在庫管理110番、在庫管理アドバイザーの岡本です。
在庫管理のご相談で、在庫管理が全くできていない、何から始めたらいいのか、さっぱりわからない・・・
というご相談がありました。
- 在庫管理システムの導入が必要?
- バーコードが必要?
といった、勘違いも多くあります。
バーコードやシステムよりも先にやることがあります。
このようなお悩みがとても多いので、在庫管理が全くできていない会社が、在庫管理ができる土俵に立てるようになるための手順をお伝えします。
目次
在庫の入出庫管理ができるようになる
「在庫管理ができる土俵に立つ」とは、管理したい在庫の入出庫ができるようになることです。
その次に、「現場に行かなくても在庫が分かるようになる(在庫管理システムなどの導入)」になります。
何もできていない会社は、「在庫が分かるようになる」をいきなり目指さずに、在庫の入出庫ができるようになることを目指しましょう。
そのための正しい手順をお伝えします。
1.整理を行う
在庫管理ができていない会社は、管理したいものとそうでないものが、置き場も情報もごちゃごちゃになっています。
まず、そこから交通整理します。整理をすることで管理をしたいもの(候補)だけの置き場を作ります。
管理したいもの以外には、「目印」を現物に付けます。
- 私物など関係の無いもの
- 動いていないもの
気を付けなければいけないのは、「動いていないもの」です。判断を各人に任せると、それぞれの考え方で残す、残さないがバラバラになります。
そこで、「1年以上動いていないもの」といったように誰でも判断できる基準にします。
会社全体をやるのが大変であれば、まず倉庫1か所、棚1つからでも良いです。
2.品番を決める
管理する者が決まったら品番を振ります。
ここで注意していただきたいのは、品番に意味を持たせないようにすることです。
品番に意味を持たせるとは、品番をみれば、「品物の種類が分かるようにする」といったやり方です。
この方法は、スタート時はうまくいきますが、運用を続けていくと必ず崩壊します。その理由は、意味に当てはまらないものが出てきたり、被ってしまうものが出てくるからです。品番は、意味無しで、連番とするのが一番良いです。
3.管理対象を決める
次に管理の厳密さを決めます。
在庫管理の基本は、「数量」管理です。一般的に2つのタイプにわかれます。
- 厳密に数量管理をするもの
- ある程度ざっくりと数量管理をするもの
1が在庫管理の基本です。
仕入するたび、出庫するたびに入出庫数量を記録して、現在の数量をしっかりと押さえます。
2は、テープや手袋などの欠品したら困るけど、そこまで厳密な管理はいらないのでは・・・というものです。
2に属するものは、1箱無くなったら補充するといったように厳密な管理は行わないものの、欠品しないように管理します。
1と2の分け方は、在庫管理のしやすさや手間ではなく、
- 原価に関わっていて必要数を厳密に決めることができるかどうか
- 1つ当たりの単価
です。
たとえば、ネジなどは、1つの製品に何個使うかは厳密にきめることができます。しかし、油分を取るためのスプレーなどは、
使用量をはっきりと決められません。こういったときは、ネジは厳密な数量管理に、スプレーは緩やかな管理にします。
もう一つの視点は「単価」です。どんなに小さくて数えるのが面倒であっても、単価が高いものを緩い管理にするのは、資金繰りの観点から見てアウトです。
どんなに小さくても宝石や金などは、しっかりと管理しようと思いませんか?それと同じです。
4.在庫管理する項目を決める
先ほどお伝えしたように、在庫管理の基本は「数量管理」です。
つまり、「何が」、「いくつ」を管理するのが基本です。ただ、場合によっては、
- 場所
- ロット(個品)
の管理が必要になります。
場所の管理
場所の管理は、「何が」、「どこに」、「いくつ」という管理になります。
同じものが複数個所にあって、それぞれの場所で厳密に管理したい時は、場所(どこに)を加えます。
ロット(個品)管理
ロット(個品)管理とは、同じものであっても別々に管理しないといけない場合に使います。
ロット管理をする主な目的は、品質管理・トレーサビリティです。
同じものであっても、ロット管理をしていれば、
- いつ仕入れた
- いつ売った
- いつ使った
といったようなことがすぐにわかります。
ただし、全く同じものを別物として管理するので、かなり気を使った管理をしなければいけません。
ロット管理は無理にする必要はありません。必要があれば実施するくらいにとどめておいた方が良いでしょう。
在庫管理システムの導入
「システムを入れたら解決できる!」というシステム会社のうたい文句は大嘘です。
システムの前提となるものをまずはきちんと整備しないと、システムは動きませんよ。無駄なお金をかける必要はありません。
と言って、在庫管理にシステムは不要だとは思いません。必須です!
ここまでくれば、システムが導入できます。
- 入力を楽にするためのバーコード(QRコード)やハンディターミナル
- 欠品や過剰在庫、仕入れの予測などに使うためのデータを蓄積
といったようにできることが一気に広がります。
在庫管理のご相談はお気軽にどうぞ
いかがでしたでしょうか?
駆け足ですが、在庫管理が全くできていない会社がまず取り組むことを手順を追ってご説明しました。
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