【2023年版】在庫管理システム導入で活用したい助成金・税制措置4選

■この記事のPOINT

  1. 在庫管理システムの導入で、補助金・助成金・税制優遇制度を受けられる
  2. 今回のテーマは「業務改善助成金」「早期経営改善計画策定支援事業」「デジタルトランスフォーメーション(DX)「投資促進税制」経営力向上計画」
  3. 1つの制度で申請が通らなくても、ほかの制度で採択される可能性がある

近年、中小企業がITツールを導入するために、資金サポートを受ける方法として、経済産業省が実施するIT導入補助金に人気が集まっています。

対象経費のうち1/2~2/3、最大で450万円が補助される制度です。在庫管理システムの導入でも、IT導入補助金を利用できます。具体的な申請フローは、『IT導入補助金を活用した在庫管理システムの導入方法』で紹介しているので、ご確認ください。

しかし、IT導入補助金の採択率はおおよそ40~60%で、不採択になる可能性は低くありません。資金的なサポートが受けられず、在庫管理システムの導入を諦めている企業さまも多いのではないでしょうか。

実は、IT導入補助金以外にも、在庫管理システムの導入に活かせる補助金・助成金、税制優遇制度があります。

代表格として「ものづくり補助金」と「小規模事業者持続化補助金」が挙げられます。

これらの制度に関する情報は、『補助金を使って在庫管理システムを導入する』をご覧ください。

今回取り上げるのは、近年のコロナ渦やDX推進で、とくに注目を集めている4つの制度です。

  1. 業務改善助成金
  2. 早期経営改善計画策定支援事業
  3. デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制
  4. 経営力向上計画

本文で、それぞれの内容をまとめてお伝えします。

この記事でお伝えしたいのは、補助金・助成金、税制優遇制度を活用して在庫管理システムを導入する方法は多岐にわたる、という点です。

IT導入補助金やものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の申請が通過しなかったとしても、ほかの制度を申し込んで、採択される可能性はあります。

在庫管理システム導入の機会損失を防ぐためにも、上に挙げた4つの制度の概要を説明します(ただし、最新情報は随時更新されるため、詳しくはお問い合わせください)。

当サイト『在庫管理110番』を運営する【瀬戸内scm株式会社】は、760 名を超える日本最大規模の士業ネットワークであるアイチ士業ネットワークに所属しています。

補助金・助成金に詳しい税理士、社会保険労務士、公認会計士などの法律の専門家が所属する強いネットワークを構築している、在庫管理および在庫管理システムの専門企業として、各制度のポイントをお伝えします。

*採択されやすいための計画の作り方を解説した記事があるのであわせてご覧ください。

☑補助金・助成金で在庫管理システム導入

在庫管理システム導入のご相談はこちら

業務改善助成金

概要

業務改善助成金は、生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るために、厚生労働省が実施している制度です。

機械設備やコンサルティング導入、人材育成・教育訓練などの設備投資によって生産性を向上させ、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、設備投資にかかった費用の一部が助成されます。

生産性向上につながる設備投資の1つが、在庫管理システムです。在庫管理システム導入による業務の効率化が期待できると、厚生労働省は活用事例として挙げています。

助成額

申請コースごとに定める引上げ額以上、事業場内最低賃金を引き上げた場合、生産性向上のための設備投資等にかかった費用に助成率を乗じて算出した額(20万円~最大600万円)を助成。

*事業場内最低賃金900万円の未満は4/5、生産要件を満たした場合は9/10

*事業場内最低賃金900万円の以上は3/4、生産要件を満たした場合は4/5

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業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援

早期経営改善計画策定支援事業

概要

早期経営改善計画策定支援事業とは、新型コロナウイルス感染症の影響で売上減少や借入増大に直面している中小企業が、基本的な経営改善(早期経営改善計画の策定)に取り組むことにより、資金繰りの管理や採算管理が行えるよう支援を行う制度です。

中小企業庁が実施する制度で、ポストコロナ持続的発展計画事業とも呼ばれています。国が認定した税理士などの専門家(士業)の支援を受けて、資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰図などの経営改善計画を策定し、計画の進捗確認・フォローアップを受けられます。

本制度は、専門家に対する支払費用が補助対象です。在庫管理システムの導入には適用されませんが、資金繰りを改善するための具体的な行動計画の1つに、在庫管理システムを取り入れることができます。

また借入金の返済負担など、財務上の問題を抱えていて、金融支援が必要な場合は、経営改善計画策定支援事業が有効です。通称405事業と呼ばれており、設備老朽化や売上減少で、借入金の返済が苦しい企業が、設備投資を行って資金繰りや売上・利益を改善するために役立ちます。

補助額

  • 早期経営改善計画策定支援事業

専門家に対する支払費用の2/3(上限20万円まで)

  • 経営改善計画策定支援事業

専門家に対する支払費用の2/3(上限200万円まで)

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認定支援機関による経営改善計画策定支援事業

デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制

概要

デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制は、企業のデジタルトランスフォーメーション化をするために要するクラウド技術を活かしたデジタル関連投資に適用できる、計画認定制度です。投資対象は、ソフト・ハードどちらでも構いません。産業競争力強化法に新たに追加され、適用期限は2023年3月末までとされています。認定要件と、「デジタル要件(D)」と「企業変革(X)」の2つを満たす必要があります。

「デジタル要件(D)」

  • データ連携(関連会社・グループ会社間の連携、社内設備のIotデータ活用による連携など)
  • クラウド技術
  • 情報処理推進機構(IPA)から「DX認定」の認証を取得(レガシー回避・サイバーセキュリティ等の確保))

「企業変革(X)」

  • 一定以上の生産性向上などが見込まれること(ROAが2014~2018年平均から1.5%ポイント向上・売上高伸び率≧過去5年度の業種売上高伸び率+5%ポイント)
  • 計画期間内で、商品の製造原価が8.8%以上削減されること等
  • 全社の意思決定に基づくもの(取締役会等の決議文書添付)

支援措置

  • 税額控除(5%・3%)
  • 特別償却(30%)

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デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制の創設

経営力向上計画

概要

人材育成や財務内容の分析、ITの利用・活用、生産性向上のための設備投資など、中小企業者・小規模事業者の経営力を向上させるための実施計画です。

「経営力向上計画」を事業所の所管大臣に申請して認定されると、「中小企業経営強化税制(即時償却等)や各種金融支援を受けられます。

税制の特例措置の対象となる設備として、在庫管理システム(70万円以上)が挙げられます。

(参照:農林水産省|中小企業等経営強化法による支援

支援措置

  • 固定資産税の軽減(3年間半額)
  • 補助金申請における優遇策
  • 法人税等の特例措置(新規取得した設備について即時償却または一定の税額控除の選択適用)
  • 各種金融支援(政策金融機関の低利融資、民間金融機関の融資に対する信用保証など)

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経営サポート「経営強化法による支援」

ものづくり補助金の最新情報

2021年12月20日に、令和3年度補正予算が成立した関係で、ものづくり補助金の最新情報をまとめました。

概要

中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構が、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業として実施する補助金制度です。

正式には、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」と呼ばれています。中小企業・小規模事業者が取り組む技術革新を目的とした設備投資などが補助対象です。具体的には、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入などの制度変更に対応するために行う、サービス開発や試作品開発・生産プロセスの改善が挙げられます。

また通常枠に加えて、令和3年度補正予算案では、グリーン、デジタルに資する革新的製品・サービスの開発、または生産プロセスなどの改善に必要な設備投資などを支援するためにグリーン枠とデジタル枠、赤字など業況が厳しい中で生産性向上や賃上げなどに取り組む事業者を支援するために、回復型賃上げ・雇用拡大枠が新設されました。

在庫管理システムは、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するためのデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善に役立つと考えられるため、ものづくり補助金の申請候補として挙げられます。

(参照;経済産業省・ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業令和3年度補正予算の概要

補助額

*750万・1,000万・1,250万(従業員規模によって異なる)

  • 通常枠 補助率1/2(小規模事業者・再生事業者は補助率2/3)
  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠 補助率2/3
  • デジタル枠 補助率2/3

*1,000万・1,500万・2,000万(従業員規模によって異なる)

  • グリーン枠
  • 補助率2/3
  • 回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン

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ものづくり補助金総合サイト

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知っておきたい補助金と助成金の違い

在庫管理システムの導入で、各制度のご利用に興味がある方へ、お伝えしておきたいことがあります。

それは補助金と助成金は、まったく異なる制度であることです。似ている制度として、よく認識されがちなのですが、とくに管轄と目的が違います。この点を理解をしておきましょう。

補助金は、おもに経済産業省や地方自治体が管轄です。税金が予算になっていることが特徴です。

目的としては、事業を通じて公益を達成することが軸に置かれています。

一方で、助成金の管轄は厚生労働省です。

企業が支払っている保険料を財源としています。雇用や労働環境を整備することが、助成金の目的です。

どちらも、企業や個人事業主が行う事業・取り組みを経済的に支援するために、国や地方公共団体が資金の一部を給付する制度であることは変わりません。

また、資金の返済も不要です。しかし、補助金は審査があり、結果によっては採択されず、助成金は受給要件を満たしていれば、100%受給できます。受給をするためのハードルの高さが異なります

いずれにしても各制度の申請をするのであれば、専門家に相談することをオススメします。手続きがスムーズになり、プロのアドバイスやサポートも受けられます。

在庫管理システムのことなら『在庫管理110番』

当サイト『在庫管理110番』を運営する瀬戸内scm株式会社では、中小企業さまの在庫管理システム導入をサポートしております。各種補助金・助成金、税制優遇制度などのご相談を承っております。

弊社はIT導入支援事業者の認定を受けており、弊社の在庫管理システム【成長する在庫管理】もIT導入補助金の対象に認定されているため、IT導入補助金の支援も可能です。

※2023年度 IT導入補助金の募集を開始しました。

また、在庫管理システム導入において、「ものづくり補助金を申請したが採択されず、資金面で困っている」「補助金や助成金に興味があるが、自社が申請条件を満たすのかわからない」「在庫管理システムの選び方を教えてほしい」などで、お悩みの企業さまは、お気軽に『在庫管理110番』までお問い合わせください。

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