輸入品の在庫管理業務において、こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?
- 変動する原価に合わせてロットを管理したいが、膨大すぎて手が回らない
- 国外と国内で在庫が分断され、販売機会を損失している
- 在庫輸送のステータス把握がうまくいかず、棚卸差異がなくならない
輸入品の在庫管理には、上記のように国内品とは異なる特有の課題が存在します。
輸入品特有の在庫管理の課題を解決するポイント
- 正確な在庫状況と現場状況の把握
- 為替レートや諸掛の計算ルールの設定
- 在庫管理システムの活用
が必要です。
柔軟なカスタマイズで現場に合わせた運用ができる「成長する在庫管理システム」は、輸入品の在庫管理に役立ちます。
本記事では、輸入品の在庫管理における課題を整理し、お悩みを解決するための方法から、「成長する在庫管理システム」の詳細までを徹底解説。
ぜひ最後まで読み、輸入品の在庫管理の困りごとを解決しましょう。
参考:在庫管理の基本の極意
目次
輸入品の在庫管理(貿易業務)の課題
輸入品の在庫管理には、以下のような難しさがあります。
為替レートの変動や諸掛による原価の変動で複雑化するロット管理
輸入品の在庫管理では、原価ごとにロットを分けることがあります。
その方が、正確な粗利を計算しやすいためです。
しかし、その原価計算を難しくするのが「為替」と「諸掛(経費)」です。
為替レートの変動により、同じ商品でも仕入れ値は日々変わります。
また、商品の輸入には、諸掛(関税、輸入消費税、通関手数料など)がかかり、それらを各商品に按分する場合は取引ごとに原価が変動します。
このように原価が度々変わるため、ロットが膨大になり管理が難しくなります。
参考:関税の削減方法
インコタームズ(貿易条件)による在庫計上タイミングのずれで生じる棚卸差異
輸入取引では、インコタームズ(貿易条件)によって商品の所有権の移転時期が決まります。
基本は代金を支払う時点で買い手側は在庫を計上しますが、現物が届くまでには時間がかかります。
「実在庫ではないが、所有権のある輸送中の在庫」を明確に区別できていないと、帳簿と現物が合わない棚卸差異が発生しやすくなります。
参考:棚卸差異の発生理由
参考:棚卸差異の原因リスト(細分化版)
国内外の在庫の分断
海外工場にある在庫、輸送中の在庫、そして国内にある在庫。
これらを正確に把握できていないと、「海外には在庫があるのに国内になく、販売ができなかった」という販売機会の損失につながります。
また、「在庫がないと思い出荷したものの、実は輸送中だった」ということが起こり、「過剰在庫」の原因にもなり得ます。
参考:在庫ロスについて
欠品や納期遅れなど海外特有のトラブル
日本の常識が通じない海外の現場では、予期せぬトラブルが起こります。
実際に在庫管理110番が関わったあるフィリピンの工場では、
- 棚に商品がないことに気づいても誰も発注をせず、大量の欠品が発生
- 決められていた安全在庫がまったく守られていない
- 港で混乱が起き在庫の到着が遅れていたが、誰もそれを知らない
というトラブルが発生していました。
海外では、「それぞれが決められたことだけをやる」という姿勢で、チームで働く意識がないこともあります。
そのため、トラブルが発生していてもそれに気づかず、在庫管理の機能が破綻してしまうことが少なくありません。
輸入品の在庫管理に関する悩みを解決するために必要な対応
輸入品の在庫管理に関する課題を解決するには、以下の対応が必要です。
国内外のリアルタイムな在庫状況の把握
在庫管理システムを導入すれば、「海外拠点、輸送中、国内」の在庫ステータスをリアルタイムで把握できるようにします。
これにより、輸送遅延などのトラブルにもいち早く気付き、欠品回避などの対策を早期に打つことが可能です。
為替レート/諸掛の計算ルール・インコタームズ(貿易条件)の設定
原価ごとにロットを分けて管理したり、棚卸差異を減らしたりするためにはまず、為替レートの計算方法、諸掛の処理方法、インコタームズ(貿易条件)を社内で明確に定める必要があります。
ルールを決めれば、取引ごとの混乱を防ぐとともに、システムで一括管理がしやすくなります。
為替レート
商品の輸入では、その時々の為替レートに合わせて支払うのではなく、社内で予定レートを定めたり、為替予約を導入したりするケースも多々あります。
どの方法を採用するかは業者に任せずに、自社の財務戦略に合わせて必ず決めるようにしましょう。
| 手法 | 内容 | メリット | デメリット(リスク) |
|---|---|---|---|
| その時々のレート(スポットレート)に合わせる | 仕入れや決済の都度、その日の実勢レートを採用する | 円高時には利益が増える市場価格に最も忠実な原価計算ができる | 常にレートが変動するため、販売価格の設定や予算管理が困難 |
| 為替予約 | 銀行と将来の決済レートをあらかじめ契約して固定する | 原価が完全に確定し、将来の支払い額がズレない利益の見通しが立つ | 予約後に円高が進んでも、高い(予約時の)レートで支払う義務がある |
| 予定レート(社内基準レート) | 「今期は1ドル=〇〇円」と社内で一定期間の基準を定める | 原価計算がシンプルになり、社内での価格改定や評価が安定する | 実際のレートと乖離した場合、期末に多額の為替差損益が発生し、再計算の手間が出る |
諸掛
諸掛をどう処理するかも、社内でルールを定めておく必要があります。
かかった費用を商品に按分する場合と、按分はせずに費用として一括計上する場合が多いです。
| 処理方法 | 内容 | メリット | デメリット(課題) |
|---|---|---|---|
| 商品原価に按分 | 商品代金に諸掛を按分して上乗せし、1個あたりの原価を算出する | 正確な粗利が把握できる在庫評価額に経費が含まれ、実態に近い利益管理が可能 | 商品ごとに諸掛を割り振る計算が複雑按分ルール(重量比・金額比など)の策定が必要 |
| 費用として一括計上 | 諸掛を商品原価に含めず、発生時の期間費用として処理する | 原価計算がシンプル商品単価が仕入れ値のみで済むため、事務作業の負担が軽い | 正確な商品別粗利が見えにくい商品が売れる前に経費だけが先行して計上されるため利益が歪む |
インコタームズ(貿易条件)
インコタームズは、国際貿易における買い手と売り手のリスクを定めた国際ルールです。
何を採用するかにより、支払いのタイミング(在庫計上のタイミング)が変わるため、社内ルールで統一しておきましょう。
コンテナ輸送に使われる主なインコタームズは下記の通りです。
| 略称 | 取引条件 | 費用・リスクの負担区分 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| EXW | 工場渡し | すべて買主負担 | 売主の工場で引き渡し買主側の負担が最大 |
| FOB | 本船渡し | 船積みまで売主負担 | 船積み時点で所有権が買主に移転 |
| CFR | 運賃込み | 船積みまで売主負担+運賃も売主負担 | 船積み時点で所有権が買主に移転保険料は買主負担 |
| CIF | 運賃保険料込み | 船積みまで売主負担+運賃・保険料も売主負担 | 船積み時点で所有権が買主に移転するが、輸入港までの主要コストは売主が負担 |
| DAP | 指定仕向地持込渡し | 指定場所への持込まで売主負担 | 荷卸し作業は買主が行う |
| DDP | 関税込持込渡し | 輸入国内の指定先まで売主負担 | 関税・消費税も売主が負担買主の負担が最小 |
貿易ソフト×在庫管理システムの連携
為替や諸掛の計算ルール、インコタームズを定めたら、貿易ソフト・会計システム、在庫管理システムを利用しましょう。
定めたルールをシステムに落とし込めば、複雑な原価の計算や諸掛の按分が自動化されます。
さらに貿易ソフト・会計システムを在庫管理システムと連携させれば、原価別のロット管理や輸入品のステータス管理など、詳細な在庫管理も可能です。
貿易ソフトと在庫管理システムの連携具体例
貿易ソフトと在庫管理システムの連携の形はさまざまですが、例えば以下のような使い方ができます。
1. 仕入原価データの自動連携(正確な粗利管理)
貿易ソフトで計算された仕入原価を在庫管理システムへ自動で取り込む。
2. 出荷・輸送ステータスの連動(輸送中在庫の可視化)
貿易ソフト上の「船積み」や「入港」といった情報を在庫管理システムに飛ばし、在庫ステータスを自動更新。
3. マスター情報の一元化(二重入力の防止)
商品情報や取引先情報をどちらか一方のシステムで更新すれば、もう片方にも反映されるようにする。
正確な現場状況の把握
海外だからと諦めず、現地の状況を調査して実態を把握しましょう。
現地のリードタイムの癖や品質管理の実態を知ることで、トラブルを未然に防ぎ、精度の高い在庫管理を実現できます。
輸入品の在庫管理はエクセルや貿易ソフトだけでは限界の理由
輸入品の在庫管理を正確に効率良く行うには、エクセルや単機能の貿易ソフトだけでは不十分です。
そこで、在庫管理システムを使って貿易ソフトが不十分な点を補い、正確かつスムーズに輸入品の在庫管理ができます。
輸入品の在庫管理にエクセルが不向きな理由
エクセルは使いやすく誰でも簡単に始められるため、在庫管理の現場で初めに導入されるケースが多いです。
しかし、エクセルには下記の欠点があります。
- 複数人での同時編集が不可能
- データが数千件に及ぶと動作が重くなり、処理能力が著しく低下
- PDF化の際のレイアウト崩れなど、関係各所との情報共有に不便
- 帳票ごとにシートが増え、一元管理が困難
- 簡単に書き換えが可能なことによる、高確率の属人化
長期間にわたり数百件、数千件の商品を扱うとなると、エクセルでの在庫管理は極めて困難です。
輸入品の在庫管理に貿易ソフトだけではダメな理由
貿易ソフトは、為替計算、書類作成、販売管理など、輸入業務に特化したものが多いです。
そのため、詳細な在庫管理やロケーション管理、商品のステータス管理、棚卸管理ができず、不十分な機能を別のシステムで補う必要があります。
輸入品の在庫管理におすすめな「成長する在庫管理システム」
在庫管理110番が提供する「成長する在庫管理システム」は、輸入品特有の複雑な管理にも最適です。
従来の既存のクラウド型在庫管理システムでは、自社の独自ルールが多い、為替変動に合わせたロット管理や輸入諸掛の按分、さらには輸送中在庫のステータス管理に対応しきれないことがあります。
一方、「成長する在庫管理システム」は輸入実務の効率化に最適な機能を自社のやり方に合わせてカスタマイズできます。
例えば、以下のようなカスタマイズが可能です。
カスタマイズ例
- ロット管理を通して、為替による同一商品の仕入値の違いを見える化
- 輸入諸掛の按分
- 輸送ステータス管理
- インコタームズに応じた在庫状況の反映
- 英語の発注書や納品書の作成
輸入品の在庫管理でシステムの導入を検討している方はもちろん、導入の必要性を知りたいという方も、ぜひ一度ご相談ください。
参考:その他のクラウド型システム
参考:在庫管理システムの選び方と導入のコツ
まとめ
本記事では、輸入品の在庫管理における課題と、その解決方法、輸入品の在庫管理におすすめな「成長する在庫管理システム」の詳細を解説しました。
ロット管理やステータス管理が複雑な輸入品の在庫管理を成功させるには、エクセルや貿易システムの利用だけでなく、在庫管理システムの導入も重要です。
輸入品の在庫管理の課題
輸入品の在庫管理業務特有の難しさを紹介しました。
- 複雑化するロット管理:為替レートの変動や諸掛による原価の変動で、管理すべきロット数が膨大になる
- 在庫計上タイミングのずれで生じる棚卸差異:インコタームズ(貿易条件)により所有権が移るタイミングが異なるため、在庫計上のタイミングと現物到着がずれて棚卸差異が生じる。
- 国内外の在庫の分断:在庫のステータスの把握漏れにより、販売機会の損失や過剰在庫が発生する。
- 海外特有のトラブル:欠品や納期遅れなど、日本では考えられない在庫管理トラブルが発生する場合がある。
輸入品の在庫管理の課題解決に必要な対応
上記の課題を解決するために必要な対応を紹介しました。
- リアルタイムな在庫状況の把握:在庫管理システムを用いて国内外の在庫状況を把握すれば、販売機会の損失を防ぐだけでなく、輸送中のトラブルにも気づきやすくなる。
- 為替レート/諸掛の計算ルール・インコタームズ(貿易条件)の設定:それぞれのルールを定めることで、システムでの一括管理がしやすくなる。
- 貿易ソフトと在庫管理システムの連携:貿易ソフトだけでなく在庫管理システムも連携させることで、より高度な在庫管理を実現できる。
- 正確な現場状況の把握:海外特有のトラブルを把握し対策することで、在庫管理業務の破綻を防ぐ。
輸入品の在庫管理において、エクセルや貿易ソフトだけでは不十分な理由
エクセルや貿易ソフトのみでの管理の欠点を紹介しました。
- エクセル:同時編集が不可能だったり膨大なデータの処理に時間がかかったりする。
- 貿易ソフト:輸入業務に特化した機能が多く、詳細な在庫管理はできない。
「成長する在庫管理システム」について
既存のクラウド型在庫管理システムではカスタマイズができません。
一方、成長する在庫管理システムは、難しい自社の業務のやり方に合わせた柔軟なカスタマイズと安心のサポートで、提供先のお困りごとをなくし、輸入品の在庫管理を正確かつスムーズに実現します。
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