「在庫管理改善」を3ステップで実現|削減活動を無理なく達成する手順

3ステップ在庫管理改善方法

「生産現場をもっと効率化したい」「棚卸を楽にしたい」「ヒューマンエラーをなくしたい」など、事業に関して悩みを抱えていませんか?
多くの企業が課題としているこれらの悩みは、在庫管理の見直しで簡単に解決できる可能性があります。
ここでは、在庫管路の改善をご検討されている方に、改善方法をご紹介します。
「在庫管理110番」が提案する在庫管理改善は、3ステップです。

3ステップ在庫管理改善の手順

具体的には、こちらの流れになります。

  1. 現状在庫管理
  2. 適正在庫管理
  3. 在庫削減

現在、多くの企業で在庫削減活動が頻繁に行われています。

しかし、ほとんどの場合、プロジェクトが終わった直後から元に戻りはじめ、ついには在庫削減活動の前の状態に逆戻りしてしまいます。
これは、地固めをせず場当たり的な削減活動を行ったからです。

現場での経験を積み重ねてきた在庫管理アドバイザーとして、「地固めせずに行う安易な在庫削減活動は時間のムダ」であると主張します。

ここでは在庫改善のための3ステップを、具体的に解説していきます。

なぜ在庫削減活動は失敗するのか?

在庫管理の改善を失敗する企業の特徴は、現場は業務の効率を向上させたり過剰在庫の防止などの目的を達成させるためだけに、一時的にその場しのぎの在庫削減を行っていることです。
その場を取り繕うことだけを考えているので、当然すぐに元通りになります。

在庫管理は基本がとても大切です。
基本を抜きにして成果を急いでも、いい結果は絶対に生まれません。

在庫管理の基本と重要性

3ステップ在庫管理改善とは?

「在庫管理110番」が提案する3ステップ在庫管理では、石を一つずつ積み上げて、崩れにくい石垣をうまく作るような改善活動を進めています。
基礎からしっかりと地固めしながら積みあげるので、導入後も元通りにならないような基盤をつくり、適切な運用ができるようになります。

在庫管理110番の3ステップ在庫管理の概略は、以下の図の通りです。
それぞれの段階に指針となるような大きなテーマを設けて、それを達成するための対策を挙げました。
さらに、直接作業部門と間接作業部門のやるべきことをまとめて取り組みやすくしました。

3ステップ在庫管理

ステップ1、現状在庫管理

何が、どこに、いくつ、どんな状態で在庫として存在してるのか今の状態を知る
そして、「今の状態を知る」ために、「在庫を正しく扱う」ことが必要です。
実際、在庫管理に悩んでいる会社は、在庫の数量はどのくらいか・それらをどのように扱えばいいのかが分かっていないことがほとんどです。

入荷・出荷にあわせて入出庫処理、ロケーション管理を行うことで、商品や資材の管理がより簡単に、しかも誰でも行えるようになります。
そのためにもまずは、現在庫量の把握や2Sの推進を通して、在庫の扱い方を学び、在庫の今の状態がすぐにわかる環境を作ることが成功の秘訣です。

そのためにも、以下のような活動を推進します。

  1. 現在庫量の把握
  2. 2S(整理・整頓)の推進
  3. 入庫・出庫管理の開始

現状在庫管理で「現場」を整える

在庫管理は「現場」がとても大切です。結局モノを動かしたり、動かす決定をするのは人です。どんなに高価・高機能なシステムを導入しても現場管理ができていなければ、無駄な投資になります。

現状在庫管理で「データ」を整える

倉庫作業や生産作業をしている直接作業部門は、自分の作業や工程の前後はよく見えますが、それ以外のところはよくわかりません。
一方、間接作業部門は、作業場所が固定されていないので、全体を見ることができます。

すべての従業員の間で、正確な情報が共有できるように連携し、在庫管理のあり方を見直すことで、在庫削減だけではなく、余分な動きも減るため、コスト削減をはじめとしたさまざまなメリットをもたらします。

ステップ2、適正在庫管理

次は、在庫量を適正に保ちます。

適正在庫管理とは、過剰在庫でもなく、欠品でもない適度な在庫量を確保できている状態です。

おそらく、経営層も在庫管理をしている担当者も一番気になっていることではないかと思います。

ポイントは在庫量のメリハリをつけることです。

過剰な在庫を抱えている会社は、一方で欠品が生じて生産に支障をきたしています。

大量の在庫があるにもかかわらず、なぜ、欠品が起こるのか?それは、在庫の持ち方に問題があります。

単純に倉庫から在庫を減らすのではなく、必要なものは在庫を持ち、不要なものは在庫を徹底的に減らすことが大切です。
その対策として、在庫が多い・少ないを判断するための基準を設定します。
基準を設定すれば、その基準を元に判断することができるようになるため、在庫管理にかかる工数を減らせるようになります。

以下のような活動を推進します。

  1. 過去実績の分析
  2. 基準の設定
  3. 基準の維持改善
  4. 需要予測
  5. 仕入先・販売先との交渉
  6. パート・アルバイトの活用

在庫110番は、現状在庫管理を土台とした適正在庫管理を特に重視しています。
なぜなら、誰も自社にとって適正な在庫を知らないからです。
適正在庫を知れば、基準値に合わせて在庫量を過不足なく調整することができるようになります。

適正在庫管理で標準・基準を作ることの重要性

標準・基準がなければ、在庫が多いか少ないかの判断は感覚に頼ることになるので、管理者や担当者が変わってしまうと、個人の判断や考え方によって勝手に変えられてしまい属人化が問題になるので、結局在庫が安定しません。
基準を維持するための素早い意思決定を可能にするためにも、基準値を定めることがおすすめです。

  • 標準の例:発注をする手順 ※標準はルールや手順を統一すること
  • 基準の例:発注点、安全在庫 ※基準は主に、数値で表すこと

適正在庫管理で在庫にメリハリをつける

必要な在庫は持ち、不要な在庫は少なくするというように、在庫管理と在庫の持ち方にメリハリをつけましょう。

メリハリとは、自社の戦略に合った在庫の持ち方です。

適正在庫の基準は、会社のものづくりの考え方によって違ってきます。

たとえば、

  • トヨタ自動車株式会社:在庫を極限まで減らすことが基準
  • トラスコ中山:たくさんの在庫をもって独自指標である「在庫ヒット率」を上げ、顧客の要望に応えることが基準

ただし、「いつか売れるから」というような曖昧な基準ではなく、在庫を持っている会社もむやみに持っているわけではありません。

在庫は持っていても良いと短絡的に考える無いように注意しましょう。

在庫管理は会社の方針

会社の方針(販売や生産の戦略)が適正在庫を決める重要な要素です。

適正在庫を割り出すためには製品の生産量、調達部品の発注リードタイム、製造リードタイムなどさまざまな数値が必要になるので、在庫管理で取り組んだ情報の記録が役に立ちます。
熟練した社員しか在庫管理ができないようであれば意味がありません。
日常管理やデータ入力、発注作業はパートやアルバイトに任せられる仕組みを整えることで、業務効率化にもつながります。

適正在庫の基準は維持・改善する

会社を取り巻く状況は日々変化しています。
一度決めた基準も、ずっと機能するとは限りません。

現状在庫管理で構築したデータ収集の仕組みを活かし、需要の動きや在庫の動きを参考にして、基準値をフレキシブルにコントロールします。
そうすることで、機会損失や余剰な在庫を抱えることを防ぐことが出来ます。

適正在庫の計算・設定の方法はこちら

問題は現場で起こる

現場は、問題を見つけられる最前線です。
在庫が多いな・・・と感じたらすぐに担当の人に連絡しましょう。
現場の小さな発見が大きな改善につながることがあります。

例えば製造業では、「作れるだけ作る」「自分の作業、自分がいる工程のことだけを考える」ことが当たり前だったかもしれません。
しかし自分の都合だけを考えるのは、適正在庫管理をするうえで、仕掛品を増やしたり、無駄な欠品を発生させるなど、多くのデメリットを生む原因です。

それを防ぐためにも生産現場は、自分の受け持つ工程だけではなく、前工程と後工程にも注意を払い、作業を進めるようにしましょう。

ステップ3、在庫削減

在庫管理110番の在庫管理活動は、適正在庫管理の延長線上で、適正在庫で決めた基準を引き下げるというのがテーマです。
在庫基準の引き下げは、製造部や購買部だけでは達成することができない、非常に重い課題です。
経営者が決断をして全社で取り組み、社員が一丸となって新しい考え方に取り組むのが在庫削減活動です。

在庫削減活動では制約を少なくすることが課題です。
主な方策は、以下の3点によって構成されています。

  1. 製造リードタイムの短縮
  2. 部品点数の削減
  3. 需要予測の精度アップ

自社の適正在庫を知る

適正在庫と誰でもできる在庫管理の仕組み作り在庫管理セミナー

在庫管理110番では、自社の適正在庫の決め方が分かる在庫管理セミナーを定期的に開催しています。

エクセルだけでできる簡単な方法なので、中小企業にもピッタリです。

受講者には次の特典があります。

  • 現在の自社の在庫管理レベルや、問題点がわかる診断
  • 著書「経費15%削減在庫管理術【基礎知識編】をプレゼント
  • 講師に自社の悩みを直接相談しアドバイスがもらえる「在庫管理個別相談」

500人以上が受講した人気のセミナー

在庫管理110番へのご相談・お問合せ

ここでは、在庫管理の3ステップや取り組むべき最優先課題についてご紹介しました。
在庫管理アプリの機能や選び方、アプリを使用する際の注意点についてご紹介しました。
ビジネスの要となり得る在庫管理について、今一度見直してみてはいかがでしょうか?
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