- CMでよく見かけるし、キントーンならシステムに詳しくなくてもノーコードで簡単に業務システムが作れそう
- 簡単そうだしとりあえず導入すれば、今のExcel管理や紙の帳票から脱却してDX化できるはず
- 月額1,800円なら安いし、まずは試してみよう
もしあなたの会社がキントーンの導入を検討していて、どれか一つでも当てはまるなら、検討材料としてぜひこの記事をご一読ください。
kintoneは、部署の業務管理や情報共有できるシステムで、ユーザー自身がサクッとノーコード(プログラミング不要)で開発できる非常に優れたクラウドサービスです。
しかしキントーンは万能ではなく、用途に向き・不向きがあります。
実際に、次のようなこんなはずじゃなかったというミスマッチが起こっています。
- 現在のエクセル業務をシステム化するため、お金をかけずに自分たちでノーコード開発しようとしたものの現場・情シスともにギブアップ状態で開発が進まなくなったできなかった
- 標準機能でできないことを、プラグインや独自開発で補っていたら、気づけばプラグイン代や開発費、そして月額費用が想像以上に高くなりコストアップになってしまった。
この記事では、kintoneが自社に向いているか、向いていないかを自分たちで検討できるように次のことを解説します。
- 自社がkintoneに向いているかどうかをその場で診断できるチェックリスト
- 標準機能・プラグイン・独自開発でできることの境界線
- イニシャルコスト・ランニングコストの具体的な目安と、見積もりが膨らむパターン
この記事を読めば「自社の業務にはkintoneの標準機能・プラグインで十分なのか」「それともkintoneではなく通常のシステム開発を検討すべきなのか」がはっきりと判断できるようになります。
「なんとなく良さそう」で検討しないためにもぜひご覧ください。
在庫管理システムそのものの選び方から整理したい方は、在庫管理システムの導入6ステップ(選び方と条件整理)を先にご覧いただくと判断しやすくなります。
専門家の意見を聞いてみたい!という方はお気軽にご相談ください
キントーンが「合っている会社」「合っていない会社」
私の経験上、キントーンに飛びついても良い会社、飛びつかない方が良い会社の特徴をまとめました。
- キントーンの導入範囲が、部署固有の管理業務(稟議、日報、案件進捗など)のように、単一〜小規模の範囲で完結する業務が中心
- 管理したいデータが台帳形式(1レコードでほぼ完結、またはvlookup関数で紐づけできるくらいの単純な親子関係)で表現できる
- 現場に「小さく作って、使いながら改善していく」を回せるITリテラシーの高い推進者がいる
- 標準機能や安価なプラグインの機能をだいたい理解しており、その範囲で「これで十分」と割り切れる
- 利用人数の規模が10〜30名程度
- やりたいことがふわっとしていて、要件が固まっていない。
- 「CMでもよく見かけるし、キントーンならノーコードで簡単にできそう」という漠然としたイメージだけで検討している
- 製造手配・MRP・複雑な受発注連携・厳密な会計処理など、社内全体のデータ連携や整合性が求められるいわゆる「基幹業務」が中心
- 複雑なリレーションやトランザクション整合性、大量データのバッチ処理が必要(そもそも、そういったことが必要かどうかもわからない)
- ITリテラシーが高くない。キントーンに詳しい会社に要件定義から保守運用まで外部に丸投げしたい
- 「使い慣れたExcel管理表や専用伝票の使い勝手、各担当者の要望」を70~100%再現しようと考えている。または、業務を大きく変えるつもりはないがDX化したいと考えている。
- 入力頻度の低い現場スタッフまで含めて、全社(50〜100名超)で一斉導入しようとしている
自社がどちらに近いか、なんとなく見えてきたでしょうか。
次の章で、もう少し具体的な診断をご用意しました。
自社診断チェックリスト
次の5つの質問に、YES/NOで答えてみてください。
| No | 質問 |
|---|---|
| 1 | やりたいことを「誰が」「いつ」「何を入力し」「何ができるようになるか」、紙に書き出せますか?(「なんとなく便利になりそう」ではなく、具体的に説明できますか?) |
| 2 | やりたい仕事は、一つの部署の中だけで完結しますか?(日報、稟議、案件の進み具合の管理など) それとも、「受注~商品のピッキング~出荷~請求」といったように複数の部署または業務にまたがる一連の流れですか? |
| 3 | 管理したい情報は、1件ずつの記録(1つの案件、1人分の日報など)でだいたい完結しますか? それとも、「ある数字が変わると、連動したり別の数字も自動で変わってほしい」(例:出荷したら在庫の数が自動で減る)、予約在庫(引当在庫)といった、複数のデータが連動する必要がありますか? |
| 4 | 導入した後、自分たちで画面や項目を直したり、使い方を工夫したりできそうな人が社内にいますか? それとも、ちょっとした変更のたびに外部の業者にお願いすることになりそうですか? |
| 5 | 今使っているExcelや紙の書類の見た目・使い勝手を、大きく変えずにほぼそのままキントーンで再現したいですか? それとも、多少見た目や手順が変わっても「使えればOK」と割り切れますか? |
質問1で「書き出せない」と答えた方は、いったんキントーンの比較検討を止めて、まず「何をしたいのか」を紙に書き出すところから始めてください。
ここが曖昧なままだと、キントーンに限らずどんなシステムを選んでも失敗しやすくなります。(どうやって書き出してよいかわからない場合は、お気軽にご相談ください)
質問1をクリアした前提で、質問2〜5について
- 4つともYES(1部署で完結・1件で完結・社内に対応できる人がいる・見た目にこだわらない):標準機能でおおむね十分。まずは小さく始めるのがおすすめです
- 3個YES:プラグイン活用でギリギリ運用可能。想定するプラグインの月額費用を必ず事前に洗い出しておきましょう
- 1~2個YES:キントーンではなく、専用システムの検討をおすすめします。この後の章で、その根拠となる機能面・コスト面の理由を解説します
一目でわかる:標準・プラグイン・独自開発の比較表
kintoneは、全てノーコードで自分たちの思い通りの業務アプリを作ることはできません。
kintoneの機能は次の3つに分けることができます。
- 標準機能:お金をかけずに、ノーコードでできる範囲
- プラグイン:標準機能でできないことをノーコードで実現するためのオプション
- 独自開発(プログラミング):ノーコード(標準機能・プラグイン)でできないことをプログラミングする
それぞれのできること、主な機能、イニシャルコスト(初期費用)、ランニングコスト(毎月かかる費用)をまとめました。
| 区分 | できること(範囲の目安) | 主な機能例 | イニシャルコスト | ランニングコスト(月額) |
|---|---|---|---|---|
| ①標準機能 | 単一〜小規模業務の管理 ※ノーコード開発 入力フォーム作成、簡易計算(四則演算)、通知、プロセス管理(ワークフロー)、一覧・グラフ表示など |
| 0〜数十万円 (社内構築なら0円/外部の伴走支援を頼むと30万〜100万円) | 1,800円 × 利用人数 (最低10名〜、月額18,000円〜) |
| ②プラグイン | 標準機能で「あと一歩足りない」部分を補う ※ノーコード開発 帳票出力、高度な自動集計、社外向け入力・公開、Excelライクな一括編集など |
| 初期設定:0~10万円 ※外部業者に頼んだ場合は、設定やテスト費用として別途費用がかかる。数万〜50万円程度 | 3,000円〜30,000円 ※プラグイン1個あたり ※プラグインによって、人数による従量課金あり。 |
| ③独自開発(プログラミング) | 自社固有の複雑な業務要件、システム間連携 ※プログラミング 他システム連携(ERP・会計ソフト等)、複雑な入力制御、画面デザインの大幅刷新、完全自動集計など |
| 〜500万円以上 (要件定義・実装・結合テスト費) | プラグイン代+保守費 5万〜20万円以上 |
「①だけで完結しそうだ」と感じる会社ほど1章の「合っている会社」に近く、自社の業務のやり方に合わせたいと考えていて「③まで必要になりそうだ」と感じる会社ほど「合っていない会社」に近く、専用システムとの比較検討が必要になります。次の章で、それぞれ「なぜそう言えるのか」を機能面から詳しく見ていきます。
機能面から見る理由:標準機能とプラグインの境界線
どんなことまで標準機能でできるのか、プラグインを導入しないとできないことは何か?を簡単にまとめした。
標準機能でできること vs プラグインが必要になること
| 業務・機能カテゴリ | ①標準機能でできること(追加費用0円) | ②プラグインが必要になること(追加費用あり) |
|---|---|---|
| 帳票・印刷 |
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| 画面入力・操作性 |
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| 計算・データ集計 |
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| 他アプリとの連携 |
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| 採番・管理番号 |
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| 外部連携・公開 |
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| 進捗・ワークフロー |
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標準機能でできると思っていたのにできない。。誤解しやすい「3つの壁」
帳票印刷する場合は、ほぼ帳票系プラグイン(月額約1万〜3万円)が必須です。
標準機能ではブラウザの印刷画面がそのまま出力されるので、文字が途切れたり改ページがズレます。
A41枚にまとまった、社外へ出す「見積書」「納品書」や現場の見やすい「現品票」としては使えません。
標準のルックアップは「その瞬間のデータを手動で引っ張ってくる」機能にすぎません。
たとえば、入出庫をアプリで登録しても、在庫数が自動でプラス・マイナスされ最新在庫が分かるわけではありません。
標準機能では、1件ずつ「詳細画面を開く→編集→保存」という手順が基本です。
何十行もの受発注データや検査結果を連続入力したい現場では、この手順が作業効率を落とす原因になります。
上記のよく使われる3つのプラグイン機能を導入すると、標準の月額費用+3~8万円程度の追加月額費用が必要です。(月額総額で4.8~9.6万円)
「標準でできそう」なのに実はプラグインが必要な機能の具体例(カレンダー・自動採番・請求書など)
「さすがにこれくらいは標準機能でできるだろう」と思い込みやすい機能であっても、実際にはプラグインが必要になるケースが多くあります。
代表的なものをご紹介します。
| 機能 | 「標準でできそう」と思われがちな理由 | 実際に必要になるもの | コスト(導入した場合の目安) |
|---|---|---|---|
| 予定をカレンダーで表示する | スマホのカレンダーアプリのように、日付ごとに予定が並ぶのは基本機能だと思われがち | カレンダー表示プラグイン (標準は一覧表とシンプルなグラフ表示のみで、カレンダー表示は用意されていない) |
|
| 添付した写真やPDFをまとめてダウンロードする | 「1件ずつ」ではなく「まとめて」保存できるのが普通だと思われがち | 一括ダウンロードプラグイン (標準は1ファイルずつしかダウンロードできない) |
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| 一覧の並び順をドラッグ&ドロップで入れ替える | Excelの行を入れ替える感覚でできると思われがち | 並び替え用プラグイン (標準は入力日時などの固定順でしか並ばない) |
|
| LINEやチャットツールに通知を飛ばす | 「通知機能」があるので、外部にも送れると思われがち | 外部通知連携プラグインや外部サービスとの連携設定 (標準の通知はkintone内で完結する) |
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| キーワードであいまいに検索する | 検索窓があるので、多少表記が違っても探し当てられると思われがち | 高度検索プラグイン (標準の検索は表記のゆれに弱い、単純な条件検索) |
|
「基本的なことはさすがに標準でできるだろう」という思い込みが、後からの追加費用につながりやすいポイントです。
独自開発(プログラミング)ならではの難しさ:ゼロから作るシステムとの5つの違い
標準やプラグインでできないことは、社内にちょっとプログラミングができる情シス担当者がいるから、自分たちでキントーンをカスタマイズしよう!
この判断には注意が必要です。
キントーンの独自開発は、ゼロからシステムを作るのとは異なる、特有の難しさと制約があります。
ゼロから作るシステムなら、データベース設計から画面デザインまですべて自由にコントロールできます。
しかしキントーンのカスタマイズは、あくまで「キントーンという土台の上」に乗せる形でしか作れません。
フィールドの種類(文字・数値・日付・テーブルなど)はキントーンが用意したものに限られ、独自のデータ構造を自由に設計することはできません。
一般的なシステム開発では、「Aのデータを更新しながらBのデータも更新する」処理の途中でエラーが起きた場合、処理全体を無かったことにする(ロールバックする)仕組みを作れます。
しかしキントーンでは、アプリ同士の連携はAPI呼び出しの積み重ねで実現するため、途中でエラーが起きると「Aだけ更新されてBは更新されない」といったデータの不整合が起こり得ます。
この対策(リトライ処理やチェック処理)を自前で組み込む必要があり、ゼロから作る場合より考慮すべき点が増えます。
1日10,000回というAPI呼び出し回数の制限があります。外部システムとの連携や大量のデータを一括で処理するような自動化処理を組む場合、処理を分割したり待機時間を入れたりする工夫が必要です。
通常のシステム連携や自社サーバーで動かす一般的なプログラムであれば、API呼び出し回数の気にする必要のない制約です。
※APIとは、システム間の処理やデータを連携するための仕組みです。
独自開発したプログラムと、すでに入れているプラグインが同じ画面・同じタイミングで動作しようとすると、お互いの処理がぶつかり合い、正常に動かなくなることがあります。
原因を調べるには、自分で書いたコードだけでなく、導入している全プラグインの挙動も把握する必要があります。
※つまり、開発者はプラグインの機能も知っておく必要がある。
これは、キントーンだけではなくSaaS全般に起こりうるリスクです。恐らく事前通告などの経過措置等があると思います。
通常の開発とキントーン上での開発の違いを甘く見て社内対応にこだわると、後から「動かなくなった」「エラーで在庫データが狂った」といったトラブルにつながりやすいです。
業務システムは、トラブル無く動き続ける事が最も重要です。
「ちょっとプログラミングをかじった人」が対応できるのは、あくまで簡単な入力補助や表示の見た目調整程度までです。
アプリをまたぐ複雑な連携や自動化になると、キントーン特有の制約(トランザクションが無い、API上限がある、プラットフォームアップデートの影響を受ける)への理解が必要になり、一般的なプログラミングができることとは別のキントーンに関する知識とノウハウが求められます。
コスト構造から見る理由:導入費用と月額費用のざっくり全体像
ノーコード開発だから外部業者に頼らなくても、自分たちでコストをかけずに自由に自社独自の業務アプリを作成できる!
と思い描いていたら、追加費用が多くコストがかかり過ぎた!と後悔しないために、ざっくりとした費用(導入費用と月額費用)の全体像をつかみましょう。
カスタマイズ段階別のコスト比較(標準のみ、カスタマイズ活用・独自開発)
| パターン | イニシャルコスト(初期費用) | ランニングコスト(月額/年額) | 最低人数でのランニングコスト |
|---|---|---|---|
| ①標準機能のみ | 0円〜数十万円 | 1,800円 × 利用人数 / 月(最低10名〜、月額18,000円〜) | 月額18,000円 |
| ②プラグイン活用 | 数万円〜50万円程度 | (1,800円 × 人数) + プラグイン月額費用(1個あたり3,000円〜30,000円) | 21,000~48000円 ※プラグインの導入個数による |
| ③独自開発(プログラミング) | 100万〜500万円以上 | (1,800円 × 人数) + プラグイン代 + 保守費(月額5万〜20万円以上) | 71,000~248,000円以上 プラグインの個数、独自開発規模による |
ライトコース(月額1,000円)は安価ですが、プラグインの追加もプログラミング拡張も一切利用できないため、実質スタンダードコース一択(月額1,800円/1ユーザー・税抜)です。
スタンダードコースの最小契約数は10ユーザーからのため、最低でも月額18,000円が発生します。
同じ10名(最低利用人数)という利用規模でも、やりたいことの複雑さだけで毎月かかる費用が18,000から20万円以上となり、ランニングコストが3〜7倍に跳ね上がります。
業務システムは短期間ではなく長く使うものなので、少なくとも5年間分は試算しておいた方がよいでしょう。
実際の費用感は、自社だけで考えずにキントーンの導入に詳しい専門業者に確認することをお勧めします。
見積もりシミュレーション
具体事例:在庫管理システムを構築する場合の必要機能と見積金額
在庫管理で導入希望の多い機能をキントーンで実現した場合の費用を算出しました。
導入機能
- 発注管理
- 発注伝票発行
- ロット管理
- 出荷管理
- 受注管理
- 棚卸
- 保管場所移動
標準機能で対応できる部分
| 機能 | 標準機能でできること |
|---|---|
| 発注管理 | 発注データの入力・一覧管理、承認フロー(プロセス管理) |
| 受注管理 | 受注データの入力・一覧管理 |
| 棚卸 | 実棚数を1件ずつ入力・登録 |
| ロット管理 | ロット番号を項目として入力・記録(連番は単純なレコードIDのみ) |
| 保管場所移動 | 移動記録を1件ずつ入力・登録 |
「記録として残す」だけなら、標準機能でも一通り対応できます。
プラグインが必要になる部分
| 機能 | 必要な理由 | 想定プラグイン | 月額目安 |
|---|---|---|---|
| 発注書発行 | 標準の印刷ではレイアウトが崩れ、取引先に出せる体裁にならない | 帳票出力プラグイン | 1〜2万円 |
| 出荷伝票発行 | 同上(社外向け帳票) | 帳票出力プラグイン(発注と共用可) | 上記に含む〜+1万円 |
| ロット管理(自社ルール採番) | 例:「LOT-202609-001」のような年月+連番の自動採番 | 自動採番プラグイン | 数千円〜1万円 |
| 棚卸(大量データの一括入力) | 何十件もの実棚データを1件ずつ入力すると現場が回らない | Excelライク一括編集プラグイン | 1〜2万円 |
独自開発(プログラミング)が必要になりやすい部分
| 機能 | 必要な理由 |
|---|---|
| ロット管理×在庫数の自動増減 | 入荷でロット別在庫が自動加算、古いロットから先入れ先出し出荷で自動減算される「動的な引き当て」は、標準・プラグインの延長では対応しきれないケースが多い |
| 保管場所移動 | 「在庫をロケーションAからロケーションBに移す」という2アプリ間の自動連動は、単純なルックアップでは実現できない |
| 受注→出荷の連携 | 受注データを起点に出荷指示・在庫引き当てまで自動連携させる場合、複雑な条件分岐が必要 |
具体的な見積もり事例(利用人数:10名)
| コスト区分 | プラグインで対応する場合 | 独自開発まで踏み込む場合 |
|---|---|---|
| 導入・開発費 | 5〜15万円(プラグイン設定・連携テスト) | +50〜150万円程度(ロット別自動増減・保管場所移動連携の開発費) |
| 月額費 | 約6.8万円(本体1.8万+帳票2万+採番1万+一括編集2万) | 約11.8〜16.8万円(上記6.8万+開発保守費5〜10万) |
「記録するだけ」ならプラグインとの組み合わせ(月額約7万円)で回せます。
しかし、品質・原価管理に必要な「ロット管理」や複数の保管場所を管理する「ロケーション管理」で必要な在庫数がリアルタイムで自動的に増減するところまで求めると、独自開発が避けられません。
この2つを導入すると、月額コストがほぼ2倍(約12〜17万円)に膨らみます。
これは1章の「合っていない会社」(全体整合性が必要な基幹業務、複雑なリレーション・自動集計が必要)に該当する典型例です。
見積もり金額が膨らむ5大トラップ
ノーコードだし、自社で開発すれば安く済むだろうと考えている会社が陥りがちな見積金額を膨らませてしまう5つの問題をご紹介します。
kintoneは1人あたり月額1,800円の完全従量課金です。
仮に機能拡張を全くしなくても10名なら月額18,000円ですが、50名なら90,000円、100名なら180,000円になります。
現場のパート・作業員が日報を1日1回入力するだけでも1人1ライセンスが必要(規約上、複数人での使い回しは禁止)なため、利用頻度の低いユーザーまで巻き込んで全社導入すると、ランニングコストが激増します。
帳票印刷、社外向け入力・閲覧、別アプリ間の自動集計、Excelライクな一括編集。
これらは一般的な業務システムなら標準装備されている機能ですが、kintoneではいずれもプラグインが必要です。
組み合わせていくと、月額5〜10万円が本体代(1.8万円)を上回る逆転現象が簡単に起こります。
転記は手作業だと手間がかかり非効率でミスの可能性もあります。
会計ソフトや受発注システムなど既存の基幹システムと自動連携しようとすると、API連携の開発費(数十万〜数百万円)や、iPaaS(データ連携SaaS:月数万円〜)が必要になります。また自動連携に不可欠なAPIリクエストは1日10,000回までの制限があるため、大量の外部データ同期を行うと上位プランやインフラ対策のコストがかかります。
社内にJavaScriptに詳しい人材がいない場合、項目を1つ追加する、計算ロジックを少し変更するといった軽微な改修のたびに外部ベンダーへ発注することになり、都度数万〜数十万円の改修費や高額な月額保守料が発生します。
複数のベンダーを利用した場合、ベンダー間の調整の手間がかかる場合もあります。
ディスク容量は1ユーザーあたり5GB。
追加料金(10GBごとに月額1,000円)がかかる場合があります。
大容量ファイル(図面・画像・PDFなど)を大量に添付する現場では、1年もかからず容量オーバーになる可能性があります。
診断結果別|キントーン・専門システム検討方法
kintoneはあくまでも手段です。手段にこだわらずに「そもそもシステムが必要な理由な何か?」という観点から考えるのが良いでしょう。
| 「標準機能で十分」だった場合 | キントーン単独で完結し、標準機能で割り切れる、自社独自の業務のやり方をキントーンに合わせてシンプルにできる。 キントーンの標準機能を使うことを前提に仕事のやり方を大幅に変えるのが導入成功のコツです。 |
|---|---|
| 「プラグイン活用でギリギリ」だった場合 | やりたい業務を一覧化して、キントーンや専門業者に問い合わせて標準でできること/できないことを仕分けましょう。 想定するプラグインの月額費用を、契約前に必ずすべて洗い出しておきましょう。 また、プラグインの機能内で行うことを前提として、仕事のやり方も変えていく必要があります。 |
| 「専用システム推奨」だった場合 | プラグインでもできそうにない。条件が複雑(把握できていない)。自社のやり方や画面の見え方にこだわりがある。 こんな場合は、kintoneの延長で作り込むより、最初から専用の業務システムを検討したほうが、トータルコストは安く済む可能性大。 |
専門家がアドバイスします
自社独自の業務のシステム化を検討するなら:成長する在庫管理システムという選択肢
自社の独自業務やこだわりが出やすい在庫管理や生産管理といった専門分野の場合は、在庫管理110番が開発した「成長する在庫管理システム」を選択肢に入れると良いでしょう。
その理由は、「在庫管理は100社あれば100通り」という開発コンセプトで開発され、低コストで自社仕様を実現できることが特徴だからです。
なぜkintone+独自開発は割高になりやすいのか(おさらい)
kintoneの延長でロット別自動増減や保管場所移動連携まで作り込もうとすると、開発費50〜150万円に加えて、月額5〜10万円の保守費が上乗せされます。
見積もりを受け取る段階で確認しておきたい点はシステム業者の提案を受ける際の注意点にまとめています。
標準機能・プラグインの範囲を超えた瞬間に、コスト構造が一気に重くなるのがkintoneの特徴です。
「成長する在庫管理システム」のポジショニング
在庫管理システムには大きく3つのタイプがあります。
| サブスク型 | 低コストだが機能は決められた範囲のみ。カスタマイズできない |
|---|---|
| フルスクラッチ | 完全自社仕様だが、開発期間が長く、開発費・保守費ともに高額 |
| パッケージ型 | 多機能で様々な業務に対応するが、覚えるのに時間がかかり、不要な機能・足りない機能が生じやすい |
「成長する在庫管理システム」は、この3つのどれとも異なり、必要最小限の機能を、自社仕様にカスタマイズできるという立ち位置を取っています。

kintone+独自開発が「安く始めて、機能を足すほど高くなる」構造だったのに対し、こちらは最初から自社の業務に合わせて必要な機能だけを実装するアプローチです。
具体的な強み(3つの理由)
成長する在庫管理システムは、実務経験があり実際の業務改善支援を行っている在庫管理アドバイザーが監修しました。
現場に溜まっている不満や声にならない声を拾って開発しました。
| 導入・運用コストが安い | 「業務・課題・レベル感」を見極めた提案、既存システム・エクセルを生かす機能分業、カスタマイズしやすい内部設計により、低コストでの開発を実現。 1社1ライセンスで一定なのでコストを気にせずに利用者を増やせます。(保守費用もユーザー数や端末台数に応じて増える仕組みではありません) |
|---|---|
| 導入が早く、負担が小さい | 課題に直球で必要な必要最小限でシンプルな提案しか行わないので、開発期間・運用が軌道に乗るまでの期間を大幅に短縮 |
| 在庫管理の専門家が「提案」する | 一般的なシステム会社は、要望を要望のまま受け取り、言われた通りに開発するだけになりがちです。 在庫管理の実務経験と500社以上の相談・コンサルティング経験を持つ専門家が、要望・課題・業務実態をヒアリングした上で、本当に必要な機能を見極めて提案します。 |
キントーンと成長する在庫管理システムのコスト比較
7章で試算した「キントーンで在庫管理(発注・ロット管理・出荷管理・受注管理・棚卸・保管場所移動)を独自開発まで踏み込んで行う場合」と比較します。
在庫管理システムを自社独自にカスタマイズを行った場合のコスト比較をご紹介します。
| 比較項目 | キントーン+独自開発(7章の試算) | 成長する在庫管理システム |
|---|---|---|
| 対応できる業務範囲 | 発注管理・ロット管理・出荷管理・受注管理・棚卸・保管場所移動(ロット別自動増減や保管場所移動の連携は追加開発が必要) | 同様の業務範囲を、最初から自社仕様として設計・実装 |
| イニシャル費用 | 150〜400万円(プラグイン設定5〜15万円+ロット別自動増減・保管場所移動連携の開発費50〜万円) | 〜500万円程度(業務・課題・レベル感に応じて見積もり) |
| ランニング費用(月額) | 約11.8〜16.8万円(本体1.8万+帳票2万+採番1万+一括編集2万+開発保守費5〜10万) | 開発費の1〜1.5%程度(例:開発費400万円の場合、月額4〜6万円程度) |
| 人数が増えた場合 | 本体ライセンスが1人あたり1,800円のため、利用人数が増えるほどランニング費用が線形に増加 | 会社(1社)単位のライセンスのため、利用人数が増えてもランニング費用は変わらない |
キントーン+独自開発のランニング費用は、本体ライセンス(人数課金)・プラグイン代・保守費が積み上がる構造になっています。
一方、成長する在庫管理システムは、開発費に対する一定割合(1〜1.5%)という分かりやすい水準に収まります。
5年分の総費用試算(イニシャルコスト+ランニングコスト)
| 初期費用 | 5年分ランニングコスト | 5年間総コスト | |
|---|---|---|---|
| キントーン | 400万円 | 1008万円 | 1408万円 |
| 成長する在庫管理 | 500万円 | 360万円 | 860万円 |
キントーンの費用は約1.6倍です。
【注意】利用人数の増加
ちなみに、上記試算は、キントーンは利用人数10人で試算しています。
利用人数がある程度いる会社ほど、人数課金であるキントーンのランニング費用は相対的に重くなっていきます。
※在庫管理アドバイザーの支援経験上、システムの利用人数は必ず増える傾向にあります。
成長する在庫管理システムは利用人数に依存しないため、その差は利用人数が増えるほど広がりやすくなります。
将来的に利用人数を増やしたい場合も、ライセンス費用の増加を気にせずアカウントを増やせる点は大きな違いです。
こんな課題を抱える会社に向いている
成長する在庫管理システムは、特に次のような課題を抱えている会社にお勧めです。
- エクセルから脱却し、初めてシステムを導入したい
- サブスク型を検討したが、物足りずエクセルも併用している。(例:自社に必要な機能(ロット管理・保管場所移動など)が標準搭載されていない)
- 基幹システムやkintoneでは対応しきれない部分だけを補いたい
- 過去にシステム導入で失敗した経験がある(要望を詰め込みすぎた、使いこなせなかった等)
- 今のシステムの機能が多すぎて覚えるのが大変、複雑すぎて使いこなせていない
導入実績
主に、製造業(生産管理・在庫一元化)、卸売・小売業(EC連携・在庫一元化)画面ですが、
建設業や自動車整備業(原価管理)など、業種を問わず「モノを保管し、売る・使う」企業への導入実績があります。
7章で挙げたロット管理・受発注管理・出荷管理といった機能は、いずれもカスタマイズ実績のある領域です。
まとめ
キントーンは、ノーコードで自分たちで業務アプリを開発でき、日常の細かい不満を自分たちの手で試行錯誤しながら、素早く改修できるのはとても優秀なアプリです。
フロントエンドシステムとして、とてもおすすめです。一方、デスクに座って腰を据えて扱う業務システムとしては少し物足りなさを感じます。
キントーンがお勧め/お勧めしない会社、そしてここまで解説したことを簡単におさらいします。
キントーンがお勧めな会社/お勧めではない会社
キントーンの導入を強くお勧めしたい会社と、一度、再検討をした方が良い会社は以下の通りです。
| お勧め | 部署内で完結する単一~小規模の業務(日報・稟議・案件管理など)を、10~30名程度の規模で管理したい会社 | 標準機能や安価なプラグインの範囲で「これで十分」と割り切れる会社 | |
|---|---|---|---|
| お勧めではない | やりたいことがふわっとしていて、要件が固まっていない会社 | 在庫の自動引き当てや複雑な受発注連携など、全体整合性が必要な基幹業務を任せたい会社 | 「今までのやり方」を100%再現したい、こだわりの強い会社 |
この記事の要点整理
詳しい解説は、各省のリンクをクリックすればご覧いただけます。
- 自社が「合う/合わない」は、業務の範囲・データ構造・運用体制・こだわりの強さで診断できる(2章)
- kintoneの機能拡張は標準機能→プラグイン→独自開発の3段階。「①だけで完結するか」が向き不向きの分かれ目(3章)
- 「検索」「通知」「カレンダー表示」など、一見標準でできそうな機能もプラグインが必要になることが多い(4章)
- 社内の情シス担当者による独自開発は、ゼロから作るシステムとは異なる特有の制約(トランザクションが無い、API上限、プラグイン衝突、本体アップデートの影響)がある(5章)
- コストはイニシャル・ランニングともに、標準機能→プラグイン→独自開発の順で跳ね上がる(6章)
- 在庫管理(発注・ロット管理・出荷管理・受注管理・棚卸・保管場所移動)を独自開発まで踏み込むと、月額コストは約12〜17万円まで膨らむ(7章)
- 利用人数の拡大、プラグイン累積、外部連携、外注依存、容量・API上限——コストが膨らむ5つのトラップに要注意(8章)
- 診断結果に応じて、標準機能で始めるか、プラグインの費用を洗い出すか、専用システムを検討するかを判断する(9章)
- 専用システムを検討するなら、「成長する在庫管理システム」は開発費〜500万円、ランニングは開発費の1〜1.5%、人数が増えても費用が変わらないという特徴がある(10章)
全社の基幹システムや業務の根幹を支える専用システムとしての導入は、システム構築やコスト面の観点から見てもあまりお勧めはできません。
一方、申請や日報の入力フォーム、進捗管理など、日々のちょっとした、困ったや不便の解消、情報共有などへの活用に向いているでしょう。
なお、ツール選びの前に、そもそもシステム導入でつまずく会社には共通点があります。システム導入でよくある失敗の原因と成功のポイントもあわせてご覧ください。
自社がどんなシステムを導入すればコスパが良いかを知りたい
「自社がどんなシステムを導入するのが、失敗せず最もコストパフォーマンスに優れているかを知りたい」というのが本音ではないでしょうか?
しかし、システム会社は基本的に自社のシステムを売ることが仕事です。「うちのシステムはあなたの会社に向いていませんよ」と本音をいうことは少ないでしょう。
在庫管理110番は「仕組み作りを支援する」ということが理念なので、自社開発の成長する在庫管理システムを無理に勧めるといったことは行いません。
最適なシステムは、あなたの会社の「業務・課題・レベル感」で決まります。決して多機能・高機能である必要もなく、既存のエクセルを活かしながら最小限で導入したほうが良い場合もあります。
相談することで「システム選定のモヤモヤが晴れて心が軽くなった」と言っていただけるようにご支援します。
自社の業務に合ったコスパの良いシステムを知りたい
成長する在庫管理システムの特徴や機能を知りたい場合はこちら
よくある質問(FAQ)


注意点が2つあります。1つ目は、本記事で解説したような複雑な受発注連携や厳密な在庫管理まで求める場合は、標準機能やプラグインだけでは対応しきれず、独自開発が必要になりコストが膨らみやすくなります。詳しくは1章の「合っている会社」「合っていない会社」をご覧ください。
2つ目は、属人化です。ノーコードで自由に開発ができるので個人仕様に簡単に変更できます。変更を承認制にする、開発したアプリごとに主担当を設け管理させるなど、個人仕様に陥らないようなルールと運用体制を作っておいた方が良いでしょう。




※ちなみに、成長する在庫管理システムの導入提案の場合でも、エクセルのまま残す、紙の運用をそのまま残すということを提案することも多いです。


本体ライセンスはスタンダードコースで月額1,800円/1ユーザー(税抜)です。最低契約数が10ユーザーからのため、最低でも月額18,000円が発生します。ここにプラグイン代や開発保守費が加わることもあります。詳しい内訳は6章をご覧ください。


















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