今回は、生産リードタイムを短縮するために、削減すべき6つのムダについて解説します。
生産リードタイムとは、生産に着手してから生産が
完了するまでの時間(日数)のことです。
製品の生産は複雑な経路を経ているため、生産(製造)リード
タイムを分解すると様々なリードタイムが含まれています。
生産リードタイムを大きく分けると、
工程リードタイムと作業リードタイムがあります。
工程リードタイムとは、各工程の着手から完了までの
時間で、作業リードタイムとは、工程内の各作業の
着手から完了までのリードタイムのことです。
生産リードタイムが短くなればなるほど、生産日数が
短くなるので、仕掛品が減り、納期も短くなり、部品
在庫も減らすことができます。
生産リードタイムは減らせば減らすほど効果が上がります。
生産リードタイムの無駄
生産リードタイムには、たくさんの無駄があります。
リードタイムに潜む無駄を削減すれば、短縮して生産性を上げることができます。
ではどのようなことに着目すればよいでしょうか?
- 手待ちの無駄
- 運搬の無駄
- 段取りの無駄
- 行動の無駄
- 歩留りの無駄
- 作りすぎの無駄
手待ちの無駄
手待ちとは、何もせずに待っている無駄のことです。
手待ちが起こってしまう原因は、前工程との連携が
悪い(ラインバランスが取れていない)ことと、作りすぎ
によることが挙げられます。
生産計画がなく、現場が自由に製品を作りすぎたり、
突発的な生産指示が多いと起こりやすい無駄です。
運搬の無駄
工程順序とラインや設備のレイアウトが合っていないと、
頻繁に動かなければいけません。
在庫はなるべく使用する工程の近くにおきます。
段取りの無駄
段取りが必要以上に多くなると、無駄な時間が増えます。
毎回決まった段取りが必要な場合は、治具を作って
段取り時間を削減します。
そもそも段取りが必要ないように設計を変更したり、
ライン設備を工夫したりすることもできます。
- 行動の無駄
必要のない作業や加工を行っていませんか?
例えば、製品の加工の際に必ず生じる問題があり、
その問題を毎回作業者が除去していたとします。
事前に問題を取り除いておけば、そのような無駄は発生
しません。
作業者が自分のやり方で作業をやっている場合も
無駄な作業や加工が発生しているかもしれません。
作業標準を定めて、無駄な作業や加工を減らしましょう。
- 歩留りの無駄
歩留り率が悪いと、生産に必要な時間が増えます。
歩留まり率が0.7から0.8に改善しただけでも、10%の
生産率の向上=無駄な時間の削減になります。
歩留りとは、投入量に対する生産量の割合のことですが、
製造リードタイムの観点から大きくとらえると、不良や
手戻り、手直しも歩留りになります。
歩留りは、根本的な問題から発生することが多いので、
時間をかけてでも原因を追究して根本解決を図ります。
作りすぎの無駄
一番やりがちですが、一番やってはいけない無駄です。
見込みで作ったもの、まとめて作ったほうが段取りが楽だという理由で売れないもの(売れるまでに時間がかかるもの)
を作っていませんか?作業に投入した時間、材料が無駄になります。そして出来上がったものがスペースを占拠するため、
他の無駄を誘発します。
作りすぎの無駄は、工程間の能力のバランス。
作りすぎの無駄を見つけるのは、在庫量を見れば一目瞭然です。
仕掛品であれば、工程1の能力が500、工程2の能力が200だとすると、工程2の前に
工程1で作った仕掛在庫の山が発生します。
製品であれば、作ったものの一向に出荷されない、または出荷のスピードが遅い在庫です。
作りすぎの無駄は流動数曲線を作れば、簡単に見える化できます。
生産リードタイムは改善できる
発注リードタイムは外部(サプライヤー)との関係が
あり、自社の努力だけで解決できません。
しかし、生産リードタイムは工場だけの問題なので、
社内の努力だけで解決できます。
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