業務改善の成功事例14選!取り入れやすいアイデアと成功のポイント

人手不足や手作業の多さ、業務の属人化など、業務改善の必要性を感じていても、何から手をつけるべきか判断に迷うこともあるでしょう。

他社の業務改善事例を知れば、自社の課題に合った改善方法が見つかるかもしれません。

本記事では、在庫管理・製造・経理・営業・AI活用など、業種や業務の異なる企業の改善事例14選を紹介します。改善アイデアや成功のポイントもあわせて解説するので、自社で取り組む際の参考にしてください。

この記事でわかること
  • 「転記が多い」「特定の人しか作業できない」など、課題ごとに向いている改善方法
  • 商談準備を約90分→5分未満、問い合わせ件数を約40%削減など、14社が課題をどう解決したか
  • システムを入れなくても、作業の分担や手順の見直しで時間外労働を減らせる
  • 改善を成功させるには、優先順位づけ・現場に合った方法選び・効果測定が欠かせない

業務改善に役立つアイデア5選

業務改善に役立つアイデアは以下のとおりです。

どの方法が適しているかは、業務上の課題や目的によって異なります。新しいシステムの導入だけでなく、既存の作業手順を見直すことでも業務効率の向上が期待できるでしょう。

各アイデアが向いている課題は、次の表を参考にしてください。

改善アイデア向いている課題
情報のデジタル化紙の帳票が多い、情報が散らばっている
業務システムの導入手作業での管理・集計に時間がかかる
RPA・AIによる自動化繰り返しの定型作業に時間がかかる
マニュアル整備特定の人しか作業できない
リアルタイムの情報共有状況確認に時間がかかる、行き違いが起きる
業務フローの見直し承認や確認の工程が多い

 

紙の帳票を電子化し、分散したExcelファイルを一元管理する

紙の帳票やExcelファイルを担当者ごとに管理していると、転記や情報の確認に時間がかかり、古いデータを参照してしまうおそれもあります。

作業日報や点検表をスマートフォンから入力できるフォームに置き換えたり、Excelの管理台帳をクラウド上で共同編集できるようにしたりする方法が効果的です。

ファイルの保存場所や命名規則を統一するほか、入力項目・更新担当者・更新のタイミングも決めておきましょう。

まずは複数人が頻繁に参照・更新する情報から取り組むと、効果を確認しやすくなります。

定型的な作業をRPAやAIで自動化する

毎日・毎月同じ手順で繰り返している業務は、RPAやAIで自動化できないか検討しましょう。

RPAなら、システムからのデータ取得や決まった形式での転記、定期的なレポート作成などを自動化できます。

一方、AI-OCRは請求書の読み取り、生成AIは議事録の要約や問い合わせメールの返信案作成などに活用可能。

作業時間の短縮や転記ミスの削減が期待できるため、従業員が判断や顧客対応などの業務に集中しやすくなるのもメリットの一つです。

ただし、AIによる読み取りや文章生成には誤りが生じる場合もあります。

金額や顧客情報など重要な内容は人が確認する運用を残し、作業時間を減らせる部分から自動化を進めるのがよいでしょう。

業務マニュアルを整備して属人化を解消する

特定の従業員しか作業手順を把握していない場合、担当者の不在や退職によって業務が滞るおそれがあります。

業務マニュアルを整備し、ほかの従業員も対応できる体制を整えれば、引き継ぎや新人教育の負担軽減、作業品質のばらつきの抑制につながります。

まずは担当者しか対応できない業務を洗い出し、作業手順・判断基準・例外時の対応をマニュアルにまとめましょう。文章だけでは伝わりにくい操作は、画面の画像やチェックリストを使うのも効果的です。

作成後は別の従業員にマニュアルを見ながら作業してもらい、迷った箇所や不足している内容を修正してください。

在庫や業務の進捗状況をリアルタイムで共有する

在庫数や作業の進捗を担当者ごとに管理していると、状況確認に時間がかかり、情報の行き違いも起こりやすくなります。

在庫管理システムや工程管理ツールを活用すれば、在庫数や作業の進捗を関係者が同じ画面で確認でき、担当者への問い合わせや確認作業を減らせます。

在庫管理システムでは入出庫のたびに数量を更新する、工程管理ツールでは作業を「未着手・進行中・完了」に分けて担当者や期限を登録するなど、情報を共有する仕組みを整えましょう。

最新の情報を共有できれば、欠品や二重発注、作業の遅れにも早めに気づけるでしょう。

在庫が一定数を下回った場合や作業期限が近づいた場合に通知できるツールなら、対応漏れの防止にも役立ちます。

情報を常に最新の状態に保つため、誰が・いつ更新するのかも決めておくことが大切です。

業務フローを見直して不要な作業を削減する

業務改善では、新しいツールの導入だけでなく、現在の作業工程に無駄がないか確認することも重要です。

まずは業務の開始から完了までを図や表にまとめ、同じ情報を複数の台帳に入力していないか、承認が必要以上に多くないか、担当者間で不要な確認が発生していないかを洗い出しましょう。

たとえば、複数人が確認している書類は承認者や確認項目を見直す、同じデータを繰り返し転記している場合は入力先を一元化するなどの改善策が考えられます。ただし、法令や内部統制上必要な確認は残す必要があります。

非効率な工程を整理してからシステム化を進めれば、無駄な作業をそのままデジタル化することも防ぎやすくなります。

企業の業務改善事例一覧表

本記事で紹介する14事例を一覧にまとめました。自社と近い業務や課題の事例から読み進めてみてください。

企業名・事例業種・業務改善方法主な成果
山中建設型枠工事・資材管理在庫管理システム導入発注履歴の共有で確認作業が減少
ネット小売・卸売業スマホケース販売・在庫管理在庫の一元管理不良在庫の減少、資金繰りの改善
輸出入商社中古品の輸出入・原価管理原価計算の自動化原価に基づく値付けで利益を確保
芙陽工業部品製造・工程管理工程情報の可視化製造不具合トラブルがゼロに
クラボウインターナショナル繊維・海外生産管理生産進捗の可視化月1〜2回の空輸が不要に
ワーク・ライフバランスコンサルティング・請求クラウド請求書の導入請求業務の時間が約3分の1に
タスク・フォース設備工事・支払請求書処理のデジタル化月1.5日分の作業を削減
三田理化工業医療機器製造・営業顧客情報の一元管理商談準備が約90分→5分未満に
SOLIAEC・顧客対応検索型FAQの導入問い合わせを約40%削減
フライペンギンゲーム開発・文章作成生成AIの活用紹介文の作成時間を約40%短縮
Miriz保険代理店・記録業務生成AIの活用記録業務の工数を最大80%削減
竹隆庵岡埜和菓子店・発注業務AI需要予測の導入廃棄率を前年度比約57%削減
マキナ機械製造・作業分担マニュアル化と多能工化業務負担を平準化
田村ボーリング地質調査・業務分担業務の可視化・手順書整備分担見直しの基盤を整備

 

在庫管理・物流の業務改善事例3選

在庫管理・物流の業務改善事例は以下のとおりです。

いずれも在庫管理110番が導入を支援した事例です。

在庫管理システムを導入すると、在庫数の把握や発注業務、原価管理などを効率化できます。

在庫情報を一元管理すれば、無駄な仕入れの削減や顧客対応の迅速化にもつながるでしょう。

山中建設|在庫管理システムの導入で資材管理と情報共有を効率化

課題資材の在庫数が不明、発注手段もばらばら
取り組み在庫管理システムの導入、発注ルールの整備
成果発注履歴の共有で確認作業が減少

兵庫県神戸市で型枠工事を手がける山中建設では、資材の在庫数を正確に把握できていませんでした。

現場からの発注もFAX・電話・メールとばらばらで、確認のたびに調べ直す手間が発生していたとのこと。

そこで在庫管理システムを導入し、システムで作った発注書を現場のグループLINEで共有する発注ルールを整備しました。

その結果、発注の履歴が残るようになり「送った・送っていない」といったやり取りや無駄な確認作業は減少。

翌日に搬入する資材を前日のうちに共有できるようになり、現場と資材センターの連携も円滑になりました。

参考:在庫管理110番 導入事例(山中建設)

ネット小売・卸売業|在庫の一元管理で無駄な仕入れと滞留在庫を削減

課題EC・卸売の在庫数が合わない
取り組み在庫管理システムの入れ替え
成果不良在庫の減少、資金繰りの改善

スマートフォンケースの製造から卸売・小売までを手がけるこの企業では、EC向けの在庫管理システムでECと卸売の在庫を振り分けていたものの、どちらの在庫数が正しいのかわからなくなっていました。

取引先から在庫を問い合わせられても、確認と準備に1〜1日半かかっていたほどです。

そこで、複数の販売経路の在庫をまとめて管理できる「成長する管理システム」へ入れ替え、在庫の一元管理を実現。

現在庫をすぐに確認できるようになり、取引先への回答が早くなりました。

正確な在庫数と販売データをもとに仕入れられるため、不良在庫も減少。発注サイクルを月1回から3週間に1回へ短縮でき、資金繰りの改善にもつながりました。

参考:在庫管理110番 導入事例(ネット小売・卸売業)

輸出入商社|原価管理の自動化で適切な値付けと利益確保を実現

課題1,000点超の原価をExcelで計算
取り組み原価計算の自動化と業務フローの整備
成果原価に基づく値付けで利益を確保

中古の家電やゲーム機を扱うこの商社では、同じ商品でも仕入先や購入日によって仕入価格が変動するため、原価の把握が課題でした。

サブスクの在庫管理アプリを使い在庫確認し、1,000点を超える商品の原価をExcelで計算しようとしたものの、負担が大きく続けられませんでした。

そこで「成長する管理システム」を導入し、先入れ先出しによる原価計算を自動化。

現場は入荷した商品と数量の登録だけを行い、値付けは事務所が担当する業務フローに整えています。

その結果、原価に基づいて販売価格を決められるようになり、適切な利益を確保できるようになりました。

値下げを求められたときも、どこまで下げられるかを判断できるため、交渉を進めやすくなった事例です。

参考:在庫管理110番 導入事例(輸出入商社)

製造・購買の業務改善事例2選

製造・購買の業務改善事例は以下のとおりです。

製造現場では、生産工程の進捗管理や部門間の情報共有が業務改善の主な対象となります。

工程を可視化すれば、不具合の防止や納期管理の効率化が期待できるでしょう。

2社とも、kintoneで製造現場の情報を共有できるようにした事例です。

芙陽工業|製造工程の可視化で不具合や出荷ミスを削減

課題紙の指示書と口頭での進捗確認
取り組みkintoneとiPadで工程情報を共有
成果製造不具合が減少、出荷ミスがゼロに

フォークリフトのフォークを製造する芙陽工業では、指示書や納品書を紙で管理していたため、劣化や油汚れで読めなくなることもありました。

製造の進捗も工場まで行って担当者に聞く必要があり、最新の情報が共有されないことが不具合の原因になる場面もあったほどです。

そこでkintoneを導入し、工程ごとに設置したiPadで生産予定や申し送り事項を確認・入力できる仕組みを構築。紙で行っていた設備点検の記録もアプリに移行しました。

工程ごとに点検結果を入力するようになったことで製品の品質が向上し、製造不具合が減少。営業部門との連携も改善され、出荷ミスもゼロになったとのことです。

参考:kintone 導入事例(芙陽工業)

クラボウインターナショナル|海外工場の生産進捗を可視化して輸送コストを削減

課題品番ごとの進捗を把握できず空輸が発生
取り組みkintoneで生産管理アプリを構築
成果月1〜2回の空輸が不要に

2016年、繊維製品を扱うクラボウインターナショナルはバングラデシュで240万枚のTシャツ生産を受注しました。

生産状況をExcelやメール、手書きの書類で管理していたため品番ごとの状況を把握しきれず、納期直前に遅れが発覚して高額な空輸で対応するケースもあったのです。

そこで、日本とバングラデシュで同じ情報を確認できる生産管理アプリをkintoneで構築。約200種類の商品の進捗を1つの画面で確認できるようにしました。

その結果、生産がスケジュールどおりに進むようになり、月1〜2回発生していた空輸が不要に。

出荷準備が整った商品の量も把握できるようになり、船便の積載効率の改善にも取り組める状態です。

参考:kintone 導入事例(クラボウインターナショナル)

事務・経理の業務改善事例2選

事務・経理の業務改善事例は以下のとおりです。

請求書の作成・受領・支払処理といった経理業務は、デジタル化で効率化しやすい業務の一つ。

手入力や確認作業が減れば、作業時間の短縮と入力ミスの防止につながるでしょう。

いずれも中小企業が経理業務を改善した事例です。

ワーク・ライフバランス|クラウド請求書の導入で請求業務の時間を約3分の1に短縮

課題複雑な料金計算と月末の確認作業
取り組みクラウド請求書の導入
成果請求業務の時間が約3分の1に

コンサルティング事業を展開するワーク・ライフバランスは、以前はExcelで請求書を作成する運用でした。

料金体系が複雑なため起票者以外が金額の正しさを確認しにくく、月末には税理士と部門責任者6名が集まって紙の請求書を確認していたほどです。

そこでマネーフォワード クラウド請求書を導入し、料金メニューを品目として登録。請求書を作るたびに料金を計算する手間をなくしました。

その結果、請求業務にかかる時間は約3分の1に減少。全体の業務時間に占める割合も約30%から7%まで下がり、月末に集まって確認する作業もなくなっています。

参考:マネーフォワード クラウド請求書 導入事例(ワーク・ライフバランス)

タスク・フォース|請求書処理のデジタル化で月1.5日分の作業を削減

課題郵送の請求書処理と二重入力
取り組みクラウド債務支払で処理を自動化
成果作業時間を月1.5日分削減

通信設備工事などを手がけるタスク・フォースでは、請求書の多くが郵送で届きます。

別の拠点に届いた請求書は転送が必要で、受領後は会計システムへの仕訳とネットバンキングへの振込情報を手入力。

経理担当者は1人のため、毎月丸2日ほどかけ、ダブルチェックもできないまま処理していました。

そこでマネーフォワード クラウド債務支払を導入し、AI-OCRによる請求書の読み取りや仕訳・振込データの作成を自動化。支払いを承認するワークフローも整えたのです。

その結果、請求書処理の作業時間を月1.5日分削減。仕訳データが会計システムに連携されるため、経営陣が未払金の状況をリアルタイムに確認できるようになったこともメリットです。

参考:マネーフォワード クラウド債務支払 導入事例(タスク・フォース)

営業・顧客対応の業務改善事例2選

営業・顧客対応の業務改善事例は以下のとおりです。

顧客情報を一元管理すると、営業準備や案件管理にかかる手間を減らせます。

また、FAQを整備すれば、問い合わせ対応の負担軽減も可能です。

営業活動と顧客対応という、異なる業務で成果を上げた2社の取り組みを見ていきましょう。

三田理化工業|顧客情報の一元管理で商談準備時間を90分から5分に短縮

課題顧客情報が部署ごとに分散
取り組みkintoneで顧客情報を一元管理
成果商談準備が約90分→5分未満に

医療機器や理化学機器を製造・販売する三田理化工業は、顧客情報や商談履歴、修理情報をメールやExcelで部署ごとに管理する体制でした。

営業の引き継ぎ資料はA3用紙1枚だけで、商談のたびに情報をまとめ直す必要があったのです。

そこでkintoneを導入し、営業・修理・製造の各部門が入力した情報を顧客ごとに確認できる仕組みを構築。日報をkintoneで報告することもルール化。

その結果、約90分かかっていた商談準備は5分もかからなくなりました。

修理や点検の状況が顧客ごとに見えるようになったことで点検を提案しやすくなり、点検比率は5年ほど前の28%から50%を超えるまで伸びています。

参考:kintone 導入事例(三田理化工業)

SOLIA|FAQの改善で顧客からの問い合わせ件数を約40%削減

課題自己解決できる問い合わせが多い
取り組み検索型FAQ「Helpfeel」の導入
成果問い合わせを約40%削減

化粧品や健康食品などを販売するSOLIAのオンラインストアには、商品の使い方や住所変更など、顧客が自分で解決できる内容の問い合わせが多く寄せられていました。

FAQやチャットツールの内容を改善しても、問い合わせの削減にはつながらなかったといいます。

そこで、顧客が自分の言葉で検索できるFAQシステム「Helpfeel」を導入。

注文数が増えるなかでも、問い合わせ数は約40%(1,200件以上)減少。問い合わせ発生率は導入から9か月で20%超から12%台まで下がり、エスカレーション対応の負担も軽くなったのです。

参考:Helpfeel 導入事例(SOLIA)

AI・生成AIを活用した業務改善事例3選

AI・生成AIを活用した業務改善事例は以下のとおりです。

生成AIは、文章作成や営業記録の作成といった業務の効率化に役立ちます。

さらに、AIによる需要予測を活用すれば、発注業務の効率化や過剰在庫の削減も期待できるでしょう。

中小規模の企業を中心に、異なる業務でAIを取り入れた3社の事例を紹介します。

フライペンギン|生成AIの活用で製品紹介文の作成時間を約40%短縮

課題紹介文作成・問い合わせ対応の負担
取り組み生成AI「ナレフルチャット」の活用
成果作成時間約40%短縮、対応時間約30%削減

ゲームの企画・開発・運営を行うフライペンギンでは、新作ゲームの製品紹介文や国内外のユーザーからの問い合わせへの回答など、文章作成に多くの時間がかかり、本来のデザイン業務を圧迫していました。

個人で試していた生成AIは精度や一貫性に課題があり、何度も修正が必要だったほどです。

そこで法人向け生成AI「ナレフルチャット」を全社員に提供。製品紹介文や問い合わせへの回答の作成に活用しています。

その結果、製品紹介文の作成時間は約40%短縮。問い合わせ対応時間も約30%減り、活用事例を社内で共有しながら利用者を広げているところです。

参考:ナレフルチャット 導入事例(フライペンギン)

Miriz|営業記録の作成工数を最大80%削減

課題面談記録の作成に1人30分〜1時間
取り組み生成AI「カルクワークス」の導入
成果記録の工数が約3分の1〜5分の1に

保険代理店業を営むMirizでは、顧客との面談内容を記録する「意向把握の証拠管理」を手書きや手入力で行っていました。

内容が細かいため、顧客1人あたり30分から1時間ほどかかる作業です。

そこで生成AIツール「カルクワークス」を導入し、オンライン面談の録音データから議事録を作成する運用に変更。

メール返信のアイデア出しや、ロープレを振り返る新人教育にも活用しています。

その結果、記録を最終的な形に整えるまでの時間は、担当者の実感で従来の約3分の1〜5分の1に。管理者による内容チェックは残るものの、記録作成の負担は大きく軽くなったそうです。

参考:note(Miriz 生成AI活用事例)

竹隆庵岡埜|AI需要予測の導入で商品の廃棄率を約57%削減

課題経験と勘に頼った発注
取り組みAI需要予測「サキミル」の導入
成果廃棄率を前年度比約57%削減(日暮里店)

東京・上野を拠点とする老舗和菓子店の竹隆庵岡埜では、発注数を店長の経験と勘で決めていました。

売れ残りを避けたい心理から少なめに発注する傾向があり、売れ残りと欠品の両方が課題だったのです。

そこでAI需要予測サービス「サキミル」を導入し、日暮里店で運用を開始。過去の販売データや天候情報をもとにした予測値を、発注判断の参考にしています。

その結果、日暮里店の廃棄率は前年度と比べて約57%削減。予測を根拠に発注数を説明できるようになり、担当者の心理的な負担も軽くなったそうです。

参考:ソフトバンク 導入事例(竹隆庵岡埜)

業務フローの見直し・標準化による業務改善事例2選

業務フローの見直し・標準化による業務改善事例は以下のとおりです。

業務改善は、新しいシステムを導入しなくても、作業の分担や手順を見直すことで進められます。

業務の標準化や多能工化は、特定の従業員に負担が集中する状態を改善する方法の一つです。

システム導入のハードルが高い企業にとっては、取り入れやすい方法かもしれません。

マキナ|作業の多能工化によって業務負担を平準化

課題特定の技術者への作業集中
取り組み作業のマニュアル化と多能工化
成果時間外労働が月10〜20時間程度に

搬送装置などの設計・製作・保全を手がけるマキナでは、各工程の作業が特定の技術者に集中し、時間外労働が多く年次有給休暇も取りにくい状態でした。

そこで、技術者ごとに任せていた作業内容を棚卸しして作業マニュアルを作成。

マニュアルを使った研修と業務のローテーションで多能工化を進め、サブ担当も決めて突発的な受注に応援し合える体制を整えました。

その結果、各従業員の時間外労働は月10〜20時間程度に収まり、年次有給休暇の取得率も50%以上に改善。周りに声をかけて助け合う雰囲気が生まれ、社員の連帯感も高まったといいます。

参考:厚生労働省 働き方改革特設サイト(マキナ)

田村ボーリング|業務の可視化と手順書の整備で属人化の解消を推進

課題業務の集中と属人化
取り組み業務の可視化と手順書の整備
成果分担見直しの基盤を整備(継続中)

地質調査や特殊土木工事を手がける田村ボーリングでは、業務の進め方が担当者個人の経験に依存し、一部の社員に業務が集中していました。急な欠勤や引き継ぎの際には、業務が滞ることもあったといいます。

そこで、業務の内容・担当者・作業時間を洗い出して一覧表で可視化。頻度が高く影響の大きい作業から簡易的な手順書を作成し、若手がサブメンターに相談できる体制づくりも進行中。

その結果、業務の集中や重複が明らかになり、分担を見直す基盤が整った段階です。

時間外労働は月平均22時間から20時間(取り組み後2か月の平均)に減り、年次有給休暇の取得率も59%から65%に上昇。

手順書は一部の業務で試行中のため、事例の公開時点でも取り組みが続いています。

参考:厚生労働省 働き方改革特設サイト(田村ボーリング)

業務改善を成功させるためのポイント

業務改善を成功させるためのポイントは以下のとおりです。

システムの導入そのものを目的にせず、導入後の業務フローや運用方法まで考えておくことが欠かせません。

いずれも本記事で紹介した事例から読み取れる、共通のポイントです。

改善すべき課題と優先順位を明確にする

業務改善を始める前に、作業時間・ミスの発生・情報共有の遅れなど、現状の課題を具体的に把握しましょう。

すべての業務を一度に変えるのではなく、発生頻度や影響の大きさから優先順位を決めることが重要です。

輸出入商社の事例でも、原価管理と値決めを最重要課題と位置づけたうえで、現場の負担を増やさない業務フローまで検討しています。

現場の意見を取り入れて無理のない改善方法を選ぶ

新しいシステムや業務手順を導入する際は、実際に作業する従業員の負担や操作のしやすさも考慮しなければなりません。

現場の作業に合わない仕組みを取り入れると、従来の方法との二重管理が生じたり、利用が定着しなかったりするおそれがあるためです。

山中建設や三田理化工業の事例のように、既存の業務を整理したうえで運用ルールまで整えておきましょう。

改善前後の効果を測定して継続的に見直す

業務改善の成果は、作業時間・ミスの件数・在庫金額・問い合わせ件数など、改善の目的に合った指標で確認します。

例えば株式会社SOLIAではFAQシステムの導入時に、問い合わせ発生率や件数など3つのKPIを設定し、週次のミーティングで問い合わせ内容を確認しながらFAQを改善しています。

導入して終わりにせず、期待した成果が出ていない場合は業務手順や運用方法を見直してください。

まとめ

業務改善の方法には、情報のデジタル化・業務システムの導入・自動化・標準化・情報共有・業務フローの見直しなどがあります。

今回紹介した14の事例からも、業種や規模によって改善すべき課題や適した方法が異なることがわかるでしょう。

自社で業務改善に取り組む際のポイントは、次の3つです。

  1. 改善すべき課題と優先順位を明確にする
  2. 現場に合った無理のない改善方法を選ぶ
  3. 改善前後の効果を測定し、見直しを続ける

自社と似た課題を持つ企業の事例を参考にすれば、取り組みやすい改善方法が見つかるかもしれません。

在庫の把握や発注業務、原価管理に課題を感じているなら、在庫管理110番にご相談ください。本記事で紹介した3社の事例のように、在庫管理システムの導入から発注ルールや業務フローの整備まで、自社の課題に合わせた改善を支援しています。

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