在庫管理アドバイザーの岡本です。
在庫管理システムは、エクセルを活用すれば十分に作れます。
高額な在庫管理システムを導入する必要はありません。
例えば、以下のような企業に自作の在庫管理システムは適しています。
- 従業員が3名程度
- 従業員同士が1つの事務所内で声がかけあえる範囲で業務をしている
- 保管場所が1か所
- 扱うデータ量が1か月で1000件程度
関数、マクロ、ピボットテーブルを上手く組み合わせれば、しっかりとした在庫管理システムができます。
しかし、エクセルはあくまでも表計算として開発されたソフトであり、在庫管理に特化したものではないため、基本的な仕様上の限界があります。
そのため、エクセルで自作をする場合は、メリット・デメリットをしっかりと理解しておく必要があるため、在庫管理アドバイザーが解説します。
目次
エクセルで在庫管理システムを自作するメリット
エクセルで在庫管理システムを作るメリット・デメリットは以下の通りです。
- コストがかからない|開発・導入・保守コストが0円
- 誰もが使ったことがある|画面や基本操作に慣れいてとっつきやすい
- 自由度の高さ|とりあえず作ることができて、修正がしやすい
それぞれについて具体的に解説します。
コストがかからない|開発・導入・保守コストが0円
ほとんどのパソコンには最初からエクセルがインストールされています。
従業員が自分達で作れば、コスト無しシステムを自作することができます。
在庫管理110番では、無料でエクセル在庫管理表のテンプレートを配布しています。

誰もが使ったことがある|画面や基本操作に慣れいてとっつきやすい
ワードやパワーポイントは使った事は無いけど、エクセルなら使ったことがある、と言うくらい有名でみんなが知っている馴染みのあるソフトです。
社会人でエクセルを触ったことが無い人はいないと思います。
また、どんなパソコンにもインストールされていることが多いため、ファイルを共有しやすいのも魅力です。
自由度の高さ|とりあえず作ることができて、修正がしやすい
エクセルの最も大きな魅力は、自由度の高さです。
自分達の思ったことをすぐにカタチにできます。さらに、気になった時にすぐに修正ができるのも魅力です。
とりあえず作ってみて修正ということが簡単にできます。
本格的なシステムだと制約が多く、特定の人しか修正できません。
在庫管理システムを自作する以外にも、様々な在庫管理業務でエクセルが活用できます。
エクセルに関するコンテンツをまとめてみました。
ノウハウまとめ
業務別のエクセル活用法
エクセルの在庫管理システムのデメリット
エクセルにはコストがかからず、誰でも使えて、自由に作成・修正できるという導入ハードルの低さという大きな魅力があります。
エクセルは「表計算ソフト」として開発されているので、ソフトの仕様としての限界があるため、次のようなデメリットがあります。
- リアルタイムで反映しづらい|同時操作しづらい
- 履歴が取れない|誰が登録・修正したか分かりづらい
- 属人化しやすい|作った本人しか分からない
- データ保存量|無限ではなく限界がある
- 権限設定ができない|誰でも使える
- 処理スピードが遅くなる
これらのデメリットを理解したうえで許容できる場合は、エクセルで在庫管理システムを自作しても問題ありません。
しかし、1つでも不安材料があれば、おすすめはできません。以下で具体的に説明していきます。
リアルタイムで反映しづらい|同時操作しづらい
企業規模が大きくなったり、保管場所や販売場所が複数あると起こりやすい問題です。
エクセルは一人の人が使っていると他の人が使えません。
人数が増えたり、拠点が増えると、複数人で使いたいですがエクセルだとそれができません。
よく起こる問題は、以下の3点です。
- 他の人が開きっぱなしで使えない。(誰が開いているのかもわからない)
- 間違ってコピーを作ってしまい、どちらが正しいのかわからない
- 最新の在庫が反映されていない
【Microsoft 365 for the webでリアルタイム操作が可能になった】
エクセルはオンラインで使用できるようになったので、同時編集が可能になりました。
単純なセル入力には問題無いですが、ローカル版と違って一部の機能に制限があるなど制約があります。
また、VBAは動かないため注意しましょう。(今後もVBAのオンライン対応は無さそうです)
属人化しやすい|エクセルを作った本人しかわからない
弊社に寄せられる相談で最も多い内容で、属人化の問題は主に次の3つです。
- 自由にコピーできる
- 作った人しか直せない
- どんどん複雑になる
自由にコピーできるため、作った人の専用仕様になりやすい
エクセルはコピーして自由に自作できます。
仮に最初にフォーマットを作っていても、自分が使いやすいようにカスタマイズすることが普通です。
その結果、最初は標準化して誰でも使えるようにしていたにも関わらず、従業員の数だけエクセルが増えます。
各担当者が、自分の担当している在庫管理表を持っていることはよくあることです。
作った人以外は直せない
エクセルは思ったときに、自由に修正ができるため、作った人しか操作や仕様が分からないことが多いです。
また、エクセルに詳しい人が作った多機能で複雑なエクセルは他の人が修正できるものではありません。
作った人が退職したりすると、もう直すことはできません。
ありがちなのが、セルに埋め込まれた重要な関数を消してしまってエクセルが全く動かなくなった・・・
というようなトラブルです。
どんどん複雑になる
エクセルは何でもできるのが強みです。
利用方法によっては、市販のパッケージシステムよりもはるかに使いやすいでしょう。
しかし、「何でもできる」はエクセルの最大の弱点でもあります。
利用の自由度が高いので、付け足し、付け足しで修正ができます。
すると、どんどん複雑になっていきます。
気づくと作った本人ですら分からなくなっています。
データ保存量に限界がある
エクセルで自作して使い始めた時には気づけませんが、数年使い続けると気づき始めることです。
在庫管理において、仕入や販売、生産データは、欠品や過剰在庫を避ける適正在庫には最も重要な基礎データになります。
大量保管ができないのは、実はかなり致命的なことです。
エクセルのシート1枚の行数は、1048576行(エクセル2003までは65536行)です。
エクセルはあくまでも表計算ソフトであり、データ保存を専門とするデータベースシステムではありません。
ファイルやシートを分けざるを得ません。
データの保管は、ひとつの表(テーブル)で一覧性を保つことが重要です。
データの蓄積や検索において、組織全体の利用には向いていません。
権限設定ができない
現場にはマスターを触ってほしくなく、「在庫を閲覧するだけにしたい」といった要望です。
シートやセルの保護や非表示はできますが、細かい設定はできません。
専用のシステムであれば、といった設定ができます。
- ログインで使えるユーザーを限定できる
- ユーザーによってできること・できないこと
- メニューや画面を表示する・しないなどを設定できます。
処理スピードが遅い
エクセルは大量のデータ処理に不向きです。
ファイルのデータ量が多くなったり、関数が増えたりしてくると、ファイルがどんどん重くなり、処理速度が遅くなります。
ひとつのデータを入力したら、数秒待つ。これはデータを入力する人にとってとてもストレスになります。
さらに、ファイルが重くなると壊れるリスクが高まります。ファイルサイズが大きくなればなるほど壊れやすいようです。
エクセル在庫管理システム一つのファイルに全ての機能があります。
壊れてしまうと一度にすべてを失う可能性があります。それ以上になると業務負担も増えますし、リスクも増えます。
自作エクセルのデメリットは少し時間が経ってからしか気づけない
エクセルは導入のハードルの低さという大きな魅力があるため、デメリットは使い始めた時には気づかず、少し時間が経ってから気づくことです。
デメリットに気づいたころには、個人仕様のエクセルが乱立して、業務に深く入り込んでいることが多く、システムへの変更が難しい状態になります。
気づいたときには、経営や業務に大ダメージを与える深刻な問題が起こっているということも多いようです。
- 欠品や過剰在庫が多くなった
- あると思った在庫が無いことが多くクレームが増えた
自作の在庫管理システムが通用する限界は、社員数1~3名」「営業拠点が本社のみ」です。
しかし、会社の規模が大きくなり、人数が増え、営業所や倉庫が複数になり、取扱品目が増えるとエクセルでの管理は大変になります。
つまり、メリットよりもデメリットの方が大きくなるということです。
在庫管理システムを導入すれば、業務の生産性向上とともに資金繰りの改善も実現可能です。
エクセルから在庫管理システムへの移行方法
エクセルで在庫管理システムを自作する限界が理解できたと思います。
クレームの増加で対応するだけで精いっぱい、欠品や過剰在庫の増加で売上や資金繰りで経営の悪化・・・
ということになる前に、企業規模や在庫管理の状況によっては、在庫管理システムの導入を強くお勧めします。
ただ、高い在庫管理システムを導入する必要は全くありません。
初めて在庫管理システムを導入するためのガイドを解説していますので、ぜひ参考にしてください。
成長する在庫管理システム
在庫管理110番が開発した「成長する在庫管理」は、在庫管理のことを知り尽くした専門家が企画しました。現場での使いやすさを第一に考え、直感的で分かりやす誰にでも使えます。
その秘密は、自社の業務に必要な機能だけを実現できるため、ムダな機能が無くシンプルだからです。
自社の業務に必要な機能を低コストでしかも短期間で導入できる在庫管理システムです。
従業員6名の会社でも迷うことなくスムーズに使用することができました。
これまで500社以上の相談やコンサルティング経験のある在庫管理の専門家が、導入前から導入後までサポートします。
自作の在庫管理システムが限界を感じたらお気軽にご相談ください
エクセルの在庫管理は始めやすくコストもかかりません。しかし、長期的に見ればデータの保存性・メンテナンスの観点からとても危険です。
エクセル在庫管理からシステムへの移行は、コストとともに業務的に本当に移行できるかどうか・・・
自作の在庫管理システムに不安や限界を感じているようでしたら、迷わず在庫管理の総合窓口「在庫管理110番」へのご相談ください。
在庫管理アドバイザーがアドバイスします。
- 低コストでエクセルからシステムに移行する方法
- エクセルで残しても良い部分、在庫管理システムに絶対移行すべき部分
- 在庫管理システムの特徴、費用、選び方
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