あなたの会社の在庫は最適化されていますか?
残念ながら、在庫管理を経営戦略ととらえている企業はとても少ないです。
在庫管理=在庫管理担当者や生産管理、仕入れ担当者の業務ととらえられていて、会社として、在庫をマネジメントするという意識が欠けているケースがとても多いです。
部門ごとの利益を追求するあまり、全体最適化が進んでおらず、各所で過剰在庫や欠品が日常的に起こる原因になっています。
在庫管理=経営戦略と考えて実務に落とし込んでいる会社は経営基盤がしっかりとしています。
なぜなら、在庫は日常的な投資の中でもっとも大きな割合を占め、会社のキャッシュフローに直結しているからです。
「在庫をマネジメントする」とは、在庫という資産とそれに関るリスクなどを管理し、経営上の効果を最適化しようとすることです。
この記事では実際に経営戦略を在庫戦略に落とし込み、PDCAサイクルを回す方法を解説します。
企業の経営戦略、業種、業態、規模の大小など問わずに使える共通の考え方・ノウハウなので、ぜひ参考にしてください。
目次
在庫最適化は全体最適化で実現できる
日本の在庫管理には全体最適化の視点が足りません。
それはなぜか?
在庫は経営の鏡と言われ、また、在庫管理がうまくいっている企業は経営がうまくいっている証と言われるゆえんです。
経営戦略と在庫戦略が一致している企業の一例を挙げますと、
- 日本を代表する企業であるトヨタ
- 世界的な小売企業であるコストコ
- 工場向けに工具や消耗品を提供しているトラスコ中山
- アパレルの世界最大手であるインデックス
大手企業ばかりですが、私が実際に接してきた中小企業の中にも素晴らしい在庫戦略を取っている会社もあります。
そういった会社は、財務基盤がしっかりとしており、成長も業績も堅調です。
つまり、大企業だけがしっかりとした在庫管理ができるというわけではないということです。
しかし残念ながら、大半の中小企業では、
- ただただ、お客様のために在庫を切らさない!
- 在庫管理担当者に丸投げ
- もっとひどいと、パートさんや新入社員に任せる簡単な仕事として捉えている
といった状況です。
このような考えの会社は、過剰・滞留・不良在庫に苦しむ一方で、欠品にも苦しみ、担当者は在庫確認に明け暮れ生産性も低いです。在庫管理が会社全体としてあまりうまくいっている例を見たことがありません。
日本企業の多くは「在庫マネジメント」が部分最適であり、上手くマネジメントされていないということです。
在庫管理に責任をもつ部門が必要
まず、在庫をマネジメントするには、在庫管理に責任を持つ部門または担当者を決める必要があります。
注意しなければいけないのは、責任を与えるということは、権限も与えるということです。
多くの企業では、在庫管理は受け身部署になっているのが現状です。
在庫管理担当者に在庫が多い!何とかしろ!!といっても無理です。
実務面では、一般的に在庫は少なくなることはほとんど無く、増える傾向にあります。
その理由は、
- 営業部門:欠品を恐れて在庫を多く持とうとします。(たとえ、過去に実績がほとんどなくても)
- 生産部門:生産効率を上げるために同じものを連続して出来るだけ多く作りたい
そのため、『受け身』の在庫管理部署(担当者)は、在庫を増やさざるを得ません。
一方、財務部門はROA(総資産利益率)を良くするために在庫総額を削減しようとしますが、金額だけで見ているので実情を全く理解していません。
いずれの部門も、自部門の都合だけを考えているため、会社としては部分最適です。
これが在庫リスク(過剰在庫、欠品)を発生させる原因です。
在庫をマネジメントする部門はどの部門からも中立であり、経営的な立場から全体最適を追求できる部門でなければなりません。
そのため、受け身ではなく、責任と合わせて権限も与える必要があります。
在庫管理のPDCA
ご存知の通り、マネジメントの基本はPDCA(Plan:計画を立てるDo:実行するCheck:評価するAction:改善する)をサイクルとして回すことで実現します。
在庫マネジメントも同じで、PDCAのサイクルをまわすことがとても重要です。
在庫管理のPDCA P(計画)
Plan(計画)マネジメント・サイクルの中でも特に重要です。
計画段階で会社目標と部門目標の整合が取れていることがマネジメントの第一歩です(ここが重要!!)。
会社のトップは毎年、経営戦略に基づいた経営計画の一環として、販売計画や生産計画に基づく会社としての在庫指標
例えば、在庫回転率や在庫回転日数を提示します。経営戦略に合わせて独自の指標を設定している企業もあります。
※この記事では在庫回転率(在庫回転日数)を例にとっています。
在庫マネジメント部門は経営指標に基づいて、在庫目標を設定します。
具体的には予め設定した在庫基準を用いてシュミレーション(未来在庫算出)し、品目別に在庫回転日数を設定します。
この時点でやれるかどうかは別として、まずは設定をすることが大切です。多くの会社はこの時点で計画を設定できず、先に進めません。
会社の指標が設定できない、、という会社は財務目標(たとえば、在庫金額を○○円にしたい、在庫削減をしたい)などから、設定することも可能です。
在庫管理110番では、適正在庫が簡単に計算できるセミナーを実施中です。統計学などの専門知識は一切不要なので、学んだ翌日にすぐに自社の適正在庫が計算できます。
Do(実行):仕入れ、生産指示
Do(実行)では、計画で決めた在庫基準に沿って入庫、出庫、発注や製造業であれば、生産指示を行うことです。
それらの行動の結果として日々の在庫が推移します。
Check(検証):計画と実績の比較
Check(評価)は、計画と実績の比較です。
計画で定めた品目別の在庫目標日数に対して、実行で得られた日々の在庫実績推移から得られた在庫日数の実績を比較し、評価します。
残念なことにDoだけをやり、評価を行わずに空中分解してしまうケースが非常に多く見受けられます。
Action(改善):在庫基準の見直し
Action(改善)は、評価した結果から在庫基準の見直しを行い、日々の作業を改善調整して年度の目標達成に近づけていきます。
ここには、経営も関与しなければいけません。場合によっては期中で経営計画の変更による在庫目標の変更などにも対応します。
たとえば、「売れる!」と思って、大々的に広告を打ちPRして、大量に仕入れ・生産したものが売れなかった・・・
という時、ブレーキを踏むのは経営判断です。
現場は、売れるから大量に仕入れろ!作れ!という号令を受けているので、在庫をどんどん増やします。
経営はアクセルは踏むだけではだめで、ブレーキを踏む決断も重要です。
だからこそ、在庫管理部署は、正確・冷静に状況を把握して、経営サイドに実情と今後の予想を伝え、
経営的な立場から全体最適を追求できる部門でなければいけないのです。
在庫マネジメントは攻めの管理
在庫管理はどちらかというと、「受け身・守り」の仕事ととらわれがちです。
しかし、PDCAのサイクルをまわすことにより、在庫マネジメントは在庫基準を頑なに守る仕事では無いということが分かります。
計画で定めた目標達成を達成するために何度も検証と改善を繰り返します。
目的達成のためには在庫基準そのものを見直してでも目標達成するという能動的な行動なのです。
経営環境は絶え間なく変化します。ずっと同じ環境ということは絶対にありえません。
常にPDCAのサイクルをまわし続けることで、在庫リスクを避けた会社にとっての在庫最適化を実現して適正在庫を維持することが可能となります。
在庫マネジメントに必要な要素
在庫マネジメントを行うためには次の2つの要素が必須です。
- 在庫管理責任部門(または在庫管理責任者)の設置
- 様々な種類の実績データ収集
2を行うためには、在庫管理システムが必要になります。
昔は、コンピュータは非常に高級で手が出せるものではありませんでしたが、今は、高度で高速な処理が可能なコンピュータシステムが安価で入手できます。
在庫管理110番では、成長する在庫管理というシンプルで自社に必要な機能を追加できる在庫管理システムを提供しています。
ただただ、在庫管理業務をするシステムではなく、今回解説したような適正在庫の仕組みも組み込むことができます。
適正在庫は会社が決める
在庫マネジメントは在庫リスクを避け、適正な在庫を維持することです。
一体そもそも「適正在庫」とは何でしょうか?
実は、「適正在庫」には一般的な定義はありません。
例えば以下のようなことを維持、運用(マネジメント)した結果が、その会社の「適正在庫」です。
- 会社の経営方針や経営計画に基づいた目標である在庫指標(在庫回転率など)を達成すること
- 様々な制約条件(リードタイムなど)のある中で最小限の在庫を実現するための在庫基準を設定し、維持運用すること
「適正在庫」とは、企業経営上重要な意思決定である経営戦略に基づいて決められます。
はじめて「適正在庫」を学ぶ方は、こちらも併せてご覧になると、より理解が深まります。
適正在庫を実現するシステムの構築
「適正在庫を維持する」ための在庫マネジメントを支援するシステムを構築するためのステップをご紹介します。
現在の在庫の実態を知るための3つの分析手法
システム導入前に現状の在庫実態を知るための分析が必要です。
この分析はシステム導入後のPDCAマネジメント・サイクルのCheckで使用します。
狭義の在庫管理システムに蓄積された日々の売上や在庫の実績データをエクセルでグラフ化します。
グラフ化で、データが直観的、視覚的に分かり易くなります。
3つの代表的な分析手法をご紹介します。
ABC分析
ABC分析とは重点分析とも呼ばれます。
もっとも簡単な分析手法ですが、もっとも利用価値の高い分析手法でもあります。
最近はコンピュータでデータの収集や処理が容易に行えるので、処理や管理の重点化に活用するケースよりも取扱品目の整理や
倉庫レイアウトの見直し、棚卸工数の削減などの改善分野にも利用されるケースが多いので、ぜひ覚えておいていただきたい方法です。
ABC分析の具体的な処理フローは以下の通りです。(金額で分ける場合)
- 一定期間における品目の売上額(在庫金額)を把握する
- 売上総額(在庫総額)に対する個別品目の売上構成比を計算する
- 売上構成比の大きい順に品目を並べる
- 売上1位の品目を起点に2位以下の品目の構成比を順次累計する
- 横軸に品目順位、縦軸に構成比の累計を折れ線グラフでパレート図を描く
たとえば、売上と在庫を同時にABC分析をしたい場合に必要なデータは、
- 一定期間の売上(出荷)金額データ
- 在庫金額データ
この結果から、売上と在庫による同時ABC分析で売上が無いのに在庫が存在するなどの品目の洗出しが可能です。
ABC分析の詳しいやり方はこちらで解説しています。
在庫回転率(在庫回転日数)
在庫回転率は一定期間で何回在庫が入れ替わったかを表す、在庫の流動性を知るための指標です。
在庫回転率が大きい数値ほど、在庫が回転していることになります。求め方は次の通りです。
- 在庫回転率=期間中の出荷金額(原価ベース)÷ 期間中の平均在庫金額
在庫回転率から、在庫回転期間(在庫回転月数、在庫回転日数)も計算できます。
- 在庫回転月数=12 ÷ 在庫回転率
- 在庫回転日数=365 ÷ 在庫回転率
これらは入ってきた在庫がどれくらいの期間で出庫されているかを示し、小さい数値ほど在庫が回転していることになります。
在庫回転率を把握の対象には次のようなものがあります。
- 全社在庫
- 拠点在庫
- 事業部
- 商品分類
- 品目
あらかじめ設定した目標値と比較して在庫が過剰か不足気味かを判断して改善に役立てることができます。
在庫回転率を求めるために必要なデータは、
- 売上金額(原価ベース)※売上原価でも良い
- 在庫数データ
使用するデータは、ABC分析と共通ですので同時に処理できます。
散布図
散布図は、バラつきを表すデータです。
散布図で在庫管理ができているかどうかを一目で把握できます。
在庫管理で作ってみていただきたい散布図は、
- 縦軸:出荷可能日数
- 横軸:出荷日数
点が散らばっているほど管理できていないことを表します。
例えば、1ヵ月に1日しか出荷日が無いのに出荷可能日数は80日分あるとすれば、今の出荷状況が続くという前提で80回(=80か月)に対応できる在庫があるということになり、在庫過剰は明らかです。
今回例に挙げた散布図を描くには以下の項目が必要です。
- a:品目ごとの出荷日数(たとえば、1か月に何回出荷があったか?)
- b:品目ごとの出荷合計量(たとえば、1か月間の出荷数の合計)
- c:1日あたりの平均出荷量(b:出荷合計量/a:出荷日数)
- d:月末在庫量
- e:出荷可能日数(d:月末在庫量/c:1日あたりの平均出荷量)
在庫管理マネジメントの実施例
checkによって、在庫が評価できました。これで在庫の実態が分かったのでそれを改善する支援システムを在庫マネジメントサイクル(PDCA)としてどうやって実際に行っていくのかを事例を基にご説明します。
※指標には在庫回転率(在庫回転月数)を使用しています。
経営目標を設定するための大枠の在庫基準を設定する
在庫マネジメントサイクルのP(計画)は、目標に対して各種在庫基準の設定を行います。
下記のシュミレーションを使ってご説明します。
今年度の経営計画で、在庫回転率の目標として売上高ベースで12という数値が設定されています。
この在庫回転率は、「売上高目標÷棚卸金額」から算出します。
仮に、前年度と同じ在庫回転率=10なら、在庫金額は12,000千円となります。
しかし、経営計画を見ると、在庫金額は前年度と同じ10,000千円で、一切増えていません。
つまり、在庫を増やさずに、売上を上げるという目標であり、今年度の在庫回転率の目標値には、在庫削減を行うこともテーマとして含まれていることを意味しています。
経営目標を実務の具体的な目標値に落とし込む
この12という在庫回転率は総枠の売上高ベースの経営数値です。
そこで、在庫管理部門は、実行に落とし込むために分子の売上高目標を出庫金額ベースに換算して棚卸金額と同じ金額評価での
在庫回転率にする必要があります。
そこで、在庫管理部門は、実行に落とし込むために棚卸金額を各要素にブレークダウンする必要があります。
※各要素とは、仕入れや生産指示のことを示しています。
例えば、12という在庫回転率の達成方法を「仕入れを減らす」ということで達成しようとする場合は、
出庫金額に着目します。
出庫金額とは、「仕入れ単価=出庫数」で算出してそれを分子として、在庫回転率を算出するということになります。
まず、売上に対してどれくらい出庫金額が占めているかを調べます。
「売上=製品を販売した金額(原価+利益)」なので、製品の金額に対して出庫金額がどれくらいの割合の金額を占めているかは、売上原価(ほぼ原価と同等)が近似値です。
従って、出庫金額が売上に占める割合は、売上原価率(粗利の逆です。)と言うことになります。
ただし、製造業の売上原価には、製品・仕掛品・原材料の3種類の在庫が含まれているため、これらをキチンと区別する必要があるのでご注意ください。
今回の例では、0.6つまり売上高に対して60%が売上原価=出庫金額で占められているということになるので、
売上原価(出庫金額)=売上高×0.6=7200千円
ここから在庫回転率を求めます。
在庫回転率=売上原価(=出庫金額)/棚卸金額=7.2
在庫月数=12÷7.2≒1.7月
在庫管理部門としての目標は、在庫月数(1.7)の達成・維持を目指します。
欠品もなく過剰もなく在庫マネジメントできたと仮定すれば、各在庫品目の合計在庫金額で算出した在庫月数が理論的に売上高
に対する在庫月数=12と一致するということになります。
つまり、経営計画の在庫指標=12と在庫管理部門の在庫目標=1.7
の整合が取れていることになり、材料在庫の適正在庫維持の在庫マネジメントが、経営目標に沿って遂行されていると言えます。
単品ベースで基準値を設定して日々の発注・生産をコントロールする
基準値を使い、日々の在庫管理で実際に管理をするのは、在庫マネジメントサイクルのPDCAのうち、「D:実行」になります。
目標在庫回転月数である1.7を達成するために各単品ベースで各種在庫基準値を設定します。
ここで実際に単品ベースで設定した基準値が日々の在庫管理(D:実行)の対象になります。
発注や生産のコントロールをするために必要な基準値は以下の通りです。
- 1日当たり平均出庫量・・・直近一定期間の移動平均値(稼働日ベースとし出庫実績のない日は除く)
- 在庫日数・・・在庫月数×30日(上記例では一律 1.7×30=51日)
- リードタイム日数・・・発注から入荷までの平均日数(生産の場合は、生産着手から生産完了までの日数)
- 安全在庫日数・・・安全在庫日数
- 安全在庫量・・・1日当たりの平均出庫量×安全在庫日数
- 発注点・・・(リードタイム日数+安全在庫日数)×1日当たりの平均出庫量
この中で一番注意しなければいけないのは「1日当たり平均出庫量」です。
単純に過去の実績値の平均値はなく、直近の一定期間の移動平均値(または、指数平滑移動平均 )を用いるのが良いでしょう。
※理由:出庫はリアルタイムで変化をしていくので、都度実績に反映させるのが望ましいためです。一定期間とは、対象の品目の出庫の頻度によって変える必要があります。(ここで、ABC分析などを使用する)
なお、これらの基準値を求めるために必要な実績値は、次の4つです。
※各実績値は過去2年分くらいが望ましい。
- 在庫月数
- 出庫実績値
- 発注実績値
- 入庫実績値
実績値だけ信用するのではなく、将来の販売計画や社会情勢も加味しましょう。
たとえば、2019年から2022年ごろに猛威を振るった新型コロナウイルスの例を考えるとわかりやすいでしょう。
コロナ前・コロナ禍・コロナ後で考えれば、コロナ禍の時にコロナ前の実績は役立ちませんし、コロナ後にはコロナ禍の実績は役立ちませんが、コロナ前の実績は社会情勢を加味すれば役立つ可能性があります。
自社の適正在庫を知り、在庫最適化の考え方とノウハウを学ぶ
在庫管理110番では、自社の適正在庫を計算して、実現するための方法が学べるセミナーを開催中です。
統計学やデータサイエンスなどの高度な知識は一切不要なので、中小企業でも明日から取り組める内容です。
在庫管理システム
在庫マネジメントのためには、経営層・実務層がすぐに在庫データにアクセスできるようになっていることが必要です。そのためには在庫管理システムの導入が必須です。
成長する在庫管理システムは、在庫管理の効率化だけではなく、今回解説したような経営戦略を在庫戦略に落とし込むためのデータ活用まで実行可能なシステムです。在庫管理の専門家が導入支援します。
在庫管理アドバイザーに無料で相談する
今回、解説記事を書いた、在庫管理アドバイザーが無料でアドバイスします。
無料相談は1か月7社様限定です。適正在庫、在庫管理システムの導入や入れ替え、在庫データの活用に関するご相談・お問い合わせはいつでもお気軽にお寄せください。
実務経験豊富なアドバイザーが担当します!