■この記事のPOINT
- IT導入補助金は、最大450万円までの補助額が支給される制度
- 在庫管理システムはIT導入補助金で導入できる(保守やコンサル費用も対象)
- 経済産業省に認定を受けたITツール・事業所を選ぶ必要がある
在庫管理システムに興味があっても、経済的な理由で導入を踏みとどまっている中小企業は少なくありません。本格的に導入すると数十万円~数百万円の費用が発生します。現在、資金繰りに悩まされている場合、それが大きな負担となり、効果が期待できたとしても、先行投資をする決断はなかなかできないものです。
資金的な問題を解決する方法として、【IT導入補助金】に注目が集まっています。IT導入補助金とは、経済産業省が主催する補助金です。中小企業・小規模事業者がITツールを導入するために活用できます。IT導入補助金の申請をして、採択されると、最大450万円までの補助額(補助率は導入費用の2/3)が支給されます。
在庫管理システムの導入にも、IT導入補助金を活用できます。導入費用だけではなく、保守費用も申請対象です。ただし、すべての在庫管理システムが補助対象になるわけではありません。経済産業省に認定を受けた在庫管理システム、そして事業者(以下、IT導入支援事業者)を選ぶ必要があります。IT導入支援事業者と協力をしながら、申請・手続きを進めていくことがポイントです。
そこで、今回は、在庫管理システムの導入で利用できるIT導入補助金の概要と、申請・手続きの流れを紹介します。また、弊社もIT導入支援事業者として認定されている企業です。その立場から、IT導入支援事業者おとび在庫管理システムを選ぶ4つのポイントもお伝えします。
目次
1.IT導入補助金とは
IT導入補助金は、2017年に始まった経済産業省が主催する補助金の1つです。中小企業・小規模事業者が、ソフトウェアやアプリなどのITツールを活用して、新規顧客の獲得やバックオフィス業務の効率化を図ることを目的に創出されました。ここでは、IT導入補助金の概要と種類を説明します。(本記事は、2021年時点での情報をもとにしています)
1-1.IT導入補助金の概要
IT導入補助金に採択された事業者は、ITツールを導入するための事業費など経費の一部補助を受けられます。補助対象となるのは、以下の業種です。
- 飲食
- 宿泊
- 小売
- 卸
- 運輸
- 医療
- 介護・保育などのサービス業
- 製造業や建設業など
また、補助対象となるのは、事前にIT導入補助金の審査を受け、補助金HPに公開・登録されているITツールです。補助金には、ソフトウェアの購入だけではなく、オプションやサポートなど役務の費用も含まれます。具体的には以下の通りです。
<オプション>
- 拡張機能
- データ連携
- セキュリティ
<役務>
- 導入コンサルティング
- 導入設定・マニュアル作成・導入研修
- 保守サポート
- ハードウェアレンタル
1-2.IT導入支援事業者のサポートを受けることが特徴
2021年の経済産業省による補正予算額は、5兆4,290億円で、うち3兆8,594億円が中小企業関係でした。この中で、IT導入補助金は、2001億円の予算が組まれた生産性改革補助金の1つに該当します。中小企業の設備投資、販路開拓を支援する生産性改革補助金には、IT導入補助金以外に、ものづくり補助金、持続化補助金、事業継承・引継ぎ補助金があります。
IT導入補助金が、ほかの補助金と大きく異なるのは、申請方法です。中小企業などの補助金申請書者は、IT導入補助金事務局に登録された【IT導入支援事業者】と協力をして申請しなければなりません。
補助金の申請自体は、補助金申請書者が実施します。一方、IT導入支援事業者は、ITツールの提供や補助金申請手続のサポート、補助事業実施の支援、アフターサポートなどを行います。
1-3.IT導入補助金の種類
2021年度のIT導入補助金には、通常枠のA・B類型と、低感染リスク型ビジネス枠のC・D類型の4種類の類型が設けられています。
A・B類型は、生産性の向上に資するITツールの導入が補助対象です。C・D類型は、新型コロナウィルスに対応するためのリスク低減・業務効率化ツール(C類型)、もしくはテレワークのためのクラウド設備(D類型)の導入が補助対象です。
C・D類型は、通常枠よりも補助内容が優遇されています。ITツールの導入以外に、ソフトウェア利用に不可欠なハードウェア(パソコンやスマートフォン、ディスプレイ、プリンターなど)のレンタル費用も含まれます。
各類型の補助額および補助率は、ITツールがもつ業務プロセス(機能)の種類と、数によって決定されます。
業務プロセスの区分けは、こちらです。
- 顧客対応・販売支援
- 決済・債権債務
- 調達・供給・在庫・物流
- 会計・財務・経営
- 総務・人事・給与・労務・教育訓練・法務・情シス
- 業種固有プロセス
- 汎用・自動化・分析ツール
具体的なITツール名では、販売管理システムや勤怠管理システム、RPAツール、WEB会議システム、そして在庫管理システムなどが挙げられます。各型の補助額・補助率は、以下をご覧ください。
<A類型>
業務プロセス:1以上
必要補助額:30~150万円
未満補助率:1/2以内
<B類型>
業務プロセス:4以上
必要補助額:150~450万円以下
補助率:1/2以内
<C類型>
業務プロセス:2以上
必要補助額:30~450万円未満
補助率:2/3以内
*詳細
C類型-1:30~300万円未満
C類型-1:300~450万円以下
<D類型>
業務プロセス:2以上
必要補助額:30~150万円以下
補助率:2/3以内
2.IT導入補助金の申請プロセス
ここではIT導入補助金の申請プロセスを紹介します。まずはIT導入支援事業者・ITツールを調べて、選定するところがスタート地点です。交付申請や補助事業の実施後までの簡単な流れをまとめました。
2-1.IT導入支援事業者・ITツールの選定
IT導入補助金を申請するためには、まずIT導入支援事業者およびITツールを選定しなければなりません。どちらも【IT導入支援事業者・ITツール検索】ページから探すことができます。詳細検索ページでは、営業エリアが必須選択項目です。その他、該当する項目にチェック・入力して検索をすると、結果が一覧で表示されます。
IT導入支援事業者を特定して、「IT導入支援事業者詳細情報」「ITツール一覧」ページから詳しい情報をご確認ください。「IT導入支援事業者詳細情報」に、お問い合わせ先(メールアドレス・電話番号・FAX番号)も記載されています。例えば、弊社(瀬戸内scm株式会社)の場合は上記のような詳細情報がまとめられています。
IT導入支援事業者が決まれば、IT導入補助金専用のポータルサイトの【申請マイページ】への招待を受けてください。
IT導入補助金専用のポータルサイトで、交付申請から交付審査・採点、採択通知、実績報告、確定検査、確定通知、効果報告まで、すべてのプロセスを実施します。
2-2.IT導入補助金の申請~実施まで
ポータルサイトに登録できれば、交付申請が第一ステップです。
申請をするためには、
- 行政サービスで利用されているgBizIDプライムのアカウント取得
- 必要書類の準備
- 生産性情報の報告
- 給与総額・最低賃金の事業計画(3年間)の策定
- SECURITY ACTION自己宣言(中小企業自らが情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度)
などの実施などの要件を満たす必要があります。
申請後、IT導入補助金の採択が決定すれば、いよいよ補助事業を実施するフェーズです。ITツールを導入できれば、補助事業が完了するわけではありません。事業を実施したことで、どういった効果が得られたのか実績を報告する必要があります。
IT導入補助金を受けるためにやるべきことは沢山あります。しかし、IT導入支援事業者のサポートを受けながら、1つずつ実行することで、円滑に進めることができます。公募スケジュールは、2022年度では第5次締切分までが設けられました。毎年、IT導入補助金の詳細条件や公募スケジュールが更新されるため、その都度、公式サイトでご確認ください。
<IT導入補助金の公式サイト>
3.IT導入支援事業者・ITツールの選び方
ここでは在庫管理システムの導入において、IT導入支援事業者・ITツールを選ぶポイントを4つ紹介します。どのIT導入支援事業者・ITツールが、自社のビジネスに適しているのかを見極める必要があります。
3-1.解決したい課題のソリューションとなるか
在庫管理システムを導入することで、なにを解決したいのか、現状の課題を把握しなければなりません。
例えば、以下のような課題が挙げられます。
「Excelで在庫管理をしているが人的ミスが多くて悩まされている」
「特定の担当者に業務を頼っており、ほかの従業員にノウハウが共有されていない」
「適正在庫を維持できず、安定した利益を生み出せていない」
解決したい内容が明確にすることで、それに見合ったIT導入支援事業者・ITツールかどうかが選べるようになります。
3-2.現場の使いやすさが重視されているか
在庫管理システムには、さまざまなタイプがあります。中小企業が重視すべきポイントは、製造現場での使いやすさです。使いやすいとは、ボタン数が最小限で、操作を間違えてもすぐにやり直しがきくことを意味します。そのためには機能は、必要最低限で十分です。
機能が増えれば増えるほど、ボタンが増えて操作が複雑になります。結果的に、使いこなせる担当者がいない、という事態に陥ります。ITツールに慣れていない作業員や、入社したばかりの従業員でも、操作しやすい在庫管理システムを選ぶことで、スムーズに導入できます。
3-3.機能を追加できるか
在庫管理システムには、あらかじめ搭載されている機能が固定化されているタイプと、自社仕様に機能をカスタマイズできるタイプがあります。
これからの成長拡大が見込まれる中小企業・小規模事業者には、後からでも機能を追加できる在庫管理システムが適しています。企業の成長に合わせて、その都度、機能を追加できる在庫管理システムが理想的です。なお、オプションの搭載費用もIT導入補助金の対象なので、興味がある機能をスタート時点であらかじめカスタマイズしておくことができます。
3-4.専門家のサポートを受けられるか
在庫管理システムの導入には、IT導入支援事業者によるサポートを受けられます。しかし、在庫管理や在庫管理システムの実務経験を持っているかで、その結果が左右します。
サポート内容は、導入コンサルティングや導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートなどです。在庫管理業務に精通した専門家に依頼をすることで、現場のやり方やフローに合わせた方法の提案・支援を受けられます。
4.IT導入補助金を申請するなら『成長する在庫管理』
当サイト「在庫管理110番」を運営する瀬戸内scm株式会社は、IT導入支援事業者の認定を受けています。
※2023年度 IT導入補助金の募集を開始しました。
また、弊社の在庫管理システム【成長する在庫管理】もIT導入補助金の対象に認定されています。IT導入補助金のご利用をお考えの中小企業さまは、【成長する在庫管理】をおすすめします。
【成長する在庫管理】は、在庫管理の専門家が開発した在庫管理システムです。最小限の機能を搭載したクラウド型でありながら、追加したい機能を後から搭載できます。特徴は3つあります。
- 搭載された入出庫・棚卸などの機能が「100%使いきれる」
- 誰でも簡単に操作でき!入社したばかりの従業員でも使える
- ユーザー数無制限(ライセンス課金なし)
補助金は最大450万円まで、補助率は75%です。
導入費用だけではなく、導入支援の役務(コンサルティング)や1年間分の保守料金も対象です。
弊社は、実務経験に基づいた実践的なサービス提供を得意としています。在庫管理システムは、受注から販売までをトータルでサポート可能です。ただ導入サポートをするだけではなく、現場の業務フローに合わせた仕組みづくりに定評があります。
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「在庫管理110番」では、クラウド型『成長する在庫管理システム』を提供しています。 在庫管理システム・生産管理システム導入実績のある専門家が開発しました。現場での使いやすさを第一に考え、直感的でわかりやすいのが魅力です。システムの特徴は次の通りです。
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