業務の一環で、エクセルで集計やグラフを作成するときに、
単純作業だけど時間がかかりすぎてストレス・・・
いろんなフォーマットからデータをかき集めるのが手間・・・
また転記ミスしちゃった、一から作り直し・・・
など、そんなお悩みはありませんか?
そんな場合、ぜひ使っていただきたのがピボットテーブルです。
ピボットテ-ブルは、次のような特徴があります。
- データを用意するだけで集計表が一発で作成可能(定型的に作成している集計表やグラフが作成できる)
- 大量のデータを様々な角度から分析、集計したい時に効果的
高価なBIツール(データを分析・見える化する専用ソフト)を導入しなくても、エクセルさえあればBIツールと同じようなことが可能です。
一度覚えれば、関数を使いこなすよりも簡単です。覚えておいて損はないです。
練習用のエクセルファイルをご用意しました!このファイルを使って、手順に沿って練習してみてください。
在庫管理から得られる入出庫データを集計・分析して、適正在庫や需要傾向の分析に役立ててください。
目次
ピボットテーブルで簡単にデータの集計分析ができる
ピボットテーブルとは、エクセルの標準機能です。
テーブル上にある様々なデータを使って多角的に分析することができる機能のことを指します。
大量のデータから欲しいデータだけ都度抽出してテーブルを作成することが可能で、見たい項目ごとに分類して、集計分析できることが大きなメリットです。
例えば、次のようなシーンでピボットテーブルは役立ちます。
- 売上データ・顧客データ・在庫データ等のビジネス分析
- プロジェクトの進捗・タスクの完了状況などのプロジェクト管理ツール
- 研究データを要約し、統計的な結果を得るための手段
このようにピボットテーブルはデータの集計、要約、可視化に幅広く利用でき、ダッシュボードとして活用したり、データ分析を効率化できます。
さらにただ、集計表や分析表を作成するだけではなく、そこからグラフを作ることもできるので、業務における分析に大いに役立つ機能です。
ピボットテーブルの作成方法
それではここから、以下のテーブルとグラフを作成する方法を解説していきます。
今回、解説した方法では下記のようなピボットテーブルが作成できます。
ピボットテーブルを作るためのデータの準備
ピボットテーブルを作成したいするには、最低限元データに以下の条件が必要です。
- テーブル形式のデータであること
- 先頭行にタイトル行があること
- 結合セルがないこと
つまり、イメージとしてはこのような元データを準備しましょう。
今回はこのデータを参考にピボットテーブルの使い方を順を追って解説します。
ピボットテーブルだけ出す
まず、ピボットテーブルを作成したいデータのテーブルを選択した状態で、メニューバーの「挿入」→「ピボットテーブル」をクリックし、「テーブルまたは範囲から」を選択します。
「テーブルまたは範囲からのピボットテーブル」という画面が表示されるので、「新規ワークシート」を選びましょう。
※既存のワークシートは入出庫管理のみ記載し、別シートに分析シートを用意することをお勧めします。
すると新しいシートに以下ような画面が作成されます。
これがピボットテーブルの基本シートです。
「画面右側のピボットテーブルのフィールド」で条件を指定すると、画面左側にピボットテーブルが自動で作成されます。
ピボットテーブルテーブルとグラフを一度に出す
もしグラフも必要になる場合はこちらの方法をお試しください。(後からグラフを追加することも可能です)
まず元データのテーブルを選択した状態で、メニューバーの「挿入」→「ピボットグラフ」をクリックします。
「ピボットグラフの作成」という画面が表示されるので、「新規ワークシート」を選びましょう。
※既存のワークシートは入出庫管理のみ記載し、別シートに分析シートを用意することをお勧めします。
すると新しいシートに以下画面のような項目が表示されます。
これでピボットテーブルの準備は整いました。
ピボットテーブルにしたいデータを抽出する方法
今回は、ピボットテーブルとグラフを一度に出した場合の方法で説明していきます。
今回作成するピボットテーブル(グラフ)では、1日当たりの入出庫の数量を集計します。
ピボットテーブルでは、集計したい項目をデータの先頭の列単位で選択します。
ピボットテーブルで指定できる項目は以下の4つです。
- フィルター
- 列 ※グラフでは凡例(系列)
- 行 ※グラフでは軸(分類項目)
- 値
フィルターの設定
ピボットテーブルで特定の項目だけで集計・分析したい場合はこのフィルターを使います。
(※1つの商品における月別の入出庫情報など。)
今回は、商品ごとの入出庫数の集計表を作るので、C列(品名)を選択します。
なお、フィルターは指定しなくても、ピボットテーブルは作成できます。
列の設定
テーブルの横方向に伸びる値です。(グラフでは、ここが縦軸の項目になります。)
今回は、入出庫のデータを集計するので、データのG列(入出庫)を選択します。
ピボットテーブルの列ラベルには、入出庫に含まれているデータである「入」と「出」が表示されます。
入庫数と出庫数がそれぞれ集計できるようになります。
行の設定
テーブルの縦方向に伸びる値です。(グラフでは、ここが横軸になります。)
日付ごとの入出庫データを集計したいので、データのA列(日付)を選択します。
日付に含まれているデータである「日付」が表示されます。
これで、日付ごとの入出庫データの集計ができるようになります。
値の設定
行と列で集計したい値です。(グラフでは、ここが縦軸の値に該当します。)
今回は、入出庫の数を集計したいので、H列の在庫数を選択します。
これで、商品ごとの日当たりの入出庫数の合計値の集計表とグラフが作成できました。
このようにして、フィルター、列、行、値の4項目に集計したい項目を指定すれば、簡単にピボットテーブル(グラフ)を作成できます。
知っておくと便利な3つのテクニック
ピボットテーブルテーブル、グラフの作成方法以外に、知っていると役立つテクニックを3つご紹介します。
ピボットテーブルを更新する
ピボットテーブルの良さは、データの更新(追加、変更、削除)を反映してくれる点です。
データの更新をした場合は、メニューバーの「¥ピボットグラフ分析」の「更新」をクリックすると、入力したデータがピボットテーブルに反映されます。
値の無い部分をグラフに表示したい
通常、ピボットテーブルから作成したグラフは、「値」にデータのある横軸しか表示しません。
入出庫の傾向を分析したい時は、日当たりの入出庫があったかどうかを見るためには、データの無い部分も表示したほうが良いでしょう。
まずグラフを選択した状態で、「ピボットグラフのフィールド」内の軸(分類項目)に日付を入れます。
軸に入れた日付を左クリックし、「フィールドの設定」をクリックしてください。
「フィールドの設定」画面が出てくるので、「レイアウトと印刷」内の「データのないアイテムを表示する」にチェックを入れます。
するとこのようにグラフにデータの無い部分の日付が表示され、より視覚的に理解しやすいグラフになります。
グラフ内のレポートフィルターボタンを非表示にしたい
グラフを作成すると、レポートフィルター表示されます。
テーブル上だけではなくグラフ上でもフィルターをかけられるので便利ではありますが、グラフ内が煩雑になり消したい場合もあるでしょう。
そんな時は以下の方法で非表示にできます。
まずレポートフィルターボタンの上にカーソルを合わせて右クリックし、次に「グラフのすべてのフィールドボタンを非表示にする」をクリックします。
するとグラフ内にあったフィールドボタンが非表示になり、グラフがすっきりします。
まとめ
今回はエクセルで活用できる「ピボットテーブル」の使い方について解説していきました。
ピボットを使えば、高価なBIツールは不要で、データの集計分析の効率化や毎月の経営ダッシュボードなどの作成も可能です。
ピボットテーブルには、他にも様々な機能があります。
元々のデータを触らなくても色々と試せますので、ぜひ使ってみてください。
データの作り方を学ぶ
ピボットテーブルは、データの集計・分析に役立つとても便利な機能です。
しかし、残念なことにデータが集計・分析しづらいかたちにエクセルを作ってしまっている場合があります。
そうなっていると、データを集計するためのデータを作るためだけに丸1日かかってしまう・・・・ということもよくあります。
データの蓄積方法にはルールがあり、そのルールに合わないデータは、とても活用しづらいです。
適正在庫(欠品の予防、過剰在庫の削減)には、入出庫の履歴データを使ったデータ分析が欠かせません。
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講師は、この記事を監修した在庫管理アドバイザーの岡本です。
日本物流学会理事を務めており、これまでクライアント様200社以上のさまざまなお悩みを解決に導いてきました。
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在庫管理システムを導入したい・入れ替えたい
エクセルは、表計算ソフトなので大量のデータを蓄積するのが苦手です。
あなたの会社では、保存するデータを月別や年別で分けていたりしていませんか?
月別や年別に分けていると、数年にまたがるデータの集計をしたいとき、わざわざデータを1つにまとめることから始めなければいけません。
在庫管理で適正在庫を見極める際には、トレンド(需要傾向)の分析が必須です。
そのためには、傾向のパターンの再現性を見るために、少なくとも3年分以上のデータが必要になります。
エクセルで在庫管理データを蓄積し続けるのは現実的ではなく、システム化してデータを蓄積していく必要があります。
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