今回は、製造業における「需要予測の3つの手法」を解説します。

製造業では、顧客の多くが卸売業者や販売店です。

最終的な消費者や市場との「距離が遠い」ことが多いのが事実です。

小売業やサービス業などの業界は、目の前にお客様がいます。

常に接して会話や動きを観察することで無意識のうちに”需要予測”をしています。

一方、製造業が向き合うのは、部品や機械です。

消費者や市場とは一切向き合いません。現場は市場の変化を察知しづらい環境下にあります。

これが、製造業の在庫を増やす原因にもなっています。

以前こちらの記事で「在庫=入庫―出庫」とご説明しました。

在庫管理の流れ

この式を「在庫=需要予測ー実需要」と置き換えることも可能です。

つまり、需要予測と実需要の差を減らせば在庫は減るのです。需要予測をする必要性・重要性はまさにこの点です。

では、どのように需要予測を行うことができるのか、具体的な手法をご紹介します。

需要予測の3つの手法 

需要予測とは、「過去のデータや市場のトレンド・動向から、将来のニーズ(需要)を予測すること」です。

なぜ、このような予測が製造業で求められるのでしょうか。

予測をもとに生産や製造、開発、品質、経営における課題を明らかにして、それらを改善する(需要バランスを最適にする)目的で使用するためです。在庫管理を効率化をするために、需要予測を役立たせることができます。

現場に精通した担当者であれば、今までの経験と勘で需要予測をできるかもしれません。しかし、客観的に判断するためにデータを活用して予測をしていきます。

製造業の需要予測には主に3つの手法があります。

  • 在庫分析
  • 取引先からの内示
  • 市場情報

在庫分析をする(過去データの活用)

在庫分析は過去のデータから未来を予測する方法です。

  • 過去のデータを見ても正確に分からない
  • 過去のデータは当てにならない

ということを聞きますが、それは真っ直ぐな方法でしかデータを見ていないからです。

在庫そのものの動きの他に、顧客や季節などの情報を組み合わせることで、市場の動きの傾向が見えてきます。

すると、新製品などにも応用ができます。

一番良い例がコンビニです。
コンビニ年齢や天気のデータを細かく蓄積しています。

どんな天気の時に、どんな年齢の人が、何を買ったのか?

時間帯まで把握すれば、限られたスペースを活かすことができます。

例えば、弁当。
ランチの時間帯に売れるのは当然です。
しかし、弁当にも種類があります。
50代・男性が買う弁当、10代・女性が買う弁当。

それぞれ違いがあるはずです。

これらもデータをとり、さまざまな角度から分析をすると傾向が見えてきます。

傾向が見えれば、ターゲットが分かってきます。
その地域にどんな人がいるか調べれば、新規出店や在庫量もある程度絞り込むことができます。

また不要な在庫を持つコストの削減や、ビジネスの機会ロスを防ぐことも可能です。

【在庫分析に役立つ記事】

取引先からの内示

製造業で多いのは、内示と呼ばれる取引先からの発注予定情報です。
取引先も生産計画を作りますので、部品をいつ使うのかという計画は持っているはずです。

この場合は、取引先の需要予測の精度がカギになります。
需要予測精度が低ければ、それを基に発注計画を作っても、外れが多いので意味がありません。

需要予測は、当たらないと言われる原因の1つが精度の低さにあります。

需要予測の精度を知るために必要なデータは、実際の発注量と内示数です。

需要予測精度 = 実際の発注量 ÷ 内示数 × 100

この差をよくモニタリングして、信頼できる精度なのかを調べてみましょう。

精度が低い場合は、正確な発注予定情報を収集して向上させる必要があります。

市場(エンドユーザー)の情報

最も良いのは、「最終製品を使っている市場の情報」を得ることです。

車の部品を作っている企業を、需要予測の事例に挙げます。

必要なデータとして、自動車の販売台数や部品が組み込まれたパーツショップの販売数に関するデータが有効です。

部品表の考え方があれば、このデータを展開することで、部品の実需量まで落とし込むことができます。

このデータが最も信頼性が高いといえます。

入手方法は、

  • 最終製品を扱っている店舗から情報をもらう
  • 業界団体の発表している情報を入手する
  • 国や県、市町村などの統計データを見る

    様々な方法があります。

    今後自動車メーカーでは、電気自動車(EV)や自動運転車の需要が拡大していく見込みです。

    電気自動車なら、ニッケルやコバルト、マンガン、リチウム、シリコン、グラファイトなど電池に関連する材料が必要となります。

    国土交通省の資料によれば、「2030年には4台に1台、2050年までにはすべての車両を、PHEV、EVなどの次世代自動車とする」必要性が唱えられています。

    あくまでも一部にしかすぎませんが、こういったデータを収集していくことで市場の動向が把握できます。

    【引用:国土交通省|主要データ集

    現在、半導体不足が長期化している中で、各メーカーの減産・操業停止が長期化しています。

    1つの要因として、需要予測の見誤りが挙げられます。新型コロナウイルスという想定外の事態が大きく影響していますが、どんな問題が再び発生するかはわかりません。変動に対応できるように、在庫管理をしていくべきです。

    需要予測だけでなく、在庫管理を成功させるためにはステップを着実に進めていくことが大切です。とくに重要なのは見える化をすることです。こちらの記事を参考に、手順をおって現場の改善してみてはいかがでしょうか。

    在庫管理を成功させるステップとは

    【注意しておきたいポイント】

    需要予測は、有効で活用すれば事業に活かせます。

    しかし中小企業では役立たないケースがあります。例えば、次のような企業です。

    • 社内のリソースが少ない
    • 発注リードタイムが決まっていない
    • 社内のコミュニケーションがとれていない

    こういった会社で需要予測が不向きな理由、かつ適正在庫を実現する方法をまとめたのでご覧ください。

    需要予測に頼らずに適正在庫を実現する方法

    需要予測に在庫管理システムを導入する

    需要予測は、エクセルを使えば手作業でできます。

    回帰分析や移動平均法、指数平滑法、統計データを使ったモデルが一般的です。

    マーケティングやデータサイエンス担当者なら使い慣れた需要予測手法でしょう。

    しかし実際にやってみると手間と時間がかかります。

    また主観的な見方や手法によるミスも発生します。経験や勘にも結果が左右されるでしょう。

    分析が甘くて、相関関係と原因を見誤るのは珍しくありません。

    そこで精度の高い需要予測をする手法として、在庫管理システムがあります。

    在庫管理システムとは、「どの在庫がどこで、どれだけ保管されているのかを、一元管理する」ためのソリューションです。

    ただ在庫管理を効率化させるだけではありません。

    在庫分析や売上分析に活用できます。需要予測をして、期待できる効果は以下の通りです。

    • 過剰在庫・滞留在庫、欠品の防止
    • 適正在庫の維持
    • 新商品の販売戦略
    • 資金繰りの計算

    在庫管理システムで、在庫データを使って未来を見通す力が身につけられます。

    と言っても、わざわざ機能性が高い在庫管理システムを導入しなくても構いません。

    最低限の機能だけで十分です。機能性よりも「現場での使いやすさ、操作性の良さが重要」です。

    ここ最近は、需要予測に特化した「需要予測システム」も注目されています。

    統計モデルやAI、機械学習を駆使したシステムがあり、発注の最適化に役立ちます。

    しかし製造業であれば業務と連動している在庫管理システムの方が使い勝手は良いでしょう。

    弊社では在庫管理のプロが手がけた「成長する在庫管理システム」を提供しています。

    • 在庫分析(回転率、期間集の挿入出庫、開始・完了時点在庫数)
    • 売上分析(取引先別の売上の予定・実績金額、期間指定可能)

    など、需要予測に十分な機能がそなわっています。

    はじめての在庫管理システムの採用でもご安心ください。

    見やすい画面で、システムが苦手な初心者でも操作が簡単です。

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