キャッシュ・コンバージョン・サイクルとは?

キャッシュコンバージョンサイクルとは?

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とは、企業が資金を回収する効率性・スピードを示す財務指標です。
商品を購入して、販売し、代金を回収するという企業活動のプロセスにおいて、売上の入金よりも先に、商品の購入代金を支払う場合、そのタイムラグを埋め合わせるために、一定のキャッシュが必要になります。これを運転資本といいます。
運転資本が増える場合には、新たにキャッシュが必要になってきます。
逆に、運転資本が減る場合には、その分のキャッシュを用意する必要がなくなります。

キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、次の式で表します。
CCC = 棚卸資産回転日数(CIO)+売掛債権回転日数(DSO)-買掛債務回転日数(DPO)
欧米企業では四半期決算毎に算出するケースが多いようです。
年間を対象とした算出方法は、

  • 売掛債権回転日数=年平均売掛債権÷年間売上高 ×365日
  • 棚卸資産回転日数=年平均棚卸資産÷年間売上原価 ×365日
  • 買掛債務回転日数=年平均買掛債務÷年間売上原価×365日

CCCを改善活動のための経営指標と位置づけているため、測定は米国企業(特にデル社)に倣って、年度ではなく、四半期末をベースにしております。また在庫に関しても期初/見末の平均値でなく、四半期末を使用しています。
売掛債権回転日数=当該四半期売上債権÷当該四半期売上高×90日
棚卸資産回転日数=当該四半期末棚卸資産÷当該四半期売上原価×90日
買掛債務回転日数=当該四半期末買掛債務÷当該四半期売上原価×90日

オペレーションサイクルとキャッシュサイクル

キャッシュサイクルとオペレーションサイクル
オペレーションサイクルとは、在庫(材料、製品)を購入から売上代金を受け取るまでの期間です。
ここには調達、製造、物流、販売部門が関係します。
またキャッシュサイクルとは、購入代金を支払ってから売上代金を受け取るまでの期間です。
CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の短縮化は、事業を円滑に回すために必要な運転資金が少なくて済むことを示します。
反対に長くなればなるほど、多くの運転資金が必要になり、資金効率は低下します。結果、ROIC(投下資本利益率)は悪化になり、ROE(自己資本利益率)は連動して悪化となります。

ビジネス・サイクルと営業キャッシュ・フロー・アイテムキャッシュフローの相関

営業キャッシュフローとビジネスサイクル
製造業の場合、原材料を仕入れた時点でキャッシュアウトとなります。
その後も製造から販売になるまで販売促進費、販管費等とさらにキャッシュアウトが続きます。
小売業者に渡る前に卸業業者等が介在すると一般的に売掛金が発生します。
それを回収して初めてキャッシュインとなります。この一連のサイクルをいかに迅速に回せるかによって、企業は運転資本に差が出てきます。

CCC(キャッシュ化速度)を速めるためには、どうすればよいのでしょうか?

キャッシュ化速度を速める

  • 在庫日数を短くする (在庫削減
  • 売掛金回転日数を短くする(売掛金削減、取引条件の見直し)
  • 買掛債務日数を長くする(取引条件を緩和)

そのためには、以下の5項目を検討する必要があります。

  • 自社のCCC 現在のキャッシュ化速度を測定、同業他社との比較をし、立ち位置を確認する。
  • 四半期毎の状況を把握し、CCC中期目標を設定する。
  • 各々の状況を週単位で把握し、業務プロセス改革を断行する。
  • 四半期毎の結果を全社的に開示し、改善活動をレビュー
  • CCC結果を営業C/Fの重要なドライバーとして位置付け、適切な評価を行うと同時に、経営陣と現場の一体活動として継続する。

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高井先生は実務的な管理会計のスペシャリストです。
ソニーにて多数のご経験を積まれ、実績を残されています。
欧米ではスタンダードな経営指標であるキャッシュ・コンバージョン・サイクルの普及に努めている数少ない専門家です。
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