あなたにはこんな経験はありませんか?
生活スタイルや家族が増えたわけではないのに
- 狭い部屋から広い部屋に引っ越すといつの間にか物がいっぱいになっている。
- 冷蔵庫を大きなものに買い換えると満タンになっている。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
実はこれと同じことが在庫管理でも起こります。
置き場は直接価値を生みません。必要以上のスペースは不要です。むやみに増やすべきではありません。
目次
改善の前に倉庫を増やしてはいけない
結論からいうと、置き場が足りなくなったからと言って保管場所や倉庫を簡単に増設してはいけません。
むやみに倉庫や棚を増やすと、間違いなく在庫が増えます。
私が支援をしたある会社で、「置き場が足りない」という理由で、倉庫の増設を検討していました。
それに対して、私は反対。あることを提案して4つあった倉庫が3つに減りました。
当初、保管場所を増やす予定だったのに、なぜか減らせました。
答えは簡単です。
無駄なものがたくさんあり、それが保管場所の大部分を占めていたからです。
保管場所を増やす前に真っ先にやるべきことは、倉庫や棚を増やすことでもなく、システムを導入することでもありません。
2S(整理・整頓)をやることです。
整理(赤札作戦)をしていらないものを排除する
まずは、滞留在庫・不良在庫を捨てる整理(赤札作戦)を実施します。
モノがたくさんある倉庫は、滞留品や不良在庫が多くあります。その中には自分たちで把握できているもの以外にも
倉庫の奥に忘れられている在庫が意外と多くあります。
1つの倉庫ではなく、いくつかの倉庫に散らばっていることも多いですので全ての倉庫で実施します。
先ほどご紹介した倉庫を4つから3つに減らすことに成功した会社でも、実際に赤札をやってみると
意外と対象品が多いことに気づき、またそれらを集めると倉庫1つ分にくらいになりそうだという事に気づきました。
量が分かりにくい場合は、各倉庫・各作業場にある滞留在庫や不良在庫を全て1か所に集めることをお勧めします。
「ちりも積もれば山となる」という言葉がありますが、モノの多さを実感できます。
整頓(在庫の置き場を決める)
整理が終わったら、整頓を実施します。
整頓とは、「決まったものが決まった場所にある」状態にすることで、特定の人(ベテランや慣れた人等)ではなく、
誰でも(極端な話、今日入社した人でも)すぐに必要なもののところにアクセスできる状態です。
在庫が増え、倉庫が必要になる会社は、置き場作りに問題があることが多いです。
- 何をどこに置くかが決まっていない
- 在庫の入出庫の際のルールが決まっていない
結果的に、特定の担当者の退社・退職や置いた本人すら忘れている、あるいは置き場が決まっておらず、同じものが乱雑に
点在していて過剰な状態になってしまい、訳の分からないものが置き場をどんどん圧迫します。
在庫の増える理由を需要が分からないから欠品防止と言いますが、在庫の多い現場を見てみると実際のところは、
- 在庫数が分からないから多めに持っている
- 個々人が同じものを少しずつ持って、在庫が点在して結果的に多い状態になっている
という事の方が多いです。
仮に、新しい倉庫を作ったとしても、ルールが無い状態だと新しい倉庫もあっという間にこれまでの倉庫と同じ状態になってしまいます。在庫を置く場所が増えた分だけ、探す場所が増えるので返って逆効果です。
整頓を実施して、置き場のルールを決めてルールを社員が習慣になれば、新しい倉庫を作った時もそのルールが守られるでしょう。
2つのロケーション管理
在庫の保管場所の置き場づくりの事をロケーション管理と言います。
ロケーション管理は、大きく分けると次の2つがあります。
- 固定ロケーション管理
- フリーロケーション管理
それぞれ、保管効率、取り出し効率、管理の難易度においてメリット・デメリットがあります。
自社の管理レベルや、取扱製品などを考慮してロケ―ション管理の方法を決めて在庫置場作りを進めます。
ちなみに、製造業だと、おすすめは断然固定ロケーション管理です。
モノが増える理由
家族が増えるなどの生活スタイルの変化が無いにも関わらず、モノが増える理由は次のようなものがあります。
「まだ置けるから」という心理があるからです。
倉庫も同じです。
非効率な置き方をしたり、在庫をどんどん増やしてしまいます。
もし、置き場が少ない場合はどうでしょうか?
置き場がなければ、それ以上置かないように考えます。
多くならないように発注にも頭を使います。
場所が限られると棚を整備したり、置き方も工夫します。
制限が無いと、考えなくなってしまうのです。
コンビニを見習う
コンビニの多くは、倉庫を持っていないそうです。
あの狭いスペースに3000点以上の商品が並んでいます。
売りたいもの(売れるもの)を厳選して、売れる数量だけを置いています。
(通路に商品が山盛りではみ出しているコンビニもまれにありますが・・・)
倉庫は適切な品質管理ができる状態にする
倉庫は在庫を保管するだけではなく、在庫の品質を守ることも重要な役割です。
保管するものにあった品質管理機能を備えていることも重要です。
一般的なものであれば、紫外線や風雨から守るくらいの機能で良いです。
しかし、例えば食品であれば、3温度帯(常温、冷蔵、冷凍)での管理が必要になります。
特に、外部で倉庫を借りる場合は、冷蔵・冷凍倉庫は、一般的な倉庫よりも割高になりがちです。
過剰在庫にならないような管理がより求められます。
外部倉庫を借りる(3PLの活用)
自社で倉庫を用意するのではなく、外部倉庫や3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を活用するのも一つの方法です。
特に、3PLは保管だけではなく、倉庫管理や配送などの物流業務全般を任せることができるため、次のようなメリットがあります。
- コスト削減(自社で倉庫を持たなくてよい)
- 業務効率化(倉庫・物流業務をプロに任せて本業に集中できる)
- 配送の質向上(最適なルートやシステムを活用)
ネット専業の通販業やメーカーなどが3PLを活用するケースが多いようです。
ただし、以前は倉庫や物流は、とにかく叩いてコストを下げる‥ということが当たり前でしたが、
2024年物流問題、賃上げ、人手不足など物流の重要性やコストも無視できず、様々な変化があります。
物流に関する情報は、株式会社Hacobu様のハコブログで最新情報が発信されているため、情報収集にご活用ください。
外部倉庫は利用前と定期的に見に行く
利用する前と定期的に見に行くことをお勧めします。
保管や倉庫作業を外部倉庫に保管もしくは3PLを利用する場合は、コスト面を気にしがちですが、実は重要なのはオペレーション面です。
安い業者を選んだものの、その管理のために従業員が張り付いていると、コストダウンどころかコストアップになりかねません。
外部倉庫に置いていると保管などの在庫管理作業をまかせっきりになるので、どのような状態になっているか目が行き届きにくくなります。
残念ながら外部業者は、置くだけ、運ぶだけといったようなことしかやれない企業も少なからずいます。
プロに任せているにもかかわらず、「在庫が合わない、誤配送があった」などがあっては依頼した意味がありません。
ざっと見ておいた方が良いポイントは以下の通りです。
倉庫で見るポイント
- 倉庫の明るさ:全体的に暗く、荷物が見えづらいのは要注意
- 倉庫の奥の4隅:ずっと置いてあり、段ボールが変形していたり、ほこりが溜まっていないか
- 棚の上や奥の方:預かり物ではない、ごみのようなものが置いていないか
確認すべき時間
外部倉庫業者の荷入れや荷出し作業が忙しい時間に訪問しましょう。
そうすれば、準備がきちんとできているか、整然とした作業を行っているかが分かります。
(忙しい時ほど、規律が守られているかどうかがよくわかります)
システム面
システム面も見逃してはいけません。
特に、在庫関連のデータが自社と連携できるかどうかは重要です。
ひどいところですと、月に1回しかもらえない。紙やPDFでしかもらえない・・・といったケースもあります。
特に、外部倉庫との保管契約を「保管面積」にしている場合は、少なくとも6か月に1回は見にいってください。
動きの無い過剰在庫・滞留在庫によって無駄に保管金額がかかっている場合があります。
滞留在庫に注意
外部倉庫に置いていると、在庫の多さに気づきにくくなります。
外部倉庫業者は「置くこと」が仕事ですから、過剰在庫・滞留在庫は何もしなくてお金が入り続けるオイシイ存在です。
外部業者を活用した場合は、過剰在庫や滞留在庫の監視を在庫回転率を活用して行いましょう。
外部倉庫の借り方を工夫する
外部倉庫の借り方も工夫しましょう。
倉庫の借り方は、一般的に「スペースの確保×入出荷作業」での借り方があります。
スペースの確保面
- スペース確保型:倉庫内に自社のスペースを確保してもらい決まった場所を借りる
- 従量課金型:預けた分ときだけ場所を借り費用がかかる
入出庫作業
- 従量課金型:作業量(入荷作業や出荷作業の回数)に応じた従量課金型
- 月額確保型:入荷作業や出荷作業の回数に問わず一定
自社の荷物量と、入出荷の頻度でより有利になる借り方を選択しましょう。
参考:ケース単位からパレット複数まで、預けたい期間、必要なスペースだけ利用できる冷凍保管サービスを展開|COLD X NETWORK
参考:賃貸型冷凍冷蔵倉庫をはじめとする、環境に配慮した冷却設備や自動化設備を導入した先進的な物流施設を提供|LOGI FLAG
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