あなたは、このようなお悩みで困っていませんか?
- 業務を止めずに棚卸はできないのだろうか?
- 棚卸を早く終わらせる方法はないのか?
- ダブルチェックをしているのに、数量が合わないのはなぜだろう?
この記事では、「業務中でも棚卸はできる」ことについて、体験談をもとに具体的に詳しく解説します。
目次
循環棚卸は業務を止めずに実施する棚卸
循環棚卸とは、日常業務を止めることなく、棚卸を行う方法です。
全エリアの棚卸を一斉に行う方法ではなく、エリアや製品、部品などを細分化して計画的に巡回しながら棚卸を行います。
そのため、細分化をさらに細かく分ければ、業務への影響は最小限に抑えることができます。
循環棚卸の目的
循環棚卸を取り入れる目的は、主に以下の問題を解消するためです。
- 納期や出荷時間・納品時間の関係上、どうしても業務を止められない
- 業務を止められるとしても時間制限があり、棚卸に必要な時間を確保できない
- 毎日24時間稼働しているので止めるわけにはいかない
- 労務管理の観点から言えば、棚卸は業務終了後に行うので残業になってしまう
など業種や取り扱う製品によっても事情は異なりますが、これらの問題を解決することが一番の目的です。
また、業務を一時的に止めることは、さまざまな弊害が生じ、売上が下がる可能性もあります。
そのため、循環棚卸を用いることで「業務を止めずに棚卸をする方法はないのか?」という問題が解決できます。
一斉棚卸は業務を止めて行う棚卸
一斉棚卸とは、業務を一斉に止め、全体の棚卸を行うことです。
事務作業も含めて、すべての業務を止めて行うため、原料や資材、製品の動きも止めて行うことが原則です。
製造業や卸売業では、業務を一日完全に止めて実施するが多いです。
一斉棚卸は、昔から行われている一般的な棚卸の方法です。
計画的に業務を止めることができる企業や工場は、今でも取り入れています。
循環棚卸と一斉棚卸のメリット・デメリット
どちらの棚卸の方法にもメリットとデメリットがあります。
棚卸をする上で、製造数や売上額を落とさないことが重要になりますので、双方のメリット、デメリットを解説します。
循環棚卸のメリット
- 棚卸エリアを細分化することで、業務を止める必要がない
- 少人数で作業できる
- 棚卸専属の従業員として新たな雇用が生まれる(短時間パートでも作業可)
- 1か月間の計画表や直近の製造計画表を調整する必要がない
- 業務を止めないため売上に影響しない
一斉棚卸のメリット
- 一括で在庫数を把握できる
- 正確な在庫数をカウントできる
- 他部署の製品を知ることができる
循環棚卸のデメリット
- エリアを区切ってローテーションをしながらカウントするため、はじめと終わりで数にズレが生じやすい
- カウントの精度が低く、正確な数を把握し辛い
- 一日ですべの在庫数を把握できない
- 1回の作業量が少ないので、一通り終わるまでに日数がかかる
- 数名のチームで行っている場合、一人が欠員すると残りのメンバーの負担が大きくなる
- 担当者が一人の場合、病気などで休むと交代要員がいない
一斉棚卸のデメリット
- 一日の業務終了後に行うことが多いので、従業員の負担が大きい
- 労務管理の観点からみると、残業時間が増加するので残業代がかさむ
- 36協定(さぶろくきょうてい)を結んでいない場合、従業員の同意を得られなければ労務規定違反になりかねない
- 通常業務を最小限に抑えて棚卸を行えば、抑えた分の製造数や売上額が下がる
- 棚卸の時だけ短期従業員を雇うと余分な経費が必要になる
- 従業員でも他部署の応援に行くと、初めてみる製品や資材・原料などもあるので、カウントミスや見落としが起こりやすい
循環棚卸と一斉棚卸の業務比較表
それぞれ業務内容にどのような違いがあるのか、以下の表にまとめました。
※「時間の制約はあるのか」について、循環棚卸の欄に「ない」と記載していますが、集計期日までに全エリアの棚卸が終わっていることが前提です。
循環棚卸の作業方法
循環棚卸は24時間稼働している工場には、マッチした棚卸方法です。
実際の作業は、以下の表の1~8の順番で作業します。
棚でエリア分けしている場合は、一日にいくつもの棚をチェックすることもあるでしょう。
その場合は、1~7までが終わったら次の棚(エリア)に移動して、4~7を繰り返してください。
循環棚卸を成功させる最も重要なポイントは、つねに入出庫・使用数・売上数と、棚卸表の数量が合致していることです。
普段の在庫の精度が低い会社は、循環棚卸を実施しても何の意味もありません。
また、棚卸で重要なことは、以下をあらかじめ検討しておくことが不可欠です。
- 現場で失敗した際のロスも厳密に報告させるか
- 社内で協議して、ロス率を何%に見込むのか
棚卸業務を効率化する方法
棚卸業務は人がひとつひとつ数えている状況では、どうしても時間がかかります。
そのため、一番の効率化はミスをなくすことです。
一番効果が大きいのは、ITへの投資です。
バーコードやQRコードをハンディーターミナルで読み込み、自動でパソコンにデータを送って管理することは可能です。
そうなれば、手書きによるミス、パソコン入力の手間、パソコン入力時のミスが無くなり、かなりの効率化が期待できます。
現状維持で効率化を図ろうとするなら、ヒューマンエラーをなくすことです。
数え間違い、見落とし、転記ミス、定位置管理の未実施など、改善できることからはじめましょう。
責任者を配置し、業務上のルールを設ける
棚卸作業を行う場合は、責任者を配置することを強くお勧めします。
責任者が不在の状態で棚卸作業を行うと、作業内容もバラバラになり、統一感がありません。
たとえば、ボルトの在庫を数えるとしましょう。
- Aさんは、ボルトを1個ずつ数えました
- Bさんは、まとめて重さを計り、計算上で個数を割り出しました
この場合、1個の重さが不動のものであればいいですが、誤差があれば個数が変わってきます。
このようにバラバラな動きをされては、正確性に欠けるため棚卸の意味がありません。
そのため、必ず責任者を設けて、責任者が作業員を管理し、みんなが同じ作業ができるように指導する必要があります。
また、責任者を設けるだけでは不十分であり、責任者にすべてを一任することも避けましょう。
なぜなら、責任者の考え方が変わった時点で、今までのやり方もすべて変わってくるからです。
責任者と同じように、会社として作業上のルールを決めることは、とても重要です。
作業上のルールは業種や扱っている製品などによっても異なるので、企業の特性に応じてよく吟味して作成しましょう。
まとめ
この記事では循環棚卸について解説しました。
- 業務を止めずに棚卸ができる
- 少人数でも作業が可能
- 棚卸専属の従業員として雇うこともできる
循環棚卸メリット・デメリットを十分理解して、作業することで効率的な棚卸が可能になります。
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(引用サイト:在庫管理110番)
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