アップルは在庫管理で復活した
アップル社が、過去に倒産の危機に瀕していたことをご存知でしょうか?
時価総額が世界一位になるなどの桁違いの業績を上げている企業からは想像もつきません。
洗練されたデザインと革新的な商品が目立ちますが、
復活の土台を作り上げたのが在庫管理の改善でした。
アップル社を筆頭に、トヨタ自動車やコストを事例に在庫管理のポイントを解説しています。
アップル社が倒産間近と言われた1997年スティーブ・ジョブス氏が
アップル社に復帰しました。
さらにスティーブ・ジョブス氏は現CEOであるティム・クック氏を
アップル社に招きます。
ティムクック氏は在庫管理・サプライチェーンの達人と言われる人です。
そして、彼らが行ったのは製品の見直しです。
製品の絞り込みと徹底的な効率化
当時、アップル社には350の製品がありました。
これを一気に10まで減らしました。
思い切った「選択と集中」の大決断です。
これをすると何が起こったか?
- 資源の集中
開発を10製品に集中させることができたため、
質の高い製品の開発と開発サイクルを短縮することができた。 - 在庫削減
1995年は在庫日数が58.5日もあったそうです。
しかし、それを製品を絞り込むことで4.7日まで削減したそうです。
この時、売上は半減したそうですが、その後は回復し現在の時価総額83兆6000億円(2015年現在)で世界一位の座を守り続けています。
ここで注目したことが3点あります。
- 製品数の削減割合
製品は、350から10まで減らしたので約97%減です。 - 売り上げの減少の割合
1995年の売上高が約110億6200万ドル、
製品削減後の1998年は59億4100万ドルで
約46%減です。 - 在庫日数の削減割合
58.5日が4.7日なので、約92%減です。
製品の減少割合と在庫日数の割合は5%の差がありますが、
ほぼ一致しています。
しかし、売上は半減もしていません。
これは、350の製品のうち、約10の製品で会社全体の54%
を稼ぎ出し、残りの340の製品で46%を稼いでいたことに
なります。
在庫管理は、組織の立て直し、利益の改善、キャッシュフローの
改善にとても大きな威力を発揮します。
本記事を書くための参考サイト
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