棚卸しに時間がかかりすぎて、通常業務が止まってしまう・・・
何度数えても数が合わず、原因究明にまた時間が・・・
もっと効率的に、正確に棚卸しを終わらせる方法はないだろうか?
こんなお悩みはありませんか?
棚卸しは在庫確認・決算のために重要な作業ですが、時間がかかる大変な作業です。
そこでこの記事では、楽に・効率化する3つの方法を解説します。
この記事を読めば、あなたの会社の棚卸しにかかる時間を大幅に短縮し、ミスのない正確な在庫管理を実現するヒントが得られます。
ぜひ、時間のかかる非効率な棚卸しから解放され、本来の業務に集中できる環境を手に入れてください。
在庫管理アドバイザーの実際に効果が出たノウハウが学べる
目次
棚卸はコストと時間がかかる面倒な作業
棚卸は、とても手間が作業です。さらに棚卸期間中は、原則業務をストップしなければいけません。
つまり、売上(生産や販売)を作る時間を損失するということです。
そんな中で、棚卸作業は「正確に、しかもスピーディー、高い精度」でやる必要があります。
今回私がご紹介する3つの方法を使えば、棚卸作業の効率化と精度アップが見込めます。
棚卸にかかる時間を予測する方法
棚卸にかかる時間は、ある程度予測することは可能です。
必要な情報は、以下の3点です。
- 棚卸する商品(部品)点数
- 棚卸作業をする人数
- 1点当たりの棚卸にかける時間
計算例
- 棚卸点数:5000点
- 棚卸作業の人数:8人
- 1点当たりの棚卸時間:70秒
棚卸に必要な時間(秒)=5000×70秒=350,000秒
作業員一人当たりの時間:350000÷8=43750秒
秒を時間に直す=43750÷3600=12.1時間
棚卸に時間がかかる理由
棚卸作業で一番時間を使うのは、「数えること」です。
また、棚卸ミスの発生しやすいのも数える作業です。
特に、ネジなどの小さく数の多いものを数え続けていると集中力が切れて、数え間違いも起こりやすくなり精度も落ちてしまいます。
そこで、棚卸作業を楽にしつつ、効率化して時間短縮する方法が求められます。
棚卸作業を楽にして効率化する3つの方法
棚卸作業を効率化するためには、ITの導入が効果的です。
ここでは、特に棚卸作業を楽にして効率化する3つの方法をご紹介します。
- バーコード、QRコード:棚卸表への入力の手間とミスを無くす
- RFID(ICタグ):離れたところから在庫を一気に棚卸できる
- IoT重量計:乗せっぱなしで棚卸が終わる
棚卸作業をバーコード・QRコードで効率化
棚卸作業の効率化で最初に思いつくのが、バーコードによる棚卸です。
棚卸の主な作業工程は、
- 数を数える
- 棚卸表に手書きで記載する
- パソコンに転記する
ですが、バーコードを導入すると2が読み取りになり3が無くなるので、
- 手書きと入力する手間が無くなる
- 書き間違いのミス、入力ミスが無くなる
効率だけではなく、ミスも無くなります。
棚卸表や棚札にバーコードやQRコードを埋め込むとよいでしょう。
バーコードやQRコードの作成方法
専用ソフトは不要で、エクセルで自作できます。
エクセルであれば、自由なレイアウトで作成でき、現場やニーズに応じて、すぐに修正も可能なのでおすすめです。
エクセルによるバーコード・QRコードの作り方はこちらの記事で詳しく解説しています。
エクセルでバーコード・QRコードを作成する方法(無料フォーマットも配布中です)
合わせて、棚札の作り方もご紹介しています。自社の棚札づくりの参考にしてください。
RFID(ICタグ)で効率化
RFIDとは、Radio Frequency Identifierの略語で、電波や電磁波を使って、ICタグの情報を読み取る仕組みです。
ユニクロの会計で、白いボックスに商品を入れると買取価格が一度に出てくるあのしくみです。
RFIDの強みは、次の3つです。
- 離れていても読み取れる
- 一度に複数読み取れる
- タグが隠れていても良い
バーコード・QRコードの場合は、棚札を1つ1つ読み取らないといけませんが、RFIDの場合はその手間がありません。棚卸にRFIDを導入したアパレル会社は、約84%も削減したという事例もあります。
RFIDの特徴と在庫管理の方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
IoT重量計で効率化
IoT重量計とは、ハカリのようなものに在庫管理するものを載せて、その重さで数量を管理します。
これまでの方法と違って、数えるのが難しい液体や粉体などの管理ができることが大きな特徴です。
また、IoT重量計は重さの情報を定期的にシステムに送信しているものが多いため、基本的に乗せっぱなしで良く、数えない在庫管理を実現できます。
つまり棚卸も、少しの間何もしないで待っているだけで、全ての在庫管理が終了します。
IoT重量計を導入するメリットと特徴はこちらの記事で詳しく解説しています。
導入したのに効率化が実現できなかった3つの理由
在庫管理110番では、「バーコード・QRコードを導入したのに効率化が進まなかった、どうすればいいですか?」といった相談をいただくこともあります。
適切に導入すれば必ず効率化できるので、進まない3つの原因を解説します。
在庫管理の対象と選んだ方法が合っていない
業者のデモを見るだけで、最新の技術に飛びついてはいけません。
それぞれの方法には強み・弱みだけではなく、向いている商品・向いていない商品があります。
特にRFIDとIoT重量計は、向いている商品が全く違っており、注意が必要です。
RFID | IoT重量計 | |
---|---|---|
向いている商品 | 個品管理ができるもの | 数えにくいもの |
向いていない商品 |
|
|
RFIDは個品管理ができるものに向いている
RFIDは、商品1つ1つにタグをつけられる商品に向いています。
電波を使うので、電波が届かない距離にあったり、水分や金属など遮断するような障害がある場合は使えません。
RFIDタグは使い捨てになることが多いため、利益率を圧迫するような単価の安い商品にも不向きです。
向いている商品例:衣料、宝飾品、書籍等です。
IoT重量計は数えにくいものに向いている
IoT重量計は、液体など重さ管理をしたい商品、電線などの数えにくい商品にも向いています。
載せられる重さ、そして量れる最小重量単位が決まっているため、スペックに合わない商品には使えません。
また、重量計を置くスペースの確保も必要です。
棚卸ミスが多い
せっかく効率化技術を導入したのに、棚卸作業がルール化されておらず、数え間違い・違ったものを数えてしまう、他の人が数えていると思った・・・など棚卸ミスが多いと意味がありません。
棚卸が合わないとずっと悩み続けている会社は多いですが、棚卸精度を上げるために棚卸差異の削減に取り組む必要があります。
必ず削減できるので、あきらめずに挑戦してください。
棚卸差異を無くすための着目点などを他の記事で解説していますので、ご確認ください。
棚卸品を探している時間がある
冒頭に説明した棚卸にかかる時間を一度算出してみて、計算結果よりも大幅に時間がかかっている場合は、一度棚卸作業以外で時間がとられている可能性があるので、一度現状核にすることをお勧めします。
特に、着目したいのは棚卸品を探している時間があります。
- あるべきはずの場所に置かれていない
- 他の商品に隠れていて見えなかった
- 棚札が無く、商品が合っているかどうか確認をしている
私の経験上、棚卸に時間がかかっている会社は、数えている時間よりも探している時間が長いです。
棚卸の効率化を実現するための事前準備
棚卸が効率化できるかどうかは、棚卸をやる前に既に決まっています。
棚卸効率化ツール導入の効果を実感して、棚卸の時間短縮と精度を上げるためには次の事前準備が必ず必要です。
2S(整理・整頓)
特にお勧めしたいのは、在庫管理の基本中の基本である、2S(整理・整頓)です。
私が在職していた会社でも、整理・整頓をすることで、棚卸時間を2日から1日に短縮した経験があります。
整理・整頓は次のページで詳しく解説しています。
在庫管理システムの導入
エクセルで在庫管理をしている会社は、ほぼ例外無く棚卸に時間がかかっており、精度が低いです。
エクセルによる在庫管理は、各担当者に委ねられてしまうため属人化になりやすいです。
在庫をシステムで一元管理しましょう。
在庫管理110番では、自社の業務に合わせたシンプルで使いやすい「成長する在庫管理」を開発提供しています。
正しい棚卸の方法を学ぶ
棚卸は、ただ目の前にある商品や部品を数える作業ではなく、ある時点の資産を数える作業です。
一方、棚卸に職人的な技術は不要で、やるべきことを淡々とこなすことが求められます。
正しい棚卸の方法を学べば、棚卸時間を短縮可能です。
たとえば、在庫管理アドバイザーが支援した会社では、棚卸時間を7日間から4時間に短縮し、在庫精度を30%から97%に引き上げることに成功しました。
実地棚卸の方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
棚卸改善セミナー
在庫管理110番では、棚卸の精度と時間短縮を両立することができるノウハウを伝える「棚卸改善セミナー」を定期的に開催しています。
コンサルティングの現場で実証済みの方法のポイントを明日から実践できるように分かりやすくお伝えします。
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