中小企業向け初めての販売管理システム厳選8点、主な機能や導入時の注意点

販売管理システム厳選8選、特徴と注意点

最初に導入するシステムは、会計システムか販売システムかと言われるほど、重要なシステムです。

最初は販売管理をエクセルでスタートさせる会社も多いと思いますが、売上や顧客管理に直結するためできる限り早期にシステム化したほうが良いでしょう。

この記事では、中小企業向けの初めての販売管理システムをご紹介します。

今回ご紹介する販売管理システムは、主に小売業、卸売業、製造業の皆様におすすめです。

 

世の中には数多くの販売管理システムがあるため、自社に合ったものを選定するのは難しいです。

そこで、まず最初に選定ポイントをお伝えします。
以下のような項目から「自社にあったシステム」を掘り下げてゆき、より良いシステムを見つけ出しましょう。

自社に合う販売管理システムを選ぶ着目点
  1. 課題の解決や効率化ができるか?
  2. 導入前後のサポート体制(有無に加えて、電話かメールのみか?)
  3. 自社と同業他社への導入事例有無
  4. 無料試用期間の有無(操作性などを試すことができるか?)
  5. 導入コストとランニングコスト
  6. 将来の事業拡張に備えて機能を追加したい時の拡張性
  7. 自社システムとの連携ができるかどうか(たとえば、会計システム等)

上記を頭に思い浮かべながら、
この記事では代表的な販売管理システム10選の特徴を取り上げておりますので、御社の導入システム選択の一助となれば幸いです。

この記事を読むと分かること
  1. 売管理システムの役割と機能
  2. 適販売管理システム8選
  3. 販売管理システムのメリット・デメリット
  4. 販売管理システムを導入する際の注意点
  5. 販売管理システムの問題点

販売管理システムの役割と機能

販売管理システムとは、商品やサービスを販売する際の業務を効率化するための支援システムのことで、以下のような販売活動に必要な業務を一括して管理する機能を備えています。

  • 顧客との見積り・受注・請求・入金
  • 自社内の製造・在庫・出荷
  • 仕入先への発注・仕入・検収・支払

販売管理システムを使うことで上記に関わる業務の大部分が自動化・効率化できるので、生産性向上と手作業によミスがほとんどなくなります。

また、リアルタイムで売上データや在庫状況が確認できるため、迅速な意思決定が可能になります。
特に複数の店舗や取引先がある場合は、販売管理システムを導入することで業務の流れがスムーズになり経営の効率化が期待できます。

会計システムの次に導入するシステムとして販売管理システムを選択される企業は多いようです。

 

販売管理システムの主な機能をご紹介します。

売上管理

売上データをリアルタイムで集約し、商品の売れ筋や販売傾向を把握できます。
売上データをもとに、戦略的な意思決定が可能になります。

また、売上の分析結果は、マーケティング施策や在庫補充のタイミングを決定する際にも役立ちます。

売上の動向を視覚化してグラフやレポートにする機能もあり、企業の成長に繋がる重要な情報を簡単に確認できます。

顧客情報の管理

顧客情報を管理する機能も販売管理システムの重要な役割です。

顧客の名前や連絡先だけではなく、過去の購入履歴を一元管理できるものもあります。

顧客ごとの好みを知ることで、個別の顧客に応じたサービスを提供することが可能になります。

これにより、リピーターの増加や顧客満足度の向上が期待できます。
さらに、顧客情報をもとに販売戦略を見直すことで販売促進に効果的な施策を打ち出すこともできるでしょう。

受注・請求管理

受注から請求までの一連の流れをスムーズに処理する機能もあります。

注文情報をシステムに入力するだけで、請求書の発行や発送が自動化され、ヒューマンエラーを減らすことが可能です。

受注管理と請求管理が統合されているため、取引の進捗状況を一目で把握でき、業務の効率化に貢献します。請求のタイミングや取引先の支払い状況も確認できます。

会計システムと連携させることが可能なシステムの場合は、売掛金の管理やキャッシュフローの管理も容易になるでしょう。

在庫管理

販売状況に応じた在庫の調整を行うことが可能です。
例えば、在庫が一定数以下になると通知が届くアラート機能により、欠品を防ぐことができます。

上記の機能から、商品の流れをリアルタイムで把握し、適切な在庫量を維持することができます。

データの可視化と分析

システムによっては、売上データや在庫データなどの情報をグラフやレポートに変換し、視覚的にわかりやすく表示する機能も有しています。

これにより、販売活動の現状や課題を把握しやすくなります。
データをもとにした分析結果は、今後の販売戦略の改善に役立つため、経営判断の精度が向上するでしょう。

また、エクセルにデータをダウンロードして分析することで、販売予測や在庫予測も可能です。

在庫の無駄や過剰発注を防ぎ、企業の効率的な運営をサポートします。

マルチユーザーアクセスとデータ共有と一元管理

販売管理システムのほとんどが、複数の担当者が同時にシステムにアクセスできる機能を備えています。

例えば、販売担当、経理担当、在庫担当がそれぞれ必要な情報にアクセスし、リアルタイムで情報を共有することができます。情報の一元管理が行われることで部門間の連携が向上し、チーム全体で迅速な意思決定が可能になります。

なお、システムにはオンプレミス型(自社にサーバ―を持つタイプ)とクラウド型(システム会社が持つサーバーを持つ)ものがあります。

クラウド型のシステムでは外出先からでもアクセスが可能で、業務の柔軟性も高まるでしょう。

※サーバーとは、データを保管するもののことです。

販売管理システム8選

中小企業で初めて導入するのにお勧めの販売管理システムの機能や特徴をご紹介します。

気軽に導入できる低コストのものから、少し高価なものまでご紹介します。

 

楽楽販売

販売管理システム-楽楽販売

画像引用元

「楽楽販売」は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の販売管理システムで、主に中小企業向けに設計されています。

販売管理に必要なデータを一元化し、営業プロセスや顧客管理、請求管理などを効率的に行うサポートを提供します。

特に、業務に合わせた柔軟なカスタマイズが可能で、自社の業務フローに沿ったシステム構築がしやすいのが特徴です。

  • 初期費用:150,000円
  • 月額費用:70,000円~
  • 無料試用期間:有り
  • 機能:見積管理・受注管理・請求管理・発注管理など
  • 実績:4,400社超(2024年6月)

freee

販売管理システム-freee

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「freee(フリー)」は、freee株式会社が提供するクラウド型の販売管理システムで、中小企業や個人事業主の販売業務を効率化することを目的としています。

freeeは、会計ソフトや人事労務ソフトとの連携に強みを持ち、販売管理を中心に経理や人事まで一体化したシステム構築が可能です。

  • 初期費用:0円
  • 月額費用:個別見積り
  • 無料試用期間:有り
  • 機能:原価管理・予実管理など
  • 実績:クラウド型販売管理ソフト新規導入者数NO.1(2023年5月)

弥生販売24+クラウド

販売管理システム-弥生販売

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「弥生販売 24 + クラウド」は、弥生株式会社が提供する中小企業向けの販売管理システムで、主に売上管理、在庫管理、顧客管理をサポートする製品です。

販売管理といえば弥生販売といわれるほど、長く親しまれているシステムです。

そのため、この操作のしやすさと必要な機能がバランスよく揃えられており、販売管理に不慣れな方でも簡単に使えるよう設計されています。

姉妹システムとして弥生会計もあるため、販売と会計が連携しやすいのもポイントです。

  • 初期費用:50,000円~
  • 月額費用:36,700円~
  • 無料試用期間:有り
  • 機能:受注管理・請求管理・発注管理・在庫管理など
  • 実績:25年連続売上実績NO.1

商蔵奉行クラウド

販売管理システム-商蔵奉行クラウド

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「商蔵奉行クラウド」は、OBC(オービックビジネスコンサルタント)が提供するクラウドベースの販売管理システムです。

このシステムは販売・在庫管理を一体化し、商流と物流を包括的に管理できるため、業務効率の向上とコスト削減を図る中堅企業や小売業、製造業など幅広い業種に対応しています。

弥生販売よりも少し規模の大きな企業が導入するシステムのイメージでしたが、プランが細分化され、小規模企業でも導入しやすくなっています。今後の企業規模拡大を見据えての導入には良いでしょう。

勘定奉行という会計システムも同時に展開しており、会計と販売の連携が可能です。

  • 初期費用: 0円~
  • 月額費用: 7,340円~
  • 無料試用期間: 有り
  • 機能:商品管理・発注管理・入出荷管理・在庫管理など
  • 実績:日経クロステック「顧客満足度調査2024-2025」顧客満足度No.1

FLAM

販売管理システム-FLAM

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「FLAM」は、株式会社富士通マーケティングが提供する販売管理システムで、中小企業から大企業まで幅広いニーズに応えるクラウド型の業務管理ソリューションです。

販売管理を中心に受注から出荷、請求管理までの一連の流れを一元管理することに特化しており、業務の効率化と精度向上を実現します。

データの読み込みや出力の早さに定評があります。販売管理システムは毎日触るシステムです。ちょっとした反応の遅さは、とてもストレスを感じます。お試し期間では気づきにくいのですが、実は重要なポイントです。

  • 初期費用:0円
  • 月額費用:9,800円~
  • 無料試用期間:有り
  • 機能:売上管理・仕入管理・在庫管理・請求管理など
  • 実績:ASPICクラウドアワード2023 基幹業務系ASP・SaaS部門奨励賞受賞

SMILE V

販売管理システム-SMILE-V

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「SMILE V(スマイル ブイ)」は、大手ソフトウェア企業である大塚商会が提供する販売管理システムで、中堅・中小企業向けに設計されています。

このシステムは、販売管理業務に加え、会計や人事、給与管理などの各種基幹業務と連携可能で、企業の業務効率向上を総合的に支援します。

自社で多くのシステムを提供しているため、他のシステムも導入することでERP(基幹システム)の構築も可能です。

  • 初期費用:0円
  • 月額費用:個別見積り
  • 無料試用期間:有り
  • 機能:受注管理・請求管理・在庫管理など
  • 実績:30件の実社名導入事例掲載

e2-movE

e-2-movE

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「e2-movE」は、主に中小企業建設業者向けのクラウド型販売管理システムで、営業から受注、在庫、出荷、請求といった一連の販売管理業務を効率的に行えるツールです。

このほか、工事管理システムなどもそろえられています。

  • 費用:個別対応
  • 無料試用期間:なし
  • 機能:販売管理・仕入管理・在庫管理・回収管理など
  • 実績:導入実績300社以上(建設業中心)

アラジンオフィス

販売管理システム-アラジンオフィス

画像引用元

「アラジンオフィス」は、中堅・中小企業向けの高機能な販売管理システムで、特に日本国内のビジネスニーズに合わせた設計が特徴です。

業種による特化型システムがあるのが特徴で、例えば「ファッション・アパレル業界」、「ねじ業界」等といったものがあり業界特有の一般的な商習慣にも対応しています。

販売管理の基本機能だけでなく、業務プロセスに応じた柔軟なカスタマイズが可能で、卸売業、製造業、小売業など多様な業界で利用されています。

  • 費用:個別対応
  • 無料試用期間:なし
  • 機能:受注管理・売上管理・購買管理・在庫管理など
  • 実績:導入社数5,000超

アラジンオフィスに関して合わせて読みたい記事「アラジンオフィスの特徴と強み、検討の際の注意点

販売管理システムのメリット・デメリット

販売管理システムを導入するメリットとデメリットを具体的に解説します。

メリット

販売管理システムを入れることで以下のようなメリットがあります。

業務の効率化

  • 販売管理の自動化による人件費削減が可能
  • ミスが少なく正確な業務が可能
  • データ自動集計・リアルタイム更新・システム間連携により手作業が大幅に削減
  • 業務の見直しの機会になる
  • クラウド対応システムの場合、出張先でも業務を確認・管理可能

経営の透明性と可視化

  • データのシステム間連携により経営状況をリアルタイムで把握可能
  • 売上や在庫の動向を視覚化した資料の自動作成機能で分析や計画立案に繋がる

デメリット

コスト

  • システム導入に掛かる初期費用
  • システムの月額費用
  • ユーザーの人数やPCの台数

特に注意すべきなのは、ユーザーの人数やPCの台数です。

お試しや導入の初期段階では気づきにくい点です。

カスタマイズの制約

システムが提供する機能が自社の業務や課題解決に合わないことがあります。

※特に、低額のクラウド型システムに多いため要注意です。

操作トレーニングの必要性

  • 導入時のスタッフへの操作トレーニング
  • 慣れて使いこなせるようになるまでの業務停滞

特に多機能なシステムは、慣れるまで時間がかかりますし、中途半端な状態で使いはじめると、返って業務の非効率化につながります。

サポート体制の違い

期待していたサポート内容との乖離

例えば、会社によっては、サポートは「メールだけ」という場合もあります。

自社のITリテラシーなども踏まえて、電話や対面で対応してくれる会社を選んだ方が良い場合もあります。

 

リスクは導入前の事前調査や準備で軽減させられるものが多いです。
資料だけでは分かりにくいことも多いため、デモやお試し、提供会社との面談を重ねて吟味することをお勧めします。

販売管理システムを導入する際の注意点

8つのシステムを厳選してご紹介しましたが、まださまざまなシステムから自社に適したものを選定・導入するのは難しいかもしれません。

記事の冒頭で解説した、選定のポイントを改めてご紹介します。

自社に合う販売管理システムを選ぶ着目点
  1. 課題の解決や効率化ができるか?
  2. 導入前後のサポート体制(有無に加えて、電話かメールのみか?)
  3. 自社と同業他社への導入事例有無
  4. 無料試用期間の有無(操作性などをためすことができるか?)
  5. 導入コストとランニングコスト
  6. 将来の事業拡張に備えて機能を追加したい時の拡張性
  7. 自社システムとの連携ができるかどうか(たとえば、会計システム等)

システム導入は高い効果が期待できる反面、合わないシステムを導入すると返って業務の非効率化や混乱の原因になります。

従って、自社に合ったサービスを選定するために慎重な検討が必要です。

 

販売管理システムを導入する前に絶対にやっておきたいこと

  • 事前に解決したい課題を洗い出し、必要な機能を明確にしたうえでその機能が販売管理システムに備わっているかをひとつひとつ確認する
  • 社内システムとデータ連携ができるか?またできるとしたらどのような連携ができるのか?(代表的な連携方法としてCSVやAPIがあります)
  • 新たにシステムを使用するという業務が発生するため社内の業務体制の見直しを行います

システムの導入後、問題が発生した場合にすぐに対処できるよう、社内のサポート体制をどうするかも同時に検討しておくとよいでしょう。

トップが期待している運用方法や効果について、十分に社内導入チームと意見交換を行い、“コストは掛けたが期待外れのシステムが残った”といった結果にならないよう準備を万全にして取り組みましょう。

販売管理システムの問題点

在庫管理110番には、システムを導入しているが在庫管理ができないというご相談をよくいただいています。

 

実は、販売管理システムが持っている在庫管理機能は、販売に関する在庫管理機能がメインで、簡易的である場合が多いからです。

なぜなら、本来販売管理システムは商流を管理するシステムであって、物流を管理するシステムではないためそもそもの役割が違います。

そのため、不良品の処理や返品、倉庫別の在庫管理等ができないことが多いです。

やはり、販売管理システムなので、混み入った在庫管理ができないのは仕方がないでしょう。

 

在庫管理ができないのは、会社にとって販売機会の損失や資金滞留リスクをもたらす場合もあります。

例えば、あるはずの在庫が無い、無くなっているはずの在庫があり過剰発注をしてしまった。。ということが起こります。

 

このような問題を回避するため、在庫管理110番では在庫管理システムの導入をお勧めしています。

販売管理システムと在庫管理システムを連携してそれぞれのシステムの強みを生かして商流と物流の管理を一元化します。

在庫管理110番では、在庫管理システムの紹介もしていますので、自社に合ったシステムをぜひ見つけてください。

☑あわせて読みたい!:おすすめのクラウド型在庫管理システム9選!

 

成長する在庫管理システム

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在庫管理110番では、自社開発した在庫管理システム「成長する在庫管理」を提供中です。

自社の業務に必要な機能を低コストでしかも短期間で導入できる在庫管理システムです。

これまで500社以上の相談やコンサルティング経験のある在庫管理の専門家が、導入前から導入後までサポートします。

まとめ

販売管理システムの機能や選び方、導入する際の注意点についてご紹介しました。

最後に特に重要な選定ポイントをおさらいすると、

  • 自社の課題や要望にあったものを選ぶ(機能の豊富さだけで選択してはいけない)
  • コストだけで選んではいけない
  • 資料やホームページだけではなく、デモやお試し、システムとの面談を行う
  • 販売管理システムは「商流管理」。在庫管理システムとの連携も視野に入れる

ぜひ参考にして自社に合ったシステムを選定して、課題解決だけではなく、今以上の売上アップに役立てていただくことを願っています。

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