「SKUコード」とは!?|エクセルでの作成方法と注意点も紹介

SKUコードとは

商品の正確な識別は在庫管理における重要なポイントです。小売業界や流通業界では、商品の識別において「SKU」という言葉を耳にする機会が多いのではないでしょうか。

  • 現状の在庫管理方法では取扱商品を増やすのが不安
  • 商品の種類が多くて売上分析が難しい

このような悩みを抱えている方には、SKUコードの活用がおすすめです。

この記事では、SKUコードを作成する際に気を付けるべき点や活用のメリットを詳しく解説します。エクセルを使った作成方法もお伝えするので、ぜひお役立てください。

SKUコードとは

SKUコードとは、商品識別番号のことで「エスケーユーコード」と読みます。商品の管理がしやすいよう、各事業者が独自の方法で自由に番号を付けられるのが特徴です。

SKUとは在庫管理の最小単位

SKUとは、Stock Keeping Unit(ストックキーピングユニット)の略で、最小の管理単位を意味する言葉です。在庫管理の現場では、たとえ同じ商品であっても色やサイズ、デザインなどによって商品を細分化し、1つ1つを単品として扱う必要があります。

SKUコードを作成する際の注意点

SKUコードを作成する際の注意点

SKUコードを作成する際に注意すべき点は、次の5つです。

  • 番号の重複は避ける
  • 「0」から始めない
  • 商品区分別に番号を付ける
  • 文字数をそろえる
  • 数字とアルファベットを混ぜる

規則性を持ってSKUコードを適切に作成すると、商品の管理がしやすくなります。近年ではインターネットやスマートフォンの普及によって、EC市場がますます身近になりました。ECサイトなどで他の事業者の商品コードを見てみるのも興味深いでしょう。

番号の重複は避ける

番号の重複を避けましょう。管理の最小単位であるSKUが重複してしまうと、商品を正しく認識できず、配送の間違いや遅延といったさまざまなトラブルにつながります。

番号の重複が起こらないよう、コードの一部に連番(通し番号)を入れ込むなど、独自の防止策を検討しておく必要があります。

「0」から始めない

先頭が「0」から始まる番号は避けた方が良いでしょう。利用するソフトやシステムによっては「0」から始まる数字を文字として認識せず、省略して表示されてしまうからです。

数字が正しく表示されないと、SKUコードの桁数にばらつきが発生して規則性を保つことが難しくなります。

商品区分別に番号を付ける

商品区分が識別できる記号を入れ込む必要があります。文房具の小売業であれば、記号を見るだけで「ノート」「ペン」といった商品が分かるように番号を付けると良いでしょう。

商品区分別に自社にとって分かりやすいルールを決めて番号を付けると、SKUコードを頼りに判断できることが増え、在庫管理や入出荷作業などが楽になります。

文字数をそろえる

文字数はそろえておきましょう。SKUコードの桁数は、短くても長すぎてもいけません。迷う場合は、国際規格に準じたJANコードの8桁または13桁を目安にしましょう。

文字数が少ないと商品区分を細分化できなくなり、文字数が多いとシステムによっては対応できない可能性があります。文字数をそろえることは、規則性を保つ重要なポイントです。

数字とアルファベットを混ぜる

SKUコードは数字とアルファベットを混ぜて作成するのがおすすめです。例えばエクセルでは12桁以上の数字は表示できないため、正しい表示を維持するにはアルファベットを混ぜておくと効果的です。

また、数字とアルファベットを組み合わせると情報の識別がしやすいメリットもあります。

SKUコードをエクセルで作成する方法

SKUコードは、エクセルを使って簡単に作成できます。商品情報の入力値に対応した記号を用意し、VLOOKUP関数やCONCATENATE関数を用いることで、番号の重複や手入力によるミスを防ぐことが可能です。

エクセルで作成する方法として4つのステップを説明するので、ぜひ参考にしてください。

SKUコードの作り方

エクセルでSKUコードを作るには、関数を活用すると便利です。管理項目に対応する表を作成したら、手入力による設定ミスを防ぐために、数式を使って必要な情報を引用します。具体的な手順は、次の通りです。

  1. 管理する項目を決める
  2. 項目ごとに記号を決める
  3. VLOOKUP関数で記号を引用する
  4. CONCATENATE関数ですべての項目をつなぎ合わせる

最初に、管理する項目を決めます。例えばアパレル業界では、「発売年」「シーズン」「性別区分」「商品区分」「色」「サイズ」などが項目として挙げられます。

次に、管理する項目ごとに記号を決めます。記号は数字とアルファベットを混ぜて、分かりやすいものにしましょう。

また、項目の入力値は間違いがないようにリスト入力の設定がおすすめです。

SKUコードをエクセルで作成する方法

続いて、VLOOKUP関数の設定です。関数を用いて項目の入力値に対応した記号を引用します。図の例では、シーズンの記号は「D4の値(春夏)を、D14からE21の中から探して、2つ目の列をもってくる」と設定しています。

最後に、CONCATENATE関数を使って各項目の記号をつなぎ合わせて完成です。13桁のSKUコード「22SSMN12WH1NA」が作成されました。

SKUコードをエクセルで作成する方法

他にも「TEXT関数」を用いて複数桁の連番を設定したり、「IF関数」を用いてSKUコードの重複が発生していないか確認したりできます。

SKUコードをエクセルで管理するメリットとデメリット

SKUコードの作成にあたってエクセルは無料で使えるメリットがありますが、デメリットも挙げられます。商品を正確に管理するには、あらゆるミスを防ぐ仕組みが必要です。

エクセルを使うメリットは、導入コストがかからず操作方法が簡単であること。最初に必要な情報と関数を適切に設定しておけば簡単にSKUを作成できるため、事業の規模によっては最適です。

一方でデメリットとしては、手作業によるミスが発生しやすい点が挙げられます。特にエクセルや関数の使い方に慣れていない場合には、注意が必要です。意図せず参照元のデータを書き換えてしまったり、計算式の予期せぬ間違いによって誤ったSKUコードが作成されたり、在庫管理におけるトラブルの原因になりかねません。

取り扱う商品が増えるほどこうしたデメリットは顕著になるでしょう。エクセルでの在庫管理に煩わしさを感じる場合には、商品コードの作成から管理まで在庫管理を効率化できるシステムの導入がおすすめです。

SKUコードとJANコード

SKUコードとJANコードの違い

SKUコードの主な目的は自社における在庫管理ですが、一方のJANコードは販売管理を目的とした商品コードです。

在庫管理と販売管理のために必ずしも別々のコードを用意する必要はありません。実際に、JANコードをSKUコードとして使用する事業者もいます。2つの違いを理解した上で自社に見合った選択をすることが大切です。

JANコードは世界共通の規格化された管理コード

JANコードは世界共通の国際規格に沿って13桁もしくは8桁の数字で構成され、数字はそれぞれ、国番号、事業者番号、商品コードを意味します。

JANコードとは日本国内の呼称で、国際的にはEANコードと呼ばれています。異なる太さや間隔の線が組み合わせて構成されたバーコードを使って、数字や文字の情報を機械で読み取ることが可能です。

PLUコードとは

JANコードには価格情報が含まれておらず、価格情報とひもづけられたバーコードはPLUコードと呼ばれます。PLUとはPrice Look Up(プライスルックアップ)の略で、価格を調べるという意味です。

PLUコードは販売する事業者が価格を管理する目的で使うため、身近な商品に付いているバーコードの多くはPLUコードであると言えるでしょう。

SKUコードとJANコードの違い

自社の在庫管理に使用するSKUコードは、独自のルールで番号を付けられます。また、SKUの管理にJANコードを用いることも可能です。

JANコードは商品を販売する事業者が共通で使うため、同じ商品に対して存在するコードは世界に1つだけです。基本的にメーカーのパッケージなどにあらかじめ印刷されており、SKUとは本質的に異なります。

SKUコードが必要になる場合

  • バリエーションを1つ1つ管理する場合
  • トレーサビリティを確保する必要がある場合
  • 個別に原価を把握したい場合

バリエーションを1つ1つ管理する場合

バリエーションがある場合(SKUが必要になる場合)

製造業における「バネ」を例に考えてみましょう。

ひとつの「バネ」にバリエーションとして、

  • 直径が3種類(5cm、8cm、10cm)
  • 色が4色(赤、青、緑、黄色)

ある場合、

たとえば、直径と色を指定して使用(または販売)する場合は、

直径:5cm・色:赤色のバネで1SKU、直径:8cm・色:青色のバネで1SKU・・・といったようにSKUコードを設定して、1つのSKUごとに数量を管理します。

このバネは1つの商品で、直径:3種類×色:4色=12SKU

を設定し、それぞれSKUごとに在庫管理します。

トレーサビリティを確保する必要がある場合

トレーサビリティが必要な場合(SKUが必要になる場合)

食品や製造ロットなどで、特に品質管理などで必要な場合に設定します。

例えば加工品Aの製造日ごとにトレーサビリティをできるようにしたい場合は、製造ロットごとを1つのSKU単位とします。

出庫(販売・使用)する際には、SKUを指定することも可能ですが、先入れ先出しを運用ルールとして、

現場はSKUを指定することなく、ピッキングして出庫することも可能です。

この場合、重要なのが先入れ先出しを確実に情物一致で実施することです。

  • 自動で先入れ先出しするようなシステムにすること
  • 現場は、製造日が遅いものから、必ず出していくこと

特に現場の運用を徹底することが重要です。

見た目は全く同じなので、

  • 現品票を付ける
  • 場所を分ける

などを実施して、現物で製造ロットを見分けられるようにしなければいけません。

個別に原価を把握したい場合

原価管理をしたい(SKUが必要になる場合)

為替の変動や仕入れロット数などによって、仕入れ価格(原価)が大幅に変動する場合は、別に管理したいという場合は、原価管理のためのSKU管理をします。

トレーサビリティと同じく、見た目は全く同じです。

  • 現品票を付ける
  • 場所を分ける

などを実施して、現物で原価違いを見分けられるようにしなければいけません。

在庫管理でSKUコードを活用するメリット

在庫管理でSKUコードを活用するメリットは、次の3つです。

  • 商品数(アイテム数)を増やしやすい
  • 在庫管理がしやすい
  • ニーズ分析に役立つ

商品を細分化して管理することで、在庫状況やニーズの把握がしやすくなります。

商品数(アイテム数)を増やしやすい

ある程度の商品だけを管理するのであれば、SKUの設定は必ずしも必要ではありません。しかし、取り扱う商品が多いほどSKUの管理が役立ちます。

SKUコードを活用すると1つ1つの商品の識別や情報処理が容易になり、注文を受けてから仕分け、梱包、出荷までリードタイムの短縮が可能です。豊富な品ぞろえと質の高いサービスを提供できると、売上アップにもつなげられるメリットがあります。

在庫管理がしやすい

SKUコードを活用して容量や梱包形態など細かい単位で在庫状況を把握できると、リアルタイムでの在庫管理がしやすくなります。

SKUでの管理は在庫管理システムと相性が良いのも特徴です。システムによっては在庫が少なくなった商品を自動検知して発注するなど、必要なものの欠品や余分なものを発注しすぎるリスクを防ぎます。

ニーズ分析に役立つ

消費者のニーズを的確に把握するには、売上の分析が欠かせません。SKUコードを活用して在庫状況の詳細が得られると、どの商品のどの色が売れているか売上の分析に役立ちます。

SKU単位で商品を管理しておくと、顧客のニーズにあわせて新しい商品を開発したり、バリエーションを増やしたり、より的確な戦略立案が可能になります。

例えば工業用のペンキを販売していて、3色から5色のペンキがいつも同時に売れているとします。セット購入する消費者を新たなターゲットとして仮説を立てる時に役立つのがSKU管理です。何色セットが最適か、何色を組み合わせるべきか、ペンキの容量はどのくらいにするのか、SKUの情報を基にターゲットのイメージを具体化できます。

在庫管理システムを利用すると商品コードの管理が便利

正確な在庫管理には、SKUコードをはじめとする商品コードの活用が不可欠です。あわせて在庫管理システムを利用するとより高い効果を発揮します。

プロの在庫管理アドバイザーが開発したクラウド型「成長する在庫管理システム」は、二次元コード(QRコード)生成や発注管理、ECサイト連携など、​​業務に合わせて商品コードの管理に必要な機能を追加できるのが特徴です。

SKUコードの活用にあたってシステムの導入に不安がある方は、在庫管理アドバイザーへの相談もおすすめです。まずは自社の状況に合わせてSKUコードの作成や見直しから始めて、必要に応じてシステムの導入を検討してはいかがでしょうか。

成長する在庫管理システム

お問い合わせはこちら