
余剰在庫や不動在庫など、在庫管理における課題を解決するなら、在庫管理システムの導入をおすすめします。
とくに、Excel在庫管理による「業務効率の悪化」や「入力漏れや棚卸差異の頻発」でお困りの企業さまに、在庫管理システムは最適なソリューションとなるでしょう。
しかし、在庫管理システムを導入してからといって、必ずしも成果を出せるわけではありません。
たとえば・・・
- 高価格な在庫管理システムを開発したが、効果がない
- 多機能な在庫管理システムを導入したが、実際には搭載された機能の2割しか使えていない
- 在庫管理システムに任せっきりで、実際の在庫移動など製造現場の業務がおろそかになった
など、不満の声をよく聞きます。
これらの失敗原因は、在庫管理システムの導入にあたって、在庫管理システムの効果や機能、運用方法などの基本理解がおろそかになっている点にあります。
今回は、これから在庫管理システムを導入する企業さま向けに、最大限に効果を発揮するための導入ノウハウをまとめました。
- 在庫管理システムの基本理解|機能・メリット・種類・目的など(1~7章)
- 導入を成功させるコツと考え方(8~9章)
- 導入後のよくある失敗8選(10章)
を在庫管理のプロがわかりやすく解説します。
「在庫管理システムに興味はあるけど、具体的な機能や効果がよくわからない」「在庫管理システムで失敗しない選び方や導入方法を知りたい」という方に向けて、在庫管理システムの導入前~導入後まで網羅的にお伝えいたします。
もくじ
1.在庫管理システムの特徴

在庫管理システムとは「どの在庫がどこで、どれだけ保管されているのかを、一元管理するためのシステム」です。適切な在庫や入出庫情報を把握して、適正在庫を実現することができます。余剰在庫や在庫不足など課題を解決するソリューションとしてニーズが集まっています。
製造業やアパレル業、卸売り、物流業、小売業など、業態を問わず活用できるツールです。近年、市場拡大している医薬品・ヘルスケアや、ECビジネス、半導体といった市場でも、在庫管理システムは積極的に活用されています。
在庫管理システムとよく似たツールに、在庫管理ソフトがあります。在庫管理ソフトは、パソコンに専用ソフトをダウンロードをして使用します。一方で、在庫管理システムは、その必要はありません。サーバーやオンライン上に設けられたシステムにアクセスをすれば、いつでも利用できます。
2.在庫管理システムの目的

それは、「どの在庫が・いくつ・どこにあるのか」を把握することです。
- 在庫
- 数量
- 場所
これらを正確に管理することで、多くの会社では70~80%の在庫問題が解決します。在庫の種類には、部品・原材料、仕掛品・半製品、完成品がありますが、在庫の数量や保管場所を正しく管理できていないことが原因で、「実地棚卸で棚卸差異が起きる」「需要以上に受注したことで過剰在庫を抱える」などの問題が発生します。
入庫や出庫管理など、簡単な在庫管理ならExcelでも十分対応できます。難しい関数を使わずに誰でも作れる在庫管理表の作り方と活用方法はこちらをご覧ください。記事内でExcel在庫管理表のテンプレートも無料で入手いただけます。
☑エクセル在庫管理表の作成と注意点|すぐに使える無料テンプレートダウンロード
しかし、Excelの在庫管理表では機能に限界があります。限界は、「社員数1~3名」「営業拠点が本社のみ」のベンチャー企業・小規模事業者までです。「営業所や倉庫、工場が複数にある」「取扱品目が多く、これからも増える予定がある」「DX推進を実行したい」という企業には、おすすめしません。
詳しくは「エクセルで自作をする在庫管理システムのメリットと限界・問題点を比較」をご覧ください。
- 精度の高い棚卸や仕入れ
- 在庫の一元管理
- 発注や受注の自動化
など、より迅速な在庫管理を行いたい、盤石な体制を構築したいのであれば、在庫管理システムの導入をおすすめします。ただし、多機能な在庫管理システムは必要ありません。「どの在庫が・いくつ・どこにあるのか」を把握するためには、最低限の機能だけで十分です。続いては、在庫管理システムの基本機能を紹介します。
3.在庫管理システムの基本機能
一般的に在庫管理システムには、次のような基本機能があります。
- 入出庫管理:在庫管理システムに登録した在庫の入荷・出荷数の管理
- ロケーション管理:各在庫の保管場所の管理
- 棚卸し:現物の在庫数とデータの数が一致するかの照合
- 顧客・販売支援:購買履歴や受注・納期管理(予定日・完了日)
- 在庫分析:在庫回転率など在庫分析や売上分析
- マスタ管理:品目マスタ、品目分類マスタ、在庫区分マスタなど
入出庫管理やロケーション管理、棚卸しなど、上記の業務は在庫管理における基本中の基本です。これらの業務をExcelや紙で行えば、人手による時間・コストがかかります。また、カウント・計算ミスや、データ保存・抽出などの無駄が発生することも少なくありません。
しかし、在庫管理システムを利用することで、作業効率が上がり、人的エラーが解消されます。とくに以下の4点が、在庫管理システムの特徴です。
- 迅速な在庫カウント・計算
- 正確で規則的な作業(在庫移動時の自動更新など)
- 大量の在庫データ保存
- 簡単にできる在庫データの抽出や再利用
つまり、在庫管理システムの基本機能を利用することで、スピーディーで効率的、そして正確な在庫管理が実現するということです。
4.在庫管理システムを導入するメリット
在庫管理システムを導入するメリットを、より具体的に、6つにまとめて紹介します。
- 最新の現在庫情報がリアルタイムでわかる
- バーコードなどの活用により入力・転記などの手間を大幅に省ける
- 在庫情報を会社全体で、複数人と複数拠点で社内共有できる
- 在庫処理の履歴がわかるので「誰が」、「何を」、「いつ」実施したかの履歴を残すことができる
- 特定の担当者しかわからないという状況を防ぐ(属人化リスクを防ぐ)
- 会計や販売管理システムと在庫情報を連携できる
これらのメリットをひと言でいうと、「在庫情報の見える化」を実現するということです。
「在庫情報の見える化」は、無駄な発注や在庫の劣化防止、発注やリードタイムの改善、空いたスペースの活用などに役立ちます。過剰在庫や欠品、不動在庫を減らして、適正在庫を維持できるようになるでしょう。
しかし、在庫管理システムを導入したすべての企業が、メリットを得られるわけではありません。ある調査では「在庫管理システムを導入した70%以上の企業で運用うまくいっていない」という事実があります。これは、在庫管理システムによるデータ管理と、製造現場の現品管理とのバランスに原因があります。
5.在庫管理システムは「現品管理」が重要
在庫管理システムを運用しても、効果が上がらない理由について、上の資料をご覧ください。在庫管理システムによる「データ管理」と、5S活動など「現品管理」のバランスについて表した図です。これは情物一致と呼ばれています。
在庫は、実体のある「モノ」です。つまり、データ管理だけではなく、現品管理が必ず必要となります。在庫管理システムを導入しても、現品管理に問題がある限りは、正しい在庫管理を実現できません。なお、現品管理の実践的なやり方は、「現品管理のテクニック」としてまとめているのでご覧ください。
製造現場の作業員が在庫管理システムに頼りすぎると、在庫データを過信してしまい、工場・倉庫内の在庫数・ロケーションの管理がずさんになります。在庫の紛失や置き方の崩れなど、より深刻な在庫問題につながりかねません。
とくに製造現場での業務経験がない開発会社が提供するシステムは、現品管理の発想がなく構築されていることが多いので、注意をしてください。
6.在庫管理システムの種類
在庫管理システムは、大きくわけて4タイプあります。
- オンプレミス型
- クラウド型
- フルスクラッチ
- パッケージ
オンプレミス型とクラウド型は、在庫管理システムの構築場所で、フルスクラッチとパッケージは導入方法のことです。それぞれのメリット・デメリットを知らずに導入してしまうと、無駄にコストがかかります。
オンプレミスとクラウドの違いは以下の通りです。
6-1.オンプレミス型とクラウド型
<オンプレミス型>
あなたの会社のサーバーに在庫管理システムを設置する
<クラウド型>
システムを提供している会社が管理するサーバーに設置されたシステムにアクセスして利用する
現在は、クラウド型が主流です。昔は自社でサーバーを購入・設置するオンプレミス型が主流でした。しかし、あらゆるビジネスシーンでクラウド化の流れが加速する昨今、在庫管理システムでもクラウド型が人気を集めています。
クラウド型は、システム専門業者が在庫データの管理から保守までを一貫して行います。そのためサーバーサイドに関する運用・監視・保守の知識やノウハウは、必要ありません。万全のセキュリティ対策が実施されているケースが多いので、オンプレミス型よりも、安全性は高いと言えます。
また、サーバーの構築は、スベックによりますが多額の初期費用がかかります。一方、クラウド型には開発費用はかかりません。在庫管理システム導入のための初期費用(無料のプランもあり)と月額利用料金・保守料が発生します。さらに、環境整備・維持にかかるコスト(月額)、システムの保守に関する知識・ノウハウを持つ従業員を雇うことを考えると格安です。
オンプレミス型とクラウド型について、それぞれのメリット・デメリットをより詳しく知りたい方は、こちらの比較記事を参考にしてください。
6-2.フルスクラッチとパッケージ
<フルクラッチ>
一からシステムを構築する。あなたの会社仕様に機能をカスタマイズできる。
<パッケージ>
在庫管理機能があらかじめ搭載されており、パソコンやスマートフォンにダウンロードすればすぐに使える。
在庫管理システムの導入方法は、「フルスクラッチ」か「パッケージ」の2択です。フルスクラッチは、貴社の業務フローに合わせて、必要な機能を搭載できることが最大のメリットです。しかし、機能を後付けする場合、追加費用がかかります。また、ハードウェアの老朽化やOSのバージョンアップによって、在庫管理システムの改修が必要となり、長期的に考えるとコスト高になるケースも珍しくありません。
一方、パッケージは、フルスクラッチに比べるとリーズナブルです。さらに開発期間もありません。ダウンロードすればすぐに使える手軽さはありますが、貴社の業務に不要な機能が搭載されている、もしくは必要な機能が装備されていないなど、使い勝手が悪いことも多々あります。ただし、従業員や取扱商品点数が小規模であれば、低価格のパッケージシステムで十分が使いやすいこともあります。
【補足】
在庫管理システムをプログラミングによって自社開発することもできます。PHPやPython、Javaなどの言語が主流です。基本的にはオープンソースのひな形であるフレームワークを使用すると効率的ですが、サーバーの運用・保守もしていく必要があるため、人的リソースの確保をしなければなりません。
7.在庫管理システムへの入力方法
在庫管理システムで行うメイン操作は、入庫(入荷)・出庫(出荷)の入力です。
データ入力(数量・単位)する方法は大きく分けて2つあります。
①システムに直接入力
パソコンでキーボードを使って直接入力する方法です。
②バーコード等の活用
ハンディ端末などを使ってバーコードを読み取って入力する方法です。
現在のトレンドは、バーコードの読み取りです。
工場や倉庫などで入出庫をする機会が多い場合、パソコン入力よりも、バーコードリーダーなどの端末を使ったバーコード入力が良いでしょう。
バーコードの活用方法をまとめてたので、こちらをご覧ください。
しかし、一概にバーコードが良いとは思いません。処理関係を製造現場ではなく、すべて事務所でやるような場合は、バーコードにこだわる必要はありません。
最近は、スマートフォンがあれば使える、アプリタイプの在庫管理システムも増えてきています。スマートフォンに装備されたカメラで、バーコードをスキャンすることができます。使い慣れたスマートフォンで、在庫確認や入出庫も気軽に行えるので、アプリタイプの在庫管理システム導入も視野にいれると良いでしょう。低コストで利用できることもメリットです。
近年ではスマートフォンで使えるクラウド在庫管理アプリが人気です。
その1つが「ZAICO」です。無料から導入できるため、幅広いユーザー層から支持を集めています。iPhone、iPad、androidに対応しており、簡単な在庫管理には適しているでしょう。
8.在庫管理システム導入を成功させるコツ
次は、在庫管理システム導入時に注意したいポイントを説明します。
それは、システム会社にすべて丸投げをしても成功しないということです。
在庫管理システム導入時、貴社でもやらなければいけないことが3つあります。
- 在庫の流れの把握
- 情物一致
- 基準を作りルールを守る
在庫管理システムは、常にルールにのっとった正確な動きをします。
そのため、工場の作業員が在庫管理システムを扱うときも、必ずルールに従う必要があります。そのために重要なのが、上記3つのポイントです。
8-1.在庫の流れの把握
1つ目は、在庫管理における業務フロー(在庫の流れ)を、在庫管理担当者が把握することです。なぜなら、貴社の在庫の流れに合った在庫管理システムを導入する必要があるからです。
在庫の流れを理解することで、システム会社に機能やスペックなどに関する要望を伝えられます。システム会社は、貴社の商材や業務に対する知識を熟知しているわけではありません。在庫管理担当者が、どんな業務があり、どういったプロセスを辿るのかを可視化させることで、最適な在庫管理システムを導入できるようになります。
なお、在庫管理システムは、一連の仕事の処理を流れをフローチャートのような形でプログラム化して実行します。フローチャートに合うように、Excelや紙媒体で在庫の流れを見える化しておくと、スムーズに導入を遂行できるでしょう。
8-2.情物一致
一般的な事務系のシステムは、
- パソコンに日報を打つ
- 売り上げを入力する
など、その場の「情報の処理」だけですべてが完結します。
しかし、在庫管理の場合、「情報の処理」と「実際の現物」の動きが同じではありません。データを処理しなくても、在庫を動かせます。一方で在庫を動かさず、データだけ動かすこともできます。
このため、在庫管理システムにおいては情物一致が原則であり、とても大切です。情物一致とは、データとモノの流れや状態が一致していることを意味します。
8-3.ルールづくり
在庫管理システムは、正確な作業をします。
裏を返せば、正確な処理を人間にも求めます。規則通りの動きをするためには、ルールづくりが必要です。
たとえば、倉庫間・倉庫内で入庫をするときは、入庫処理をしてモノをすぐに保管場所に格納すること、そして出庫をするときは、出庫処理をしてモノをすぐに保管場所から出す、などのルールを設けて、徹底して守ることが重要です。
このようなルールがなければ、データ上の在庫数・保管場所と、現物の在庫数・保管場所に乖離が生じます。
9.在庫管理システム導入時に考慮すべきこと

中小企業が在庫管理システムを導入する際、考慮なければならないことが2つあります。
1つ目は「中小企業のメリットを活かすこと」、そして「全体最適化を目指すこと」です。
事業が成熟した大手企業と違い、中小企業はまだまだこれから成長の余地があります。たとえば、扱う在庫の種目やバリエーションが多様化する、製造拠点や営業所が増えるなどの、可能性が考えられます。
これらの変化に応じて、成長に耐えられ、かつ柔軟に対応できる在庫管理システムが中小企業には必要です。そこで導入時に、考えておくべきポイントを解説します。
9-1.中小企業のメリットを活かすこと
中小企業のメリットは、経営者と従業員の距離が近いことです。
在庫管理システムの導入に際して、その目的を話し合い、共有することができます。経営者はおもに投資コストや費用対効果、売上・業績に関わることを求めます。一方、在庫管理担当者が重視するのは、業務効率化や作業員の負担軽減などです。
経営トップの意向ばかりを取りいれると、コスト削減や売上創出を優先してしまい、在庫管理システムを操作する従業員の負担が増えます。従業員の意見ばかりを取りいれても、特定の従業員や部門の負担だけが減り、返って企業全体の効率を落としかねません。
したがって、お互いの意見を出し合って、両者の利害が一致するように、方向性を1つにしていくことが重要です。トップダウンで設備投資が実行されるような大企業では、このようなプロジェクトの進め方は難しいでしょう。中小企業では、組織全体で一致団結をして、在庫管理システムを導入することができます。
9-2.全体最適化を目指すこと
基本的な考え方として、全体最適化を目指しましょう。
全体最適化とは、企業や組織前提が最適化された状態を意味する経営用語です。反対語として、部分最適化という考え方があり、企業・組織の一部や、従業員個人が最適化された状態を示します。
日本企業は、部分最適化は得意で、全体最適化は苦手と言われています。これまで日系メーカーは、1つ1つの細かい部品や、少人数のチーム単位で発生する問題の改善活動で、大きな成果を上げてきました。しかし、在庫管理システムで意識すべきは全体最適化です。全体最適化は、ビジネス書の名著である『ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か』でも、重視されています。
最新鋭の機械を導入して、1つの工程が改善されたとしても、企業全体では生産性が落ちてしまうケースがあります。在庫管理システムで目指すべき全体最適化とは、製造現場全体で改善の仕組みづくりができ、適正在庫を維持しながら、キャッシュフローを創出できる体制を構築することです。
とくに中小企業の全体最適化において必要なのは、必要最小限の機能を持った「小さな在庫管理システム」です。多機能を搭載した「大きな在庫管理システム」では、機能を持て余すことになり、全体最適化を実現できません。
10.在庫管理システムのよくある失敗8選
残念なことに在庫管理システムを導入した会社が100%満足をしているかというと、不満を抱えていることが多いのが現状です。
この事実は、あまり表に出てこきません。なぜなら製造現場の作業員が仕方なく在庫管理システムを使っていたり、不満を経営層や上司に言えず、実務担当者が時間を掛けてリカバリーをしたりしているからです。
失敗する企業の共通点として、次のようなことが挙げられます。このような失敗に陥らないよう知っておいてください。
10-1.導入が目的になっている
在庫管理システムは導入したところがスタートです。
日々の在庫管理業務で運用して、在庫問題を解決できなければ意味がありません。しかし、目的を見失うケースが多々あります。なぜなら、在庫管理システムの導入そのものが、一大プロジェクトだからです。
プロジェクト始動当初は、様々な意見が飛び交い活発ですが、次第にプロジェクトメンバーが疲れてきて、一体何のためにシステムを導入するのかわからなくなっていきます。しかし、在庫管理システムは、目的を実現するためのITツール(手段)です。手段を目的だと勘違いすることで、失敗を招きます。
10-2.システムに振り回されている
在庫管理システムを導入することで、仕事の手順が厳密化することが多々あります。
一部は業務改善にもつながりますが、作業手順やルールが複雑になるなど、在庫管理システムを動かすための仕事で振り回されることがあります。
10-3.やることが逆に増えた
在庫管理システムによっては、起動・操作ための仕事や、Excelへの入力作業などが新たに増えます。
既存の仕事がまったく減らず、むしろ仕事量だけが倍増します。作業効率を改善するはずのITツールが、在庫管理担当者の負担を大きくしてしまっては本末転倒です。
10-4.機能の2割程度しか使っていない
導入前は、豊富な機能を備えた万能な在庫管理システムだと考えていても、実際に導入してみると、一部の機能しか使えなかったということがあります。搭載している機能を、あなたの会社の業務で有効活用できるとは限りません。
10-5.必要な機能がまったく使えなかった
最悪のケースは、業務を動かすために必要な機能がまったく使えない、という状況です。
在庫管理システムを導入したものの、搭載された機能をほとんど使っていないということが、しばしばあります。
10-6.機能の付け足し、付け足しで複雑化
ある特定の在庫管理担当者しか分からない機能が追加されるなど、在庫管理システムの内容が複雑化することがあります。
企業の要望が多すぎると、結果的に、使いにくくなってしまうケースも珍しくありません。
10-7.仕事が止まる
仕事を全部システム化してしまうと、システムダウンした時に支障が生じます。システムの復旧に時間がかかることで、業務に遅れが発生します。
さらに、バックアップ体制が不十分な場合、重要なデータを損なうリスクもあるでしょう。企業の営業活動が止まるリスクを考えておかなければなりません。
10-8.競争力を失う
在庫管理システムに合わせた仕事をすることで、独自の強みや他社との差別化に繋がっていた源泉が失われてしまうことがあります。
たとえば、サプライチェーンマネジメントにおけるリードタイムで、市場の優位性があったとしても、在庫管理システムを自社の業務フローに合わせる仕組みがないことで、競争力を失うことになります。
11.「在庫管理110番」が提唱する在庫管理システム
よくある失敗を回避するためには、その逆のことを実施すれば良いということです。
搭載された機能が100%使いきれる、製造現場で使いやすい在庫管理システムを導入することをおすすめします。
11-1.現場で使いやすいクラウド型の在庫管理システム
弊社では【搭載された機能が100%使いきれる在庫管理システム】というコンセプトで、セミオーダーの『成長する在庫管理システム』を開発しました。クラウド型で、カスタマイズが可能な在庫管理システムです。
基本的な考え方として、中長期的に競争力を高め、売上につながるべきものでなければいけないと、弊社は考えています。
『成長する在庫管理システム』の特徴は次の通りです。
- 必要最小限の機能だけを搭載
- 低コストの導入
- 在庫管理システムに依存しない運用
- 新入社員でも操作できる簡単さ
- 企業の成長に合わせて機能をアドオン
特別な設定をしなくても、ノートパソコン、タブレット(リモートデスクトップ)に在庫管理システムを導入していれば、外出先からでもログインできます。
さらに端末単位ではなく、ユーザーごとに利用権限を与えることが可能です。
在庫管理や生産管理などがはじめての方でも、簡単に操作ができます。
- 最小限のボタンで、Excelのようにシンプルな操作画面
- 使いやすいデータ検索機能
を標準搭載しており、初心者でも使える点が魅力です。
1品目単位ごとで商品・部品の写真・図面を登録できるので、商品知識がなくても、日々の業務をスタートできます。
在庫管理専業で、実務を知っているからこそ、無駄なコストを掛けず、お客様の使いやすい必要なソフトをご提供できます。
ぜひ在庫管理業務の改善、生産性の向上にお役立てください。
無料お試し版をまずはご利用しませんか?
自社専用のカスタマイズ例として、ハンディターミナルが導入できます。
ハンディターミナルを利用することで、棚卸、検品、ピッキングなどがよりスムーズなります。
また欠品・過剰・不良在庫が発生する予兆を自動で検知してメールで通知してくれる機能もあり、適正在庫の実現に便利です。
11-2.サポート・支援体制を手厚く
在庫管理システムに失敗している会社を見ると、身の丈に合わない数千万円するような高額の在庫管理システムに投資している、もしくは在庫管理システムを導入してもうまく運用できていないケースがほとんどです。
この原因は次の点に集約されます。
- 在庫の流れの理解不足
- 情物一致ができていない
弊社では、これらのサポートに重点を置き、在庫管理システムの効果的な運用方法、かつコスト削減・売上貢献につながる在庫管理改善をご提案します。また、技術・セキュリティ・運用面のサポートをメール・電話にて実施します。
「在庫管理110番」が導入サポートとした在庫管理システムの事例は、こちらをご覧ください。
11-3.在庫管理システムのスペシャリストと提携
「在庫管理110番」では、中小企業にしっかりとした在庫管理を提供するために強力なサポーターである伊藤年一氏と提携致しました。
様々な業種に対して数多くの在庫管理システムの開発経験が非常に豊富な方です。
また、SEがはじめて学ぶ在庫管理の執筆に参画しており、在庫管理システム開発を行うSEの師ともいえる存在です。
企画・開発のコンセプトは、
導入した企業が後悔しない本当に役立つシステム
在庫管理システムを導入した企業の約75%が不満を持っています。
この現状を変えるために開発したのが、『成長する在庫管理システム』です。
在庫管理のことを知り尽くした、在庫管理の専門家が企画しました。
製造現場での使いやすさを第一に考え、最小限のボタンで、かつExcelのように直感的に使えます。
30日間、無料お試し可能