在庫管理システム導入を成功させるためには?

在庫管理システムの導入には失敗する企業が多いようです。
それはなぜか?
在庫管理は難しいからです。

ここでは中小企業が在庫管理システムの導入を成功させるために
知っておきたい考え方や方法をご紹介します。

「システム」と「システム化」の違い

これから“在庫管理システム”のお話をさせていただく上で“在庫管理”とその「システム」そしてその「システム化」の違いを明確にしておくことは非常に大事です。
その前に在庫管理には狭義と広義の定義があることをご説明します。

狭義の在庫管理

在庫の品質・数量管理のための在庫管理です。
品質管理とは、賞味期限などの劣化や社会的価値の低下を最小限に抑えることです。

数量の管理とは、入庫・出庫・棚卸などの作業工数を最小限にして、現品の数量と在庫のデータを一致させること(情物一致)です。
作業工数の最小化と在庫情報の見える化が目的です。

広義の在庫管理

広義の在庫管理とは在庫マネジメントの事を指します。
在庫マネジメントとは、欠品と過剰在庫を防止して適正な在庫を維持するために管理・調整を行うことです。目指すべき在庫管理は、在庫管理マネジメントです。

在庫管理システムとは?

在庫管理システムは継続的に在庫管理の成果や結果を導く「仕組み」のことであり、在庫管理をサポートする「仕組み」です。

在庫管理システム化とは、その「仕組み」を構築することです。
適正在庫の維持には現在の在庫情報を正確に把握する「仕組み」が絶対に必要です。

つまり、在庫管理が主で「システム(仕組み)」は従であることを表しています。
在庫管理が目的であり、システムは手段ということです。

在庫管理システム導入に失敗する会社

ではなぜ在庫管理システムの導入に失敗する会社が多いのでしょうか?
それは、システムを主とし在庫管理を従としたためです。
在庫管理システムの導入自体が目的になってしまってるということです。

最新鋭のIT技術を採用した「在庫管理システム」を導入したので”在庫管理“はうまくいくと豪語したのも、つかの間、「システム」の運用が始まると在庫が増えてしまい、途方に暮れるといった話をよく聞きます。

これは”在庫管理”の実態や事前にやるべきことを無視して「システム導入」を優先したために起こった問題です。

最新鋭の機械を導入するのは、生産性の向上や新しい製品の加工をするためですよね?工具や治具を使うのは、作業を楽にそして確実にするためですよね?「在庫管理システム」も同じです。

在庫情報を収集・管理・検索・抽出・計算等の単純だけど時間がかかる作業、毎日やらなければいけない定型業務を人の手から情報システムに管理させ、より効率を良くし、生産性を向上させ、作業時間を削減することに意味があります。

ITを活用する理由

システムというとITを思い浮かべますが、「システム」は在庫管理対象品が少なければ人手中心による「仕組み」で機能します。必ずしもITを利用する必要はありません。

在庫を管理する仕組みの構築がシステム化であり、ITの導入はシステム化を効率的に行うための道具です。

とは言え、これだけ、ITが普及した現在、ITを「システム」で活用できるところには最大限利用するというのが現実的ではないでしょうか?在庫管理をシステムに任せることには大きなメリットがあります。

狭義の在庫管理で行わなければいけない2つのこと

まず、狭義の在庫管理 に対するシステム面からのサポート
について考えてみましょう。
おさらいになりますが、狭義の在庫管理の目的は2つあります。

  1. 現品の品質を維持すること
    狭義の在庫管理の第一の目的は、現品管理の基本ルール(5Sなど)を
    しっかり守って、在庫現品の品質を維持することです。

    おさらいになりますが、ここで挙げた品質とは、食品の賞味期限
    や金属製品の錆などの物質的な劣化の他に、社会的価値の喪失も含まれます。
    社会的価値の喪失で分かりやすいのは女性ものの衣料品でしょう。
    特に若い女性の服の流行の流れは早いので、少しでも流行が過ぎてしまえば、
    いくらまだ着られるものであっても全く売れなくなります。
    品質には必ず社会的価値の管理も含めなければいけません。

  2. 情物一致
    第2の目的は現品の数量と在庫情報を一致させること、すなわち
    情物一致」です。この「情物一致」は第一の目的である現品管理
    が十分になされていることが大前提で実現します。


    なぜならばいくら数量と在庫情報があっていても、使用できない腐った
    在庫があれば、意味が無いからです。


    情物一致を行う上での最大の注意点は、
    「入庫・出庫・棚卸などの在庫関連作業にかかるコストを最小限にする」
    と言うことです。ここでいうコストとは、時間的または人員的なコストです。
    厳密にやろうと思えば時間と人を投入すれば、いくらでも可能です。
    しかし、その厳密さにはあまり意味がありません。


    在庫管理作業そのもの自体は売上を生まない作業です。全ての管理と
    呼ばれる仕事は、直接的に売上や利益につながらないのです。


    では、なぜ管理が存在しているのか?それは間接的に利益や売上に
    つながるからです。戦争でも必ず司令官や作戦を指揮する役割を持
    つ人がいます。現場の戦闘員だけでは絶対に戦争に勝てません。


    在庫管理も同じです。お客様の信頼を損ねたり、調整や探し回る
    といった無駄な作業が発生して、売上に直結する作業を阻害し、
    無駄な費用を流出させているからです。


    在庫管理は無駄な経費や時間の流出を止めて、売上と利益を上げ
    るのが目的です。在庫管理は、必要最小限かつ効果的な最大公約数
    となるような作業工数を目指さなければいけません。

在庫管理は情物一致が大前提

在庫管理システムは他の情報システムと違い、情報だけで
処理することはできません。
モノの動きがあってそれに付随して発生する在庫情報が一致して
いることが必須です。この「情物一致」があってはじめて広義の在庫管理、
すなわち、正確な在庫情報をベースにした適正在庫の維持や在庫削減を実現
する「在庫マネジメント」が可能になるのです。
それゆえ、在庫管理システムは「情物一致無くして成功無し」と言っても過言ではありません。

情物一致ができない理由

なぜ、情物一致ができないのでしょう?
その原因として大きくは4つの要因が考えられます。

  1. 5S(整理、整頓、清潔、清掃,躾け)の不徹底
  2. 保管場所レイアウトや保管方法の不備
  3. 現品の動きと在庫情報更新のタイムラグ
  4. 入出庫の人為的ミス(品番違い、数量違い、入力ミスなど)

1と2は「現品管理」の範疇に入りますので「情物一致」の
基盤として最優先での改善が必要です。

3と4については「在庫管理システム」の範疇に入ります。
3「現品の動きと在庫情報更新のタイムラグ」については、
「物の動きと在庫情報の更新が限りなくリアルタイムになっていること」
が理想です。
そのためには、
「現場でモノが動くたびにリアルに情報の入力ができる仕組み」
が必要です。具体的には現場に持ち運びが簡単にできるモバイル
端末機器を配備すること、それら端末が無線LANまたは携帯電話網で
在庫管理システムサーバーと結ばれているネットワーク環境の構築が
必要です。

ネットワーク環境の構築コストが下がった

モバイル端末やネットワーク環境はこれまで無線LAN工事や機器
に費用が掛かるために導入のハードルが高かったのですが、最近は
選択肢が増え、相対的にコストが下がって導入し易くなっています。

モバイル端末機器としてはスマホ、タブレット、ハンディターミナルが
選択できます。これらによって現場で入力、検索できる環境が整い、あ
たかもパソコンがいつも手元にあるかのような環境になるため、紙も排除
できます。

どこまで情報の同期化が必要なのか?

情報の同期化は理想ではありますが、注意点があります。
在庫管理対象のアイテム数や頻度が多いと、現場での入力の手間が増えます。
現場の負担は増える一方で、本来の作業に支障が出る可能性があります。
一般的に情物一致をリアルタイムに近づければ近づけるほど、現物と情報
との同期作業が増えていきます。

情物一致」は最小限の作業工数で実現するという命題がありますので、
工数を増やすリアル化はそれに逆行することになりかねません。

どこまで同期が必要かという見極めはとても大切です。
中小企業のみならずネットワーク環境の構築も端末の
配備も十分にできる余裕と資金を持つ比較的大きな企業でも
完全なリアル化は難しいのが現状です。
設備的な環境整備とともに作業員の高い意識レベルと職場の
環境作りが必須です。

人為的ミスをどう防ぐか?

情物の同期化(リアル化)が達成できたとしても最後に上記4「人為的ミス」が
課題として残ります。

情物一致を妨げるミスの最後の砦として残るのが、情報の入力時
の人為的なミスです。
人為ミスが起こる原因は、人間が「数量やコードを打ち込む」と
いう作業が発生しているからです。これらの作業をできる限り少
なくすることで、人為ミスを減らすことが可能です。

人為的ミスを減らす最も一般的で効果的な手段は、
自動認識技術です。


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