あなたの会社で、こんなお悩みはありませんか?
- 倉庫がモノであふれていて、探しているものを見つけるのに時間がかかる
- 置き場以外(例えば通路)にも在庫が置いてある
- 倉庫に荷物が山積みで迷路のようになっている
- 在庫の増加に合わせて倉庫をどんどん増やしているのに欠品が減らない。
- いつか使う(売れるかも)と思い、在庫を捨てられない。
過剰・滞留・不良・不動在庫に悩んでいる会社は、同時に欠品の多さにも悩んでいることが多いです。
整理を行うことで倉庫内がスッキリするので、欠品も減ります。
在庫管理110番はこれまで数多くの在庫管理の支援を行ってきた経験からいっても、モノであふれている会社がまず真っ先に行うべき唯一の手段は整理です。
なぜなら、昔何度か整理を飛ばした改善にも取り組んだことがありますが、一度も成功しなかったからです。
整理は在庫管理の基礎土台になる現品管理の最初の一歩と言っても過言ではありません。
整理とは?
整理とは、いるものといらないものを分けて入らないものを捨てることです。
在庫管理の第1歩であり、整理抜きには在庫管理の改善はできないと言っても過言ではないでしょう。
整理がどの段階に当たるのかは、在庫管理改善の3ステップで全体の流れとして示しています。
整理をするメリット
整理は商品を捨てることなので、ある程度会社として重たい決断になります。
しかし、実施した会社は、「やる前は気が引けたけどやってみて本当に良かった」という声をいただいています。
整理をすることで、次のようなメリットがあります。
- スペースが確保でき、誰でも分かる「探さない・迷わない」効率の良い倉庫になる
- 滞留・不良・不動品になる原因が分かり対策を打てるようになる
- 会社の本当の財務状態が明確になる
- キャッシュフローが良くなり、資金繰りが改善される
ここで思いきらないと、改善できませんし、先にも絶対に進めません。
整理が必要な3つの理由
在庫管理ができていない会社が、過剰在庫・滞留在庫が増えるよくある原因は、
在庫を捨てるのがもったいない、いつか使える(売れる)かもしれないから取っておく
理由としては確かに正しいです。
在庫管理がうまくいっている会社でも過剰・滞留在庫は発生していますが、「いつか売れるかも」と残さずにその都度こまめに在庫を捨てています。
勿体ないのに整理して捨てるのはなぜでしょうか?その理由は3つあります。
経費の流出を防ぐため
在庫を持ち続けている限り、一般的に在庫の維持コストは、在庫金額の10~20%と言われています。
仮に、在庫金額が1億円なら在庫維持コストは1000~2000万円です。
在庫保管に関する主な経費
- 保管スペースの確保
- 在庫を探したり取り出したりする時間
- 作業人数
上記は、在庫が増えれば増えるほど積みあがってきます。
在庫に関する維持コストについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
在庫維持コストとは!?
急激な財務諸表の悪化を防ぐため
長年積みあがった在庫を一気に減らすと決算書に悪影響を及ぼします。
その理由は、粗利の計算方法にあります。
粗利益=売上-売上原価
売上原価=期首棚卸高+当期仕入高-期末棚卸高
在庫を捨てると、期末棚卸高が少なくなります。
期末棚卸高が少なくなると、売上原価が大きくなり、粗利益が小さくなります。
急に在庫を減らしてしまうと、粗利が急に減少します。
会社が続く限り決算書はずっと残り続けます。
在庫削減で在庫を一気に減らしてしまうと決算の結果が急激に変化してしまい、対外的な信頼を損ないかねません。
さらに、税務署からは税金逃れのための利益操作と受け取られかねません。
空きスペースを作って適切な置き場所を作るため
在庫が多い会社は、なぜか欠品も多いのが実態です
在庫が多いと、どこに何があるかが分からなり、あるはずのものが他のものの後ろに隠れて見つからないということが頻繁に発生しています。
在庫管理の土台は「何が、どこに、いくつあるか」が誰でもわかることです。
その土台を作るのは、「整頓」ですが、モノで溢れた倉庫では整頓を実現することは不可能です。
なぜなら、整頓をするためにはスペースが必要です。
不要なゴミや何年も使っていない在庫が混ざった状態では、スペース確保は困難です。
まず「整理」で不要なものを徹底的に排除し、スペースを確保した上で、初めて「整頓」の効果が発揮されます。
整頓の正しいやり方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
整頓の正しい進め方と維持する方法
赤札作戦は整理を進めるためのシンプルで一番効率的な方法
整理は、必要なモノと不要なものを分けて捨てるというシンプルな作業ですが、失敗しやすい作業でもあります。
失敗無く成功させるために一番お勧めなのが赤札作戦です。
赤札作戦とは、会社にある在庫の総点検を行い、不要なものに「赤札」を貼って整理品を見える化する方法です。
赤札作戦は次の5つの手順に従って実施します。
赤札作戦(整理)を成功させる5ステップ
それでは各手順を実行するポイントを具体的に解説します。
定義:赤札品にする基準を決める
赤札作戦が成功するかどうかは、赤札品の定義(赤札品荷する/しないの線引き)を適切に設定することにかかっています。
そのため、赤札品の基準は個人の主観や感情の入る余地を無くし客観的に決めなければいけません。
担当者によって判断基準がバラバラになってしまうからです。
特に、現場の人に任せてしまうと「いつか使えるかもしれない」という判断をしてしまい、赤札にならないモノばかりになってしまいます。
曖昧な基準設定は、赤札作戦の失敗を招きます。
※多くの会社では「赤札品の定義」を曖昧にしてしまっているため、失敗するケースが多いです。
赤札品の対象にするのは滞留・不良・不動在庫なので、原則動いていない=流動性が低いに着目します。
- 在庫回転率が低いもの
- 現時点の販売中止になっている商品、および販売中止品に使われている部品
- 廃番品
- 販売や生産に関係ないもの
- 最終出荷日から一定期間経過したもの
上記の中で、効果的・効率的に過剰・滞留・不良・不動在庫をあぶりだせるのは、在庫回転率です。
詳しい方法はこちらの記事で解説しています。
【滞留在庫】基準の決め方、削減、対策を方法が全て分かる
ただし、在庫管理システム等が無くデータが取れない場合は、足掛かりとして販売中止品(とその構成部品)や廃番品を対象にすると良いでしょう。
赤札を貼る:定義したものに漏れなく赤札を貼る
赤札の基準が決まったらとにかく迷いなく貼っていきましょう。
赤札をする場所の隅から隅まで、棚の上にあるものも全て降ろして確認して徹底的に貼っていきます。
なお、貼るかどうかを迷ったときは、とりあえず貼っておきます。
貼っておけば間違ったときに剥がすだけです。しかし、本来赤札であるものが貼られていないと、そのまま放置されてしまいます。
集める:赤札品の量の多さを実感する
赤札品を1か所に集める理由とメリット
- 赤札品を1か所に集めて赤札品の量を見える化する
- 倉庫スペースをリセットして再設計できる
集めるのは大変ですが、私の支援先では「大変だったけど、上記の理由で集めてみて結果的に良かった」と好評です。
減らす努力:期間を決めて、お金に変える努力をする ※事例あり
赤札にしたものは全て捨てるというのが教科書的ですが、実務的には期限を設定して一定期間(~6か月以内が妥当)減らす努力をします。
自社の商品なので、おおよそどんなお客さんが買ってくれるかは大体分かっていると思います。
減らす努力は、待つのではなくそういったお客さんに積極的に提案します。
事例を2つご紹介します。
- 赤札品をリストにして営業に回覧しました。
- 営業が売り先があるか、全く見込みが無いかを判断。
- 全く見込みが無いものは、その場で廃棄決定。
- 売れる見込みのあるものは、営業が提案して販売しました。
そもそも、滞留・不良・不動在庫は、営業が商品在庫があったことすら忘れていることが多いです。リストを渡すと、「まだその商品あったの?全部なくなったと思っていた。」という声が続出しました。
- 入り口の目立つ棚に未開封の釘がほこりをかぶった状態で6箱置いてありました。
- 5年以上売れていないようです。残していた理由は「もったいないから」。
- ただ、明らかな不動品だったので、一度買ってくれそうなお客さんに聞いてみてはどうか?とアドバイス。
理由を聞くと、その釘はある規格の厚みのある板専用だったそうです。
その規格の板は既に販売中止になっており、もらっても使い道が全く無いとのことでした。
その翌日、すぐに廃棄しました。
ただ単に販売するだけが方法ではありません。
抱き合わせで売ったり、中古買取業者に引き取ってもらったり、金属であれば最終手段として、資源回収会社に買い取ってもらえるでしょう。
なお、在庫管理110番でも買取サービスの「もったいないマッチング」を実施しています。
在庫管理110番が持つ買取業者ネットワークに買取を打診します。
売れない在庫をお金に換える!
廃却する
減らす努力をして期日内に「売れる見込みが全く無い」ということが分かったら覚悟を決めて廃却しましょう。
ここで「いつか売れるかも?」という淡い期待は絶対に止めましょう。
長年の在庫が蓄積して廃却金額があまりにも大きな場合は、一度に廃却すると決算書が急激に悪くなるためお勧めできません。
会社の信頼を落とさないように顧問税理士と相談して金額を決めて計画的に廃却しましょう。
在庫管理110番の整理の支援事例
在庫管理110番が支援した整理の実施事例を2つご紹介します。
あなたの会社の整理を実施する時の参考にしてください。
【事例1】樹脂製品メーカーの整理
整理を実施した背景と現状
樹脂製品を生産しているメーカーの社長からの相談で、何となく在庫が多いような気がするから調べてほしい。という相談を受けた支援事例です。
その会社が借りている4つの倉庫で赤札を実施。
倉庫には見込み生産で作った製品が山積み状態でした。
赤札品の定義
赤札の定義は、「3年以上出荷していないもの」という少し緩めの条件で赤札を実施。すると、すべての倉庫で20~30%が赤札の対象になり一目見て、「赤札が多いな・・・」というような感じでした。
赤札品の多さの実感
赤札品を集めてみると、なんと倉庫1個分くらいに在庫量でした。
廃却
出荷していないものを詳しく見てみると、平均で約10年間不動在庫でした。
倉庫賃料が10万円/月でしたので、約1200万円を不動在庫のために費やしていました。
そこで社長は、今回挙げた赤札品はもう売れないと判断。
その場で赤札品を捨てることを決断し、倉庫を1つ解約することにも成功しました。
【事例2】アパレル卸売会社
整理を実施した背景と現状
倉庫改革「モノで溢れていて、知っている人しか置き場が分からない倉庫を誰にでも分かる倉庫にする」の第一歩として、整理を断行しました。
赤札品の定義
整理対象は1年以上不動品としました。
集めてみると、不動品の在庫金額は在庫総額の15%を占めていることが発覚し社長が、まさかこんなにあるとは・・・と驚きを隠せないような状態でした。
減らす努力
その後、赤札品をリスト化して営業が取引先に提案。その結果、滞留在庫の70%を販売することができました。
廃却
整理品の対象の中でも3年以上不動のものと、営業が売れないと判断したものは即廃却。
そして、売る努力をしたが売れなかった30%の在庫を廃却しました。
原因追求と歯止めの仕組み作り
主な原因は、営業が売れ行きのいいものばかりを提案して完全に商品の存在を忘れていたことでした。
その後、この会社は滞留在庫・不動在庫の再発防止先を導入して、滞留・不動になるリスクを未然に抑える仕組みの導入を支援しました。
【事例3】機械製造メーカー
整理を実施した背景と現状
部品の保管場所も狭く、滞留在庫に悩んでいました。
さらに、その部署には開発畑を歩んできた社歴の長い古株がいらっしゃって、使うかどうかも分からない古い部品を大量にため込んでいました。
誰もその方に意見がでないことも悩みのタネでした。
赤札品の定義
在庫回転日数が360日以上、そして生産終了品の部品を対象としました。
ちなみに、生産終了品の部品は古株が置いていたものを一掃することが狙いです。
実行
赤札作戦を実施して分かったのは、生産終了品が赤札の50%以上を占めてことでした。
集める
この会社では、赤札品になったものを全て「青空市」と称して駐車場に並べました。
部品棚は、「現在生産しているものを置く場所」と決め、生産終了品を戻させないようにしました。
生産終了品を置く棚を設置して、古株の方には必要なものがあれば、この棚に置いてくださいとお願いしました。
なお、「青空市」には社長も呼び、滞留・不動在庫の多さ、そして部品棚と生産終了品を置く棚の運用をその場で説明し、承認を得ました。
古株の方はしぶしぶ了承して、自分が必要だと思う生産終了品を与えられた棚に保管しました。
廃却
生産終了品は80%を廃却することができました。
滞留・不動在庫の発生を防ぐ明日からできる方法
せっかく整理をしても、仕事の進め方や仕組みが変わって無ければ、数年後に元通りです。
今後、同じようなことが起こらないようにしなければいけません。
しかし、「気を付ける」では対策になりません。
会社全体の改善が必要ですが、手っ取り早くて効果が出る方法を1つお伝えします。
在庫回転率を使った在庫のモニタリングです。
滞留・不動在庫になりそうな商品を早期に見つけて対策を取ります。
- 回転日数の定義を作る
- 回転日数をモニタリングする仕組みを作る
- 対象になった商品をリスト化し、営業が売れる/売れないを判断して販売計画を立てる
- 販売計画の進捗をフォローする
先ほどの事例で紹介したアパレル卸売会社はこの仕組みを業務に導入することで、不良・不動在庫になるのを水際で止めて6か月間で50%以上、滞留・不動在庫を削減することに成功しました。
その事例を元に、簡単に仕組み作りの方法をご紹介します。
在庫回転日数の定義を決める
アパレルという季節性と流行に左右されやすい販売特性から以下のように回転日数を定義しました。

この会社では至急対策品をリストアップ対象にしました。
在庫回転日数をモニタリングする仕組みを作る
毎月、手作業でモニタリング表を作るのは現実的ではありません。
そこで、在庫管理システムとパワークエリを活用して作成する手間を無くしました。
パワークエリの活用方法はこちらをご覧ください。
なお、在庫管理110番の成長する在庫管理システムは在庫管理をモニタリングする機能が標準装備されてます。
成長する在庫管理システム
対象になった商品をリストアップする
モニタリングで至急対策品に当てはまった商品をリストアップします。
リストは、営業やマーケティング担当に共有して販売先および販売を促進するための施策を出して販売計画を立てました。
なお、この会社では月末は忙しいということで月の中旬にリストを渡すようにしました。
月末・月初は基本的に忙しいので、そういった時期を外すのがコツです。
販売計画の進捗をフォローする
販売促進施策を実行結果を毎月フォロー会議を行いました。
会議はPDCAに基づいて行います。
会議内容
- 販売計画で立てたタスクを実行したか?
- 計画通りに販売できたか、販売できなかったか?
- 挽回計画の立案、ダメなものは諦める
- 残っている商品の販売タスク計画および新規リストの追加
上記のしくみは、簡単なのでどんな企業でも取り組めるので、ぜひ一度お試しください。
【まとめ】整理・赤札作戦の具体的な進め方と再発防止の仕組み
この記事では、在庫管理や現品管理・5Sの基礎となる「整理」が必要な理由をはじめ、整理をシンプルかつ効率的に進めるための「赤札作戦」の5つの手順、そして過剰在庫や不動在庫を再発生させないためのモニタリングの仕組みについて解説しました。
整理が必要な3つの理由
慢性的な在庫過多を解消し、現場を改善するために最優先で取り組むべき「整理(不要なモノを捨てること)」には、以下の3つの重要な理由があります。
- 経費の流出を防ぐため:在庫を持ち続けると、保管スペースや探す時間など、在庫にかかる経費が積み上がっていくためです。
- 急激な財務諸表の悪化を防ぐため:期末在庫が一気に減ると、売上原価が増えて利益が減少するため、決算結果の急激な変化による対外的なイメージ低下を避ける必要があります。
- 空きスペースを作って適切な置き場所を作るため:不要なゴミや使っていない在庫を徹底的に排除(整理)してスペースを確保して初めて、置き場所を決める「整頓」の効果を発揮させることができます。
赤札作戦の具体的な5つの手順
必要なモノと不要なモノを分けて捨てるために最もお勧めな方法が、会社にある在庫の総点検を行い、不要なものに「赤札」を貼る「赤札作戦」です。以下の5つの手順に沿って実施します。
- 1. 定義(赤札品にする基準を決める):主観や感情ではなく、客観的な在庫回転日数(在庫回転率)を用いて「流動在庫(毎日動く)」「微動在庫(定期的に動く)」「不動在庫(長い間使われていない)」を数値化します。事例として、在庫回転日数が180日超または不動在庫を赤札対象に定義する方法があります。
- 2. 赤札を貼る:定義した対象に漏れなく赤札を貼ります。商品や部品だけでなく、場所を取りやすい段ボールや発泡スチロールなどの過剰な梱包資材(使用頻度が低いものを削減し、20種類から5種類に絞り込む等の事例)にも着目して実施します。
- 3. 集める:赤札を貼ったものを集め、赤札品の量の多さを実感します。
- 4. 減らす努力:キャンペーンを打つ、または買取業者へ打診してお金に変える努力をします。この作業は期日を決めて短期決戦で行います。
- 5. 廃却:売れないと分かった場合は、いつか売れるかもという淡い期待を絶対に止め、覚悟を決めて廃棄・処分します。
滞留在庫・不動在庫の再発防止(モニタリング手順)
一度整理を行った後、再び過剰在庫や不良在庫が発生するのを防ぐため、エクセル等を用いて在庫回転率をモニタリングする以下の仕組みを回します。
- 手順1. 商品ごとに1か月間の回転日数を計測する仕組みを作ります。
- 手順2. 1か月に1回、回転日数の計測結果を確認します。
- 手順3. 至急対策品や滞留在庫に当てはまった商品(例:在庫回転日数が90日以上のもの)をリストアップします。
- 手順4. 営業やマーケティング担当にリストを渡し、販売促進のための施策を出させます。
- 手順5. 提出された販売促進施策を実行します。
- 手順6. 販売促進施策のフォローを行います。
もったいないと思わずに思い切って「整理」を行うことで、社内の有効活用できるスペースが増え、会社の本当の財務状況もはっきりと把握できるようになります。
特別なシステムを使わずエクセルだけで簡単に始められるモニタリングの仕組みなどを取り入れ、ぜひ自社の業務改善にお役立てください。
よくある質問
倉庫が在庫であふれていて困っています。何から手をつければいいですか?
在庫管理110番の支援経験上、モノであふれている会社がまず取り組むべき唯一の方法は「整理」です。
その理由は、整理は整頓のためのスペースを確保するためのものでもあります。
私がコンサルティングを始めたころ、どうしても!という願いで整理を飛ばして「整頓」を使用としたことがあります。
元々スペースの無い場所ですから、どう頑張ってもパズルのように棚にギュッと詰め込むといった手立てしかありません。
整理を飛ばした整頓は絶対に成功しないと断言できます。
在庫がもったいなくて捨てられません。どう考えればいいですか?
もったいない気持ち、よくわかります。
在庫管理がうまくいっている会社でも、過剰・滞留在庫は発生しています。違いは「いつか売れるかも」と残さず、その都度こまめに捨てている点です。
なぜなら、捨てることで得られる経費削減や決算面のメリットが大きいからです。
在庫はお金でもありますが、動かない在庫はむしろ、会社からお金を奪う存在になります。
3つの視点から考えます。(賃料のムダ、時間のムダ、価値のムダ)
賃料のムダ
整理の対象になったもものはどれくらいありましたか?そして、どれくらい長い間、置かれていますか?
仮に、その在庫の保管期間が平均10年間、倉庫の約30%を占めていて、倉庫代が1年間で30万円であれば、300万円×0.3=90万円。
ずっと動かない在庫のために90万円を使ったということになります。
時間のムダ
また、モノが多いことで、4つのムダのうち、「探す・迷う」が頻繁に発生していませんか?
価値のムダ
その在庫に、当時と同じ価値はありますか?欲しいという人、部品であれば当初と同じくらいの頻度での使用頻度はありますか?
出ていかないということは恐らく、今は昔のような価値はありません。
整理をするとどんな効果がありますか?
大きく分けて2つあります。
有効スペースが確保できる
スペースが確保され、整頓された「探さない・迷わない」効率の良い倉庫になります。
在庫が投資資産として有効活用されている
今ある在庫金額が、売上に貢献しているということが眼に見えてわかります。
しかし、整理すべき滞留在庫が多い会社は、売上に貢献している在庫と貢献していない在庫の2層構造になります。

金額だけでは「動いている/動いていない」は見えないため経営層や外部(銀行や投資家)から見て投資判断がしづらくなります。
在庫管理110番が支援した卸売会社で、在庫はなぜか大量にあるのに毎月資金繰りに困っている(月末が近くなると胃が痛くなる)という社長さんがいました。
総在庫を「動いている/動いていない」で分類したところ、なんと動いているのはわずか20%で、他の80%は滞留という衝撃の事実でした。
社員からは、「必要だから在庫を持っている」と聞かされていたが、それにしてもお金がないのは、仕入れたモノがほとんど在庫として寝て資金滞留していることが原因でした。
在庫を持ち続けると実際どれくらいコストがかかっているんですか?
一般的に在庫の維持コストは在庫金額の10〜20%といわれています。
主な費用は、倉庫代、在庫を探す・取り出す時間、作業人数などが主なコストです。
不良在庫を一気に処分しても大丈夫ですか?決算への影響が心配です。
お勧めしません。税理士と相談しながら廃却金額を決めて、計画的に廃却を進めることをおすすめします。
長年積みあがった在庫を一気に減らすと、期末棚卸高の急減で売上原価が増え、粗利益が急減し決算に影響します。
だからこそ、毎年こまめに整理をして決算に影響を与えないようにします。
「赤札作戦」って何ですか?初めてでもできますか?
赤札作戦とは、この記事で解説した通り「整理する候補」を「赤札」を貼って見える化する方法です。
「定義→貼る→集める→減らす努力→廃却」の5ステップで進めるので、初めてでも取り組めます。
赤札にするかどうかの基準が分かりません。どう決めればいいですか?
個人の主観ではなく、在庫回転率や最終出荷日からの経過期間など客観的な基準で決めます。
データがない場合は、販売中止品や廃番品を対象にする方法もあります。
集めた不要在庫は捨てる以外に処分方法はありますか?
営業から取引先へ提案する、抱き合わせで販売する、買取業者に引き取ってもらう、金属であれば資源回収会社に買い取ってもらうといった方法があります。
在庫管理110番でももったいないマッチングというサービスをやってますのでぜひご活用ください。
整理をしても、またすぐに在庫が増えてしまいそうで心配です。
やるべきことが2つあります。
整理になった原因を調べてください。
共通点があるはずです。私の経験上、その会社特有の習慣などによる問題が潜んでいることが多いと考えています。仕組みを根本から見直さないといけません。
在庫回転日数のモニタリング
在庫回転日数をモニタリングする仕組みを作り、基準値を超えた品物を早期にリストアップする仕組みを作ります。
この仕組みを取り入れ、不良在庫のリバウンドを防いだのが、本記事で紹介した事例2です。
在庫回転日数って何ですか?どう活用すればいいですか?
商品がどれくらいの頻度で動いているかを示す指標で、流動・微動・不動などに分類する基準に使えます。
毎月モニタリングし、滞留しそうな商品を早期にリストアップして販売計画を立てる仕組みに活用します。
計算方法と活用方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
在庫回転率は適正在庫の指標におすすめ!過剰在庫を削減する方法
自社の適正在庫がわかると整理がしやすい
自社の滞留・不動在庫の基準を決めるために、自社の適正在庫金額を知っておくと、定義づけがしやすいです。
自社の適正在庫の考え方、求め方は、在庫管理110番で定期開催している「適正在庫と誰にでもできる仕組み作り」セミナーがお勧めです。

これまで、450人以上が受講した人気セミナーです。
対面(東京・大阪・名古屋)とオンラインで定期的にセミナーを開催しています。
実際の事例に基づいた内容で分かりやすいと好評です。
対面・オンラインで定期開催
在庫管理アドバイザーに直接相談したい
今回の記事で解説した通りの手順と注意点に気を付ければ、整理は必ず成功するでしょう。
しかし、
効果的に整理を進めたいのでアドバイスが欲しい、
倉庫の整理だけではなく、滞留・不動在庫を抑制する仕組もセットで作っていきたい
といったお悩み課題を直接在庫管理アドバイザーに、自社のことを相談できます。
今回解説した整理の方法や、滞留・不動在庫をこれ以上発生させない仕組み作りについてあなたの会社の状況に合わせてアドバイスします。


