中小製造業が利益を出すための現場管理の基本

現場管理で中小製造業が利益を出すために

工場経営において利益を生み出していくためには、ロスを徹底的に省き、
効率のよい生産体制の構築が必要です。

利益と生産活動の関係

工場は生産活動を行う場である。
生産活動はインプットとして原材料や作業員の労力、その他エネルギー等を投入し、
価値を高める活動を行うことを通して製品というアウトプットに変換する行為である。

このインプットからアウトプットに変換する過程においてロスが生じると、
本来付加される価値部分が目減りする。

そのためにロスの多い工場では、どんなに多くの生産活動を行ったとしても、
無駄に作業員の労力(時間)や原材料を投入することになる。
結果的にコストの高く利益の出ない生産活動になってしまうのである。

生産活動のロスは、生産の様々な場面で生じる。
例えば、

  • 開発設計
  • 原材料の調達・購買
  • 原材料の保管
  • 原材料の工程投入
  • 製造活動
  • 製品の保管や出荷

など様々なプロセスにおいて非効率が生じ、利益を目減りさせるロスが発生する。
こうしたロスをなくしていくための活動が、改善活動である。

改善活動によってロスをなくしていくことによって、本来企業が得るべき
利益の獲得を実現するのである。

QCDSを管理して利益でる体質を作る

ここで、生産活動で利益の出る体質を作るために
必要なQCDSについてご説明します。

QCDSとは?

QCDSとは、

  • 品質(Quality)
  • コスト(Cost)
  • 納期(Delivery)
  • 安全(Safety)

QCDSの管理は、現場管理の基本です。
QCDSを管理する(Management)ことから、
それぞれ

  • 品質管理
  • コスト管理
  • 納期管理
  • 安全管理

と呼びます。

製造業の現場では、主にQCDS(品質・コスト・納期・安全)の管理
はとても大切である。

QCDSが行き届いていないとトラブルが続出し、それに伴って
様々な追加的な資源の投入・消費が発生する。
これは本来必要のない資源の投入・消費であり、会社にとって
失った利益の損失額となる。

品質管理

品質管理は、製品自体の品質を管理することである。
品質管理の大きな柱は、

  1. 不良を作らない(再発防止)
  2. 不良を出荷しないための管理の方策(流出防止)

品質管理は再発防止と流出防止の二つの観点から管理が行われる。
再発防止とは、不良を作らないための作り方や作業方法の管理であり、
流出防止は検査を行うなど不良品を社外に出荷しないための管理である。

品質管理が行われていないと不良の発生をはじめ品質に起因するロスが生じ、
追加的コストが発生して利益を目減りさせることになる。

コスト管理

コスト管理は、コストの発生や浪費を管理することである。

ストは本来売上獲得に必要な投資である。

「売上=売価ーコスト」であり、コストの中には、「原材料」や作業員の労務時間
が含まれます。
企業が最大の利益を得ようとするならば、最小のコストで
最大の売上獲得を追求することが必要である。

コストの管理が行われていないと本来売り上げ獲得に必要のない費用(ロス)が発生し、それに気づかず問題が喚起されず、ロスの発生が放置されることになる。
ロスの発生によって利益が減っていても気づかないから、対策も行われない。
結果的に、どれだけ生産しても利益が得られずに儲からない体質になります。

納期管理

納期管理は、

  1. 納期を遵守するための方策
  2. 納期までに顧客に製品やサービスを届けるためのリードタイムの管理

リードタイムには、様々な種類があります。

  • 開発設計のリードタイム
  • 調達・購買のリードタイム
  • 生産・製造のリードタイム
  • 出荷・物流のリードタイム

作業に掛かるリードタイムと、デスクワークに掛かるリードタイムがあります。

これらのリードタイムを管理することで納期遵守を実現していく。
リードタイム及び納期の管理が行われていないと、
生産活動の効率化がなされず時間がかかりすぎていたとしてもそのロスが見えず、
常に時間に追われて忙しい状態になる。

忙しいばかりでロスが放置されているので利益が出ない。
さらに、納期遅れが生じて客先の信用を失うことにもなりかねない。

安全管理

安全管理は、安全な職場を確保するための管理である。

  • 不安全状態の排除
  • 不安全行動の排除

不安全状態とは、例えば重くて長い棒を壁に立てかけておくような危険な状態で、棒が倒れてきてケガや事故が起きる元になる。

不安全行動はルールや機械の正しい操作方法を守らないような行為であり、これもケガや事故の元になる。
安全管理が行われない場合には、けがや事故の発生によって作業員の欠員が出たり生産活動に後れが生じたりして、追加的なコストを生じさせる。
最悪の場合、労災に発展し、工場が休止に追い込まれたり、悪い噂が広がり、採用や営業に支障をきたすこともあります。

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