現状を把握したり、在庫の改善対象を決めたり、基準を決めたりするために在庫分析は欠かせません。
在庫分析によって、実績値ではわからない情報を読み取ることができ、欠品や過剰在庫を防ぎ、適正在庫の判断材料の第一歩になります。
分析というと統計学や難しい数式などを使わなければいけない・・・と思われるかもしれませんがそんなことはありません。
エクセルの折れ線グラフ等を使って誰でも簡単にできる方法をご紹介します。
目次
在庫管理110番では、経験の有無を問わず、誰もが在庫管理を学べる機会を提供しています。
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在庫分析方法
今回紹介するのは、5つのエクセルでできる在庫分析方法です。
- ABC分析:優先度を決めるときに使う分析方法
- 在庫回転率:在庫の流動性を見る分析方法
- ヒストグラム:バラツキを見る分析方法
- Zチャート:在庫などの推移と傾向を感覚的につかむ方法
- 流動数曲線:生産計画と実績を管理する手法(仕掛品管理)
どの分析方法もエクセルを使って簡単に計算できます。
今回は、それぞれの方法を簡潔に紹介します。在庫分析で使用する関数等エクセルを駆使する方法をまとめた記事もあります。
こちらも合わせてご活用ください。
ABC分析(優先度を見極める)
ABC分析とは「改善や対策の時に取り組む対象の優先順位を決めたいときに使える」在庫分析方法です。
在庫を品目や金額などに分けて分類したとき、データの占める割合の大きさに応じて、重点管理をする在庫を決めたりすることができます。
全体の大多数の結果は、ごく少数の要素が生み出すというパレートの法則(80対20の法則)にもとづいたものです。
在庫回転率の計算方法(在庫の流動性がわかる)
在庫回転率は、「在庫の流動性=在庫がどれくらいの期間で回転しているかを見る指標」です。
在庫管理を行う上で絶対に覚えておきたい分析値です。
在庫回転率が低いということは、在庫が工場に長いこと滞留していてお金に代わっていないということです。
在庫回転率の低い会社は、ほぼ例外なくキャッシュフロー(資金繰り)に困っている会社が多いです。
在庫はお金、つまり事業の資金が部品や製品にかたちを変えたものです。
在庫は顧客に販売するまでは、お金になりません。
会社経営の観点からみると、どれだけ早く在庫をキャッシュに変えるかが事業の継続と成長のバロメーターになります。
<在庫金額の計算式>
在庫回転率=期間中の出庫金額(数量)/期間中の平均在庫金額(数量)
➽在庫回転率について詳しく見る
(在庫回転率の計算と活用方法について解説しています)
ヒストグラムの作り方 (バラツキがわかる)
ヒストグラムは、「データの分布(バラツキ)を視覚的に見るための図」です。
在庫管理で、在庫推移をみる「折れ線グラフ」を作ることはよくあると思います。
一方で、ヒストグラムは少ないのではないでしょうか?
ヒストグラムは、在庫推移からはわかりにくいデータの偏りがパッと見て分かります。
例えば、安全在庫や発注点、発注数量を決めるときにとても役立ちます。
エクセルの機能を使って簡単に作れますが、折れ線グラフと違って「データを等間隔に分ける」ことが必要です。
等間隔に分けるかがヒストグラムを作るときの一番の悩みどころです。
作り方の手順とともに等間隔に分ける方法も解説しています。
Zチャートの作り方
グラフの形がZに似ているので、Zチャートと呼ばれます。
Zチャートとは、「推移と傾向を視覚的につかむためのグラフ」です。
例えば、前年と比べて売上は、増加傾向なのかそれとも低下傾向なのか、どれくらいの勢いで売上が増えているのか?
といった方法です。これを在庫分析に応用すると、在庫数の推移等、季節変動や在庫の増加や減少などの傾向を見れる在庫分析方法です。
(ℤチャートの作り方について、手順を含めて解説してます)
流動数曲線の作り方(生産計画と実績の管理)
流動数曲線は、生産管理手法(生産進捗管理)です。仕掛品の在庫管理に使用できます。(追番管理ともいわれています)
一般的に生産管理は、システムが必須であり複雑な計算や事前準備が必要です。
しかし、流動数曲線であればエクセルだけで、生産管理が可能になります。(実は、流動数曲線は、戦前の日本生まれの生産管理方法です)
特に、繰り返し同じ製品を作る部品メーカーなどにお勧めのシンプルな生産管理(進捗管理)方法です。
流動数曲線の利点は、次の4つです。
- 一目見たら状況がすぐに分かるシンプルさ
- マスター整備が不要
- 管理項目が少ない
- 専用のITシステムが無くても実施可能
必要なデータは、生産計画数と実績数だけです。
(流動数曲線の作り方について、手順を含めて解説してます)
在庫分析には在庫データが必要
今回は、5つの在庫分析テクニックを紹介しました。
在庫分析はエクセルでできますが、在庫データが絶対に必要です。
エクセルを利用すれば、在庫分析を実施することは可能です。
在庫データをためるのは、在庫管理システムの導入が必要です。
と言っても、わざわざ機能が多い在庫管理システムを導入する必要はありません。
最低限の機能だけで十分です。機能性よりも、「現場での使いやすさ、操作性の良さが重要」です。
「在庫管理110番」では、在庫管理のプロが手がけた「成長する在庫管理システム」を提供しています。
- 在庫分析(回転率、期間集の挿入出庫、開始・完了時点在庫数)
- 売上分析(取引先別の売上の予定・実績金額、期間指定可能)
などの機能があり、分析のにかかる手間を省くことができます。
見やすい画面で、システムが苦手な初心者でも操作が簡単です。
30日間無料でお試しできるので、在庫分析に活かせるのかトライアル期間でご確認ください。
自社の在庫状態を分析してほしい
在庫管理110番では、独自の在庫分析によってあなたの会社の在庫管理状態を分析・診断します。
在庫分析をするにあたり必要なデータをお知らせしますのでまずはお気軽にお問合せください。
ささいなことでもお気軽にどうぞ!