目次
在庫管理にかかる費用の内訳でも、とくに会社の負担となる無駄なコストを紹介します。
在庫管理には実はたくさんの見えない費用が掛かっています。
売上に目が行ってしまうので、ついつい見逃しがち
ですが、在庫は知らず知らずのうちに経営を圧迫します。
売上が順調でうまくいっているときは問題ないですが、
売上が落ちた時、在庫は会社を苦しめる存在になります。
在庫管理費には、在庫金額の約15ー25%の費用が掛かっていると
言われてます。例えば、人件費や金利の支払い、倉庫代などです。
仮に在庫が1000万円あれば、最低でも150万円の管理費用が
かかっていることになります。
とくにデメリットをもたらす在庫コストの内訳を挙げながら、削減方法についても解説していきます。在庫費用に関して、事例や評価方法など専門的な知見をまとめているので、以下の記事もお役立てください。
在庫がもたらす悪
在庫がもたらす一番の問題は、キャッシュフローです。
お金=在庫
ですが、在庫は製品になって、お客様の手に渡り、
支払を受けて初めてお金になって戻ってきます。
いつか売れるから・・・
という理由で持ってる在庫は、会社のお金を眠らせて
いることにほかなりません。
その在庫を持っていることにいくらお金が
かかっているのかを見てみましょう。
キャッシュフローの悪化
在庫が増えると資金繰りが厳しくなってきます。
特に製造業は、在庫をお金に換えるまでに時間が
かかります。
部品や原材料を仕入れて、それらを元に製品を生産し、
出荷・販売します。
消費者相手の小売であれば、販売の時点で現金を回収
できますが、卸売など企業間取引であれば、掛け取引
が普通なので、現金の回収がさらに遅れます。
最悪の場合、現金の回収が間に合わずに倒産という
ことも考えられます。
在庫管理の人件費
在庫が増え、倉庫が広くなると、以下のような人件費
がかかります。
- 在庫を取りに行く
- 在庫を探す
- 在庫を入れ替える
人件費は見えにくい分かり辛い費用です。
しかし、上記のような無駄な作業に時間を取られ、
確実に時間を浪費しています。
本来やるべき仕事の時間を奪われるので、
残業せざるを得なくなります
残業代は25%-35%の割増し賃金なので、
残業をさせればさせるほど、無駄な人件費が必要に
なります。
在庫を取りに行く
場所が広いと、在庫を取りに行くのに時間が
かかります。
在庫を少なく、コンパクトにまとめておけば、
在庫を取りに行く時間は少なくて済みます。
在庫を探す
在庫の数が多くなってくると、すぐに場所が
分からないことが増えてきます。
新人では、在庫を探せないケースもあります。
在庫を入れ替える
在庫の入庫・出庫は、先入れ先出しが基本です。
前回納品されたものを先に使わなければいけないため、
入れ替えをしなければいけなくなります。
人件費のロスは非常に大きい
1時間当たりの労働単価4000円(経費含む)の人が、仮に1日15分を
在庫関連の雑務(非生産的活動)に追われていた場合、
1日 ・・・1000円(15分)
1週間・・・6000円(75分)
1か月・・・144,000円(360分)
1年間・・・1,728,000円(4320分)
1日たったの15分のロスで、1年間で何と172万円も
損をしている計算になります。
失った時間は1年間で72時間にも及びます。
10時間労働としても約1週間分のロスになります。
この時間を営業や製造、設計、商品開発などの生産的な活動に
あてていれば、もしかすると売上を上げるチャンスがあったか
もしれません。
時間のロスは、費用の流出と機会の損失の両方を
招いています。
金利の支払い
見えにくいですが、一番やっかいなのが支払利息です。
例えば、在庫が2億円、借入金が1億円あったとします。
借入れ金利が2%だとすると、200万円が支払利息です。
もし、在庫が1億円だとどうなるか?
もし、在庫を買っていなければ、1億円は現金
として残ります。
すると、借入金は0円で済んだかもしれません。
これだけで、200万円の利益が出たことになります。
在庫管理の倉庫代
在庫が多くなればなるほど、広いスペースが必要に
なります。
元々想定した場所には置ききれずに、倉庫を増設し
たり、外部の倉庫に預かってもらいます。
倉庫は他にも使うから問題ない・・・
とお考えかもしれませんが、
そもそも、在庫が増えなければいらなかったものです。
倉庫には減価償却費代がかかっているはずです。
余剰在庫を置いているスペースにかかっている費用を計算してみて下さい。
計算方法は以下の通りです。
<余剰在庫・減価償却費の計算式>
余剰在庫の減価償却費=倉庫の減価償却費×余剰在庫のスペース/倉庫のスペース
余剰在庫がなければ、そのスペースは
他の設備を置いて、生産能力を高めることができたかも
しれないです。
そもそも、倉庫自体が不要だったかもしれません。
在庫の横持ち
倉庫をたくさん持つと、在庫の移動(横持ち)が必ず発生します。
在庫の横持ちは、持ち出す費用と、持ち出したものを戻す費用が
かかります。
光熱費
食品や食材は、品質保持のために冷凍や冷蔵が必要です。
倉庫の電灯や在庫の品質保持のための設備に使う電力が
余分にかかります。
在庫の劣化
使われずに長期保管されている在庫は、品質が
どんどん落ちていきます。
在庫の劣化には次の2つのパターンが
あります。
- 在庫自体の劣化
- 在庫価値の劣化
在庫自体の劣化
賞味期限や品質保持期限をむかえ、物理的に使えなく
なることです。
うちは、「金属加工業で食品じゃないから大丈夫」
と思っているかもしれませんが、
金属もゆっくりと劣化していきます。
劣化した在庫を使うと、製品の不良につながります。
社会的な信頼に失いかねません。
在庫価値の劣化
在庫自体には問題ないが、流行や売れる時期が
去ってしまい、社会的な価値がなくなってしまうこと
です。
例えば、クリスマス用品はクリスマスが過ぎてしまうと
全く売れません。
カレンダーも同じです。
在庫の廃却につながる
劣化した在庫は、いつまでも保管していても
仕方ないので、最終的に廃却せざるを得なくなります。
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