棚卸減耗とは、実地棚卸で数えた在庫数とデータ上の在庫数が違うことを言います。

例えば、

  • データ上は100個在庫がある
  • 実際に数えてみると98個しかない

という場合は、2個の棚卸減耗になります。

じつは棚卸減耗が多発してしまうと、経営を圧迫します。

仕訳・会計処理でも「棚卸減耗損」や「棚卸減耗費 」「商品評価損」として処理しなければなりません。

商品評価損について学ぶ

棚卸減耗でお困りの場合は、まず理由を明らかにしましょう。

おもな原因には、以下の5つがあります。

  • 出庫漏れ
  • 品質低下
  • 紛失
  • 盗難
  • 破損

自社で棚卸減耗が起きる原因が特定できなければ、対策もできません。

今回は5つの問題について、在庫管理のプロが徹底解説します。

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棚卸は精度が命

帳簿上の在庫データの精度が悪く、棚卸減耗が頻発すれば、以下のような悪影響を及ぼします。

  • 棚卸減耗が多発する=売上原価が正しく計算できない
  • 売上原価が正しく計算できない=粗利(売上総利益)がわからない
  • 粗利の予測ができない=営業利益・経常利益がわからない

すなわち会社として「利益がいくら出たのかがわからない」という経営的に危険な状態です。

なお実地棚卸のやり方には、3つのポイントがあります。こちらで解説しています。

実地棚卸の仕方を知る

実際に数えてみないとわからない、棚卸減耗が多発している場合は次のようなことが

考えられます。

  1. 出庫漏れ
  2. 品質低下
  3. 紛失
  4. 盗難
  5. 破損

出庫漏れ

出庫したのにその数量をシステムに記録していない場合に、棚卸減耗は起こります。

在庫管理は情物一致です。記録や処理は後回しにせずにすぐに実施するように心がけます。

「出庫漏れ」を防ぐための情物一致を学ぶ

品質低下

品質低下とは、食品の消費期限切れや金属製品の錆などの状態で、

もともと保証されていた品質が保証できなくなり、在庫として使用ができなくなった状態を指します。

<品質低下で棚卸減耗が起きるケース>

  • 品質低下のものを、現場判断で勝手に捨ててしまう。
  • または数えないで放置する。

品質低下が起こる原因は、ほとんどが発注の出し過ぎです。
需要予測よりも実需のほうが少なかった時に起こります。

需要予測の方法がわからない場合はこちら

または、「在庫に適した状態で保管されていない」ときも品質低下が早く進んでしまいます。

例えば、冷凍食品は冷凍庫で保管しなければ、すぐに解凍されてしまい、

そのまま置いておくと食べられなくなってしまうことと同じです。

紛失

紛失によって棚卸減耗が起きります。

あるはずだったものがその場からなくなっている状態です。
紛失が起こる原因は、5Sが徹底されていないときによく
起こります。

実地棚卸で見つけられず、紛失として計上したものが、
次の実地棚卸で見つかることもよくあります。

置き場が定められていなかったり、そもそも置き場が
設定されていないときに、このような状態が起こります。

まずは3Sを進めましょう。

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盗難

工場の倉庫から盗まれてしまった時も棚卸減耗として処理されます。

このようなことが起こる原因は、以下のケースです。

  • 倉庫が無人、またはカギがかかっておらず、セキュリティーに問題がある
  • 外部業者を自由に出入りできる環境にして、持ち去られてしまう
  • 海外では作業員が製品や部品を持ち出し、外で売ってお金に換えているというケースも

このような場合、倉庫に監視カメラを取り付ける、

または入場に守衛を置き、退場の際にチェックを行うなどして未然に防止することが重要です。

破損

運搬中や作業中に誤って、破損してしまうこともあります。

ある程度の破損や加工ミスは仕方ないですが、

頻繁に起こるような場合は、プロセス自体に問題があります。

例えば、以下のような問題が挙げられます。

  • つまづきやすい床になっている
  • 死角がある
  • 工場のレイアウトに問題がある
  • 作業手順を守っておらず毎回問題が発生する
  • 作業手順や設計自体に無理がある

棚卸減耗を無くすためには?

棚卸減耗を無くすためには、まず「どの商品や部品が棚卸減耗になっているかの原因を知ること」です。

原因を知る一番簡単で有効な方法は棚卸です。

在庫管理110番では、棚卸の実務経験をまとめて棚卸の精度とスピードを両方上げるための手順とノウハウを

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数日間かかっていた棚卸をわずか1日で終えることができるようになります。

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