棚卸で売れていない商品が結構あることに気づいた。
気がついたら滞留在庫が増えてきた。
過去の販売実績に基づいて仕入れをしたら在庫が余り出した。
もっと早く気付けば売れていたのに・・・。
そこで、不動在庫化する前に滞留在庫を見つける方法、そして削減する方法について詳しく解説します。
滞留在庫とは?
滞留在庫とは、これまでよりも売れ行きや使用頻度が鈍くなったものです。
低回転率品と呼ぶこともあります。
滞留在庫化する主な原因は、次のようなことが考えられます。
- 商品寿命や流行がピークから下降しており需要が減ってきている
- 競合の参入による需要の食い合い
- 季節限定商品のシーズンが過ぎたがまだ在庫があるもの
- 新製品やモデルチェンジの登場
気づくのに遅れたり、何も対策を打たずに放置すると、滞留在庫は不動在庫化するので、より販売や処分が難しくなるので早く見つけて対処しなければいけません。
動かない在庫には、過剰在庫や不動在庫があります。
混同しないように注意しましょう。
➤「不動在庫」とは|余剰在庫・滞留在庫との違い、対策すべきポイント
滞留在庫を効率良く早期に見つける方法
とはいえ、大量にある商品の中から手作業で滞留在庫を見つけるのは一苦労です。
そこで、エクセルやシステムなどを使って効率良く滞留在庫を見つける仕組みの作り方を解説します。
滞留在庫を早期に見つける仕組み作りは次の3ステップを踏みます。
滞留在庫を早期に見つける仕組み作り
各ステップについて具体的な進め方を解説します。
滞留在庫の基準を決める
滞留在庫かどうかは、流動性(在庫回転日数)を使って決めます。
流動性の決め方は、一括で決められる場合と個別で決めなければいけない場合があります。2つあります。
一括で決められる場合
似たような需要の商材を扱っている場合は、一括で決めることができます。
例えば、季節の影響を受ける商材などでは、売れ行きの良い期間を流動性のある期間の日数を基準としてその日数を超えたら、滞留在庫化リスクありと判断します。
たとえば、売れ行きの良い期間が90日だとすると、在庫回転日数=90日が基準値です。
一括で決められない場合
各商品によって需要傾向が違う場合は、個別で設定します.
設定するコツは、商品を扱う時に販売計画を立てて基準を設定することです。
たとえば、1回の仕入れを60日で売る販売計画を立てた時の在庫回転日数は60日です。
基準に基づいてリストアップする仕組みを作る
基準値を作ったら、少なくとも1か月に1回はリストアップしましょう。
システムが無くてもエクセルで可能です。
エクセルで行う時の手順は次の通りです。

運用方法
- 月初と月末の在庫を記録しておく
- 1か月間の出庫数(販売数や使用数)を合計する
- 在庫回転日数を計算する
- 塗りつぶされたものをフィルターで絞り込む
※条件付き書式を設定して、基準に達したものを塗りつぶすように設定します。
(参考:条件付き書式の設定方法)
在庫管理システムには、在庫回転日数をモニタリングする機能をもっている場合もあります。
在庫管理110番の成長する在庫管理システムは、在庫回転日数を自動で計算する機能が標準装備されています。

自社に合わせて滞留在庫の基準に達したものを自動でリスト化したりメールでお知らせする機能を追加することも可能です。
放置せず進捗を追う仕組みを作る
リストを作るだけでは意味がありません。
リストを担当者に配布、逆に対策まで行わなければ意味がありません。
次のような手順でやりっぱなしにせずやり切る運用ルールを作りましょう。
- リストを配布する
- 担当者は滞留在庫の削減に向けて対策を実行する
- 会社全体で進捗を追い、やりっぱなしにしない
滞留在庫の適切な削減方法
具体的に滞留在庫を削減する方法を解説します。
ここで解説する順番で施策を進めると良いでしょう。
原因を調査する
まず、最初にやるのは需要が減っている原因を調べます。
- 終売の予定があるか?(販売終了、モデルチェンジなど)
- 需要の減少の原因を調べる
需要減少の主な原因は以下の通りです。
- 季節など売れるシーズンが過ぎている
- 商品寿命や流行がピークから下降
- 需要は旺盛だが競合の参入による需要の食い合い
発注量を減らす
これまで通りの発注量だと滞留在庫が増えていく可能性が高いので発注量を減らします。
終売の予定がある場合と無い場合、それぞれで解説します。
終売の予定がある場合
終売の予定がある場合は、関連部署と調整をして発注量を減らしたり、最終発注時期を調整してできる限り減らします。
製造業の場合は、製品だけではなく、製品に紐づいた部品までチェックしなければいけません。
終売の予定が無い場合
季節など売れるシーズンが過ぎている、商品寿命や流行がピークから下降している場合は、今後の発注量を減らしてあまりが出ないようにします。
競合の参入によって、需要を食い合っている場合は、会社としてどのような対策を取るかによって、発注量を維持または減らす判断をしましょう。
買取業者に売却する
削減し切れなくて余ることもあるでしょう。
頑張って売り続けても良いですが、益々商品価値が無くなり売りにくくなります。
そんな時に、買取業者に売却するという方法があります。自社だったら「破棄する以外の処分方法が見当たらない」と判断してしまう物品でも、買取業者は通常と違う独自の販売ルートを持っている場合もあります。
買取業者は、それぞれ得意分野を持っていることが多く買取り可能エリアや買取り可能な商品のジャンルなど、業者が定める買取り条件を確認できます。買取り条件を確認すれば、自社にあった業者を見つけることができるでしょう。
早期に買い取ってもらえれば、買取価格も高くなる傾向があります。
自社ではどうしようもない・・・と、滞留在庫の削減方法に迷っている経営者や在庫管理担当者の方は、買取業者への売却を検討することをおすすめします。
在庫管理110番では、滞留・不動在庫の買取を行う買取マッチングを行っています。
廃棄処分を実施する
滞留在庫のなかには、買取業者でも滞留在庫の買取りできないほど劣化した品物が含まれているケースがあります。劣化が激しい品物に関しては、廃棄処分の実施を検討しましょう。
冒頭でお伝えしたように滞留在庫は、倉庫に倉庫に保管しているだけでも、保管料や人件費などの管理のための経費が、必要以上にかかってしまいます。
賞味期限切れの飲食物や消費期限が過ぎた洗剤など、廃棄する以外に方法がないものは、正当な手続きを経た後、速やかに廃棄処分を行いましょう。先延ばしにしたら、その分だけ管理費がかかることを忘れてはいけません。
在庫管理110番の「もったいないマッチング」を利用する
滞留在庫の削減を検討している経営者や在庫管理責任者の方に、在庫管理110番の「もったいないマッチング」の利用をおすすめします。
もったいないマッチングとは、滞留在庫を抱える企業様に買取業者を紹介する画期的なサービスのことを指します。
滞留在庫専門の買取業者によっては、それぞれ異なったポイントがあります。たとえば、「買取り品目の得意・不得意」や「買取りエリアの限定」などです。
自社商品のジャンルや在庫保管エリアを考慮したうえで、依頼先となる滞留在庫の買取業者を選ぶことが重要です。
在庫管理110番のもったいないマッチングでは、企業様が抱えている滞留在庫の売却条件を満たした買取業者を選定いたします。また、
- 一般消費者に販売したくない
- 同業他社への販売・告知を避けたい
- 自社製品の販売エリアでは売りたくない
といった、NG販路や希望販路にも対応可能です。在庫管理110番へ、一度ご相談ください。
【事例】滞留在庫を可視化し、発生を抑制
在庫管理110番が支援した滞留在庫の可視化と発生を抑制する仕組みをご紹介します。
この仕組みを導入した結果、常時20%だった滞留在庫金額を常時5%以下に抑えることができました。
雑貨を扱う会社で、シーズンが過ぎてしまうと売れ行きが急降下する流行に左右されるような商品を多く扱っていました。総在庫金額に占める不良・滞留在庫の割合は20%と非常に多い状態が長年ずっと続いていました。
滞留在庫の基準を決める
需要傾向が似ている商材だったので会社として一括で滞留在庫の基準を180日(在庫回転日数が180日超で滞留在庫と判定)としました。
アパレルという季節性と流行に左右されやすい販売特性から以下のように回転日数を定義しました。

滞留在庫をリストアップする仕組みを作る
月に1回、基幹システムのデータとエクセルを使って滞留在庫を作りました。

エクセルを使う時は、作成を効率化するとお勧めです。
その時に役立つのは、エクセルのパワークエリ機能です。
マクロのようにプログラミングの知識は不要で、簡単に使いこなせます。
在庫管理110番では、初心者向けにパワークエリの解説をしています。
Power Query(パワークエリ)の使い方【実例・練習用エクセル付き】
対象になった商品を営業に渡す
リストアップした商品を各担当営業に配布して、取引先に提案します。
なお、リストを作って渡す時期は毎月第2週に設定しました。
※月末・月初は、締め業務などが多く忙しいため。
販売計画の進捗をフォローする
さらに毎月1回、リストの進捗をフォローする会議を開きました。
会議内容
- 販売計画で立てたタスクを実行したか?
- 計画通りに販売できたか、販売できなかったか?
- 挽回計画の立案、ダメなものは諦める
- 残っている商品の販売タスク計画および新規リストの追加
滞留在庫を放置する4大リスクについて
滞留在庫を適切な方法で削減せずに放置してしまうと、さまざまなリスクが生じます。
代表的な滞留在庫のリスク
- 管理コストの増加
- 生産性の低下
- キャッシュフローや資金繰りの悪化
- 融資審査が通りにくくなる
それぞれについて解説します。
リスク1:管理コストの増加
滞留在庫を放置してしまう大きなリスクは、管理コストが増加してしまうことです。
滞留在庫を削減せずに在庫を抱えてしまうと、保管のために必要となる
- 倉庫費用
- 人件費
- 光熱費用
などの様々なコストが発生し続けます。
また、販売できる可能性の低い商品や製品にコストを費やし続けることによって、経営資金の運用圧迫や資金流動の悪化などを引き起こすリスクが高まります。
このような付帯リスクを回避するためにも、滞留在庫を適切な方法で削減することが大切です。
在庫管理110番では、各企業様の「滞留在庫の削減」について相談を承っています。
企業様からヒヤリングを行ない、滞留在庫の適切な削減方法を提案したうえで、「管理コストの負担額軽減」などをサポートします。
リスク2:生産性の低下
滞留在庫が増えるということは、倉庫に残る在庫が増えていっている状態です。
そうすると置き場が無くなるため、所定の場所に置けなくなります。
すると、仮置きや通路などへの床置きが増え、どこに何があるかが一目で分からなくなます。ピッキング時に在庫を探す時間が増え、出荷作業の生産性が低下します。
リスク3:キャッシュフローや資金繰りの悪化
滞留在庫を放置することで、キャッシュフローや資金繰りが悪化するリスクがあります。
キャッシュフローとは、一定期間内の資金流動や現金収支のことを指します。
製造業や卸売業を営む企業は、商品を販売することで利益を上げています。
つまり、滞留在庫を抱えたまま商品が販売できなければ、獲得できるはずの利益額が失われてしまうことになるのです。
滞留在庫があるということは、仕入れをしてもそれが現金化していないという証拠です。
以上のことから、滞留在庫の抱え込みを解消しないままでいると、自社商品の販売台数が伸び悩み、キャッシュフローや資金繰りの悪化を招くリスクがあるといえます。
在庫管理110番では、滞留在庫を放置することで生じる「キャッシュフローや資金繰りの悪化リスク」について、相談を承っています。
企業様が抱える滞留在庫の特徴や保管状況を踏めたうえで、貴社にあわせた具体的な削減方法を提案いたします。
リスク4:融資に関する審査が通りにくくなる
滞留在庫を放置してしまうと、融資に関する審査が通りにくくなるといったリスクもあります。
金融機関や融資会社が実施する融資審査では、在庫回転率が低いほど審査に通りにくい傾向にあります。
滞留在庫を抱えたままにしていると在庫回転率が低下し、滞留在庫を抱えている危険性が高いと判断されてしまう可能性が高くなります。危険性が高いと判断をされてしまうと、金融機関や融資会社から問題視されて、融資審査の通過率が悪くなる恐れがあります。
上述のような事態を回避するためにも、滞留在庫を適切な方法で削減させることが必要です。滞留在庫を放置したままにしておくと、在庫回転率の改善が見込めず、融資審査の通過率が悪化するリスクが残ります。
まとめ:滞留在庫の早期発見と適切な削減で放置リスクを回避する
この記事では、不動在庫化する前に滞留在庫を見つける方法、そして削減する方法について詳しく解説しました。棚卸で売れていない商品に気づいたり、仕入れ後に在庫が余り出したりした場合は、早く見つけて対処することが重要です。
滞留在庫の概要と原因
滞留在庫とは、これまでよりも売れ行きや使用頻度が鈍くなったものであり、低回転率品と呼ぶこともあります。放置すると不動在庫化し、販売や処分がより難しくなります。主な原因は以下の通りです。
- 商品寿命や流行がピークから下降しており需要が減ってきている
- 競合の参入による需要の食い合い
- 季節限定商品のシーズンが過ぎたがまだ在庫があるもの
- 新製品やモデルチェンジの登場
滞留在庫を効率良く早期に見つける3ステップ
大量の商品から手作業で見つけるのは一苦労であるため、エクセルやシステムを使って効率良く見つける仕組みを作ります。
- STEP1:滞留在庫の基準を決める
流動性(在庫回転日数)を使って決めます。季節商材などで売れ行きの良い期間を基準(例:90日)として超えたらリスクありと一括で決める方法と、販売計画(例:60日)に基づいて商品ごとに個別で設定する方法の2つがあります。 - STEP2:基準に基づいてリストアップする仕組みを作る
少なくとも1か月に1回はリストアップします。エクセルでは、月初・月末在庫の記録、1か月間の出庫数の合計、在庫回転日数の計算を行い、条件付き書式で基準に達したものを塗りつぶしてフィルターで絞り込みます。在庫管理システムでは、在庫回転日数を自動計算する機能をもつ場合もあり、在庫管理110番の「成長する在庫管理システム」には標準装備されています。 - STEP3:放置せず進捗を追う仕組みを作る
リストを配布し、担当者が削減対策を実行し、会社全体で進捗を追うというやり切る運用ルールを作ります。
滞留在庫の適切な削減方法
以下の順番で施策を進めることで、適切に滞留在庫を削減します。
- 原因を調査する:終売(販売終了、モデルチェンジなど)の予定があるかや、シーズン過多、流行の下降、競合参入などの需要減少の原因を調べます。
- 発注量を減らす:終売予定がある場合は関連部署と調整して最終発注時期などを調整し、製造業では部品までチェックします。終売予定がない場合は今後の発注量を減らし、競合参入の場合は発注を維持か減らすか判断します。
- 買取業者に売却する:独自の販売ルートを持つ業者へ早期に売却することで、買取価格も高くなる傾向があります。在庫管理110番では買取マッチングを行っています。
- 廃棄処分を実施する:劣化が激しく買取できない飲食物(賞味期限切れ)や洗剤(消費期限切れ)などは、管理費の先延ばしを防ぐため速やかに廃棄します。
- 在庫管理110番の「もったいないマッチング」を利用する:自社商品のジャンルやエリア、NG販路(一般消費者に販売したくない、同業他社への告知を避けたい、自社製品の販売エリアを避けたい等)や希望販路の条件を満たした買取業者を選定・紹介するサービスです。
滞留在庫を可視化・発生抑制した支援事例
在庫管理110番が支援した雑貨を扱う会社の事例では、常時20%だった滞留在庫金額を常時5%以下に抑えることに成功しました。
- 基準の設定:季節性と流行に左右されやすい特性から、一括で180日超を滞留在庫と判定。
- リストアップの効率化:月に1回、基幹システムのデータとエクセルのパワークエリ機能(マクロのようなプログラミング知識不要の機能)を使ってリストを作成。
- 営業への配布:締め業務で忙しい月末・月初を避け、毎月第2週に各担当営業へ配布して取引先に提案。
- 進捗フォロー:毎月1回、タスクの実行有無、計画通りの販売成否、挽回計画の立案、新規リストの追加などを行う会議を開催。
滞留在庫を放置する4大リスク
適切な削減を行わずに放置すると、以下のリスクが生じます。
- 管理コストの増加:倉庫費用、人件費、光熱費用が発生し続け、経営資金の運用圧迫や資金流動の悪化を引き起こします。(在庫管理110番では無料相談・削減サポートを受付中)
- 生産性の低下:置き場が無くなり仮置きや通路への床置きが増えるため、ピッキング時に在庫を探す時間が増えて出荷作業の生産性が低下します。
- キャッシュフローや資金繰りの悪化:仕入れても現金化していない証拠であり、商品が販売できなければ獲得できるはずの利益額が失われ、資金繰りが悪化します。(在庫管理110番では特徴に応じた削減方法の提案・相談を無料受付中)
- 融資に関する審査が通りにくくなる:金融機関等の審査では在庫回転率が低いほど通りにくい傾向があり、危険性が高いと判断されて通過率が悪くなる恐れがあります。
保管倉庫に眠る滞留在庫の削減実施を検討しているが、実際に何から手を着ければよいのかわからないというときは、自社の業務改善にお役立ていただくためにも、まずは在庫管理110番の無料相談へお問い合わせください。
滞留在庫の削減について興味のある方はこちらへ

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