在庫管理アドバイザーの岡本です。
2022年6月1日に、居住地を大都市の名古屋から地元の相生市に移住しました。
2015年の独立当初の目的である「仕事を変えず、住む場所に縛られないようにする」を実現しました。
リモートにこだわり続けた結果がようやく実りました。
日本3大都市の名古屋(人口約230万人)から衰退都市相生市(人口2.8万人)と100分の1の規模の街への移住です。
地元を離れて20年以上、そこからは県庁所在地ばかりに住み、名古屋には17年間住んでいたので、便利な生活から離れるのは正直勇気がいりました。
実際に移住してみて感じたことをつづります。これから移住を考えている人の参考になれば幸いです。
まず、都会(名古屋)と田舎(相生)の差を比較表を作って検証しました。
相生 | 名古屋 | |
気候 | 〇 | |
支出の少なさ | 〇 | |
自然的娯楽 | 〇 | |
家の広さ | 〇 | |
渋滞の少なさ | 〇 | |
食生活 | 〇 | |
災害への耐久 | 〇 | |
駐車のしやすさ | 〇 | |
公共交通 | 〇 | |
公共サービス | 〇 | |
文化的娯楽 | 〇 | |
買い物 | 〇 | |
飲食店 | 〇 | |
人との出会い | 〇 | |
交通網 | 〇 | |
生活 | △ | |
仕事 | △ |
まず、気候は圧倒的に過ごしやすいです。私のいた名古屋が暑すぎたのかもしれません。。この記事を書いているのは7月下旬ですが、住んでいる場所はクーラーはまだいりません。扇風機で十分です。
空間的な余裕は圧倒的に相生に軍配が上がります。家は家賃が同程度で、広さは2.5倍以上、渋滞もないですし、駐車もコインパーキングを使うことはありません。
車を少し走らせれば自然いっぱい。名古屋に住んでいた時は、街を抜けるだけで1時間近くかかっていたので、ドライブはとてもしやすくなりました。瀬戸内海の景色には癒されます。
一方、名古屋は、公共交通が発達してどこにでも行きやすいです。電車の時刻を調べるということはほとんどしませんでした。今は、必ず電車の時刻を調べてからでないと1時間待ちを食らいます。
飲食店も選択肢が多く、「何を食べに行こうか?」と悩めるのも都会の特権です。今は選択肢はありません。
ちなみに、ラーメン専門店は1件、本格蕎麦屋は1件です。なぜかドラッグチェーン店がたくさんあります。。。
文化的娯楽も皆無です。映画館はゼロ。書店はスーパーの中に1件。。。名古屋だったら、コンサートや歌舞伎(御園座)スポーツなど、文化的な娯楽はほぼ毎日どこかでやっているのではないでしょうか?
ふらっと買い物によれるのも都会の魅力です。例えば、万年筆のインクが無くなってもすぐに買えます。ネットで購入できるので不便はあまり感じないですが、いきなり切れると替えを買えないので致命的です。
売っていない消耗品の残量を気にするようになりました。
公共サービスも名古屋の方が圧倒的に良いです。
地元に戻った時に、予想外で感じたことです。
教育の選択肢は名古屋の方がいいですし、水道、ガスも安い。おそらくですが住民税も安い。サービスが良くて、税金が安いのはいいことばかりです。
私のように地元だからとUターンで戻るのはいいですが、税金高くて、公共サービスがないとなれば、田舎にわざわざIターンで引っ越す意義は無いように思います。
公共サービスは田舎でも尖ったサービスを打ち出して、人を集めている自治体も多いので今後に期待したいです。
人との出会いについては、都会は人が多くイベントもたくさんあるので、仕事でも友達でも増やしやすいです。
田舎の場合は、人脈が固定されがちです。結果、内輪だけで盛り上がるということになってしまいます。
生活はその人のスタイル次第
元々激しく買い物をしたり、飲み歩いたりするタイプではないので、お店が少なくても全然気になりません。
しかし、買い物が好き、飲み歩きたい、コンサートに通いたいといういわゆる「人工的な娯楽」が好きな人には田舎は不向きです。
逆にドライブやアウトドアが好きな人にはお勧めです。渋滞はないですし、少し走ればすぐに自然いっぱいです。
仕事が最大の課題
田舎に戻れない(いけない)最大の原因は、「仕事の選択肢がほとんどなく、安い」ではないかと思います。
私は、「どこにいても仕事ができる環境を作る」ということが実現でできたので、仕事を変えずに移住出来ましたが、ごく少数派だと思います。
「高校卒業→仕事がないから都市部に行く」というのは、仕方がないことです。かといって、いきなり田舎で仕事を増やすのは無理です。
仕事問題を解決しない限りは、都会と田舎の差は縮まらないと思います。
衰退が止まらない
昭和49年をピークに相生市の人口は減少し続けています。
このグラフからもわかる通り、だいたい5年で1500人(1年で300人の減少)が減っている計算になります。
私が小さかった頃はまだ人も多く、夜店もやっていました。しかし今は、空き家も増えてきています。
田舎こそデジタル化が必要
まず、一番感じたことは田舎こそデジタル化ということです。
田舎の問題は、情報と人へのアクセスする距離です。
都会にいれば、交流する機会も多くイベントもたくさんあります。また、都会は黙っていても来てくれるので「打ち合わせは名古屋で」ということが可能です。
交通網も発達しているので、名古屋から出ることも、そして名古屋に行くことも比較的簡単で手間がかかりません。
しかし、田舎は交流する機会もイベントも少ない。黙っていたら来てくれません。電車の本数も驚くほど少ないです。
平日の電車の本数で比べてみます。
圧倒的な差があります。大阪に行く場合は直通がほとんどないので、姫路で乗り換えです。
都会にいたら、近くに情報がゴロゴロ転がっていますし、勉強したいならセミナーや研修も市内でいくらでも受けられます。
田舎にいて、本当に一番つらいと思ったのは、物理的な距離です。
また、人との交流が固定的になるので、新しい情報が入ってきません。その結果、新しい情報から取り残され、内輪、内輪への固定化していくように思います。
さらに初めから「わからないことはやりたくない、できない、無理だ」という決めつけがあるのもデジタル化を阻害します。
例えば、物販であっても田舎と都市とをこんな形でつなぐこともできます。(感情七号線)
工夫次第でできることはたくさんあります。
デジタルに強くなれば、
- 新しい情報へのアクセス
- SNSなどを通じた外の人との交流
- 情報の発信
- デジタルを利用した仕事の創出(集客や販売)
が可能です。幸い、今はいろんなデジタルツールが発達しており、安く気軽に使えます。その気になればデジタル化は絶対にできます。
ただ、受け入れる気持ちがあるかどうか・・・というのが田舎の課題だと思います。
お問合せ、ご相談はお気軽に!
デジタル化を推進したい、田舎から発信したいという方、ご相談に乗ります。
- 地元に帰りたい(Uターン)
- 田舎に住みたい(Iターン)
- 地元を昔のように元気にしたい、活性化したい(地方自治体、元々田舎に住んでいる人)
7年間にわたるリモートワークへの実践は少なからずお役に立てると思います。