業務システムの開発において、UI/UXデザインの重要性が近年ますます高まっています。
しかし、「業務システムにそこまでデザインにこだわる必要があるのか」と疑問に思う方もいるかもしれません。
本記事では、業務システムにおけるUI/UXデザインの必要性について解説します。
システムを選定する際、または自社でシステムを開発する際の参考にしてください。
些細なことでも遠慮なくご相談ください!
目次
UIとは
ユーザーインターフェース(UI)とは、人が画面やボタンを使ってシステムを操作する仕組みのことで、ユーザーがソフトウェアやシステムと対話するための手段や方法を指します。
UIの主な目的は、ユーザーがシステムを直感的に操作できるようにすることです。
見やすく使いやすいデザインで、仕事を効率よく進められるよう工夫されています。
UIの主な要素
- レイアウト: 画面上の要素の配置や構造。ユーザーが必要な情報や機能に素早くアクセスできるようにする。
- ビジュアルデザイン: 色、フォント、アイコンなどの視覚的なスタイル。ユーザーにとって見やすく、魅力的なデザインを提供する。
- インタラクティブ要素: ボタン、リンク、フォームなどの操作可能な要素。ユーザーがシステムと対話する手段を提供する。
UIが悪いと起こる6つの問題
- 仕事が遅くなる
画面が分かりにくいと、仕事を終えるのに余計な時間と手間がかかってしまい、仕事のスピードが遅くなります。 - 覚えるのに時間がかかる
使い方がわかりにくいと、新しくシステムを使う人が覚えるのにたくさんの時間が必要になります。そのため、研修の時間やコストも増えます。 - 入力ミスが増える
入力する場所が分かりにくいと、間違ったところに情報を入力してしまうことがあります。その結果、データの間違いが増えてしまいます。 - ストレスがたまる
使いにくい画面を使うとストレスがたまり、仕事をするやる気がなくなることがあります。これが続くと、仕事の質も落ちてしまうかもしれません。 - 仕事の流れがわかりにくくなる
情報がどこにあるのか分かりにくいと、仕事のやり方を理解するのが難しくなります。その結果、仕事の手順を間違えたり、効率が悪くなったりします。 - システムを使いたくなくなる
画面がわかりにくいと、そのシステムを使いたくなくなることがあります。すると、せっかく導入したシステムが使われなくなり、効果が得られません。
どんなに役立つシステムであってもUIが悪いと使い勝手が悪くなるため、そもそも使ってもらえません。
こうした問題を避けるためには、使う人の立場に立ってわかりやすい画面設計をすることが大切です。
UXとは
ユーザーエクスペリエンス(UX)は、ユーザーが特定の製品やサービスを使用する際に得る総合的な経験や満足度を指します。
たとえば、スマホのアプリを使うときに「使いやすい」「分かりにくい」「楽しい」と感じるのがUXです。良いUXは、使う人が迷わず、気持ちよく使えるように設計されています。
UXは、UIだけでなく、ユーザーの感情、行動、全体的な満足度など、ユーザーが製品やサービスを使用する過程全体に関連します。
UXの主な要素
- 使いやすさ: システムがどれだけ直感的で操作しやすいか。ユーザーが必要なタスクを効率的に達成できること。
- 満足度: ユーザーがシステムを使用してどれだけ満足しているか。ポジティブな体験を提供すること。
- アクセシビリティ: すべてのユーザーがシステムを利用できるようにすること。特に障害を持つユーザーにも配慮する。
- 信頼性: システムが安定して動作し、ユーザーが信頼できること。
UXが悪いと起こる問題
- 社員がシステムを使うのに時間がかかりすぎてしまい、仕事が遅れる。
- わかりにくい画面や複雑すぎる操作が必要で、ミスが増える。
- ミスや使いにくさによって社員のストレスがたまり、やる気が下がる。
- 新しい社員がシステムに慣れるまでに時間がかかり、会社全体の効率が悪くなる。
- お客様への対応が遅れ、会社の信頼が下がる。
- 社員の働きやすさが低下し、会社全体の生産性が下がる。
- 最終的にお客様の満足度にも悪影響を与える。
わかりやすく、使いやすいシステムがあれば、社員はストレスなく仕事に集中できるようになり、業務効率も図れます。
UI・UXの違いと関係性
UIとUXは密接に関連していますが、それぞれ異なる役割を持っています。
UIはシステムの視覚的なデザインやインタラクションの手段を提供する一方、UXはユーザーがシステムを使用する際の全体的な体験を向上させることを目指します。
- UIはシステムの見た目と操作方法に焦点を当てる: 画面デザイン、レイアウト、インタラクティブ要素など。
- UXはユーザーの体験全体に焦点を当てる: 使いやすさ、満足度、アクセシビリティ、信頼性など。
優れた業務システムを構築するためには、UIとUXの両方をバランスよく設計することが重要です。
UIが使いやすくデザインされていても、全体的なユーザー体験が悪ければ、システムの利用率や満足度は低くなります。
逆に、優れたUXを提供するためには、直感的で一貫性のあるUIが不可欠です。
良いUI/UXデザインが業務システムにもたらす3つの価値
良いUI・UXは、業務システムに次のような価値をもたらします。
業務効率の向上
適切なUI/UXデザインは、ユーザーが必要な情報や機能に素早くアクセスできるようにします。
これにより、日々の業務の効率が大幅に向上します。
ユーザー満足度の改善
使いやすく直感的なインターフェースは、従業員のストレスを軽減し、システムに対する満足度を高めます。
これは長期的な生産性向上につながります。
エラーの減少適切なデザインは、ユーザーのミスを未然に防ぐことができます。
これにより、データ入力ミスなどの人為的エラーを減らし、業務の質を向上させることができます。
トレーニングコストの削減(教育コストの削減)
直感的なデザインは、新しいユーザーがシステムを習得する時間を短縮します。
これにより、従業員教育にかかるコストと時間を削減できます。
業務システムのUI/UXデザインにおける2つの課題
在庫管理110番では、今のシステムが使いづらい、入れ替えを考えているというご相談をよくいただいています。
その背景には、既存の業務システムが持つ次のような問題点があります。
多機能で複雑な機能の整理
既存の業務システムは「何でもできます!どんな業種にも対応」という多機能なものが多いです。
その結果、ボタンやタブが増えてしまうため、使いたい機能がどこにあるか分からない、そもそも覚えられないという問題が起こりがちです。
ユーザーが必要な機能に容易にアクセスできるように整頓されていることが重要です。
情報の階層化
また、多機能がゆえ、階層化していることが多いです。
例えば、「生産管理」というボタンを押して、さらにその中にある「生産指示」というボタンを押して・・・
といった具合です。
階層が深すぎるとパッと見て自分に必要な情報を探せず、ストレスを感じます。
【解決策】シンプルなシステムを選択する
解決策の一つとして、欲張りすぎずシンプルなシステムを選択することも一つの方法です。
例えば、スマホでできる在庫管理アプリは、システム全体で一貫したデザインになっていることが多いです。
また、機能が絞り込まれているため、直感的に使いやすくなっていることも見逃せません。
近年ではUI/UXデザインを重視した業務アプリが出てきています。
UI/UXデザイン改善の2つのアプローチ
システムのデモでは、慣れた営業がスムーズな操作で、システムの機能を解説したり、実際に使って見せてくれます。
しかし、実際に導入してみると使いづらかった、覚えるのが大変だったということもすごく多いです。
また、自社開発の場合も作ってみたけど、使いづらかった・・・ということにならないようにするためにもUI/UXデザインを
改善する主な2つのアプローチをご紹介します。
- ユーザー調査:実際のユーザーを観察し、インタビューを行うことで、真のニーズや課題を把握します。
- プロトタイピングとユーザーテスト:設計段階でプロトタイプを作成し、実際のユーザーにテストしてもらうことで、早期に問題点を発見し、改善することができます。
段階的な改善
また、一度で満足のいくUI/UXが出来上がることはほぼありません。
大規模な業務システムの場合、一度に全てを改善するのは難しいことがあります。
重要度や優先度を考慮し、段階的に改善を進めていくアプローチが効果的です
まとめ
業務システムは機能で選ばれがちですが、UI/UXデザインは業務効率の向上、ユーザー満足度の改善、エラーの減少、トレーニングコストの削減など、多くの価値をもたらします。
適切なUI/UXデザインは、従業員の生産性を高め、企業の競争力を向上させる重要な要素となります。
業務システムは毎日使いますので、使用する従業員が無理なく覚えられてストレスなく使えることが地味ですが、とても大切な要素です。
したがって、業務システムにUI/UXデザインは必要不可欠であると言えます。
ただし、その実現には適切なアプローチと継続的な改善が必要です。
ユーザーのニーズを常に把握し、効果的なデザイン改善を行うことで、真に価値のある業務システムを構築することができるでしょう。
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