生産計画を作成する
余剰在庫が増える工場は、生産計画をほとんど
立てていません。
生産計画を立てているといっても、担当者の勘や
経験に頼った行き当たりばったりの生産計画であることが
多いのが事実です。
生産計画はどのように作成するのでしょうか?
生産計画の流れを簡単に示すと次の図のようになります。
生産計画の作成手順
まず、生産計画を立てる上で最も大切なのが需要予測です。
これは販売計画や客先からの内示に基づくものです。
需要予測がわからない方は、まずはこちらをご覧ください。
この情報の精度が高ければ高いほど、余剰在庫が工場に
残ることはありません。(在庫=需要予測-実需要)
生産計画は、製品の種類ごとに生産数を決めます。
ここで決めた生産数をそれぞれ製造計画と調達計画に
分解します。(実際には連動しています)
部品調達計画
在庫量に強く関わってくるのが、調達計画です。
調達計画に基づいて、サプライヤー(仕入先)に部品や
材料の発注の内示や確定注文を出します。
この時に必要なのが、部品情報です。
部品情報で主に必要なのが、次の3つです。
- 部品表
- 在庫
- 発注条件
まず、各製品の部品表を展開して、各製品に必要な
部品とその必要数を取り出します。
次に在庫と発注残数を考慮して、部品の発注数量を求めます。
部品の発注数は、以下の式で求めることができます。
発注数=必要数-(在庫数+発注残数)
さらに発注条件を考慮して、最終的にロットまとめをした
発注数量と発注日を決めます。
サプライヤーは決められた納期に部品を納品します。
納品された部品を使って、生産を開始します。
製造計画
いくら部品を生産ラインに供給しても作れないときがあります。
そこで製造計画で考慮すべきなのは、次の2点です。
- 人員
- 設備
いわゆる生産能力のことです。
この生産能力には、生産数量だけではなく、製品を生産するための
作業や加工ができる技術も含まれています。
つまり、生産の4Mがきちんと揃っているかどうかということが
カギになります。
どれかひとつでも欠けている場合は、生産を諦めるか生産能力を
増強するしか方法がありません。
在庫に大きな影響を与えるのが、製造リードタイムです。
製造リードタイムは、短ければ短いほど仕掛品在庫が減るので
有利になります。
客先への出荷
生産を終えたら、製品が完成します。
注文された製品であれば、すぐに販売先に出荷可能です。
注文が無く、見込みで生産したものであれば、製品在庫に
なります。
ここで問題になるが、製品在庫の存在です。
生産計画を立てていなかったり、担当者の勘や経験だけで
作っている工場は、製品在庫の数が増える一方です。
その中には、注文が来ず倉庫の中で長期間在庫となり
捨てるしか処分の方法が無い製品が出てきます。
このような製品在庫には、多額の費用が掛かっています。
目に見える費用は材料費と廃却費ですが、目に見えない費用
として次のようなものが挙げられます。
- 倉庫管理費
- 作業員の給与(作業時間)
- 移動費
製品在庫の作り過ぎは、材料を余分に使うことにも
繋がります。つまり、材料の買い過ぎの一因にもなっている
のです。
生産計画を作るにはどうすればいいのか
生産計画を立案することにより、作り過ぎと買い過ぎの両方
を防ぐことができるので、在庫の適正化に大きな効果があります。
これまで生産計画を作ったことが無い工場では、
まず、需要予測から始めましょう。
部品調達計画の計算方法
部品調達計画に最低限必要なのは、
以下の3点です。
- 製品の生産計画
- 在庫
- 部品表
本格的な部品調達計画はシステムを用いたMRPで行われる
ことがほとんどですが、構成がシンプルだったり、製品を限定
すれば、簡単な部品調達計画をエクセルで作ることも可能です。
エクセルで作る最もシンプルな部品調達計画
エクセルで行う場合は3つのシートに分かれます。
- 製品の生産計画数
- 部品表
- 部品別必要数量
生産計画に役立つフォーマット
在庫管理110番のオリジナルで、生産計画
に役立つフォーマットを用意しました。
在庫管理表や在庫分析にご利用いただけるものもあります。
ぜひ、お気軽にご利用ください。
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