチェックして、現場が資材発注時に
必要な項目や内容を精査。
システム化の時に、必要な発注項目を選定して絞り込みました。

さらに、発注の方法を1つに決めたことで、決まった方法・統一したもので
資材を依頼するという習慣作りを実施しました。

資材発注のシステム化

運用しながら、現場からの情報に基づいて、フォーマット(発注項目)を精査
して、まとめていきました。まとまったところで、それらをシステムに
落とし込み開発しました。

いよいよ資材発注をシステムを使って現場で行ってもらう段階に
なりました。

現場への導入も一斉切り替えではなく、一部の現場からスタート。
そして使い勝手を微調整して、現場にとって使いやすい資材発注画面を
作りました。

STEP3 トラックへの積み込み、搬入

資材発注画面ができたら、いよいよ当初の目的だったどの現場に何が、いくつあるか
を実現します。
今まで別々に動いていた、配車と資材発注の機能を結びつける「資材引当」と
いう機能を追加しました。
資材のトラックへの積み込み・搬入
これによって、どの車両に、どの資材が積まれているのかが分かるように
なりました。
そして、トラックには現場の情報が紐づいているので、どの資材がどの現場に
行くのかが分かります。

トラックが現場に到着したら、「搬入完了」処理をシステムで行うことで
発注された本社の資材在庫が、現場に移ります。

これで、どの現場に何が、いくつあるかが実現しました。

システム導入後の姿

段階的なシステム導入を進め、これまでの問題が解消されました。
各業務がシステム化によって、どのように改善されたかをまとめました。
システム導入後

補足 現場での確認作業をタブレットにしなかった理由

当初は現場の帳票確認を「全てタブレットでやりたい!」というご要望が
ありましたが、在庫管理アドバイザーがそれは止めた方が良いと制止しました。

理由は、タブレット化のメリットが現場と事務所にとってそこまで大きく
無かったという点、そして紙の方が扱いやすく見やすかったからです。

また、タブレット化すると一気に開発コストが上がるため、
紙の運用をしていて、どうしてもタブレット化する方が良いと判断
した時に、開発しましょうということにしました。

結果的に、紙で良かったということに気づいてもらいました。
今でも紙での運用を続けています。

山中建設様がシステム導入に成功した要因

山中建設様がシステム導入に成功した要因は、3つあります。

  • 焦らず段階的にシステム導入を進めたこと
  • システムに最初から多くを求めなかったこと
  • 従来のやり方に固執せずに業務・運用を変えたこと

これまで全くシステム導入の経験が無くても、適切な方法と導入順序
を踏んでいけば、混乱なく、かつ低コストでシンプルなシステムが構築できます。

山中建設様のシステムカスタマイズ概要

山中建設様がシステムにカスタマイズした機能の概要をご紹介します。
(詳細な部分については、企業機密が含まれますので控えさせていただきます。

  • 車両マスタ
  • 権限管理(事務所、現場、運転手)
  • 資材発注メニュー
  • 配車メニュー
  • 資材積載(配車と資材発注の紐づけ)
  • 現場終了
  • 荷揃えリスト作成&印刷
  • 出荷リスト作成&印刷
  • windowsタブレット対応
  • windowsタブレット専用画面開発(資材発注、配車)

なぜ、経験の無い業界でシステム導入ができたのか?

在庫管理アドバイザーには、建設業の資材管理の経験は全くありません。
ましてや、配車システムの構築経験も皆無でした。

では、なぜ今回システム導入が成功したのでしょうか?
その理由は、在庫管理の原理・原則から導入を進めたことにあります。

当初の導入目的は、資材倉庫にある資材の管理(何が、いくつあるか)
でした。

それを実現するシステムの構築は可能でした。
ただ、それを作ってもおそらく山中建設様は使いこなせなかったでしょう。
その理由は、資材を適切に出し入れする運用ルールが無かったからです。
「在庫=入庫-出庫」です。
入庫と出庫という運用がしっかりとできないと、いくらシステムがあっても
在庫はわかりません。

自社の状況とレベルに合ったシステムを選ぶ

システムはしょせん道具です。
システムが自動的に在庫管理してくれません。
自社の状況とレベルに合わせた道具でなければいけません。

多くの企業は残念ながらITという道具を使いこなせていません。
自社の状況とレベルに合っていないからです。
手に余るようなシステムを使っていたり、最悪の場合システムに使われている
ようなケースも見受けられます。

こうなってしまっては何のためにシステムを導入したのかわかりません。

本当に役立つシステムを構築するために、まず必要なことは、

  • 自社のシステム導入の目的を明確にする(手段に溺れない)
  • 自社の状態を知る(目的と現状のギャップ)
  • 自社の運用レベルを知る

在庫管理110番の在庫管理システムの開発の進め方

在庫管理110番では、3つの開発プランをご用意しています。
ご予算やお客様の現状に合わせて、ご選択ください。

在庫管理システムに関するご相談

  • 初めて在庫管理システムを導入したいがどうすればよいかわからない。
  • 今のシステムが使いにくいので入れ替え・刷新したい
  • これまで何度もシステム導入に失敗しているので今度は成功させたい
    など、どんなお悩みでも構いません。
    在庫管理システムの導入についてのご相談を無料で承ってます。