「どの商品にどのバーコードを使えばいいのか分からない」、「部品管理にバーコードを使用したい」、「自作する場合、どのバーコードを選べばいいの?」
実は、バーコードには利用シーンごとに「標準」が定められており、そのルールを理解しないままでは、取引先との連携で思わぬトラブルを招きかねません。
そこでこの記事では、事業者なら絶対に知っておきたい「標準的に使われるバーコードの特徴と目的別の選び方」の基本を徹底解説します。
この記事を読めば、あなたの会社の商品や管理状況に最適なバーコードが明確になり、効率的な商品管理にバーコードを活用できるようになります。
- バーコードをエクセルで自作する方法
- 迷ったらQRコードを選択すべき理由
- バーコードに埋め込める情報の種類と量
- 在庫管理にお勧めのバーコード
- 主なバーコードの種類と特徴
- バーコードの規格と構成
実は、バーコードはエクセルで自作可能で、メリットは以下の通りです。
- 自社に必要な帳票や棚札を自由にレイアウトで作成することが可能
- 一括作成やフォーマット化(例えば、一覧表の入力値を変えるとバーコードも同時に変わる)
自社部品の管理であれば、エクセルで自作すれば良いでしょう。
在庫管理110番では、エクセルでバーコードが作れるテンプレートを用意!エクセル形式で自由にダウンロード可能ですので、こちらもチェックをお忘れなく!
あなたのエクセルでバーコード・QRコードが自由に作成できる
エクセルでバーコード作るための設定や手順はこちらのページで解説しています。
(読み取れない場合の原因など設定の困りごとの解決も含めて詳しく解説しています。)
目次
バーコードの種類は1次元と2次元のふたつ
バーコードは、太さが異なる黒い縦型のバー白いスペースで構成され、数字や文字を識別できるよう配列したものです。スキャナと呼ばれる光学認識装置で読み取ることで、デジタル情報が入出力できます。
バーコードの種類は、1次元コードと2次元コードの2種類です。
1次元コード
コンビニエンスストアやスーパーといった小売店でよく見かける「バーコード」のこと。商品管理において広く活用されており、横方向にのみ情報を保有しています。
2次元コード
電子決済などで活用される「QRコード」が2次元コードの代表です。
縦(垂直)、横(水平)の双方向に情報を埋め込めるため、1次元コードと比較すると数十倍、数百倍のデータ量が保有できます。
なぜバーコードの種類の理解が重要なのか?
「バーコードなんて、どれを使っても同じじゃないの?」と思うかもしれません。しかし、適切な種類を選ばないと、次のような問題が発生する可能性があります。
- 互換性の問題: 業界標準と異なるバーコードを使い、取引先で読み取れない。
- 情報量の不足: 管理したい情報(例:ロット番号や賞味期限)を記録しきれない。
- 業務効率の低下: 印刷精度が求められるバーコードを使い、現場での読み取りエラーが多発する。
バーコードの種類を正しく理解し、適切に選択することは、無用なトラブルを避け、ビジネスの生産性を向上させるための第一歩なのです。
例えば、身近なJANコードを例にとると、埋め込める情報の種類と量は以下の通りです。
- 埋め込める情報の種類:数字のみ(0~9のみ)
- 桁数:8桁(短縮タイプ)もしくは13桁(標準タイプ)
1次元バーコードの主な種類
1次元バーコードは、横方向に並んだバーとスペースの幅で情報を表現します。比較的シンプルな構造で、広く普及しています。
世界には100種類を超えるバーコードが存在すると言われますが、ここでは代表的な5つのバーコードについてご紹介します。
JAN/EAN/UPC
分類名(読み方) | ジャン/イアン/ユーピーシー |
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使用できる 文字の種類 | 数字のみ(0~9) |
表現できる桁数 | 13桁または8桁 |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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使用実績例 | 世界共通コードとして生活用品のほぼ全てにマーキングされている 主に利用している業界
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JANコードを利用する注意点
JANコードは、作成は可能ですが商品に貼り付けたりして流通目的では使用できません。なぜなら、世界共通で使われているため、商品を必ず1つに特定できるように唯一のコードにする必要があるからです。事業者が自由にJANコードを作成すると他の商品が同じバーコードになる危険性があるからです。
JANコードは、自由に作成できますが、利用はできません。利用するためには一般財団法人流通システム開発センターに申請が必要です。
JANコードのように、バーコードの種類によっては業界などで共通して使われているものは、団体などが一括で管理をしている場合があります。勝手に使用できない可能性がありますので注意しましょう。
ITF / Interleaved 2 of 5
分類名(読み方) | アイティーエフ/インターリーブド 2 オブ 5 |
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使用できる 文字の種類 | 数字のみ(0~9) |
表現できる桁数 | 14桁 |
特徴 | 他のコードと比べると、同じ桁数であればバーコードの大きさを小さくできる |
バー構成の特徴 |
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使用実績例 | 物流商品用コードとして、ITFとは別にJIS化されている |
CODE39
分類名(読み方) | コード39 |
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使用できる 文字の種類 |
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表現できる桁数 | 自由 |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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使用実績例 | 工業用バーコードとして多く使われている 主に使われている業界
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NW-7(CODABAR)
分類名(読み方) | エヌダブリュー7(コーダバー) |
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使用できる 文字の種類 |
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表現できる桁数 | 自由 |
特徴 | いくつかのアルファベット、いくつかの記号が表現できる |
バー構成の特徴 |
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使用実績例 |
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CODE128
分類名(読み方) | コード128 |
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使用できる 文字の種類 |
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表現できる桁数 | 自由 |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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使用実績例 |
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2次元バーコードの主な種類
QRコード
分類名(読み方) | QRコード |
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使用できる 文字の種類 |
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表現できる桁数 | 自由 |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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使用実績例 |
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DataMatrix
分類名(読み方) | DataMatrix |
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使用できる 文字の種類 |
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表現できる桁数 | 2335字(144×144セル、英数字の場合) |
特徴 |
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バー構成の特徴 |
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使用実績例 |
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【目的・用途別】最適なバーコードの選び方
多種多用なバーコードの中から具体的にあなたの目的・用途に合ったバーコードはどれでしょうか?
代表的な4つのケースから最適なバーコードを選び方は次の通りです。
ケース1:小売店で販売する商品に使いたい→JANコード
不特定多数の店舗で販売する一般消費財には、世界共通の商品識別コードであるJANコードが必須です。POSレジでのスムーズな会計に不可欠です。
なお、JANコードは、共通の識別コードなので勝手に作成・発行してはいけません。
JANコードを発行する際の注意点
一般流通する商品に付与するバーコードなので、JANコードは勝手に番号を振って自作してはいけません。
一般財団法人 流通システム開発センター(通称:GS1 Japan)が一元管理しているため、申請をしてJANコードを付与してもらいます。
ケース2:物流用の段ボールに貼り付けたい→ITFコード
倉庫での入出庫管理や配送センターでの仕分けなどによく使われます。
その理由は、一般に物流で使われる段ボール等の包材のように、印刷面が多少荒くても読み取りやすいためです。
また、縮小しても読み取りやすいという性質もあり、より多くの情報を埋め込めることも利点のひとつです。
【注意点】自動読み取りをする場合(自動倉庫などで使用する場合)
自動倉庫やソーター、コンベアライン、等でバーコードを自動読み取りするために、位置が規定されています。
(規定内容:バーの下端と箱の底面との間は、32mm±3mmの範囲。水平方向の左右どちらかのコーナーからベアラバーまでが19mm以上の距離が必要)
ケース3:社内の備品や資産を管理したい→CODE39またはCODE128
申請が不要で自由に作成できるため、社内利用に最適です。
製造業であれば、自社の部品、卸売業であれば業務用などでJANコードの無い商品の在庫管理にお勧めです。
シンプルな管理番号ならCODE39、より多くの情報や細かい管理をしたい場合は高密度なCODE128を選ぶと良いでしょう。
最も制約が少ないバーコードです。
- 使用できる情報(文字)の種類:アルファベットや数字、記号まで自由に使えるため、自社品番の採番に制限が不要です。
- 桁数:無制限
【注意点】自社の採番体系や印刷環境
自社の採番体系(使っている文字の種類と桁数)に応じて選択しましょう。
- 1234567890:10桁で数字のみ・・・NW-7、CODE39、CODE128が使用可能
- ABCD1234567890:14桁でアルファベット大文字と数字が混在している場合・・・ CODE39、CODE128が使用可能
- AbCd1234567890:14桁でアルファベット大文字と小文字、数字が混在している場合・・・CODE128が使用可能 ※CODE39は小文字が使えない。
ケース4:限られた印刷面に多くの情報を埋め込みたい→QRコード
バーコードの場合、埋め込む情報が増えると、桁数が増えるためバーコードがどんどん長くなり、印刷面を十分に確保できません。
一方で、QRコードは、狭い印字面にも大量の情報を埋め込めます。
たとえば、ポスターや名刺から自社サイトへ誘導したり、製品マニュアルのURLを案内したりと、オンライン情報への橋渡し役としてが圧倒的に便利です。
スマホで誰でも手軽に読み取れることも強みです。
読み取れるバーコードを作成する
せっかくバーコードを作成したのに、読み取れないという場合は、大きく分けて2つの原因があります。
- 読み取り機の問題:バーコードリーダー(ハンディターミナル)は、読み取れるコードの種類が決まっています。
- バーコード自体の問題:印刷サイズ、余白の大きさなど
読み取れるバーコードを作成するための基本知識を簡単に解説します。
バーコードの構成
バーコードは下記の3つで構成されています。
- クワイエットゾーン/マージン
- バーコードシンボル
- バーコードの縦の高さ・横の長さ
全てバーコードに必要な要素で、このうち1つが不正確なだけでも読み取れない場合があります。
それぞれの役割ついて、詳しく解説します。
クワイエットゾーン/マージン
バーコード以外のスペース(左右・上下)部分を、クワイエットゾーンまたはマージンと呼びます。
バーコードの始まりと終わりを示す基準となり、一番端に位置するバーコードから2.5mm以上の余白が必要です。この余白が十分でないと、読み取ることができません。
読み取れない原因
狭い範囲に貼り付けたくて、余白を取らなかったり、余白を切り取ってしまう例です。解説の通り、余白もバーコードの重要な要素なので、必ず確保します。
バーコードシンボル
バーコードシンボルとは、長方形のバーとスペースで配列された情報をコード化した部分(シンボル)の総称です。
- スタート/ストップキャラクタ:データの始まりをスタートキャラクタ、終わりをストップキャラクタと呼びます。バーコードの種類によってスタート/ストップキャラクタは異なります。
- データ/メッセージ:数字やアルファベットなどで表記されたデータ箇所です。左から順番に並んでいます。
- チェックデジット:バーコードに誤りがないかを確認するために算出された数値・コードをチェックデジットです。数値やアルファベットの終わりとなるストップキャラクタの前に付与されることが一般的で、読み取った際にこの数値とデータが一致していればマッチとなります。
読み取れない場合
バーコードシンボルは意外と厳密で、バーコードを印刷するプリンタによって、バーコードシンボルが不鮮明になるため、読み取れない場合もあります。
例えば、家庭用のインクジェットプリンタで小さいバーコードを印刷すると、読み取れないことが多いです。
小さなバーコードを印刷したい場合は、バーコードプリンタなどの専用のプリンタが必要になる場合もあります。
バーコードの縦の高さ・横の長さ
バーコードの高さは、印刷できる最大限の高さを確保する必要があります。具体的には、バーコードの長さ(横幅)の15%以上を確保すると良いでしょう。
バーコードが読み取れない問題にありがちなのが、バーコードの高さ、長さ不足です。小さすぎるバーコードは読み取れない場合があります。
バーコードサイズの規格 (基本)
バーコードのサイズは、国際標準規格によって規格化されています。
ITFコードの規格サイズ
BtoBの物流において利用される物流コードであるITFは、国際規格です。上記基準サイズの0.625~1倍で縮小できます。
- ITFコードの基本寸法:倍率100%
- バーコードの高さ:41.40mm ※数字を含む場合は25.93mm
- バーコードの長さ:152.40mm
上記基準サイズの0.8~2倍のサイズを読み取ることができます。ただし、これらはあくまで日本のみの規格となるため、海外では通用しません。グローバル展開されている場合、販売や仕入を海外と輸出入している場合は、世界標準のサイズを使ったほうが無難でしょう。
品質規格の数
バーコードには印字と読み取りにおいて、世界共通のガイドラインがあります。このバーコードの品質に関わる国際規定であるISOの規格は3種類です。
- ISO15416は一次元バーコードに関する規格
- ISO15415は二次元ラベル式バーコードに関する規格
- ISO/IEC TR 29158またはAIM DPMは二次元DPMコードに関する規格
バーコードはエクセルで自作できる
専用のソフトを使用しなくても、エクセルだけでバーコードを作成可能です。
ちなみに、エクセルで作成可能なバーコードは以下の通りです。(2024年2月現在)
- UPC-A
- UPC-E
- JAN-13
- JAN-8
- Casecode
- NW-7
- CODE39
- CODE128
- U.S. Postnet
- U.S. Postal FIM
- カスタマバーコード
- QRコード
在庫管理110番では、バーコードの作成フォーマットを無料で配布しています。一覧型になっており、すぐに使用できるようになっているので、試してみたい方はぜひご活用ください。
在庫管理システムを導入すればリアルタイム在庫情報を共有できる
バーコードやQRコードを導入する際に、一緒に検討しておくと役立つのが在庫管理システムです。
バーコードやQRコードの導入によって、在庫管理作業の効率化や迅速化(リアルタイム処理)が期待できます。
在庫管理システムを導入すればバーコードやQRコードで読み取ったデータを一元管理できるようになるため、最新のリアルタイム在庫情報を共有できるようになります。
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- 機能が多いが、うちで使える機能かどうかが理解ができない
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失敗パターンは、業種や規模に関係なく共通点があります。
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