QCDとは、品質、費用、納期のことで製造業の生産する製品が目指さなければならない最も重要な3つの
要素の事です。
生産する完成品に対することばですが、仕入先から調達する部品、生産する仕掛品にも同じことが言えます。
QCDの3要素について解説
- 品質(Quality)
製品自体の品質です。QCDの中で一番大切な項目です。
不良の撲滅、歩留まりの向上など、調達した部品や生産した仕掛品が要求されている品質をクリアしていることです。
不良は供給先の信頼を失う原因になり、歩留まりの悪さは、余計な在庫が必要になります。 - 費用(Cost)
製造業は、調達した部品や原材料を組立や加工して製品にして出荷・販売します。つまり、製品は、調達した部品や
原材料の購入費用と組立や加工、そして現場をサポートしている間接部門の人件費を上回らなければいけません。
そのためには、購入費用はできるだけ安く、人件費は効率を上げてできるだけ安くしなければいけません。 - 納期(Delivery)
部品や原材料だと発注リードタイム、仕掛品の場合は、製造リードタイムが納期になります。
納期が長ければ長いほど、在庫が工場に滞留することになります。
もちろん、お客さまへの出荷や販売も遅れてしまうので、他社との競争に不利になります。
見えにくいコストを無視せず減らす
QCDの中で最も大切なのは品質です。その次に大切なのはコストですが、この意味をはき違えている会社は多いようです。
購入コストだけではなく、トータルコストで考えなければいけません。
たとえば、部品ならば大量に買えば買うほど単価が下がるので1個当たりの購入コストは下がります。しかし、置き場の確保や在庫の入れ替え等のコストを真剣に考えてみると、余計なコストがかかっていることが良くあります。
見えるコストには敏感ですが、見えにくい(わかりにくい)コストには全く無頓着という事です。
見えにくいコストは計算しづらいですが、面倒がらずに試算してみましょう。きっと驚くようなコストがかかっているはずです。
トヨタ自動車の強さは、見えないコストまで踏み込んで徹底的に踏み込み改善していることです。
安く買っていて見かけ上(損益計算書上)利益が出ているがなぜかお金が残らない、、という会社はよく調べてみると無駄な経費がコストとして流出しているかもしれません。これは単純な原価計算ではわかりません。
どれだけ部品を安く買っても、トータルでコストがかかっているようであれば意味がありません。
納期を縮める
納期を縮めるのは、コスト低減以上に強力です。
- 単純に他者よりも納期が短かくできれば、すぐに製品を届けられるので強い競争力になります。
- 納期を縮める=生産リードタイムの短縮なので、仕掛品在庫が減ります。
- 納期が短ければ、製品在庫も減らせます。
コスト削減と納期短縮の改善のどちらかで迷っているなら、私は断然納期短縮をお勧めします。
納期短縮は、次の4つを同時に実現できます。
- 他社との競争力の増強
- 在庫低減
- 予測精度アップ
- 顧客要求に対する柔軟性の向上
- キャッシュフローの向上
納期短縮は地味で時間がかかりますが、納期短縮のすごさは、トヨタ自動車が身をもって証明してくれています。
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