GMROIの計算方法と目安

GMROI(Gross margin return on inventory investmentの略、日本語で商品投下資本租利益率)とは、売上高・粗利益・粗利益率では分からない商品の投資効率(在庫でどれだけの粗利を作ったか)を明らかにできる管理会計に用いられる指標です。

実務寄りの指標なので、現場に落とし込みしやすいので、在庫管理にぜひ取り入れていただきたいです。

この記事では、GMROIで計算した結果をどのように解釈すれば良いのか、そして目安の決め方を解説します。

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GMROIの考え方

GMROIとは、簡単に言うと商品の仕入資金をどれだけのスピードで回収できるかを表す指標です。
したがって、GMROIが悪い商品はいつまでたっても手元に現金が残らないこととなり、利益はあるが現金が無い=黒字倒産の要因ともなりえます。

従業員の作った仕入販売計画書を見る場合、売上高見込や粗利益高見込の表面上の良さだけに目を奪われない事が重要です。
その陰には重くのしかかってくる過剰な在庫や、いつまでも返せない仕入れのための借金が隠れているかもしれません。

 

GMROIは数値大きいほど、投下した資本(仕入れに使った投資)に対しての儲け(回収)が良い事を示します。

GMROIは、次のどちらかで計算できます。

  • GMROI=粗利益率×(売上高/平均在庫高)
  • GMROI=年間粗利益高/平均在庫高

例えば、計算結果が、例えば2.0だった時、そのまま2.0と表現したり、100をかけて200%と表す場合もあります。

(販売計画段階で必須となる指標です。)

GMROIの基本と計算方法はこちらの記事で解説しています。(販売計画・キャッシュフロー改善に役立つGMROI(商品投下資本粗利益率)の計算方法

GMROIの基準

在庫回転率と同じように商品の違いや業種の違いでGMROIの平均値も異なってくると思います。
しかし、非常に大きなくくりで表せば以下の様に考えると良いです。

  • GIMROI=~1.99・・・即改善が必要
  • GIMROI=2~2.99・・・改善を目指したほうが良い
  • GIMROI=3以上・・・合格

GMROIで投資が回収できる日数が一目でわかる

GMROIはキャッシュフローと密接にかかわります。

仮に、最初の仕入れを全て借入金だと仮定した時、その借入金をいつ頃完全回収(完済)できるかがGMROIで分かります。

回収日数を知るための計算式は、次の通りです。

12÷GMROI ※GMROIは基本的に1年間をベースに計算した場合

例えば、

  • GMROI=1.0・・・投資完済は約12か月後
  • GMROI=2.0・・・投資完済は約6か月後
  • GMROI=3.0・・・投資完済は約4か月後

となります。

販売計画の妥当性が評価できる

もし、バイヤーが作った販売計画書のGMROIが0.5の場合は、

「あなたの販売計画では借入金(投下資本)を回収する(黒字化する)のに2年もかかってしまう」事が明らかになる訳です。会社として、投資回収期間2年を許可するかどうかです。

つまり、GMROIを利用すれば、仕入れ販売計画や商品動向を、生産性視点に基づいてより正しく予測、評価ができ、素早い修正行動が可能となります。

会社として、GMROIの基準を決めておけば、

売上や利益率といった短絡的な指標ではなく、在庫回転と粗利率をにらみながら、キャッシュフローを考慮した販売計画を従業員が自ら考えて立案できるようになります。

仕入・販売計画に役立つエクセルフォーマット

在庫管理110番では、仕入・販売計画に役立つエクセル「仕入れ販売計画ナビシート」をお勧めします。

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仕入販売計画ナビシートの特徴
  1. GMROIが自動で計算できる
  2. キャッシュフローがビジュアルで分かる
  3. 誰でも簡単に使用できる

例えば、1年で同じ売上金額、販売数だったで一括仕入と毎月分割仕入した場合のキャッシュフローを比較した結果は以下の通りです。

仕入計画見直しによるキャッシュフローの改善

一括仕入の場合、利益率は高いですが、キャッシュフローは何とマイナス(-240万円)でした。利益額(利益率)だけにとらわれてしまうと、キャッシュフローが見えなくなってしまいます。

仕入販売計画ナビシートを活用することで、このような短絡的な販売計画を作る必要が無くなります。

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販売計画ナビシートは、単に理論的なものではなく実務で必要だったので開発しました。会社の在庫改善を担当した時、このシートを使って自動補充システムの導入/実稼働をリードし、80億円の不良在庫を約70%削減し、そしてキャッシュフローの健全化にも成功させた実績があります。このセミナーを受講すれば、仕入れ販売計画ナビシートの活用方法と不良在庫を残さない、儲かる仕入れ販売計画が学べます。

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