在庫の差異を無くすこと(在庫精度の向上)は、製造業にとって永遠のテーマです。
なぜ、起こるのでしょうか?記録漏れ、カウントミス、不良など様々な原因がありますが、製造業に特有な原因は大きく分けて理由が4つあります。
- 在庫が散らばっているということです。
- 支給がある
- 状態が変わる
- 設計の変更
在庫差異を無くすうえで、まずは他業種と違う製造業の在庫の特徴を知っておきましょう。それぞれについて解説します。
製造業は在庫を置いている場所が多い
小売業や卸売業、倉庫業などの非製造業の在庫は、店舗か倉庫に必ずあります。それ以外の場所にはありません。
しかし、製造業の在庫は、仕入・生産・出荷という他業種には無い「生産」というプロセスを踏むため、在庫の状態が様々です。
そのため、倉庫や工場内の棚以外に、生産する場所にも置かれていることがあります。
直売所を持っていれば店舗にも在庫がありますし、出荷待ちをしてる場合は、輸送中の製品も工場の在庫です。
製造業は、置き場が複雑なため、他業種以上に置き場の管理(棚の管理)を徹底しないとすぐにどこかに行ってしまい、紛失してしまいます。
製造業の在庫は外注に支給することがある
製造業は、自社の技術や設備でできない工程を外注に任せます。
その際に、加工してもらいたいものを外注に渡すのが普通です。
(例えば、金属メーカーがめっきや焼き入れをしてもらうために、専門の工場に自社の部品を持ち込む)
その在庫は無償支給品なので、自社の在庫としてカウントする必要があります。
つまり、自社以外にも在庫あり、そしてその部品の在庫管理を外注にゆだねていることがあるからです。
しかし、税務上管理しているのは、「あなたの会社」ということになります。仮に外注の在庫管理がずさんで
在庫差異が発生したとしても、税務署から見れば外注の責任ではなく、あなたの会社の管理責任(自社の資産だから責任を持ちなさい!)
ということになります。
外注によっては、支給された部品を自社の生産都合で使ってしまったり、あるいは不良を出してしまったり・・・
という事も多々あります。
私が相談を受ける会社でも外注の在庫管理で悩まれていることがとても多いです。
外注管理は、自社だけの問題ではなく外注との関係もあるので、ある程度覚悟をもって対処しなければいけません。
製造業の在庫は状態が変わる
製造業には、生産という他業種には無いプロセスがあります。
そして、生産の中で生まれる「仕掛品」という特殊な状態の在庫を抱えています。私は仕掛品が製造業の在庫管理を難しくしている存在だと考えています。
仕掛品の状態は生産の進捗に合わせて刻々と変化します。部品や製品と違って、仕掛品をとらえるのは難しいのです。
さらに、部品や製品には品番がきちんと採番されていることがほとんどです。しかし仕掛品は採番されていないどころか、管理すらされていない・・・という事が現実には起こっています。仕掛品をきちんと管理するためには、工程と構成(部品表)の関係をしっかりと整備する必要があります。
仕掛品をきちんと捉えられれば、製造業経営者の悩みのトップテーマである原価管理もできるようになります。
製造業の在庫管理について相談する
在庫が合わない、支給品の管理がうまくできない、仕掛品がよくわからない、原価管理をやりたい・・・
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