在庫管理アドバイザーの岡本です。
在庫は、一般的に「stock」(ストック)と英訳されます。
しかし、在庫管理業務では「inventory」(インベストリ)を使用する機会が多いでしょう。
「stock」と「inventory」の違いは、前者が「完成品としての在庫」であり、後者が「原材料・仕掛品・半製品を含む在庫」です。
したがって、店舗ビジネスやECサイトの運営者であれば「stock」、製造業の工場や倉庫などの現場担当者であれば「inventory」を、よく用います。
ここでは、現場における「在庫」について、英語でどのように表現するのかを紹介します。
在庫管理アドバイザーである筆者が、海外の現場経験から大切だと考えているのは。
流暢な英語の発音をするよりも、工場勤務の人たちが効率的に作業できる仕組みをつくることです。
その上で、適切な英語を使って、コミュニケーションをすれば、スムーズに業務を進められるでしょう。在庫管理業務の実践で使える英語をまとめているので、ぜひご活用ください。
【在庫管理の営業に関する記事】
目次
「stock」と「inventory」の違い
「stock」は「完成品としての在庫」、「inventory」は「原材料・仕掛品・半製品を含む在庫」です。
原材料・仕掛品の英語は、こちらで解説しています。
▷「仕掛品」に関する専門用語を英語で学ぶ
それぞれの略字は、以下の通りです。
- stock:stk.
- inventory:inv.
stockは最終製品の在庫
stockの語源は、「切り株」を意味する古いフランス語・stacheだと言われています。stockには、在庫だけではなく、株式や根幹という意味があります。
世の中で通用する在庫の英語といえば、stockです。
たとえば、アパレル・家具・日用品などを扱う販売業者であれば、在庫は最終製品(Product)だけを指します。
inventoryは棚卸資産の在庫
これに対して、inventoryは工場・倉庫の現場で働く人たちのための実用英語です。またバランスシートにおいて、会計英語としても用いられます。
inventoryは、もともと目録を意味します。「invent」(発見・創案) と「ory」(もの)を合わせた英語です。
inventoryとしての在庫は、原材料・仕掛品を含む「棚卸資産」と和訳することもできます。これは会社の流動資産(asset)の一部として計上しなければなりません。
また、動詞としての意味があり、「棚卸しをする」「在庫リストを作成する」という使い方をします。
わたちたちが行っている在庫管理は、inventory controlと表現します。在庫管理担当者は、完成品だけでなく、原材料・仕掛品の管理をしなければなりません。
在庫管理のゴールは、適正在庫を実現することです。そのために過剰在庫や在庫不足を解消する必要があります。そのためには、在庫分析が役立ちます。この一連の業務で、よく使う英語をまとめてみました。
在庫に関する英語表記
- 商品在庫(製品在庫):Product inventory/commodity inventory
- 在庫数量:inventory figures
- 在庫がある:in inventory
- 在庫切れ:out of inventory
- 在庫不足:inadequate inventory
- 過剰在庫:inventory excess
- 適正在庫:proper inventory
- 受注残:backlog
- 発注残:release order
- 在庫処理:inventory disposal/clear inventory
- 在庫分析:inventory analysis
- 在庫削減:inventory reduction
「在庫管理110番」では、在庫管理に関わる業務を効率化させるためのノウハウを豊富に発信しています。それぞれの気になる記事があれば、ぜひ業務にご活用ください。
<適正在庫>
<在庫分析>
<在庫削減>
在庫は最大の投資
「stock」は投資、「invent」は発見・創案という意味が在庫以外にあるように、まさに在庫管理とは投資するものであり、改善策を発見していく一連の作業です。
売上高に対して、仕入れ・生産は70~80%を占めています。商品・企業の付加価値を生み出すために、在庫(売上原価)へ投資します。
しかし、適切な在庫管理ができなければ、在庫を寝かせたまま放置して、資金繰り(キャッシュフロー)に苦しむことになるでしょう。
投資リターンを最大化するためには、効率化のための創案が求められます。とくに海外で在庫管理業務を行う場合は、あなた自身だけでなく、全スタッフが在庫管理の何たるかを理解しなければなりません。
筆者がフィリピンの工場勤務をしていた際、欠品の欠品問題が生じました。
在庫管理担当のフィリピン人スタッフを全員集めて、フィリピンで生産した部品が最終的にどのようにお客の手にわたるかを説明したことがあります。
その上で、改善活動を実施していきました。ぜひ、今回の記事を、海外での在庫管理業務にお役立てください。
またはじめて在庫管理を担当する方や、どこから手を付けていいかわからない方は、在庫管理システムの専門家に相談することをおすすめします。
専門家を探す際は、今までの事例を参考にしてください。実績のあるプロであれば、失敗・リスクを回避できますよ。
「在庫管理110番」でも、相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。