不良在庫や不動在庫、過剰在庫は、英語でデッドストック(deadstock)と呼ばれています。
一般的には、デッドストックでも構いません。
しかし在庫管理の担当者や財務・会計の担当者が業務で使用する場合、最適な英訳とは言えません。
今回は、正しい 「不良在庫・不動在庫」の英語表現を説明しながら、関連用語についても紹介します。
「不良在庫・不動在庫」の基礎と同時に、英語も学べるようにまとめています。在庫管理アドバイザーである筆者も海外の現場で業務を積み重ねてきました。海外を拠点に在庫管理をされている方は、ぜひ実務にご活用ください。
不良在庫・不動在庫のビジネス英語
「不良在庫・不動在庫」 を、ビジネス英語として使用したい場合は、以下の表現が適しています。
- bad inventory
- obsolete inventory
- immovable inventory
しかし英和辞典などで調べてみると「deadstock」「dead stock」という英訳が出てきます。
これらでも間違っているわけではありません。
一般的な言い方としては、 「deadstock」や「dead stock」が伝わりやすいでしょう。また「bad stock」という英訳もできます。
ここで注目をしたいのは「stock」と「inventory」の違いです。
「stock」は、完成品を意味します。一方で「inventory」は完成品だけではなく、棚卸資産全般を含みます。
棚卸資産を含む在庫は、以下の通りです。
- 「原材料」:Raw material(RM)
- 「仕掛品」:Work in progress(WIP)・Work in process・in-progress product・in-process inventory
- 「完成品」:Finished goods(FG)・Finish product
これらの在庫が 「inventory」ということです。
電話やチャット、メールなどのやり取りにおいては 「stock」でも構いません(通じます)が、生産工場や倉庫の現場、公的な場面においては 「inventory」を用いることで正確に伝わります。なお使われていない原材料(在庫)は、「unused material」という表現もできます。
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「bad」「obsolete」「immovable」の違い
「bad inventory」と「obsolete inventory」、「immovable inventory」の違いについて説明します。
「bad inventory」は、そのままの意味で状態が良くない棚卸資産のことです。「obsolete inventory」を直訳すれば、陳腐化した在庫という意味になります。陳腐化とは、在庫回転率(inventory turnover ratio)が悪いことを指します。
在庫回転率とは、在庫がどれくらいの早さで使われたかを見る指標です。
詳しい解説はこちらをご覧ください。
在庫が回転していなければ、在庫が倉庫・工場内で滞留していることになります。したがって滞留在庫と呼ばれることもあります。不良在庫と不動在庫、滞留在庫は、ほとんど同じ意味合いです。しかし、会社によって定義が異なるケースもあります。
例えば・・・
- 「不良在庫」:損傷や劣化など、不具合がある在庫(いわゆる不良品)
- 「不動在庫」:トレンドや季節の影響で通常の価格では売れない在庫
- 「滞留在庫」:消費期限・使用期限が迫っており、売れる見込みがない在庫
「immovable」には「動かない」という意味があり、ここで言う「不動在庫」に該当します。いずれにしても日本語では、シチュエーションによって微妙にニュアンスが違います。英語でやり取りをする際は、補足説明をした方が、伝わりやすいでしょう。
不良在庫・不動在庫の処分について
注意をしたいのは、「不良在庫」「不動在庫」は棚卸において資産として計する点です。
決算においては利益を圧迫し、かつキャッシュフローの悪化を招く要因となります。不良在庫と不動在庫、滞留在庫を発見すれば、いかに早く在庫処分、もしくは売り切るかを考えなければなりません。
「在庫管理110番」では、不良在庫・不動在庫をはじめ過剰在庫・余剰在庫を処分のご支援をしています。自社では見つけられなかった販路に買いたたかれず一円でも高く売って不動在庫を一掃しませんか?
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