在庫管理のDXに最適な在庫管理システムの選び方|自動化・省力化を実現

在庫管理システム

コロナの影響でDX(デジタルフォーメーション)の動きが加速しています。

この流れの中で、私が真っ先に取り組んでいただきたいDXは在庫管理です。

在庫管理は経営の根幹を握る最重要業務の一つです。在庫管理に関する最低限の知識は、こちらをご覧ください。

在庫管理システム導入の前に知っておきたい在庫管理の基本

下記の表は、企業(資本金1000~5000万円未満)の財務に占める在庫の影響を示したものです。

在庫が財務に占める割合
出所:財政金融統計月報第811号 (法人企業統計年報特集(平成30年度)

これを見ていただくとわかるように、在庫は資産としても、また投資額としても企業経営の中で圧倒的な存在感があります。

裏を返せば、在庫管理を改善すれば、資金繰りの改善&利益率の向上が一度に実現できるまさに一石二鳥の改善といえます。

今回は、DX時代の投資において、最適なシステムの選び方を紹介します。

DXは在庫管理と相性が良い

DX(デジタルトランスフォーメーション)と在庫管理は相性の良い分野です。

在庫管理は昔からシステムが提供されています。

また、システム化することによって、自動化や省力化、さらにはデータの活用も期待できます。

ただ、どんなシステムでもいいというわけではありません。

在庫管理システムは日々の業務で長く使うものですから自社に合ったものを選ばないといけません。

はじめて在庫管理システムを検討する方は、選び方のポイントがあるので、まずはこちらをご覧ください。

☑【種類別】在庫管理システムの選び方と導入のコツ

在庫管理システムは4種類ある

在庫管理システムは主に、次の2種類があります。

  • クラウドに対応しているもの、非対応のもの
  • カスタマイズ可能なもの、不可能なもの

上の条件を組み合わせると在庫管理システムの種類を4つに分類できます。

4種類の在庫管理システム
  1. クラウド非対応・カスタマイズ不可能
  2. クラウド対応・カスタマイズ不可能
  3. クラウド非対応・カスタマイズ可能
  4. クラウド対応・カスタマイズ対応

導入してはいけない在庫管理システム

このうち、企業として絶対にお勧めできないのが1のシステムです。

いわゆる無料ダウンロードまたは家電量販店などで販売している格安ソフトです。

0円からあり、高くても数万円で導入できます。パソコンにインストールしますので導入後の費用はかかりません。

1~数人レベルで保管場所が1か所であれば、問題無いでしょう。

リスクとして考えられるのは、OSのアップデートに非対応なるケースです。無料または格安システムは、配布または

販売終了とともに開発が停止し、その後のサポートが終了します。その後、OSのアップデートなどによって、突然使えなくなる可能性があります。

また、使用できたとしてもセキュリティ面で不安が残ります。在庫は資産情報ですからそういったシステムを使い続けるのは危険です。

1のタイプのシステムは避けた方が良いでしょう。

高価格パッケージシステム

「3:クラウド非対応・カスタマイズ可能」なシステムについてご説明します。 

昔から最も普及している在庫管理システムはオンプレミス型の高価格のパッケージシステムです。

社内にサーバーを購入して設置、その中に組み込むことが多いです。

社内LANを整えていれば、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできます。

最初から豊富な機能が備わっており、設置さえできればすぐに使用できます。またカスタマイズができるものもあります。

弱点として挙げられるのは、豊富な機能とコストです。

豊富な機能はもろ刃の剣

一見、豊富な機能は有利に思えます。しかし、どんな業種や業務にも耐えられるということは、

  1.  無難な機能が多い
  2. 自社に不要な処理が必要なことがある
  3. 自社に不要な機能も多い

というデメリットがあります。

いわゆる一般的な業務フローにのっとった設計になっているので自社独自やり方に対応できません。

また、システムの都合上、どうしても入力または処理しなければその先に進めない・・・

ということも起こります。自社にとって必要のない業務が増える可能性があります。

さらに、機能が多いということは、メニューやボタンも多く、覚えることが多くなります。

例えば、必要な機能にたどり着くまでメニューをいくつも掘り下げていかなければいけない・・・

など、システムを習熟して安定した運用をするまでに時間がかかります。

高コストになりがち

高コストになる理由は大きく分けて3つです。

  1. 初期導入費用が高い
  2. ユーザーライセンス
  3. サーバーの管理と更新

導入コストは、数十万~数百万円からで、上記の理由からパッケージシステムはカスタマイズを実施することが多いです。

当初想定していた価格の1.5~2倍で運用スタートになることが多いようです。

さらに、ユーザー数によるライセンス費用が必要なことが多く、ユーザーが増えれば増えるほど、ランニングコストが高くなります。

オンプレミス型システムの場合、サーバーを購入して自社に設置します。サーバーは1台当たり40万円ほどかかります。

知識のない経営者は、「サーバーは大きなハードディスク」くらいのイメージしか持っていませんが、機密情報を保管するため、金庫並みかそれ以上のセキュリティ対策が必要です。停電対策はもちろんのこと、ハードの故障に備えたデータの常時バックアップも欠かせません。

また、24時間365日動き続けなければいけないサーバーは、5~6年で更新(機械の入れ替え)が必要です。

仮に1台40万円で5年で更新と考えると、1年間で約80,000円、1か月で約6,600円かかることになります。さらに保守管理を含めると、1か月で1万円以上かかっていると見積もっても良いでしょう。

サーバーを自社で持つことは、意外とコストがかかります。

クラウド型システムが最適

昔はクラウド対応のシステムは限られていましたが、最近は急増しています。その背景には、次の3つの理由があります。

  1. 通信コストの低下
  2. クラウドサーバーの普及による低価格化
  3. 安全性の向上

WiFi環境が整備され、アマゾンやマイクロソフトのクラウドサーバーが普及しています。

また当初は懸念されていたセキュリティ面もオンプレミス型をしのぐようになってきています。

安全性とコスト削減が見込めるということもあり、最近は最もセキュリティに対してうるさい銀行もクラウド型サーバーに移行しています。

政府としても、クラウド型サービスシステムの推奨・支援するようになってきており、オンプレミス型の選択する理由はもはや無いでしょう。

より詳しい比較はこちらをご覧ください。

サブスクリプション型システム

「2:クラウド対応・カスタマイズ非対応」についてご説明します。

ここに分類されるシステムは、いわゆる「サブスクリプション型システム」です。

初期導入コスト不要で、月々数百円~数千円ですぐに使えます。

パソコンだけではなく、パソコン無しスマホ1台でも利用可能です。

高価格パッケージシステムの対極にありシンプルで使いやすいものが多いので、導入ハードルが低いのが特徴です。

サブスクリプションサービスの欠点

サブスクリプション型サービスの欠点は、2つあります。

  1. ユーザー数が増えると高い
  2. カスタマイズできない

サブスクリプション型システムは、導入企業数を増やすことと、導入した利用する頻度を増やして稼ぐ仕組みです。

簡単に書くと次のような収益構造です。

サブスク型在庫管理システムの収益構造

サブスク型在庫管理システムの場合は、導入プラン(システム内で使用できる機能)と

次のどちらかががランニングコストになります。

  • システムを使用するユーザー数
  • システムを利用する回数(例えば、入出庫回数等)

つまり使用頻度が増えれば、コストが上がる仕組みです。

一見、初期費用は安く感じますが、気づけば高コストになっている可能性があります。

身の丈に合った投資ができるという意味では、サブスク型を選択肢に入れるのは良いでしょう。

サブスク型在庫管理システムのもう一つの弱点は、カスタマイズできない点です。

サブスクリプション型サービスが安い理由は、1つのシステムを多くの人でシェアするからです。

要望の多い機能は順次追加されますが、判断は運営会社次第です。

必ずしも自社に必要な機能とは限りません。サブスクリプション型システムで実現できないことは、運用でカバーするしかありません。

サブスク型システムの利用は、在庫管理システムのとっかかりとしては良い選択肢です。

機能についても「安いから仕方ないか」割り切って考えればよいでしょう。

クラウドにも対応・カスタマイズも可能な在庫管理システム

最後にご紹介するのは、「4:クラウド対応・カスタマイズ可能」な在庫管理システムです。

システム会社に依頼して、フルスクラッチ開発(自社用にシステムを一から開発してもらう)」ことで実現します。

自社に必要な機能は、ほぼ全て搭載したシステムを開発できるので、自社に必要な機能だけを無駄なく導入可能です。

フルスクラッチ開発の弱点は、2つあります。

  1. システムが複雑になりがち
  2. 高コストになりやすい

フルスクラッチ開発は、何もないところからシステムを構築しなければいけません。在庫管理システムは在庫管理業務のためのものなので、在庫管理業務の理解(業務フローの作成)から実施します。しかも、普段の業務を漏れなく挙げなければいけません。

そして、さらにそれらを全てシステムの機能に落とし込まなくてはいけません。業務に落とし込む作業は以下のように進めます。

やりたいことをシステム化する手順

フルスクラッチ開発のポイントは2点

  • 在庫管理業務をしっかりと把握・理解していること
  • 属人的な作業(要件化=言語化)できること(要件化とは、システムにやってほしい内容を「具体的に言語化する」こと)

実際にこれがうまくできず、システムがうまく稼働しなかったり、あれもこれも機能として追加しすぎて、開発コストと運用保守コスト(ランニングコスト)もかかってしまいます。

低コストで自社に必要な機能だけを導入できる在庫管理システム

弊社が開発した成長する在庫管理システムは、実際に実務経験のある在庫管理アドバイザーの経験から生まれました。

成長する在庫管理システムの特徴

一言でいうと、在庫管理は「100社あれば100通り存在する」という考え方で、カスタマイズ前提で設計された在庫管理システムです。

クラウド型なので、ネット環境さえあればどこでもシステムにアクセスできます。

ライセンスは会社単位です。ユーザー数が増えてもランニングコストは増えません。

在庫管理の専門家がご要望に応じて業務フローの作成や業務の言語化(要件の定義)などのご支援しますので、

自社に必要な機能だけを持ったシンプルで使いやすい在庫管理システムを構築可能です。

お試し利用も可能です。

「在庫管理110番」でも、相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

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