中小企業経営研究会が発行している近代中小企業(発行部数12000部 月刊誌)の2022年2月号に
「数えて修正し終わり!」の棚卸そろそろ止めませんか?
というテーマで、弊社代表の岡本(在庫管理アドバイザー)が寄稿させていただきました。(中小企業経営研究会)
多くの会社が年度末を迎える3月に実施される棚卸について、『「数えて修正し終わり!」の棚卸をそろそろ止めませんか?』というテーマで、正しい棚卸の方法に関して執筆しました。紙面に限りがありましたので、残念ながらごく基本的な内容に的を絞っております。
なお、棚卸に関しては、大阪府工業協会様でも毎年講師をさせていただいており、経営層が注目する大きな課題と感じています。
企業の利益を決める大切な作業にもかかわらず、経営者が思っている以上に現場は適当な棚卸を実施しています。
「数えて修正して終わり!」の棚卸はとても危険です。
例えば、研修に参加される方、弊社のコンサルティングを受ける方の会社では
次のようなことがおこっています。
- 従業員の勝手な判断で数えていない
- そもそも棚卸の対象が分かっていない
- 数え忘れ、重複カウント
など、数えた在庫が正しいと思うのは大間違いです。
ある会社では、「数え間違えるはずはない!」と胸を張っていました。
しかし、実際に数点の部品をランダムに選んで数えてみると、数え間違いが発見して肩を落としていました。
またある会社では、「弊社は棚卸差異が少ない、在庫の精度は良い」という回答でしたが、
実際には、棚卸損と棚卸益を分解してみると、次のようになっていました。
- 棚卸で発生した損:帳簿在庫よりも実際の在庫が少ない状態(仮に商品Aの帳簿在庫100円に対して、実際の在庫が90円とする)
- 棚卸で発生した益:帳簿在庫よりも実際の在庫が多い状態(仮に商品Bの帳簿在庫100円に対して、実際の在庫が110円とする)
通算すれば、
帳簿在庫:商品A(100円)+商品B(100円)=200円
実際在庫:商品A(90円)+商品B(110円)=200円
となり、帳簿在庫数=実際在庫数=棚卸差異無し。
と見えます。
しかし、これは損と益がたまたま同じくらいだっただけで「運が良かった」と言えます。
もし、高額な商品で間違いが起こったらどうなるでしょうか?
実際にある会社では、高額な機械の数え間違い(数えてはいけないものを数えてしまった)により1千万円以上の棚卸差異が発生したこともあります。
棚卸は最重要業務
弊社は棚卸を「日常業務の成績発表」と位置付けており、在庫管理の最重要業務と考えています。
棚卸の結果を見れば、会社が抱える課題が見えます。過剰在庫や欠品の原因も棚卸から考えれば、解決の糸口が見えます。
- 在庫が合わなくて困っている
- 棚卸に時間がかかっている
- 棚卸ミスがどうしても無くならない
とお困りの場合、または棚卸を改善したいという会社様はぜひお気軽にご相談ください。
無料個別相談受付中です!