小売業や製造業、ECサイト運営などの現場では、在庫管理において、商品の正確な識別が求められます。
しかし、「商品の増加で今の管理方法に限界を感じている」「商品バリエーションが多く分析の複雑さに困っている」という方も多いのではないでしょうか。
そんな方には、「SKUコード」を活用した管理がおすすめです。
SKUコードを活用すれば、大量のバリーエーションがあってもミスなくすぐに商品の識別ができ、効率の良い在庫管理や詳細なデータの分析が実現できます。
本記事では、SKUコードの必要性から具体的な作り方、実用例、注意点まで徹底解説します。
- SKUコードの必要性
- SKUコード・JANコード・PLUコードの違い
- SKUコードの作り方
- SKUコードの具体的な使用例
この記事を読めば、SKUコードの作り方から、どんな時に使うのが効果的なのかまで網羅的に学べます。SKUコードを使いこなせるようになりましょう。
目次
SKUコードの用途と必要性
SKUコードとは、商品識別番号のことで「Stock Keeping Unit(ストック・キーピング・ユニット)」の略です。日本語では「最小管理単位」と訳します。
SKUコードの最大の特徴は、各事業者が自社のルールで独自に設定できる点です。
商品コードがあるにもかかわらず。なぜあえて独自のコードを設定する必要があるのでしょうか。
主な理由は以下の3点です。
商品ラインナップの拡充
取り扱う商品数が増えるほど、名前だけで商品を識別するのは困難です。
例えば、服や靴などは、1つの商品に複数のサイズや色があります。
下記のように、サイズと色が合計20種類あるTシャツでは、1つの商品コードによる管理は、価格は同じなので財務上では問題無くても、現場ではできません。

仮に、Tシャツが100枚あるということがわかっていても、現場が必要な情報は「色がグレーで、サイズがM」が何枚あるかです。
SKUコードを付与すると、数千・数万のアイテムがあってもシステム上で瞬時に、かつ正確に商品の識別が可能です。
これにより、出荷ミスや棚卸しの混乱を防いだり、受注から梱包・発送までの時間を短縮できたりと、在庫管理やサービスの質の向上にもつながります。
また、ラインナップの拡充にも柔軟に対応ができ、さらなる売上アップも見込めます。
在庫管理の適正化
SKU単位で商品を管理すると、「どのサイズが何個あるか」といったバリエーションごとの詳細な在庫状況をリアルタイムに把握できます。
適切なSKU管理は、欠品による機会損失や、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化を防ぐことにもつながります。
需要や顧客ニーズの分析に活用する
「どの色が売れているのか」「どのサイズが動いているのか」といった消費者の細かなニーズ把握するには、SKU単位の分析が不可欠です。
SKUコードを活用して詳細な分析を行うことで、新商品の開発や廃棄商品の決定といった的確な戦略立案が可能になります。
SKUコードの作り方
SKUコードを作成するための基本的な3ステップを紹介します。
管理項目を決定
まずは何を基準に区別するかを決めます。
例えば、「製造年」「シーズン」「アイテム種別」「カラー」「サイズ」など、どの項目を作ればすべての商品を識別できるか整理しましょう。
記号・番号を設定
前ステップで決定した各項目を識別するための文字や数字を決めます。
例えば、下記のようなイメージです。
- 2024年春夏 → 24SS
- カットソー → CS
- ホワイト → WT
- Mサイズ→M
記号・番号を組み合わせる
前ステップで決めたルールに従って、各項目を連結させます。
先ほどの例だと「24SSCSWTM」のようになり、SKUコードが完成します。
エクセルを使用したSKUコードの作り方
エクセルを活用すれば、関数を使ってミスなく大量のSKUコードを自動生成できます。
管理項目と記号・番号の表を作成
まず、「管理項目」と「対応する記号」のマスタ表を作成します。

VLOOKUP関数で記号を引用
次に、先ほど作成したマスタ表から、VLOOKUP関数を使って項目名に対応する記号を引っ張ってきます。

CONCATENATE関数ですべての項目を組み合わせる
抽出した各記号を「CONCATENATE関数」や「&(アンド)」で結合します。

これでSKUコードの完成です。
エクセルを使用することで、入力ミスや重複を防ぎながら、統一されたルールのSKUコードを作成できます。
SKUコードを作成する時のコツと注意点
SKUコードを作成する際には、以下の5点に注意しましょう。
番号の重複は避ける
管理の最小単位であるSKUが重複すると誤配送や在庫過多・過小など、さまざまなトラブルにつながります。
重複を避けるため、コードの一部に通し番号を入れ込むなど独自の対策を取ると良いでしょう。
「0」から始めない
管理に使用するソフトやシステムによっては、先頭の「0」が数値として処理され消えてしまう(例:001→1になる)ことがあります。
先頭は、0でない数字やアルファベットから始めるのがおすすめです。
商品区分別に番号を付ける
「シャツ」「ズボン」といった商品の種類に加えて、サイズ、「白」「黒」など、区分別に番号を割り振りましょう。
これにより、番号を見るだけで自社内の誰でもある程度の商品情報を判断できます。
この瞬時の判断が、結果的に作業時間の短縮や単純なミスの防止につながります。
桁数(文字数)を揃える
「8桁」や「10桁」など、全体の桁数は統一しましょう。
文字数がバラバラだと、並べ替え(ソート)をした際に順番が狂ったり、システムの読み取りエラーが起きたりと、さまざまなトラブルにつながります。
数字とアルファベットを混ぜる
数字のみだと、JANコードと混同したり、エクセルで指数表記(1.23E+11など)に変換されたりするリスクがあります。
視認性を高めるためにも、英数字の組み合わせがおすすめです。
よくあるSKUコードの具体的な3つの使用例
SKUコードが役立つ具体的なシーンを見てみましょう。
バリエーションの管理

「バネ」という一つの商品でも、直径が3種、色が4種あればSKUは12種です。
SKUコードがあれば、特定の「直径5cm・赤のバネ」についての在庫状況などを正確に把握できます。
トレーサビリティの確保

製造ロットや賞味期限ごとにSKUコードを分けることで、「いつ、どこで作られたものか」を追跡(トレーサビリティ)できます。
現場で先入れ先出しを運用ルールとすれば、SKUコードの指定がなくても出庫が可能となるため、食品や精密機器の管理に便利です。
しかし、品番が無限に増えてしまうため、SKUコードではなくロットでの管理がよりおすすめです。
価格変動による原価の把握

為替変動や仕入れ時期によって原価が異なる場合、SKUを分けて管理することで、より精緻な利益計算や原価管理が可能になります。
ただし、こちらも品番が無限に増えてしまうため、SKUコードよりもロットでの管理がおすすめです。
なお、いずれの場合も現場での情物一致が大前提です。
SKUコード・JANコード・PLUコードの違い
商品を判別するコードにはいくつか種類があります。
それぞれ混同されやすいため、整理しておきましょう。
| 比較項目 | SKUコード | JANコード | PLUコード |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | Stock Keeping Unit | Japanese Article Number | Price Look Up |
| 主な目的 | 自社内の在庫管理・バリエーション管理 | 世界共通の商品識別・販売管理 | 販売店での価格管理 |
| 管理主体 | 各事業者 | 国際標準(GS1)/ メーカー | 各販売店 |
| 一意性 | 社内でのみ有効 | 世界で唯一(重複しない) | 店舗内でのみ有効 |
| 価格情報の有無 | 基本的には含まない | 含まない | 価格情報と紐付いている |
| 主な活用シーン | バリエーションごとの在庫把握・棚卸し | レジでの販売管理 | 生鮮食品などの価格参照 |
SKUコード
SKUコードは、自社で自由に設定できる「社内管理用」のコードです。
最大のメリットは、商品の特徴(色・サイズ・素材など)をコードに盛り込める点にあります。英数字を組み合わせることで、システムを通さずとも人間が一目で内容を推測できるため、現場でのピッキングや在庫管理の効率化に最適です。
JANコード(バーコード)との違い
JANコード(国際的にはEANコード)は、世界共通の規格に基づいた商品識別コードです。13桁または8桁の数字で構成され、数字はそれぞれ「国番号」「事業者番号」「商品番号」を意味します。
バーコードとして機械で読み取ることで、レジでの販売管理をスムーズに行えます。
世界で唯一の番号のため、他社商品との混同を防げて流通管理には便利ですが、数字のみで構成されるため人間には商品内容が判別しにくいです。
また、JANコードは自社で勝手に作ったり、改変してはいけないものですのでご注意ください。
PLUコード(商品番号)の違い
PLUコードは、「Price Look Up」という名の通り「価格を調べる(照会する)」ためのコードです。
レジでバーコードを読み取った際、お店のデータベースから瞬時に価格情報を引き出す役割を担います。
主に、JANコードが付いていない青果物などの商品に対し、店舗が独自に設定するケースが多いです。
一方、バーコードでありつつお店の価格情報とも紐づいていれば、それはJANコードでもありPLUコードでもあると言えます。
JANコードと同じく数字のみの構成であるため、SKUコードに比べるとバリエーション管理や目視による判別には向いていません。
まとめ:SKUコードで適切な在庫管理を実現
在庫管理の最小単位である「SKUコード」の基本概念から、エクセルを用いた具体的な作成手順、設定時の注意点、役立つ用途まででを具体的に解説しました。
SKUコードは、単なる商品番号ではありません。
適切に運用することで、作業効率の向上、在庫の適正化、そして精度の高い分析を可能にする強力なツールとなります。
まずは自社の管理項目を整理し、コード作成から始めてみましょう。
今回の記事のポイントを簡単にまとめました。
SKUコードとは
1つの商品をバリエーション(色やサイズなど)ごとに細分化し、単品として管理するための事業者独自の識別番号です。
作成時に守るべき5つの注意点
- 番号の重複は避ける
- システムでの表示省略を防ぐため先頭を「0」から始めない
- 判別しやすくするため商品区分別に番号を付ける
- 規則性を保つため文字数(桁数)をそろえる
- 数字とアルファベットを混ぜる
エクセルでの作成方法と課題
管理項目と記号を定め、VLOOKUP関数やCONCATENATE関数などを組み合わせることで作成可能です。
ただし、無料で簡単に導入できる反面、手作業による入力ミスや計算式の間違いが起きやすいデメリットがあります。)
JANコードとの違い
SKUコードが「自社の在庫管理用(独自ルール)」であるのに対し、JANコードは「販売管理用の世界共通規格(13桁または8桁)」です。また、自社でJANコードは自由に作成できません。
SKUコードが必要になる3つのケース
- 商品のバリエーション(色やサイズなど)を1つ1つ個別に管理したい場合
- 製造ロットや製造日などでトレーサビリティを確保したい場合
- 仕入れ価格の変動などにより個別に原価を把握したい場合
SKUコード活用のメリット
- 情報処理が容易になり、取扱商品(アイテム)数を増やしやすくなる。
- 細かい単位で状況を把握でき、在庫管理がしやすくなる。
- どのバリエーションが売れているか把握でき、ニーズ分析・戦略立案に役立つ。
【結論】
SKUコードの活用は正確な在庫管理や売上アップに直結します。
ただし、エクセルでの管理は手作業のミスが起きやすいため、取扱商品が増えたら、在庫管理システムを導入したほうが良いでしょう。
作成ルールやシステム化でお悩みがあれば、システムの導入やプロへの相談がおすすめです。
SKUコードの作成・管理に役立つシステム

エクセルでの管理は手軽ですが、人為的なミスが発生したり、商品数に限界が来たりといった課題があります。
一方、プロの在庫管理アドバイザーが開発した「成長する在庫管理システム」を使えば、その心配はありません。
「成長する在庫管理システム」は、SKUコード管理、ECサイト連携など、現場の運用に合わせた必要な機能を柔軟にカスタマイズできるのが特徴です。
在庫管理のご相談・お問い合わせ

SKUコードの作り方や用途は分かった、、、
しかし、
- 自社の商品にどうやって適用すればよいかイマイチ分からない。
- 自社のSKUコードを設定するためには、どんなシステムを導入すればよいか知りたい。
- そもそも、自社にSKUコードが必要かどうかを知りたい
など、システムの導入や在庫管理に不安がある方は、在庫管理アドバイザーにお気軽にご相談ください。
まずは、自社の状況に合わせてSKUコードの作成や見直しから始め、必要に応じてシステムの導入を検討してはいかがでしょうか。




