あなたは、在庫の仮置きをすることはありませんか?
例えばこんな時です。
- 所定の置き場に置きたいが、量が多すぎておけない。(過剰在庫)
- すぐに出荷・払い出しするので、一時的に置いておきたい
- まだ置き場が決まっていない
そんな時に役立つのが「貼り紙」です。
されど「貼り紙」、たかが「貼り紙」ですが、きちんと運用すれば在庫の紛失を解消できます。
目次
在庫がどこかに行ってしまう
しかし、残念ながらその貼り紙はほとんどうまく機能しません。
例えば、
- 埃をかぶったまま放置されている
- なぜ置かれているのかわからない
- 勝手に移動されてしまいどこかに行ってしまった
このようなことはなぜ起こるのでしょうか?
せっかく貼り紙をしていても、取扱い方法は貼り紙を作った当事者しかわからないからです。
逆に言えば、当事者ではなく、誰もが分かる貼り紙をつくれば、うまく機能するという事です。
ここでは、私が実際に現場で行って、うまく貼り紙が機能した方法をお伝えします。
貼り紙のフォーマットを決める
貼り紙が機能しない理由は簡単です。それは、「貼り紙のフォーマットが決まっていない=標準化されていない」からです。
管理の基本は、標準化です。つまり、貼り紙のフォーマットを決める=標準化すれば良いわけです。
様々なフォーマットを試した結果、シンプルで最もうまく機能したフォーマットはこちらです。
貼り紙を機能させるために必要な5つの項目
貼り紙に、「何を、誰が、いつ、何のために」を網羅することです。それぞれ解説します。
- 日付
これいつからあるの?
貼り紙された在庫にありがちなことです。
貼り紙をした日付を入れることで、いつからその場所にあるのかを
推定することができます。 - 目的
貼り紙をしてその場所に置いている目的を端的に記載します。
「触らないでください」というように注意を促すような記載も
効果的です。 - 内容
貼り紙したものがなぜそこにあるのか、理由を書いておきます。
内容を書いておくと、誰が見ても「これは何か、何のためにここ
に置いてあるのか?」が分かります。 - 期限
置いた本人が忘れてしまうこともよくあることです。
期限を書いておけば、期限日を過ぎた貼り紙を見て声をかけて
くれる人がいるかもしれません。置き場の近くでいつも作業して
いる人に、「期限が過ぎても来なかったら声をかけてください」
と依頼しておくのも効果的です。 - 担当者
仮置きをした本人の名前を書いておきます。
部署名が書かれていることはよくありますが、部署名だと
一体誰が置いたのかが分からず、部署のひとり、ひとりに
聞いて回らないといけないので時間の無駄になります。
この5つを守って貼り紙を作れば、無くなってしまったり、忘れることはほぼありません。
貼り紙の書き方と貼り方
さらに棚や部品の表示と同じように書き方と貼り方にも細心の注意を払います。
ポイントは、
- 書き方
- 貼る場所
はっきりと濃い色の文字で書く
貼り紙にはできるだけ大きな紙を使用します。
そして、文字は太字の黒マジックではっきりと書きます。
ボールペンや鉛筆などは線が細く、近づかないと見えません。
文字の色は、黒がベストです。
黒は視認性が高いので、遠くで離れていてもよく見えます。
貼り紙をする場所に注意
どんなに良い貼り紙を作っても見えなければ意味がありません。
貼り付ける場所は、探さなくても見える位置にします。
探さないと分からない場所に貼り付けていたり、貼り紙が小さすぎると、そもそも貼り紙がされているかどうかが分かりません。
貼り紙が剥がれないように、しっかりとテープやヒモなどで留めておくことも忘れてはいけません。
おすすめはマスキングテープです。ガムテープやセロテープは剥がすのが大変ですが、マスキングテープは剥がすことを前提に作ってあるので、剥がしやすく、剥がした跡が残らないのも良い点です。
貼り紙の活用は最小限にとどめる
貼り紙の運用方法を解説してきましたが、そもそも貼り紙を多く使わなければいけない現場は、管理できていない現場と言えます。
まずは、整理・整頓を行って、決まったものが決まった場所に決まった量だけ置ける現場をつくらなければいけません。
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このページを見て、貼り紙の正しい運用をしなければいけないなーと思ったのであれば、現品管理(整理・整頓)に問題あり!です。